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その男、昏睡中につき(15 最終章)

俺は英子の部屋でこの夏から今日までの出来事を順を追って説明された。
話を聞きながら自分の顔が青ざめていくのを感じた。
冷や汗も流れているのが分かる。
俺は、つい先ほどまで信じていた山本が英子をレイプしたということが信じられなかった。
そ、そんな、親友だと思っていた山本が英子をレイプした・・・

「あ、あいつ、休み明けのゼミで俺と話した時に英子と付き合っていると
俺に断言していたけど、あれはでたらめか?」
「・・・あの人、頭おかしいよ」
「えっ、あぁ、あいつ、ちょっと変わっているけども」
英子の話がいまいち信じられない俺はいまだに山本の肩を持とうとしていた。


「変わっているどころじゃないわよ!狂っているわよ!」
英子は再びヒステリックになってきた。
俺は正直少々うんざりしていた。こんな時間に呼び出されて少々被害妄想
気味な英子の話を聞くのはつらかった。
確かに、別荘の帰りに英子は山本に無理やり襲われたのかもしれない。
しかし、それは山本が何もしないからとか言う言葉を信じてのこのこと
ラブホについていった英子の責任でもある。
ホテルに入って何もしない男がいるわけがない・・・


やられてしまったという事実はかわいそうだとは思う。
しかし、少々強引だったかもしれないが、英子のそれはレイプでとは言わないと俺は思った。
それに、もしかしたら、英子被害妄想がこうじて精神病になってしまったのでは?
はっきり言って今の英子の姿は病気そのものだった。
知らない人が見たら精神を病んでいると思うだろう。実際俺も英子の変わり様には驚いた。


それに、英子はモトカノとは言え、今では俺の心は美香にあり、夜のこんな遅くまで
愚痴のような話を聞かされて疲れていた。
普段なら既に寝ている時間帯である。ここまで聞き出すのにかなりの時間を要していた。
じきに夜も明けるだろう・・・


「で、でも、山本は何で急に寝むってしまったんだ?」
俺は疑問を口にした。
「ま、まさか・・・英子・・・」
「そうよ、秀樹の思っているとおりよ」
「お、おい、いくらなんでもやりすぎじゃないか・・・」
ここまでやるとは・・・英子のほうが狂っている。
俺はそう思った。
「お、おい、悪い事は言わない、医者に見てもらったほうがいいんじゃないか?」


「なんで、そんな事言うのよ!」英子は再び狂乱するように言った。
「だって、睡眠薬盛るだなんて、お前どうにかしてるぞ!」
「しかも、山本に酒まで飲ませたんだろ」
「常識で考えろよ、酒と睡眠薬一緒に飲んだらどうなんだよ!」


「医者も言っていたんだろ、睡眠薬と酒を一緒に服用すると危ないと」
「だって、効くかどうかなんか分からなかったからよ」
「・・・」俺は黙り込んだ。やはり、英子はどうかしてる。
「そんな顔しないでよ、まだ、私のこと疑っているでしょ」
「別に、疑うとかそんなんじゃないよ」
俺はもう、どうでもよくなった。疲れたし、眠い。
それに今、俺が愛しているのは美香だった。


「ごめん、もう朝になるし・・・俺、親に何も言わずに出てきたからやばいよ」
「車で来てるし、うちの親が厳しいのは知ってんだろ」
「英子が酷い眼にあったことはかわいそうだと思うよ、でも、離れていったのは
英子のほうだろ」
「確かに、酔っていたとは言え美香と寝てしまった事はすまないと思ってるよ」
「でも、もう、今は、俺、好きなのは美香なんだよ」
俺は一気にまくし立てた。


「・・・」
英子は顔を真っ青にしてぶるぶると震えていた。
俺は少々言い過ぎてしまったかと思ったが、英子に変に気を持たせてもいけないし、
いずれは告げなくてはならないことなら早いほうがいいと思った。
確かに、俺は英子の事を愛していた。
しかし、今では違う。俺が愛していたのは村上だった。

「・・・」
「・・・」
お互いにらみ合うようにしばらく口を開かなかった。
英子もつらいだろうが俺も非常につらい。
俺は英子とやり直したくて必死にコンタクトを取ろうとしていた。
しかし、携帯は着信拒否にされる、部屋を訪ねても留守にしている。
そして最後には合鍵も変えられてしまった。
俺は英子に連絡のとりようがなくなっていた。



そんな中で、休み明けに山本に英子との仲を取り直してもらおうと思い、
やつに仲直りの申し入れをしたところ英子と付き合っていると告げられた。
当然俺は落ち込み、次第に村上との付き合いにのめり込んでいった。
村上は非常に俺につくしてくれた。今まで付き合っていた英子が何も
してくれなかったのに対し村上は何から何まで面倒を見てくれた。
村上はとても人には聞かせられないような過去も打ち明けてくれた。
次第に俺は村上の事を心から愛するようになっていた。
今、俺の事を心底信頼してくれているのは村上だ。
俺の事を心底愛してくれているのはまぎれもなく村上だった。


はじめのうちは鶏がらなどと呼んで侮蔑をしていたが、最近ではボディーボードも
やめて色黒に焼けた肌や肌荒れも回復しつつあった。
そして海に行くのをやめて以来筋肉質だった体型も徐々に丸みを増して女らしくなってきていた。
さすがに、いきなり体型が変わるわけがないが、今では以前ほどカラスや鶏がらを
イメージしなくなってきていた。
村上は外見を努力して俺の好みに合わせてくれようとしていた。
性格は付き合ってみたら思っていた以上だった。
今では、村上以外の女は全く考えられなかった。


「これを見てもそんなことまだ言っていられるの・・・」
英子は強張った表情のまま引出しの中から何か取り出してきた。
俺にはその動作がスローモーションのように非常にゆっくりと感じられた。
「な、なんだよ、それは・・・」
俺は英子の手にあるものに目をやった。


英子の手には白い小さな紙袋が乗せられていた。
「それが一体なんなんだよ・・・」
「手にとって見れば分かるわよ」
俺は恐る恐るそれを手にとって見た。
そのものが恐かったわけではなく、英子の表情が異常でそちらのほうに恐れをなしていた。

「こ、これは、さっき英子が言っていた山本が隠し持っていた睡眠薬か?」
「そう・・・」
「別に、こんなもん見たからっておどろかねぇよ。山本が英子の事眠らせようと
して睡眠薬を盛っていたんだろ?」
「悪いけど、もう、英子と山本の事に俺の事巻き込まないでくれよ」
「警察にでもなんにでも行って訴えてくればいいだろ」


「じゃ、これを見て!」英子は再びヒステリックになっていた。
そう言って英子は自分のパソコンを立ち上げた。
俺には、その時間がやけに長く感じられた。
疲れもピークに達していた。
英子は一体何を考えているのだろうか?
俺はもう、英子とは切れて村上と付き合っている、
もう関係のないことに巻き込まれたくない。


英子はCDRを取り出してウインドウを開き、その中の画像を開いた・・・
それは英子の裸の画像であった・・・
「なっなんだよ、これは・・・」
「山本が持っていたのよ」
「だからって、なんで俺にこんなもん見せつけんだよ・・・」
俺は少々動揺していた。


「他にもあるから全部見てから言ってよ」
英子は涙目になりながら言った。
画像を一つづつゆっくりと開いていく。
英子の裸の画像がたくさん現れた。
そのうちに、英子の局部に男のモノが挿入されている画像も出てきた。
おそらく、山本のものだろう。
俺は正直言って見ていられなかった。


いくら分かれたとはいえ付き合っていた女のハメドリ画像
など直視できるものではなかった。
しかし、英子はかまわずにどんどん画像を開いていった。
次第に射精しているシーンも出てきた。
英子の中に出している画像、そして、腹の上や胸に、顔に
かけている画像が出てきた。


「なに考えてんだよ、こんなもん俺に見せて!」
俺ははっきり言って吐き気をもよおしていた。
こんな画像を見せ付けられてまともでいられる奴などいるのだろうか?
「最後まで黙って見ていてよ!」
英子は怒鳴りつけた。


俺は再び画面に眼をやった。
英子の顔シャのアップになった・・・
目は半開きで口はだらしなく開いていた。
「この次よ・・・」
英子はゆっくりとアイコンをクリックした。
「あっ!!!」
俺は我が眼を疑った・・・


そこには、俺が写っていた。
やはりだらしなく開いた口がまるで死人のような顔をしていた。
それだけでなく、俺は英子と二人並んで撮影されていた・・・
そしてその写真は紛れもなく、うちの別荘で撮影されたものに
間違いがなかった・・・


「なっ、なんなんだよこの画像は!何でこんな写真があるんだよ!」
俺は絶句した。
訳がわからなかった。
俺と英子は間違いなく、うちの別荘の俺と英子が停まった部屋のベッドに
二人並んで寝ているところを撮影されていた。
もちろん、2人とも全裸であった。


「ま、前の画像も・・・」
俺は震える手で英子の手からマウスを奪うと先ほどの画像をもう一度確認してみた。
英子のハメドリ画像に写っているシーツも俺と英子が並んで写っている写真のものと
一致していた。
どこにでもあるようなシーツであったため、はじめのうちはそれが、うちの別荘の
ベッドのものとは気がつかなかった。
しかし、英子が山本に犯されている写真は間違いなく、別荘のベッドの上でのことだった。

「まっ、まさか、あいつが・・・」
俺は衝撃と寒気で額から脂汗が流れ出ていた。
「お、俺も、やつにはめられたのか・・・」
「あ、あいつ、あん時に、酒に睡眠薬を仕込んでやがったのか?・・・」
「俺、だまされていたのか・・・」

「じゃ、お、おれ・・・まだ英子となまでやってなかったのか?」
「なかだししたのは俺じゃなかったのか?」
俺は急に憎しみがこみ上げてきた。
親友だと思っていた山本が俺たちの酒に睡眠薬を仕込んで
俺の大切な英子を強姦していただなんて・・・
それに、こんな写真まで撮影していたとは・・・


「え、英子、英子・・・」
俺は我慢できなくなって英子を抱きしめた。
「ご、ごめん、ごめん・・・」
俺は英子の事が好きだ!たまらなく好きだ!
英子が大切だ!許してくれ!
頭の中は混乱していた。俺は心の底から英子にすまないと思った。


英子は俺がはじめての相手だった。
俺は、英子と将来を共にしてもいいかなと思った時もあった。
その英子が山本みたいな卑劣な野郎にレイプされてしまった・・・
俺が守ってやらなけりゃならなかったのに、
俺がささえてやらなきゃ何もできなかった英子が・・・
俺がついていながら・・・


「ごめん、ごめん・・・」
俺の口からはそれしか出てこなかった。
いろいろと言ってやりたかったけれども声にだして言えなかった。
つらかっただろう、ゆるしてくれな。
心の中ではいろいろな思いが込み上げてくるが声にならない。
いつしか俺の目は涙でぐしょぐしょになり
喉から出てくるのも嗚咽のみであった・・・


俺と英子は抱きあったまま泣いていた。
いくら泣いても泣き尽くせないほどせつなく悲しい思いが溢れ出てきた。
殺してやる!生かしておく事はできない!
俺の心の中には山本に対する殺意が芽生えた。
死体さえ見つからなければ、あんな野郎が独り行方不明になろうが捜査など
されるわけがない。
あいつを殺して夜のうちに別荘の庭の地中深くに埋めてしまえば見つかりっこない。
念入りに深い穴をほってセメントで固めてしまえば大丈夫だ!
俺は真剣にそう思った。


「あの野郎生かしておけない」
俺はようやくの思いで声に出した。
「まだ、他にも画像があるんだろ!」
俺は殺気立って英子に言った。
「あるけれども・・・見ないほうがいい・・・」
英子は怒る俺に恐れをだいたのかそんなことを言った。


俺は静止する英子にかまわず画像を開いた。
再び俺と英子が寝ている写真などがクローズされたりひいて撮っていたりなどの写真が続いた。
その後、村上の画像も現れた。
「うっ・・・」
やはり眠った村上の裸の写真だった。
この時、英子に対する愛しさと村上に対する愛情が交叉した。
英子は村上の写真を見ることにより俺の心が村上に戻るのを恐れていたのか?


そんなことを考えもしたが、村上の画像が出てきた事で俺は薄々感づいた。
村上との事件もやつがでっち上げたのか・・・
俺は深く呼吸をすると、続く画像を開いた。
そこにはやはり思ったとおり奴が村上を犯している画像が続いた。
この時は、奴は村上になかだしを1回やっただけでハメドリは終わっていた。
その後は英子の時と同様に俺と村上を並べて寝かせた上で撮影をしている。


やはり、英子と別れる原因となった村上との事件も奴のでっちあげ
ということが判明した。
あの野郎!俺は真剣に奴に対して殺意を覚えた。
この画像を見るかぎり、俺も英子も村上も被害者である。
加害者はたった一人、山本だけである。


「ねぇ、もう、終わりにしておきなよ」
英子は再び俺を制止しようとした。
しかし、全てを見なければ気がすまなかった。
これ以上の衝撃はもうないだろう。
奴のやらかした悪行を全て見届けなくては気がすまなかった。
俺は画像をさらに開いた。


「うっ・・・」
そこには信じられない画像があった・・・
俺は我が眼を疑った・・・
奴は一体何を考えてこんな写真を撮影したのだろうか?
奴は正常な人間じゃない・・・


そこには、俺のちんちんをくわえている山本の画像があった。
一体、この画像の意味している事はなんであろうか?
次の画像では奴がVサインをしながら俺のモノをくわえていた。
これは俺に対する勝利を焼き付けるために撮ったものだろうか?
俺は血の気がひいていくのを感じた。


次の画像ではこともあろうか、奴が俺の半開きの口に汚いちんちんを
押し込んで撮っていた。
俺の口に押し込もうとしている写真はその一枚のみであった。
しかし、次の写真は俺にとっては死にたくなるほどの衝撃であった。


奴は半開きの俺の口の中に精液を射精していた・・・
奴が何のためにこんな事をしたのか分からない。
理解できなかった。
隣にいる英子も顔が青ざめていた。
俺の体は小刻みに震え、吐き気をもよおしていた。

次の写真は精液まみれになった口元をアップに撮影した写真・・・
次はそれをひいて撮った写真・・・
俺は、今でも奴の精液が口の中に残っているような気がしてたまらなかった。
画像を見てから、まだ唾液を飲み込んでいないことに気がついた。
気持ち悪い。もはやそれを通り越していた。


さすがに奴は肛門にぶち込む事まではしなかったようだ。
いくらなんでも、そこまでやったらばれると思ったのか、
それとも撮影はしなかったのか、撮影はしたがこのCDRに
焼き付けなかったのかは分からない。
しかし、肛門は無事だと俺は信じている。
というよりも絶対にやられていないと信じている。


それで、画像は終わっていた。
これで、奴がまともな人間では無いと言うのがよく分かった。
酒に睡眠薬をしこんだだけでなく、英子をレイプして画像として
残しておき、さらに、裸の俺と英子を並べて撮影するあたりが
奴の異常さを物語っている。
それどころか、自分の彼女を昏睡レイプしその後、再び俺と並べて
撮影し、俺に罪をかぶせたり、俺のちんちんをくわえたり
俺の口の中に射精したりなど通常の人間の考える行為ではない。


俺は、この時、既に冷静さを失っていた。
昏睡中に英子が山本にレイプされた事もさることながら
俺自身もおもちゃにされていたことに憎しみを抱いた。
村上をレイプした事を俺の仕業に見せかけようとしたことにも
腹を立てた。


俺と英子はとりあえず山本に話をつけるため山本の家に行くことにした
俺は一度山本の家に行ったことがあるので場所はわかっていた
英子を自慢のサニーに乗せ山本の町まで急行した
山本の家に近付くにつれさっきから同じ看板が目につく
その看板とは「山本家葬式」という道案内だった
俺は同性の別家庭だと思った
山本の家につくと、本当に奴の家で葬式をしていた
ふと、喪服の人が通ったので誰のか聞いてみる
「山本さんの一人息子がベッドで急死したそうですよ」
俺と英子は唖然とした
そう山本に英子が与えた薬は致死量に達していた~終~

その時、インターホンがなった。
「えっ?こんな時間に一体誰だろうか?」
俺は言った。
ふと窓の外を見ると空は明るんでいた。
いつのまにか、夜は明けていた。


「えっ・・・こんなに早い時間に・・・」
確かに、初冬とはいえ夜は明けていたがまだ人が尋ねてくるには早い時間だった。
英子は少々不安そうな顔をしていた。


インターホーンから訪問者が信じられない言葉を口にした。

「警察です、こちらは佐伯英子さんのお宅ですね」
俺と英子は体が凍りつくくらい衝撃を受けた。
「はっ、はっい・・・」
英子は声にならない返事をした。
いったい警察が何故?こんなに早い時間に・・・


俺はもしや、山本の身になにかあったのではないかと感じた。
睡眠薬と酒を一緒に摂取したため命を落としたとか・・・
しかし、英子が山本に薬を盛った事を知っているのは英子だけである。
万が一、山本が命を落としたとしても調査するのに何日もかかるはずだ。


たとえ、奴が死んだとしてもそれは自業自得である。
英子や俺、村上にこんな酷い事をしているのだ。
この山本の部屋にあった、睡眠薬とCDRが動かぬ証拠になるだろう。
これらが物証の決め手になる。
あんなやつ、死んで当然の奴だ。

何がなんだか訳がわからぬうちに警察は英子の部屋の玄関にまで来た。
この時、俺はこの現場に居合わせたが、極度の緊張のため実際にあったことが
まるで夢のような感じがした。
先ず、警察は朝早くの訪問を詫びた。


まず、英子に対して傷害と窃盗で被害届が出ていると捜査官は言った。
俺は、耳を疑った。何故、何故英子が訴えられるのだと・・・
つきましては、重要参考人として署にご同行願いたいと。
捜査官は俺にキミは彼女の同居人かと聞いたが、
俺は「いいえ」としか答える事ができなかった。

捜査官の説明によると、夜、山本の父親が帰ってくると、息子が部屋で寝ていたが、
どうやら様子がおかしい事に気がついた。
酒を飲んで酔っているようだが、様子が変だと。
脈をとったり瞳孔を調べた結果、薬物を使用しているものと思った。
息子が薬物を乱用したとなると仕事にも都合が悪いため、様子を見ていたところ
山本が意識を取り戻したので事情を詰問したところ、
飲酒しながら英子の料理を食べたら意識を失ったと。
山本はとっさに、部屋を調べて無くなっているものがあると父親に言った。


それを聞いた山本の父親が被害届を警察に出したらしい。
山本はその足で、病院に連れられていき薬物検査を受けたそうだ。
その結果、睡眠薬が検出されたと。

あくまでも、任意同行をお願いするが、断ってもよいとの事だった。
断った場合は後刻逮捕状をとることもあるとのことであった。


英子は力なく同行すると言った。
確かに、英子は山本に薬を盛り、山本の部屋から奴のものを
勝手に持ち出していたことは事実だったからだ。
警察は、俺に、英子が同行する事になったので、
キミは帰ったほうがいいと言った。
俺は黙ってその言葉に従った。

その後、英子は警察に山本にレイプされたことを告げ、その際に撮影された
写真などを破棄するためにCDR等を持ち帰ったと。
しかし、日本は法治国家のため、自力救済は法制度上認められていない。
英子のやった事は犯罪になるといわれたそうである。

この後、山本の悪行がだんだんと明らかになるにつれ、
山本の父は英子に対する訴えを取り下げ、
山本を心神喪失状態にあったということで緊急入院させてしまった。
そして、山本の父は英子と村上と俺に対して和解の申し入れをしてきた。


俺は、山本の行為は断じて許しがたいと思ったが、
英子は大袈裟にしたくないと言って和解してしまった。
英子の場合は、山本に対して傷害罪と窃盗、器物損壊などの疑いもあったからだ。
そして、村上の場合も、当時、山本と付き合っていた事もあったし、準強姦罪で
告訴する事も可能であったが結局和解した。


俺の場合は山本の事を強制わいせつ罪で告訴する事も可能であったが、
その際、英子や村上にも精神的な負担がかかる事、
肝心の山本が心神喪失で無罪になる可能性が高いと弁護士に言われたため
公訴で争っても奴が有罪判決を受ける可能性が低い事からあきらめることにした。
たとえ、山本が心神喪失でなくても山本の父親の影響力でそのように
鑑定される事は容易に想像できた。


和解の内容は簡単なものであった。
俺の場合は、山本の俺に対する行為を
刑事上も民事上も訴える権利を放棄するというものであった。
その対価として、和解金と慰謝料を受け取った。
俺の場合でもかなりの額であった。


実際に山本の様子がおかしかったのは今考えると思い当たる節もある。
また、後で知ったのだが、山本の母親は現在精神病で入退院を
くりかえしているようである。
数年前から精神を病んでいるようで、山本の母の不在が多かったのも
それが理由であった。
山本が昏睡レイプに利用した睡眠薬も、山本の母に処方されたものだった。


俺は、自分の怒りよりも村上の気持ちのほうを優先させた。
その結果、上記のような結論にたどり着いた。
当然、英子の気持ちも考えた。
こんな、惨劇は早く忘れてしまったほうが彼女のためでもある。
裁判にかかる精神的プレッシャーを考えるとこれ以上の追求は
しないほうがいいと判断した。

そして俺は和解調書に署名捺印した。
もう、これで山本を犯罪者として追及することはできなくなった。
果たしてこれでよかったのだろうか?
山本の父は、最期の俺との和解がすむと、本当に申し訳なさそうに俺に謝った。


山本の父は非常に立派な人だった。
自分の息子の不始末のため、その職を辞任し
俺たちにたいしてお詫びの行脚を毎日のように続けた。

この時、俺は既に英子とは何も接触していなかった。
もし、あの時、俺が怒らずに英子の話をはじめから
全て聞いていたらどうなっていたのだろうか?

そして英子を抱きしめ、英子に謝っていただろう。
俺がまもってやれなくてごめんと。
しかし、俺の気持ちは変わらなかっただろう。
俺は村上を愛している。
その気持ちは嘘偽りがない。


あの日、英子が警察に同行した後、俺は村上の家へと車を飛ばした。
電話ですぐに行くと村上に告げたが、内容は電話で話す事ではないと
判断し、村上の自宅に向かった。
首都高と第三京浜、横浜新道を利用したらそんなに時間はかからなかった。


村上に会って、俺は事実関係をかいつまんで話した。
山本が英子にした仕打ち、山本が村上を昏睡レイプし
俺にその罪をなすりつけたこと。
そしてその後、山本は英子をラブホに連れ込みレイプしたこと。
最後に、英子が睡眠薬を山本に盛り山本のレイプの証拠を
盗み出して警察につかまってしまって事を。

村上は英子に対して同情を示した。
自分も山本に同じ事をきっとされたからだと。
俺はわが耳を疑った。
「えっ?今なんて・・・」
「実は、ゼミ合宿の帰り、秀樹が車を降りた後、私、山本にお茶を勧められたの。」
「それを飲んでしばらくしてから眠くなって寝てしまったの」
「目が覚めた時は東名を走っていたけど、何か、アソコに違和感があって」
「私はトイレに行きたいから目がさめたと思って、山本君ずーと運転していたから
疲れているだろうと思って、ホテルに言ってもいいよって言っちゃったんだ」


「ま、まさか・・・」
「多分、寝ている間に、やられていたのかも・・・」
「あいつ、もしかしたら昏睡レイプの常習犯か・・・」
「そうかもしれない。もともと陰湿な感じだったし」
「み、美香、大丈夫か?震えているぞ・・・」
「こ、こわい・・・」


山本と村上がはじめて関係を持った時に村上が昏睡レイプされたかどうかは
今となってしまってはもう分からない。
この時、山本はデジカメを持っていなかったのか、使用しなかったのかはわからない。
ただ、CDRの画像にはその時の画像はなかった。
寝ている間の事は分からない。その後、ホテルに行ってやったのは村上から誘った
訳だし、合意の上での行為である事は間違いはない。
しかし、その時、トイレに行きたいと村上が思ったのは昏睡レイプされたのが原因かもしれない。
山本がそんなことをしなければ村上も山本をホテルに誘うこともなかっただろう。


過去の事はどうでもいい。
やはり、俺は村上の事を愛している。
英子には悪いが、英子はもう既に過去の人である。
何か力にはなってやりたいが、俺には村上のほうが大切だった。
今は村上のことをケアしてやりたい。
震える美香を抱きしめながら俺はそう思った。


その後、英子の取調べが進むにつれ山本の罪状が明らかになり
山本にも捜査の手が伸びた。
そこで、山本の父は山本を緊急入院させ、山本を世間から隔離してしまった。
山本の父はそのような力を持った人物ではあったが、
事実関係が明らかになると自ら職を辞して、俺たち被害者に詫びて回る日々を送った。


英子は何度か山本の父の訪問を受け、最終的には和解に応じた。
村上もいやな事は早く忘れたいとそう言って和解に応じた。
俺は最後まで、山本に対する復讐をしたくて和解には応じなかったが、
今は全く連絡をとらなくなった英子と俺の恋人としてこの先ずっと
側にいたい村上のことを考えると和解に応じたほうがいいと思った。


山本の父は何度も何度も俺に詫びた。
自分の父親よりも年上の社会的地位の高い人が
息子の不始末を反省し辞職し、毎日のように被害者である
俺たちを訪問し詫びている、その姿に俺は少なからずとも
心を打たれた事も事実だ。
悪いのは山本であり、この人ではないのに・・・


山本の父の話によると、山本の様子がおかしいのはうすうす感じていたと。
山本の母は精神病で入院と退院を繰り返していた。
家にいる時は抗鬱剤や睡眠薬などで療養していた。
その際、薬の管理をきちんとしておけば、このような事件は防げた。
また、息子が精神的に参っていたのは母の過度の期待とやはり母が精神病に
なってしまったことが原因と考えられる。
全ては、父親である自分の監督不行き届きから起きてしまった。


息子は病気である、きちんと管理して治療をするので見守って欲しい。
そのような事を言っていた。
息子の罪を自分が全て被るつもりでいるのだろう。
俺は、実際に山本が病気で責任能力が問われた際に無罪になることもありえると
聞いていたし、大切な村上もこの問題でこれ以上苦しみたくないと言っている。
こうして俺は和解に応じたのだった。


俺と村上は和解に応じて得た慰謝料を全てを忘れるために
2人で旅行に行こうと計画した。
旅に出てぱーと使ってしまおうと。
しかし、使い切るのには十分すぎるの額であった。

俺と村上は南の島とヨーロッパの2箇所に行き、
食事に買い物いろいろと散財した。
元からなかった金と思えば惜しげもなく使えた。
旅先ではお金をつかえば十分楽しめる事も学んだ。

そして、俺と村上は今も続いている。
これからも続けていくだろう。

終わり


コメント

文才無さすぎ。同じこと何度も説明すんな。1/3無駄なことしか書いてないぞ。自分で読み返してみろよ。
登場人物殆どが鈍感すぎて不自然しゃん。特に主人公の思考回路が理解出来ないね。大まかなストーリーは良いのに勿体無い…リベンジ希望。

英子紹介して。

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