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女優

最近になって、突然なんですが、口を噤んでいることが難しくなりました。
誰かに話したいという欲求が腹の底から湧き上って押さえられないのです。
いけない、と思うほど話したいのです。

聞けば、皆さんはなんだ、そんな事かつまらない、期待ばっかりもたせやがって
と言われるかもしれません。たぶん、失望しか残らないでしょう。
でもお話したいのです。
わたしが皆さんに聞いていただきたいお話というのは、あのSさんから
数年前に酒の席で直に聞いた話なのです。
彼は十歳以上年上なんですが、この業界に私が大学を卒業して
入って以来、さんざんお世話になった方なのです。
もっとも仕事を介しての仲で酒飲み友達という奴なんですが。
Sさんて誰って?あのカメラマンのSさんですよ。こう申したほうが手っ取り早いかもしれません。
女優であるT.Kの旦那である方と。

私が皆さんにお聞かせしたいのは数年前に都内のホテルのバーで、仕事の打ち上げの後、
泥酔したS氏がわたしにこぼされた、S家に起きたショックな出来事と
いう奴です。
いえ、Sさんの口調では、この衝撃的な出来事すら、美しく、優しく、忍耐強い妻の
素晴らしさ際立たせるお惚気のようでしたが、私にとっては何か胸がざわざわと騒ぎ、
えも言えぬ興奮を覚えたのでございます。
もっともSさん自身も、奥さんからこの出来事を打ち明けられたのは、三年もの時が
流れてからだったといいますから、よほどKさん自身が強い思いで胸の奥深くに閉じ込めて
いらしたことだと思います。
S家には二人の息子さんがいらっしゃることを皆さんはご存知でしょうか?
もちろん、、すでに立派な青年になられているのですが、その下の息子さんが
小学校の六年生時に起きた事件なのです。
S家では以前は家族で風呂に入り、息子さんたちの身体にハッキリと
大人への兆候が見られる前までは、続いていたそうです。
上の息子さんは既にだいぶ以前からひとりで入浴していたそうなんですが、
下の息子さんは、Kさんと何の気遣いもなく入浴していたそうです。
それが事件の三ヶ月ほど前から突然、Kさんとの入浴を拒みだしたそうなんです。
頭の良い彼女のことだけにそれだけで全てを察したに違いありません。
長男の時と同じく暗黙の了解というもので応えたことと思われます。
この時の事をKさんは息子が成長した喜びと、一抹の寂しさをもってSさんに
伝えています。
しかし、それから僅か三ヶ月の後に、彼女が三年もの間、人生のパートナーに
さえ、隠し通した出来事が起き、Kさんの胸に暗い影を落とすことになるのです。
それは、Kさんが浴槽から上がり、脱衣所の鏡の前で身体を拭いていた時のことでした。
脱衣所のガラス戸の外に陰影が映ったのに彼女が気づき声を掛けたそうです。
彼女の呼びかけに応じた声の主は次男坊で、先ほど入浴した折りに忘れ物したということでした。
次男坊はためらいがちに小声で入っていいかと聞いたそうです。
Kさんの方で断わる理由はなにもなかったのでしょう。最近まで、一緒に入浴していた訳ですし、裸を見られることに抵抗はありません。
彼女からみればまだまだ、精神的にも肉体的にも未熟な可愛い息子でしかないのですから。
Sさんのおのろけ話によるとKさんの肉体は二十代の頃と比べても、ほとんど崩れておらず、それに近いプロポーションを保っているということでした。
あの当時、お嫁さんにしたい女優ナンバーワンであったTKの裸体を想像して孤独な
欲望を遂げていた男性は決して少なくはないでしょう。絹のような白く理細やかな耀かんばかりの
肌に、形の良い乳房、括れた腰から張り出した豊かな双臀へのライン。
彼女のクイズ番組などでみせる知性や育ちの良さと相まって、私などは狂おしいまでの
激情と憧憬にさいなまれたものでした。いけません、私事に逸れました、話を続けましょう。
息子が入ってきても彼女は彼に背を向けほとんど気にも留めずに、鏡の前で全裸のまま濡れ髪にバスタオルをあてて水を切っていたそうです。
次男坊の方は洗面台の上に探していたものがないのか、屈みこんで台の下の
ゴミ箱を探しているようでした。
しばらくして、彼女がショーツを着けようと、大鏡の下の下着入れに視線を
移した時のことです。 何か鋭い光が瞳に飛び込んできました。
彼女は眩しさに瞬時に目を閉じたといいます。
蛍光灯の光が何かに反射して彼女の網膜を襲ったのです。
最初、Kさんはルームライトの光が自分と向き合っている大鏡に反射した
ものだと思ったようです。
でも、その反射光はもっと下方から来ていました。
彼女は大きく美しい目を細め、光の暴力に抗いながら反射光を放つ物体の正体を
見極めようとしました。
途端に光の角度が変わりました。
次の瞬間、全身の血がすべて足元に落ちていくようだったと、Kさんは
後にS氏に話しています。
光を反射する物体の正体、それは掌の中に握れば納まるほどの小さな手鏡でした。
肩幅ほどに開かれた脚の間、膝より十センチほど上のあたりに後から
手鏡が差し込まれていたのです。
Kさんには自分の女性としての部分を鏡を使って覗いているのが誰なのか
もちろん分っていました。
彼女は激しい羞恥と怒りに瞬時に包まれたものの、激情にまかせて彼を
叱りつけることは、できなかったといいます。
それは、女性である前に母親としての本能であったのでしょう。
自分の愛する息子をこんな事ぐらいで、たった一度の過ちで心に
深い傷を負わせたくないという気持ちだったに違いありません。
彼女は次男坊の行為に気がつかない振りをして、決して後を
振り返らなかったのです。
いえ、それどころか冷静さを取り戻すにつれ、彼女はこれは家庭における
性教育の一環だと何度も心の内で自分自身に言い聞かせていたといいます。
ここまで語り終えると、S氏はバーボンのオンザロックを一気に呷り、
私の目を妖しさと嬉しさに滲む瞳でジッと見つめながら、更に私を驚かす
言葉を酒でひび割れた喉から搾り出したのです。
その驚愕の真実とは私を放心させるのに十分でありました。
彼女は落ち着きを取り戻した後、目を閉じ下唇を噛み締めると、右手を
陰部に持っていき人差し指と中指を大陰唇の両側にあて、Vの字にクレバァス
を割り開いて自らの女性器のすべてを手鏡に晒したというのです。
次男坊の驚きも普通ではなかったでしょう。
Kさんが目を薄く開けて、下方に視線を流すと鏡がぶるぶると
震えていたそうです。
彼は自分のとった破廉恥な行為を咎めることもなく、慈愛に溢れ、
されでいた凛とした母親の態度に突然我に返ったのでしょう。
「あった」という語尾の震える言葉を残し、そそくさと逃げるように
浴室を出ていったそうです。
S氏は視線を力なく宙に彷徨わせる私に向って、誇らしげにこう続けました。
「こんな母親っているかい?それからも何もなかったように次男坊に接して
いたんだぜ。こんなショックなことも俺には話さずにひとりで処理してたんだ。
子供の母親として女として俺は惚れ直したよ」
彼のお惚気は酔いつぶれるまで続いたのですが、私は他の内容は何一つ覚えて
いませんでした。
しかし、最後にひとつだけS氏は最後に酩酊した勢いで、とんでも無い事を口走ったのです。
「Kが弁護士の娘ったって中学一の頃から自慰をしてたんだ!!」と
わたしは彼との酒の席に付き合ったことをこの時ほど後悔したことはありませんでした。
ああ、いけない、とうとう話してしまいました。
Sさんからは念入りに口止めされていたのですが、私はこれ以上口を
噤んでいることは出来なかったのです。
罪と罰のラスコーリニコフが己の犯した殺人を大衆の前で告白しなければ
ならなかったように、破滅だと解っていてもです。
私は多分、あの頃も今も他人には推し量り難い嫉妬をしているのでしょう。
やはり、つまらなかった、時間の無駄だったと言われる皆さん。
どうか狂人の独り言だと思いお許しください。

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ク〇ズ〇ー〇ーでしょうね

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