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紅 kure-nai 学園の罠 中編1

/崩壊/


 きっかけは些細な事だった。
 紫は真九郎に授業参観の出席を願い出て、真九郎はそれを了承した。しかし、用事がありいけなくなってしまった。ただそれだの、よくある話だ。
 本来ならば我がままを言って了解をもぎ取るか、さもなければ泣き寝入りか。所詮その程度の事。大概の場合は不条理として処理され堪える事しかできない。紫も、そうなるはずだった。
 問題は、まだ7歳の紫にとって、それは天地が逆転するほどの衝撃だった事。そしてありえないはずの逃げ道が用意されていた事。
 生まれて初めて無条件の信頼を寄せる事ができた相手の裏切りは、少女の心を深く傷つけた。その絶望と言えば、簡単に他者に推し量れるものではなかっただろう。
 ゆえに、紫は心の隙間を埋めようと自分を納得させるだけの何かを必死に探した。そして、すぐに極上の逃げ道がある事に気づく。何もかもを忘れられて幸福に満たされる、自分は何もする必要がない逃げ道。
 快楽と言う逃げ道が、紫を楽園に見せかけた牢獄に誘っていた。

 学校が終わり放課後、旧校舎理科室で待つ菅原に、紫は体当たりをするように抱きついた。
「おや、どうしたのかね?」
 菅原の声はいつものように優しい。その事に、心のそこから安心する。
「ぐちゃぐちゃに、してほしい。全部忘れさせて欲しいんだ……」
「紫ちゃん……?」
 怪訝そうな言葉に紫は反応せず、かわりに片手でショーツとスカートを脱ぎ捨てた。僅かも濡れていない秘所を、菅原に押し当てる。
 本当のことを言えば、とてもそんな気分ではなかった。けど、もう逃れる場所がここしかないのだ。
「本当に、いいんだね?」
 紫は顔が見えないように小さく頷く。今の泣いているような顔は、見られたくなかった。
「服を全部脱いで」
 言われたとおりに服を全部脱ぐ。
 菅原は持っていたバッグから、何かを取り出した。それら全てが、紫に見た事がないものだ。
「今の顔は見られたくないのだろう。ほら、口をあけて」
 言われたとおりに丸いもの、ギャグボールを加えると、後ろで固定された。同じように目隠しもされて、紫は見る事も喋る事もできなくなる。
 次に紫の体にベルトのようなものが全身に取り付けられ、締め上げられる。両手は背中で固定され、足も自由に閉じられないようにパイプに固定される。その状態で、紫は机に押し倒された。
 肌が露出している胸や腹の部分が、妙に冷たく硬い。また足も届いておらず、中に浮いている。文字通り身動き一つ取れない状態の不安と言うのを、紫は初めて知った。
 尻の穴にねとねととしたものが塗りつけられる。今までは始まるたびにぐちゃぐちゃに濡れていたからローションを塗る必要はなかったが、今日は全く濡れていないために使われた。
「ふぅっ、うう、ふぁっ、あう」
 指が表面を撫でて柔らかくし、少しだけ進入する。ギャグボールで声を堪えられない紫は、一つ一つの行為に丁寧に反応し、口の端から喘ぎ声を漏らす。
 刺激は次第に激しくなり、どれほどもしないうちにぬぽぬぽと音がするほど激しく挿入される。
「まだ7歳なのに、随分な変態になってしまったね」
 先ほどまで乾ききっていた恥部は、しっとりと濡れ始めている。全く発情していない状態から僅かな時間でこれほど濡れるのは、変態になっている紛れもない証だ。
 ずるりとローションと腸液に塗れた指が引き抜かれ、アナルパールが差し込まれていく。菅原の陰茎を何度も飲み込んでいるアナルは、直径が大きいボールを苦もなく飲み込んでいく。
 一玉ごとにぷちゅぷちゅと音を立て、小さな尻がひくつく。この尻が僅か7歳の子供のものであると信じられる人間は、一体どれほどいるだろうか。
「んふぁ! おお、ああぁ……うああぁ!」
 普段は羞恥心に負けて出さないような声も、ギャグボールが全て吼えさせる事を強要する。未だに理性の残っている紫には、己の恥を自覚させる拷問のようにすら思えた。
 アナルパールがいれ終わる頃には、紫の腹はぽっこりと膨れるほどになっていた。それほどの量が無理なく入れられるほど、アナルと腸は性的に開発されている。事実アナルパールを挿入されているときに、何度か絶頂した。
 しかし、それほどの刺激があっても今日の紫は満足できない。もっと頭が完全に壊れるほど、それこそ今までの自分が全てなくなって新しい、自分ができるほどの快楽を欲していたのだから。
「うん、十分濡れたね」
 菅原の指が、紫の無毛の筋を撫でる。指の腹にそってねっとりと淫液が絡みつき、濃い臭いを発している。
 ぴったりと閉じた恥丘の中心、膣の入り口に冷たいものが押し当てられる。指ではない、多分金属だろう。感触からして今まで入れられたどんなものよりも細かった。

 普段ならば挿入される事に喜ぶか、細さに落胆していたが今の紫は怯えていた。なぜならば、初めて前の穴を使われようとしているからだ。
 数多の変態的な性経験をしていたにも関わらず、紫は未だ処女だった。それは菅原の配慮でもあったし、紫自身処女が大切なものだという程度の知識はあったので、そちらは求めなかったからだ。
 紫は自分の処女は、当然真九郎に奪われるものだと思っていた。それが無機質な棒で奪われるとなれば、恐怖に体が引きつるのも仕方ないだろう。
 しかし、そんな紫を察して、菅原は優しく頭を撫でながら言った。
「大丈夫だよ。これは処女膜を傷つけずに奥まで届かせる道具なんだ。無理やり紫ちゃんの処女を奪ったりしないから、安心しなさい」
 何の確証もない言葉に、紫は心から安心して体を脱力した。普段ならばたとえ本当でもそんな暴挙は許さなかっただろう。しかし、大きな心の隙間と快楽を欲する気持ちが、金属の棒を受け入れさせた。
 金属の棒は滑らかに紫の中に進入していく。菅原の言ったとおりに処女膜にはまったく傷をつけず、最奥の子宮口を突くまでたやすく挿入を許す。その代わりに、性的な刺激は極小で、紫を落胆させた。
「一応説明しておくとね、この道具は電気で君の肉を柔らかくする道具なんだ。いくら紫ちゃんが淫乱でも、膣の奥はまだ硬いだろうからね。それを今から、処女のままトロトロに柔らかくしてあげよう」
 何を、と疑問に思う暇すらなかった。菅原がスイッチを押すと、金属棒から微弱な電気が流れて膣全体を蹂躙する。
「んふぉおおおおおぉぉぉぉぉ!?」
「はしたない声だ。まるで獣の様だよ」
 下半身がびくびくと跳ねて、恥丘がくぱぁと開き中の処女膜すら開帳した。電気の為か痙攣を繰り返し、肉ヒダの一枚までもが震えている。
 手を離してもまっすぐ伸びていた金属棒が、今はやや下方に垂れ下がっていた。膣の奥はそれほど固かったのに、僅かな時間でそれほど柔らかくされたのだ。
「おおおぉおっぉ、ああああぁぁ!」
 紫の膣は、他者の数倍男を悦ばせる器官として存在している。しかし、それでもまだ7歳の子供なのだ。性交するために機能する訳がない。しかし、この調教で急速に、しかも強制的に女として開花させられた。
 女のしての器官は快楽を自覚すると、すぐに次の段階へと進化していく。男を受け入れるための女へ、そして雄に媚び蹂躙される為の雌へ。
 それは紫自身も同様だった。散々紫の体を弄び開発した菅原を、少しずつではあるが主と認めつつある。気の強い紫がそれを自覚するのはまだ時間がかかるとしても、体は半ば菅原を支配者と認識していた。
「どうだい、これが紫ちゃんの女だよ。ちょっと背中を押されただけでだらしなく愛液を垂れ流す、淫乱極まりない場所だ」
「ふぐうううぅぅぅ! うあ、きゅうううぅぅぅ!」
 金属棒が前後左右に動かされれば、紫の腰も自然と棒を追って振られる。先端が子宮口に押し当てられれば、体をつんのめらせてがくがくと震えた。
 電気で緩んだのか、それとも快楽のためか、紫の陰部は開ききってごぽごぽと愛液を垂れ流す。未通女とは思えないほどの伸縮性を見せ、金属棒が動く範囲がどんどん広がっていく。
 金属棒がGスポットに触れると、紫の体が一際大きく跳ねて尿道から白濁した液体を吐いた。
「んふぁああああぁぁぁぁぁぁ!」
 絶頂してもなおGスポットに押し付けられる金属棒。電気は尿道口にまで伝わり、紫が今まで必死に耐えてきた放尿を誘発する。
「ふうううぅぅうぅ! ああああ、いあああぁぁぁ!」
 首を振りながら拒否するも、菅原はそれを許さなかった。紫の努力を嘲笑うかのように電気棒を強くGスポットに当てて、粗相を促す。
 ちょろちょろと勢いのない尿が床に落ちて、愛液や潮と混ざり合い異臭を放つ。紫は情けなさに泣いたが、菅原はそれを許さなかった。
「ほら、元気がなくなってきたよ。快楽だけを受け入れて、恥も理性も捨ててしまいなさい」
「ぅあ、お、お、おううぅ! ああ、っふう、うあ!」
 アナルパールが少しずつ引き抜かれ、クリトリスも刺激される。巨大なボールが肛門を引っ張り、脱肛するほど内側からえぐる。開ききったアナルはボールが出るとすぐに限界まで閉じて、また最高の快楽を味わおうとする。
 クリトリスは皮をどけるまでもなく花開き、今か今かと刺激を待ち望んでいた。指先で触れるだけでも軽く絶頂できるそれを、両側から挟まれる。すぐに白濁液が撒き散らされ、それが連続して続く。
「ひゅぐううぅぅ! こわいぇ、こわいぇふぅ! わらひぃ、ほかじ……なふぅ!」
「いいじゃあないか。壊れたくてここに来たのだろう。しっかり変えてあげるから心配する事はない。君はただ、受け入れるだけでいいんだ」

 菅原の激しい責めにも、雌になった少女は僅かも苦痛を感じなかった。アナルとクリトリスへの刺激から体を縛るベルトの窮屈さ、果ては息苦しさまでもが快楽として認識できる、恐ろしく高度な性奴隷だ。
 もう何度目か数えるのも馬鹿馬鹿しい絶頂の後、菅原は紫の陰部を確認した。そこは奥行きはともかく、穴の広さは大人のものすらくわえ込めそうなほど開発されている。雌穴として完成されたと言っていいだろう。
 金属棒とアナルパールが引き抜かれると、雌はまた潮を噴く。ギャグボールを取り去って、淫乱な少女が落ち着くのを待った。
 激しい動悸が収まり、やがて呼吸も落ち着いてくる。思考も幾分かは回復しただろう。それを見計らって、菅原は一つ命令を下した。
「おしっこを漏らしなさい」
「ぁ……はい」
 紫は主の言葉に従順に従い、勢いよく尿を排泄した。殆ど出されていたのか、放尿はすぐに止まってしまう。しかし、菅原はその行為に満足した。
 あれだけ嫌がっていた放尿を、今は命令一つで実行するようになっている。つまり菅原の命は、羞恥心や嫌悪感に勝っているという事だ。この少女は今、九鳳院紫ではない。例えこの瞬間だけだとしても、哀れな愛玩人形だ。
 そして、菅原にとってこの瞬間奴隷である事が大事なのだ。他者の命令を、自ら望むという形に変更できるのだから。
 ズボンのファスナーを下ろし、紫の股間に擦り付ける。肉棒の快楽をよく知る紫が感じたのは、間違いなく喜びだろう。幼い割れ目からクリトリスまで巻き込み、ゆっくりと前後させて肉棒の存在を刷り込む。
「紫ちゃん、私のこれで、君の処女を貰っていいかな?」
 びくん、と紫の体が跳ねる。それが快楽のためか、それとも処女と言う単語のためかは、彼女自身にすら分からなかった。
「もちろん紫ちゃんが嫌なら私はしない。そして、今日はもう終わりにする。しかし、今の君ならば処女でもしっかり感じられるだろう。なにより私が入れたいのだ。入れさせてくれるね?」
 紫の頭に、真九郎の顔が思い浮かんだ。しかしそれは一瞬で考慮に値しないと判断され、かき消される。残ったのは挿入される事による快楽と支配だった。
「はい。先生の、大きいので、わたしの処女を貰ってください」
「分かったよ。私が紫ちゃんの初めてを受け取ってあげよう。これで君は、立派な女だ」
 ずぷり、と紫に肉棒が突き刺さる。ぷちんという音が体の中から響き、痛みが脳を突き刺した。鋭い苦痛に歯を食いしばるが、それは一瞬の事だとすぐに知る。
 電気によって強制的に媚肉と化した膣は、信じられないほどの快楽を受け取っていた。思考が理性もろとも崩壊し、常識の埒外の法悦がなだれ込んでくる。
 膣が自分を侵略している陰茎を、きゅるきゅると隙間なく張り付く。初めての相手を忘れないように、自分を支配する相手を忘れないように。自分はこれで、雌になったのだと。
「ふああぁぁ、んんっ! これが、わたしの……」
「そうだよ。紫ちゃんはこれのものになったんだ。しっかりと味を覚えなさい」
 ずぷっ、ずぷっ、とゆっくり挿入が開始される。少女がくわえ込める大きさではないと言うのに、幼丘はぎちぎちに開かれながらも受け入れいている。
 初めてのセックスで余裕がない筈なのに、紫の膣は貪欲だった。肉ヒダの一つ一つが陰茎の血管一筋すら逃さずに、支配者を記憶する。
 だからと言って快楽を蔑ろにしているわけではなく、しっかりと男が感じるように内部は蠢いている。カリ首の裏側までねっとりと張り付いて、嘗め回すように媚肉の存在を主張した。
 紫の中は名器という言葉すら生ぬるく、正に男に奉仕するためにあると言っても過言ではない。膣はもはや子孫を残すための延長上に配置されるものではなく、純粋に雌として雄に貫かれるためにあった。
 決して男に逆らえず男に奉仕するための雌、それが九鳳院の女だ。自由を求めた誇り高い九鳳院紫も例外ではない、ただそれだけの話だった。
「ふああぁぁ、もっと……もっとぉ! お尻にも、ほしいぃ!」
「本当に貪欲だね」
 アナルに差し込まれたのは、アナルパールではなく金属棒の方だった。子宮口を媚肉ごしに突き刺され、電気が流れる。きゅっと閉じていた肛門がぱっくり開き、腸壁が丸見えだ。
 子宮口を亀頭で持ち上げながらえぐられ、さらに電気で解される。紫は涎を垂らしながら、快楽に喘ぎ続けていた。この姿を見て、誰が7歳で初体験だと思えるだろう。
「すご、しゅぎるぅ! きゅうううぅぅぅ! もっとぉ! はぁ、はぁ……。もっと、欲しいんだ!」
「随分と、飼いならされてきたね」

 菅原の緩やかだった腰の動きはしだいに激しくなり、処女を喪失したばかりの相手には容赦がなさすぎるまでになった。それすら当然と言わんばかりに紫は快楽を得て、膣はより激しく萎縮する。
「ひゅうぅ、ああああぁぁ! うあぁ! はううぅ! きゅううぅぅ!」
「おや、もう喋る余裕もないか」
 内ももは淫液で濡れていない場所がないほど溢れ、もう足首にまで達している。汗をかいた背中に長い髪が張り付き、この幼さではありえない色気が漂う。まるで性を集めて凝縮したような少女だ。
 金属棒が引き抜かれ、代わりにアナルパールが入れられる。紫の肉は大きな玉と肉棒で、ごりごりすりつぶされた。
 菅原は紫の小さく軽い体を持ち上げて、椅子に座る。ごすり、という鈍い音と共に、紫の子宮口は子宮を潰さん勢いで串刺しにされた。
「ぎゅ! ふうううぅぅああぁぁぁああぁ!」
 性交というには暴力的に過ぎる行為、それすら紫には快楽にしか感じない。勢いは膣と共に腸すら穿って、深い絶頂を脳に刻み付ける。潮がぷしぷしと吐き出され、体全体が痙攣した。
「これでも快楽を得られるか。本当に凄いね」
「ぅあ! ぎゅう! ふえぇ!」
 紫の体は持ち上げられては落とされ、その度に絶頂する。潮が連続で吐き出され続け、床に白濁の水溜りができた。
 女の調教を生業とする菅原も、性奴隷となるために生まれた九鳳院の女相手には分が悪かった。具合が良すぎる紫の膣に攻め立てられ続け、ついに限界が訪れる。
「私ももう射精するよ。もちろん君の中にだ。かまわないよね?」
「うあ! ほ、しい! なか……ふあああぁ! わたしの、なかあああぁぁぁ! いっぱいに、してぇ! ひゅううぅぅぅ!」
 紫は全く拒絶する様子を見せない。本能でかそうでないのか、むしろ子宮を征服される事を望んでいた。
「これで、今日から新しい九鳳院紫だ」
 腸をまるまる制圧していたアナルパールが、思い切り引き抜かれた。同時に紫の体は落とされ、子宮口と亀頭が熱烈なキスを交わす。子宮口は僅かにだが開き、出される精液を飲み込んでいく。
「ふあああぁぁぁ! あっ……うああああぁぁ! イくううぅぅぅぅ!」
 それは、本当に紫にとって始めての体験だった。射精ならば、何度も腸内にされた事がある。しかし、この熱と衝撃は、子宮を満たされる圧迫感は次元が違うものだった。
 理性ではなく本能で、精液が喜ばしいものであると悟る。今まで喜びだと感じていた何もかもが馬鹿らしくなる、九鳳院紫という雌にとっての究極の悦びだ。これがなくては生きていけないとすら思える。
「はぁ……ふぅ……せいえき……さいこうだ……」
「うむ、よく理解したね。頑張ったよ」
 菅原の手が、紫の頭を撫でる。それは人間に対して行うものではなく、家畜に対して行うような手つきだ。しかし紫は、そのご褒美にえもいわれぬ幸福感を感じていた。
「君は今日一日で随分可愛くなったよ。可愛い、お人形にね」
 自分という人格を排除される事、他者の支配を受ける事は、紫にとって忌避すべきだったはずだ。なのに、菅原の支配を当然と受けている自分が不思議でしかたなかった。
 紫の目隠しが外される。視線を上げて見る菅原の顔は、初めて見る他人のように思えた。
 寄せられる菅原の顔。紫は自然と唇を合わせる。生涯で真九郎にしか許さないと思っていた唇をあっさりと許し、口内を舐る舌に自分から舌を這わせた。
 長いディープキスを終えて、菅原の口が離される。紫は犯された唇で、自然と言葉にした。
「ありがとうございました」
 何に感謝したのか、自分でも判らない。ただこうする事が、とても当たり前の事だと思ったから言ったのだ。
 今日一日で、随分嫌っていた事を拒絶できなくなった。自分がどう代わったのか、紫には認識できなかった。
 ただ、下腹部に感じる熱い精液の幸福感だけを信じて味わい続ける。

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