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和泉忘れ

俺は高卒で公務員になりました。
自由な時間も多かったし、世間体とかもそこそこ良かった。
高校で俺の生涯唯一の彼女になるはずだった同級生の和泉と付き合って、
5年間過ぎました。

和泉は卒業後に短大に進んでから車の会社に就職して秘書業務の担当に。
しょうじき、俺にとってはもったいないくらいの彼女で、俺自身、自分に自身が
ないので、付き合いながらも、積極的に自分を出せないもどかしさもあった。
なので初めて彼女とSEXするまで3年かかりました。
お互い初めて同志で、俺も安心と言うか感動しました。

去年の春に和泉の両親に会いました。
公務員と言うと何故か安心され、交際も応援してくれてるようで、ホッとしました。

去年末に、和泉は母親方の実家へ泊まりに行ったのですが、年が明けてから
急に連絡が途絶えました。
俺は心配になって電話やメールをしても返事がありません。
直接家まで会いに行きたい気持ちは山々でしたが、実家なので、簡単には
行けません。

2週間待っても和泉からは音沙汰がなかったので病気にでもなったのかと思い、
実家へ行きました。
母親が出てきましたが、和泉はまだ会社から帰っていないと言われました。
そのまま家で待つのも気が引けるので、最寄の駅まで戻って和泉を待ちました。
見失うのが恐かったので、改札で待つと、1時間ほどで和泉と会えました。

和泉は逃げるような感じでしたが、近くのコーヒーショップへ誘いました。

病気でもないのに連絡が来なかった事を責めたい気持ちを押し殺して、
俺は和泉が喋ってくれるのを待ちました。
この段階で、もしかしたら別れ話を切り出されるのかも・・・と手が震えて
戦々恐々でした。

案の定、和泉から
「もう会いなくない・・・会えない」
と言われました。

俺は
「好きな人でもできた?」
と弱々しい前の自分に戻った状態で聞きましたが、和泉は首を横に振りました。
和泉は何かに怯えているような雰囲気で、そのまま黙って泣いてしまいました。
「ど、どうしたのさ・・・」
と俺は初めて体験する破局モードの雰囲気に飲まれてしまって何の言葉も
かけられない劣等生状態で、落ち着くのをひたすら待ちました。
和泉は
「ごめん」
と泣きながら時折俺に謝っては、また泣き続けました。
「ど、どうしたの?やっぱり好きな人できたの?」
と聞くと、やはり首を横に振ります。

泣きやんだ和泉は言いました。
「義博じゃない人と、寝ちゃったの」

俺は地蔵になりました。
好きな人ができたレベルではなく、既に別の男と寝ていたとは・・・
また和泉は泣きましたが、もはや声をかけられる状態でなくなりました。
「そ、そうなんだ・・・」
チキンな俺はそのまま泣いてる和泉を置いて店を出てしまいました。
そんで店を出てから俺も泣きました。


俺はそのまま会社休んで2日間家でこもりました。
とにかく絶望を感じました。たぶんもう二度と彼女なんてできないんだろうな、とか
俺が今まで和泉と積んだ人生は崩れてもう元に戻れないんだとか、色々と考えました。

やっと会社にいける精神力になっても覇気そのものがありません。
とにかく機械人間で、仕事して帰って食べて寝て・・・でした。
たまに何かを期待して電波が届かない場所から届く場所になったら携帯の
メール受信なんかをしたりしましたが、和泉から連絡があるはずがありません。

苦手な酒に走ってみたものの嘔吐するだけで、何も変わらず、逆に気分が
よりブルーになるだけでした。


悩みに悩んだ俺は、和泉にもう一度会う決意をしました。
体裁は”ちゃんとお別れと、自分と付き合ってくれたお礼をする”でしたが、
もちろんささやかな復縁の期待の望みもありました。
俺は和泉に電話をしました。
和泉は出てくれました。そして、もう一度会いたいからと、和泉と約束をしました。

もう一度和泉に会える喜びと不安が交差しました。
週末に和泉との待ち合わせ場所にいくと、時間より30分早くいったのに、
もう和泉が来て待っていました。

そのまま缶ジュースを買って公園にいきました。
運良く人も少なく、寒さだけがある静かな雰囲気でした。


俺が一方的に喋りました。
「こないだ動揺しちゃってごめん。そんで、あれから何しても落ち着かなくて・・・
なんつーかショックがでかくて・・・ねぇ・・・」
と俺の気持ちを一方的に喋り続け、和泉が横で下を向きながら聞くことが
続きました。

「彼氏とは・・・うまくいってるの。どんな人・・年上とか?」
俺の喋りに和泉が初めて返しました。
「つきあっていないよ」

弱い俺は「あ・・・そうなんだ。ハハハ」と意味不明な愛想笑いをするのがやっとでした。


「新潟(←和泉の母の実家)にいったとき、親戚の人とかも一緒だったの・・・」
和泉から事実を聞かされました。

年末に家族で新潟に帰省したさいに、親戚の中にいたAら一緒に遊んだら、
そのまま酔い潰されて、朝に気付くとAと一緒に全裸で寝ていたこと。
性交渉の痕跡があったこと。
それからAには、謝られた上で、告白されたこと。
性交渉についてはAも酔っていたので記憶がないと言っているとのこと。


和泉は妊娠への怯えもあるようで、そのことを抱え込んでいたみたいです。
「その・・・まぁ・・・」
俺もよくわからぬまま声をかけずらくなってしまいました。
和泉のことは好きだし、それを聞いても付き合っていきたいとは思いましたが
もし妊娠していたら・・・などと思うと、簡単にやり直すとは言えませんでした。

更に俺においうちをかけたのが、和泉の言葉でした。

「その後にまた、寝ちゃったの」
和泉は、Aと寝てしまったことへの後悔や自分への怒り、俺とのことをどうすれば
いいかを思い悩んで、実家から帰る前にAから優しい言葉をかけられて、
お酒を飲んで再び酔ってAと二度目のSEXをしてしまったと言いました。

和泉は、Aとは付き合っていないし帰ってから連絡はいっさい取り合って
いないし連絡先も教えていないと交際には否定しました。
ただ二度目のSEXについては明らかに和泉自身に隙があったのは確かです。
和泉のアルコールの弱さは俺自身知っているし、会社の送別会やらが
あると、いつも男からセクハラでも受けないか、や酔い潰れないかと心配
になっていました。


「義博が会いたくないって言うなら、もう会わないから・・・」
和泉は魂の抜けたような表情だった。
かっこよく抱きしめて許したりしたかったけど、
「ちょっと考えさせて・・・」
って言うのがやっとで、彼女を送ることもしないで駅まで一緒にいってから
別れました。

それからどうすればいいのかわからずに過ごして、先月頭に和泉に
メールで
「もうちょっと時間がほしい」
と伝えました。


リアルな相談相手に話せる内容じゃないので、MIXIの友達に相談しました。
その友達は親身になってくれて、初めてMIXIで会った人とリアルで会いました。
その人とずっと喋って、俺の中の気持ちの整理がついたので、和泉に
「会いたい」と伝えました。
電話の和泉の声は俺の知ってる和泉の声じゃなくて、枯れたように細かったです。

久々に会う和泉は頬がこけるほど痩せていました。
明らかにやつれていて、化粧をしていても以前の明るい表情の面影も
ありませんでした。
「会社は?」と聞くと「先々週から休んでる」と言いました。


俺は和泉に対して、もう一度ちゃんと付き合って欲しいと伝えました。
考えに考え抜いた俺の答えでした。
俺にとって和泉が今までで唯一の彼女であり、俺を好きになってくれて
俺も好きになった女性なんです。
一度や二度の過ちで、簡単に忘れたりできる存在じゃないです。
和泉が俺以外を好きになったら別ですが、和泉の気持ちが俺に残ってる
限りは、俺は絶対に離さないべきだと思ったんです。

でも和泉は喜んではくれませんでした。
本当は俺からストレートに別れ話をされることを期待していたのかもしれません。
「義博は無理できる人じゃないよ」
そう言うと俺に「本当に大丈夫?」ともう一度選択させようとしてきました。


「もう、あのことはいいから。俺も決めたし。嫌だって言っても絶対別れないから」
俺は和泉に伝えると、和泉は少し安心したのか表情が少し緩みました。
「また一緒に出かけよう」
和泉が頷くと、俺は隠し持っていた指輪を和泉の前に出しました。
和泉の指にはめると、満面とはいかないまでも喜んでくれました。

それからは痩せてしまった和泉の体調の話をしました。
和泉は会社を休んでいるし、俺にできることがあればと、色々と話しました。
「もう大丈夫だと思う。会社も明日から行ける気がする」
最後に彼女が強がりました。
彼女を家まで送ってから帰りました。


俺は細めにメールをして和泉の傷ついた心をケアをしたいと頑張りました。
本当は俺自身が傷ついていたのですが和泉の元気を取り戻すことに熱中
することで俺自身の心もケアされるとも思いました。
和泉はそれからすぐに会社に復帰しました。

和泉の復帰を祝って金曜の夜に食事をしました。
俺の中では精一杯のフランス料理のセットでした。
和泉から古くなったネクタイに変わる新しいネクタイをプレゼントされました。
トイレでそれに変えてディナーをしました。

それでついに和泉と、予約してあるホテルへ行きました。
今まで俺しか知らなかった和泉を抱いていた自分が、他人と二度も
寝てしまった和泉を抱く気になれるか、俺も和泉も不安だったと思います。
でも俺は許したし、和泉も忘れて、お互い新しい一歩を進む日だと思ったので、
俺も和泉も心は決まっていたはずでした。


俺と和泉はホテルにあるバーで軽く弱めのアルコール飲んでから、部屋へ
戻りました。
俺は和泉との結婚を真剣に考えていました。指輪を買ったりはまだですが、
和泉とこの先ずっと一緒にいたい考えはあったし、今回の件も和泉への
想いを確かめられたと、多少強引にでもプラスに思わなくてはいけないと
思っていました。

部屋で和泉と一緒にベッドへ入りました。
和泉がトラウマで怯えるのではと心配でしたが、和泉の心はちゃんと
癒えてしました。和泉を軽く抱きしめました。和泉に挿入をする瞬間に、
俺の頭に顔も知らないAがよぎってしまったんです。

「ごめん、やっぱ駄目だわ」
あろうことか俺は和泉を拒絶してしまいました。

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