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Yという家庭教師

連れ添って19年。二人の娘にも恵まれて普通の幸せな家庭生活だったと思っていた。

何かの歯車が狂い始めたきっかけは、妻と受験を控えた娘たちを残し1年半前に私が地方に単身赴任になったことだろう。
それから約1年。妻へ対する疑念を感じるまで何も疑ったことすらなかったのだが。

私が我が家に帰れるのは出張などとかこつけても多くてせいぜい月に2回程度。
そんな折り、私と入れ替わりに我が家にやってきたのは長女の家庭教師として派遣されてきた某有名大学に通うYだった。
久しぶりに我が家に帰った私は『ちゃんと勉強頑張ってるかい?家庭教師の先生はどうなの?』と長女に訊いてみた。
次女が横からニコニコ笑い顔を浮かべて『お姉ちゃん頑張ってるよ。Y先生もこみち似で超カッコイイしね』と口を挟む。
『もこみちって?』『お父さんもこみちも知らないの?』『…』『もこみち超カッコイイよね~?お姉ちゃん』
どうやらYという家庭教師は芸能人の速水もこみちに似た今風のイケメンらしいことは娘二人の説明により理解できた。

Yは月曜と木曜の週に2日我が家を訪れていた。それほど時間が経たないうちに次第にYと打ち解けていった我が家の3人は夕食を共にするようになる。
Yが地方から出てきた学生だったので外食やコンビニのお弁当を食べてばかりいるのは身体にも悪いからという妻の計らいでもあった。
娘たちもYと過ごせる時間が長くなったことは嬉しかったに違いない。
その話は私も聞いていたが、女所帯に一人でも男がいるのは心強いだろうし、なによりもYのおかげで娘たちが積極的に勉強に励んでくれるようになったということに安堵を感じていた。


Yが我が家に出入りするようになって半年ほど過ぎるまで私とYの面識はなかった。
何故ならYが我が家へ来るのは平日だけだったので、赴任先から週末に帰宅する私とは接点がなかったから。
『次に帰る時にY先生も一緒に食事しないかい?お世話になってるのにまだ顔すら合わしたこともないし』と私は妻に提案をしてみた。『そうね…Y先生にも都合があるだろうし聞いてみておくわ』と妻は答えた。
それから暫くして、我が家4人とYの食事会が行われた。
娘たちから聞いていたように確かにYは背丈も高くスマートで今風の青年だった。難関大学の学生の生真面目さは微塵も感じさせないどちらかと言うと遊びなれた男に見えた。
私とYは無難な挨拶のあと無難な会話に終始した。娘たちとYの楽しげに話す様子を見て私が思っていた以上に我が家の3人と打ち解けているように思えた。
『今度ね、Y先生に遊びに連れて行ってもらうの』と娘たちは大はしゃぎしていた。『二人ともかい?』『先生、下の子まで面倒見て貰って申し訳ないですね』とYに頭を下げた。

そんな感じで私とYの初対面は終わった。
私がYと再び顔を会わすのはそれからまた半年以上先のことになる。
Yは長女の勉強を終えたあとも娘たちとのお喋りや一緒にテレビを見ながら深夜まで我が家に居るようになっていた。
妻も気を効かせて簡単なビールのつまみを作り、晩酌の相手をしているようだった。
Yは電車に乗って来ていたため、終電を乗り過してしまった夜には我が家に泊まるようにもなっていたらしい。
さすがにこの件は私の耳に入るとまずいと思ったのか3人で口裏を合わせ、事件が発覚するまで私の耳に入ることはなかった。
Yの我が家への宿泊はいつしか毎回に近いようになっていたらしい。
翌朝に娘たちが学校へ出かけたあとも、妻と二人でゆっくりと朝食をとり我が家をあとにしていた。


後日にYと再会した時の話によると、この頃には妻は男としてのYを意識しはじめていたはずだという。
母親役を演じながらも自分に好意を寄せる妻の心内を手に取るように理解できたらしい。
Yはさすがに女の扱いに慣れていた。相手をその気にさせる術はもてる男ならではの嗅覚とセンスなんだろうと思った。
Yは完全に妻の気持ちを手玉に取っていた。わざと長女と接近しているように見せかけ、妻の女としての性をもてあそんでいたのだ。
世間話をしながらも話を誘導し、妻と私の夜の営みのことを聞き出す中で、妻の性癖までを見事に言いあてて妻の反応を確かめていたようだ。
Yは妻はすでに自分の掌の中にあったと言いきる。
男女の関係はないまでも、妻の女としての心はすでにYに堕ちていたに違いない。
Yは十分に時間をかけて妻が自ら堕ちていくのを待つだけの余裕があった。
当時妻は40才だったが、親子ほど歳の離れた男に堕ちるのにはそう時間がかからなかったようだ。

十分に妻の気持ちを引き寄せたYは一気に攻めに出たようだった。
ある夜、いつものように娘たちが寝静まったあとのリビングで飲みながらのこと
酒に酔ったふりをしたYは冗談とも本気ともつかぬ顔をして『実は奥さんみたいな女性がタイプなんですよね』と言った。
妻は恥ずかしそうにしながらも嬉しそうに『お世辞でもありがと』と答えた。
『お世辞なんかじゃないよ』
沈黙のあとYは妻の横へ座りなおし、強引に妻の肩を抱き寄せてみた。
『酔ってるでしょ?』『少しだけね』『でも本心だよ』『少なくともオレはそう思ってる』
妻は嬉しいとも恥ずかしいともいえぬ表情でYを見つめる。
Yはさらに妻を抱き締め軽く唇を奪った。こわばる妻に『旦那さんに悪いことしたね』とだけ言った。
妻は無言だったがYの胸元からは離れようとはしなかったらしい。
Yは『これはみんなみは内緒だけど今度ランチでも行こうよ』と妻の手を握りながら言う。
妻は少し罪悪感を感じた表情をしたが、しばらく間をあけて『絶対に二人だけの秘密だよね?子供たちにも知れたら何て言われるか』
『心配しなくていいよ。バレるようなドジなことはしないから』こうして二人は昼間ながらも密会をすることになったらしい。


12月の終わり。その日私は仕事納めで最終便ででも我が家に帰るつもりでいた。
Yが妻とのランチデートをその日に設定したのも全てを知ってのことだった。
クリスマスイブの夜、突然にYは我が家を訪ねた。
授業でもない日の週末の突然の訪問に驚く3人に『クリスマスプレゼントを持って来たよ』と言っては娘たちにプレゼントを手渡す。
その夜も4人で賑やかな夜を過ごしたあと娘たちがそれぞれの部屋へ向かっうと、Yはおもむろに妻へのプレゼントを取り出す。
『私にまで?ありがと』と少女のような瞳をして受けとる。
『開けてみていい?』
『気に入ってくれるといいけどね』とY。
その中には下着が入っていた。それも妻がつけたことのないような過激な下着が。
思いもよらない中身に妻は動揺したが『今度のランチデートは必ずそれを着けてくること、いいね』とY。
私が知る限り妻は白や水色、ピンクなどの薄い色のそれほど過激なデザインではものを好んで着けていた。
Yが妻にプレゼントしたのは真っ赤なTバックの上下だった。それも前後ともが透けて見えるようなものだった。
帰り際にYは『必ずあれを着けて来いよ』と少し命令口調で言い残したらしい。

ランチデートは軽いフレンチの店だった。昼間からワインを開け、ただでさえ浮かれた妻とYの会話は弾んだ。
店を出た二人は腕を組み歩いた。
Yはごく自然に妻をホテルへと誘う。妻は拒否はしなかった。拒否しないどころか妻にはそれを待っていた節さえある。
二人は歩いてラブホテルへと入った。
そして部屋に入るなり妻の着ていたコートを脱がせ、立ったまま妻を抱き寄せた。
いきなり深いキスをしながらYの両手は妻のスカートを捲りあげ、妻の尻を鷲掴みにするように揉みあげた。
Yにはすぐにパンスト越しながらも妻があの下着を着けてきたことを確認できたが、そのことに気がつかないふりをした。
一気にパンストを下ろし、妻の豊かな尻をさらに激しく揉みながら下着の中へ手を入れていく。
すでに妻の蜜壺は蜜液で溢れていたようだ。Yはそれを確認すると『いやらしい奥さんだ。もうこんなにお〇〇こを濡らして』
と、わざと卑猥に妻を責めるかのように呟く。
そんな言葉に妻が感じているのは分かったYはさらに自分の熱くなった肉棒に妻の手を導いて、
『もぉこんなになってるのは〇〇のせいだよ』と妻の名前を呼び捨てにし、
さらに冷淡な目を妻に向けて『しゃぶれよ』と命令する。
妻はまるで操り人形のように膝まづき、Yのベルトへ手をかけた。


妻はそそり勃つYの肉棒を愛しそうに握り、恍惚の表情で肉棒へ奉仕した。
妻は私との営みでは決してすすんで奉仕をしない。
私にはない若者の凶器のような肉棒を前に妻は年上女の尽す姿を見せたらしい。
十分に奉仕をさせたあとにYはさらに命令口調で妻にこう言った。
『〇〇、いつもみたいにオナニー自分の指使ってしてみせろよ』
妻との会話の中で巧みに妻が自慰をしていると聞き出していたのだ。
この話を聞いた時、私は愕然としたことを覚えている。妻が自慰をしているとは想像すらしていなかった。
この話をYから聞かされた私は経験したことがないぐらいに自分自身を熱くさせていた。
妻をベッドへ運ぶとYは再度命じた。
妻は従うように下着の上から自ら愛撫を行う。
時折、切なげな声を洩らしながら。


Yは冷蔵庫からビールを取り出して飲みながら妻の自慰鑑賞を続けた。
妻はYに見られながら、それに快感を得たかのように自らの指を敏感な部分へ導き自慰を続ける。
Yは自ら持ってきたバイブを取り出すと妻の目の前に突きだし『これ使ってオナニーしてみろよ』と命じた。
私との営みでは玩具は使用したことなく、妻は玩具すら見るのは初めてだっただろう。
YはバイブのスイッチをONにして股間に延びた妻の手に掴ます。
妻は何も言わずYの言うがままに従い、バイブの先を自ら蜜壺へ導く。
妻の快楽に浸る声が部屋中に響き渡る。Yはさらに『奥まで入れてみろ』と促す。
妻は絶叫に近い声を部屋に響かせながら自らの手を離そうとはせず、自らの手の動きに腰を合わせはじめる。
すべてがYの思惑どおりだったに違いない。
Yは徹底的に言葉で妻を責めた。

その日、妻がYに操り人形のように操られて男女の関係になったことは言うまでもない。
Yによると妻は自らYに跨り、自らの腰を自由に動かし、自ら快楽に酔ったという。
そんなことは何も知らずに私は帰宅した。
Yの目的は、私が帰宅する日に妻を汚し、妻の罪悪感と被虐心をあおりながら、自ら快楽へ貶めることだった。
妻は完全にYの性玩具と化していた。
妻はさすがに最初は自宅での関係は拒否したようだが、口奉仕に始まっり、次第にYの術中に嵌っていった。
娘たちが寝静まったあと、リビングでは妻とYの肉欲の交歓が週に2回は行われた。
娘たちが学校へ出かけたあとに朝から肉欲の交歓を行っていたのは言うまでもない。
妻はYが悦ぶことを自らの悦びと感じ、それを実行した。またそれを自らの性として受け入れ、それに悦びを感じるようななっていた。
妻の脳裏からはもう私の存在は消えてなくなっていただろう。母親としての自覚や自制心は完全に崩壊し、Yの前に膝まづく性奴隷と堕ちていたに違いない。

それから数ヵ月、私は妻の変化に全く気付かずにいた。
また娘たちもYと母親の関係を疑うことはなかった。娘たちの前でもうまく取り繕っていたのだろう。
私が妻の変化に気がついたのは春になってからだ。
久しぶりに我が家へ帰り、着替えをしようと思って寝室へ上がった時に気付いたことがあった。
室内にはいくつかの洗濯物が干されていた。私は黒色の下着が干されていることに気がついた。それは私が見たこともないTバックの下着だった。
妻の油断だったに違いない。
私がいないことに慣れてしまっていたせいか、私が帰ってくるにもかかわらず、いつもの様に室内に下着を干していた。
私は不吉な予感を感じずにいられなかったが、そのことは気が付いていないふりをしようと決めた。
寝るために次に寝室へ上がった時にはその洗濯物は見事に消えていた。
妻が気が付いてどこかへしまったのは明らかだった。
翌日、妻は昼から外出した。
私はここぞとばかりに寝室内のありとあらゆる場所を探索した。妻の浮気を疑ったからだ。


寝室内の妻の鏡台、クローゼット、タンスの中に何かないかを探した。
妻の下着が入った引き出しを開けた瞬間に呆気に取られた。
白、水色、ピンクなどの淡い色の下着が中心だったはずが、黒、緑、赤、オレンジなど私が見たこともない色の下着が詰まっていた。
小さく折りたたまれた下着をひとつひとつ広げていくと、TバックやTバックでもほぼ紐状になったもの、前と後ろがレース状になっていて透けているものなどが出てきた。
そして、その引き出しの一番奥にあった小箱から見つけたものに我が目を疑った。
その中に入っていたのは半透明色をしたバイブレーターとピンク色をしたピンクローターだった。
そして小さな箱に入ったコンドーム。中を開けてみると残りは4個になっていた。
たぶん1ダース入っていたはずだから8個減っている計算になる。
もちろん身に覚えは全くなかった。このところ妻とはレスになっていたし、レスになる以前も安全日のみでゴムをした覚えなど全くなかった。
私は妻の浮気を確信した。
ただ、それが誰となのか、そして事実なのかは全く証拠がなかった。


悩んだ末に興信所に浮気調査を依頼することにした。
手着金と成功報酬と実費、思ったよりも高くつくが私にはこの方法しか思いつかなかった。
調査期間は14日間。調査終了次第に報告するとのことだったが結果如何によっては全ての報告を受けるかどうか自ら選択できるという。
約3週間後、私は興信所の担当者と喫茶店の奥の席で向かいあっていた。
担当者は結果の如何に関わらず私に全ての報告を受けたいか否かの最終選択を迫った。
私の答えは勿論Yesであった。
『残念ながら調査の結果、旦那様がお疑いのとおり、奥様には浮気の疑いがあります』と結論から突きつけられる。
封筒の中から妻の行動確認調査表が取り出された。外出記録は普段の買い物さえもこと細かく記されている。
そして14日の調査のうち3日間、男と行動したことが記されている。
家を出てから、どこで何をしたか。そしてその3日については利用したホテル名とチェックイン時間、チェックアウト時間まで記されていた。
もう疑う余地はなかった。
『相手は?』これを聞くのが精一杯だった。
写真をご覧になりますか?と言っておもむろにミニアルバムを取り出す。
私は目を疑った。そこに写っていたのは妻と娘の家庭教師Yだったからだ。
予想外の答えに言葉が出なかった。さすがに私は仲良く腕を組み、ラブホテルへ消える二人の写真を見ながら沈黙した。


もう相手はお分かりかと思いますが、娘さんの家庭教師をやっているY・T。
〇〇大学3回生の22才。現住所は〇〇区〇〇…。
淡々と報告が続くが上の空。
気がつけば書類を片手に喫茶店を出ていた。
妻の浮気を責める気はなかった。どちらかというと妻にあのような下着を着けさせ、玩具や避妊具を妻に持たせる男に興味があった。
Yはまだ若いが、いろいろな意味で経験が豊富のだろうと思った。
そして、単に経験が豊富というだけでなく妻の性癖をもてあそぶ性的Sなのか?
私の中に潜んでいた悪魔が私を突き動かしていた。
私はYに会うことに決めた。会うといっても一方的にだが。


私は木、金曜日に有休を取り、妻には商談があるからとウソの理由をつけて帰京した。
木曜はYが我が家にやって来る日だ。娘の授業は8時~10時。私が帰宅する予定になっているので授業が終わればそう時間をおかずに出てくるはずだと読んだ。
予想は的中だった。私はYの背中を追い掛けて歩いた。
『Y先生!』暗がりの中で呼びとめられたことにYは驚いているようだった。
そして、その呼び止めた相手が私であることに気が付いた時、さらに驚きの表情を見せた。
私は単刀直入に話を切り出した。
『Y先生にちょっとお話したい件があるのですが、少しお時間いただけますか?』
Yは少し困惑した表情を浮かべたが『今からですか?…分かりました。いいですよ』と答えた。
駅前から少し離れたファミレスに入った。
『いえね、話というのは娘のことじゃなくって妻のことなんですよ』と言いながらYの表情を覗いてみた。
一瞬ピクリと眉が動き、少しだけ目線を反らしたのが分かった。
畳みかけるように私はYに尋問を続ける。
『Y先生とうちの妻の関係はどのようなものですか?』私は落ち着き払っていた。
『実はね、私は妻の浮気を疑っておりまして…調査したんですよ…そしたらね、Y先生、あなたがね…』
Yは黙ってうつ向いて聞いていた。
唐突にYは『それで一体何が言いたいわけですか?』と声を荒げた。



Yの言いぐさは開きなおりに近いものがあった。
言葉にして認めてはいないが態度では認めているに等しかった。
『金ですか?』捨て台詞のように言い放つYに『金銭の問題じゃないんだよ』と努めて冷静に話かける。
じりじりと時間が過ぎていった。その日は家に帰ると言っていたため時間がなかった。
『とりあえず今日のことは私とY先生だけの話にしましょう。明日に時間が取れるようでしたらお会いしましょう』
Yはそれに同意し、翌日にYの住む近くの喫茶店で落ち合うことにした。
その日は何くわぬ顔をして帰宅した。

翌朝、仕事に行く格好で着替えの入った鞄を持って何くわぬ顔をして外出した。
Yと会うまでに行っておきたい場所があった。
浮気調査の報告で出てきた〇〇にあるラブホテルだ。駅のロッカーへ荷物を入れ、歩いてホテル街へ向かった。
チェックアウトの時間が近いせいか、ホテルから1組、また1組と出てくる。
調査結果の3日以外にも妻はYとこのホテル街へ来たのだ。
それも娘たちを送りだしたあとのそれほど時間が経たない頃に。
調査によるとチェックインは朝の10時過ぎ、チェックアウトは夕方の6時頃。
8時間ものあいだ妻とYはこのラブホテルの一室でどのようなセックスをしたかを考えるだけで股間に灼熱の熱さを覚えた私だった。
11時に待ち合わせの喫茶店へ先に着いたのは私の方だった。
約束の時間を過ぎてもYは現れなかった。
もしかしてYは現れないかも知れない。イライラしながらYを待った。
注文していたアイスコーヒーを飲みほした頃にYは何くわぬ顔をして現れた。


Yの第一声は『で、旦那さんはオレと〇〇(妻の名前)さんの関係の何が知りたいわけ?』だった。
私は呆気に取られた。
このYのふてぶてしさは何様のつもりなんだろう。
Yは観念したわけでもなく『そっか、探偵まで使って調べられてたんじゃしょうがないね』とニヤリと笑った。
この姿は娘たちが知るYではないだろう。そして、たぶんこれがYの本質。
何故かYは私に対しても上から物を言うような感じでいる。立場が逆じゃないかと言いたかった。
Yは妻との関係のいきさつについてポツポツと喋り出した。
時よりニヤニヤと薄気味悪い笑みを浮かべながら妻の痴態を語るのだった。
年末に妻との関係を持ったYは正月休暇を終えて私が赴任したあと週に2日は我が家に泊まり、妻を恥辱していた。
家での行為を拒否した妻に対して口で奉仕するよう求め、自分だけ何度も何度も逝き果てる行為を繰り返したという。
Yは『〇〇もオレのあかげでフェラチオがだいぶ上達したよ』と言い放った。
ここでは妻の名前は呼び捨てになっていた。
『〇〇はああ見えて淫乱でね、娘たちが学校へ出た瞬間にエロ下着つけてオレに抱きついてくるをだよ』
『オレも朝から仕方ないからさあんたらの寝室で〇〇を犯すわけさ』
『犯すって言っても手マンとバイブでね』
『ホントいい声して鳴いてくれるよ〇〇は。近所まで聞こえるぐらいのあの声だよな』
『フェラチオさせてもオレがいいって言うまで尻穴まで舐めてくれるて、こっちはふやけちゃうよ』とニヤリ笑う。


ラブホテルへ行くのは妻からの誘いだと言った。
そしてホテル代や何から何まで妻が負担していたのだった。
私が見つけたバイブレーターもピンクローターも全て妻の金で買ったものだった。
『〇〇はオナニー狂いの変態妻だもんね。オレに会えない日にはバイブ使ってオナニーしてるぜ』
『まぁ最初はオレが全部仕込んでやったんだけどね』
『今じゃホテル行ったら〇〇からすすんでオナニーショー見せてくれるようになってるし』
『それしないとあとでオレのモノ貰えないからね』
『パブロフの犬みたいなもんだな』と言い大きく笑った。
『最初はゴム着けてやってたけど、最近は危険日以外はナマで中出ししてやってるよ』
『だって、〇〇が中で出して欲しいってお願いするからさ』
Yはぬけぬけと一方的に妻の痴態について喋った。
そのあいだの私と言えばYの意のままに操られる妻の痴態を想像しては爆発寸前になっていた。
『もぉさぁ、こうなった以上は〇〇ちゃんの家庭教師も辞めるけど、まだまだいろいろあんだぜ、あんたん家には』
意味深なYの言葉だった。
『いろいろとはどぉゆうことだ?』
『へへへッ…』不気味なYの笑いだった。
私はもう多少のことでは驚かないだろうと思った。

Yはニヤニヤしながら続ける。『〇〇もだけど、〇〇〇ちゃん(長女の名前)もお勉強の覚えが早いな』
『17才にしては合格だよ』
キョトンとする私に対し
『フェラチオの話だよ』と平然と言ってのけた。
『お前、まさか…』
『〇〇〇ちゃんが勉強したいって言うし教えてやったまでだよ』
『ま、処女ってのは面倒臭いけどたまにはいいな』
『大丈夫だよ、ちゃんとゴムつけてるし』と訳のわからないことを平然と言う。
『そうゆう問題じゃないんだ!』と言うと『じゃ、どうゆう問題なわけ?』と答えた。
妻のみならず長女までもがYの毒芽にひっかかってしまっていたとは…と愕然とした。
『〇〇〇だけは止めてくれないか』私にはそう言うのが精一杯だった。
『そんなの自分から〇〇〇ちゃんに言えば?あんた親なんだし』
『娘だけは勘弁してくれ…』絞り出す言葉はそれしかなかった。
しばらく間をおいてYはまた意味深なことを言う。
『じゃ、〇〇〇ちゃんに手を出さないってことで、〇〇はオレの好きなようにしていいんだよね?』とニヤリとした。
『でさぁ、オレは〇〇〇ちゃんの家庭教師は辞めた方がいいわけ?オレは別に辞めたって全然構わないんだぜ』
私は考えあぐねた挙げ句に『娘はあんたのことが好きみたいだし、それで成績も上がってきたと思う。娘に手を出さないと誓えるなら…』と。
『なるほど。分かったよ』
Yはあまりにも普通に答えた。

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