大きなもみの木の上で(その14)
- 2006/08/15
- 07:36
「藤井、くん?」 不意に後ろから声をかけられた。 振り返って見ると、そこには 「渡部…さん?」 体操服姿の渡部さんがいた。 首に巻いたタオルと少し息が上がっているところを見ると、 どうやら自主トレの途中のようだ。...
大きなもみの木の上で(その13)
- 2006/08/15
- 07:35
(もし、この光景をビデオに撮ってあるって万理子に言ったら…?) 万理子、泣くかな。 どんなことでもするから、誰にも言わないで、って言うかな。...
大きなもみの木の上で(その12)
- 2006/08/14
- 07:42
仲村万理子の自宅。 その庭にあるもみの木の上で、僕はその瞬間を待っていた。 下着姿で恥ずかしいポーズを取ろうとしている万理子。 それは、賭けの代償だ。 万理子は亮との賭けに負けたから、 今からそれをしなくてはならない。...
大きなもみの木の上で(その9)
- 2006/08/13
- 09:27
ひとしきり泣いた後… 僕は姉さんに今までのことを吐露していた。 亮と万理子がお隣通しになったこと。 万理子と仲良くなろうと色々画策したこと。 山での亮と万理子の情事のことは…転んだ拍子にキスしてしまった…に変更はしたが。...
大きなもみの木の上で(その8)
- 2006/08/13
- 09:25
きっと、噛んだのはただのシマヘビか何かなんだろう。 毒蛇だったら、こうして30分近くもあんなことしていられるわけが無い。 万里子は今、アソコのすぐ近くで蠢く亮の口撃に、目いっぱいじらされながら…高ぶっているんだ。...
大きなもみの木の上で(その7)
- 2006/08/13
- 09:23
「あ、危ない、藤井君!」 「え、ごふっ!!」 渡部さんの叫び声が聞こえた瞬間、目の前が真っ暗になった。 と同時に煌めくお星様。 前方不注意。 僕は真正面から木に激突してしまった。 「…ゃあっ!…井君、藤…君!!」 渡部さんが僕呼んでる気がするけど、意識が急速に遠のいているので、わからな、い…...
大きなもみの木の上で(その6)
- 2006/08/12
- 08:52
8月5日 (晴れ) 今日は亮くんと万理子ちゃんと渡部さんと4人で 遊びに行きました。 みんなで泳ぎました。 魚を取って、焼いて食べました。 とてもおいしかったです。...
大きなもみの木の上で(その5)
- 2006/08/12
- 08:50
そのページからは、不思議とかつて見たポップアップ広告のような いやらしさ、親父臭さは微塵も感じなかった。 裸で水遊びを楽しむ人々からは、楽しそうな雰囲気しか伝わってこない。 僕は何かに取り憑くかれたかのようにページの閲覧を開始した…...
大きなもみの木の上で(その4)
- 2006/08/12
- 08:49
「どうしたの? ぼーっとしちゃって」 もみの木をカットして出来たスペースに据え付けられた展望台。 昔の思い出に浸っていた僕に、上から話しかける誰かがいた。 「あ…」 いつの間に上の枝に登ったのだろう。 枝の隙間から差し込む光が、彼女の身体をスクリーンに幾重もの模様を描く。...
大きなもみの木の上で(その3)
- 2006/08/11
- 15:09
「おーーーーっす!!健二、学校行こうぜーーーーーっ!!」 いつものように、亮が僕を迎えに来た。 今日も朝から元気一杯だな、お前… こっちは寝不足だというのに(自業自得)。...
大きなもみの木の上で(その2)
- 2006/08/11
- 15:06
放課後、僕と亮と仲村さんは三人一緒に帰っていた。 「わははは!お前にしては中々の変身っぷりだったぞ健二」 亮が僕の肩をばんばんと叩きながらそんなことを言ってくる。...
大きなもみの木の上で(その1)
- 2006/08/11
- 15:03
大きなもみの木がある、万里子の家の庭。 そこが僕達のいつもの遊び場だ。 「健ちゃん、亮くん、アイスクリーム食べよう」 「おわっ、英語だよ。英語のアイスクリームだよ!凄ぇよな健二!」 「おちつけよ亮。英語でもアイスはアイスだぞ?」 万里子の親父さんは外交官をしている。...