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真奈美

夜中の十二時ごろ、アパートの扉を誰かが叩き出したので、寝転びながらテレビを
見ていた吉本誠司は、驚いて飛び起きた。
「すわ、火事かはたまた泥棒か」
しかし、扉を開けると同じ大学に通う梁瀬哲郎が立っていて、
「こんな貧乏大学生の住むアパートに、泥棒なんぞ来るか」
と、悪態をついたのである。

「もっともだ。で、何しに来た」
「飲んでて終電に乗り遅れてな。一晩、泊めて欲しい」
「構わんよ」
「おう、良いってさ。こっちこいよ」
哲郎がそう言うと、廊下の向こうからしずしずとやって来る影がある。目を凝らして見
ると、それは哲郎と付き合っている千田真奈美であった。

「千田さん・・・」
「ごめんね、吉本君」
してやられたと誠司は唸った。あらかじめどこかから電話でもして、女連れだという
と誠司が難色を示すと思い、哲郎は隠していたらしい。
「上がるぜ」
「あ、おい」
誠司と真奈美をおいて、勝手に部屋へ上がり込む哲郎を見て、残された二人は苦笑
いをするしかなかった。

「酒あるか」
「冷蔵庫にビールが入ってる。っていうか、まだ飲むのか」
「居酒屋で飲んでたんだが、金が無くてあまり飲めなかったんでね」
親しい間柄ゆえ、遠慮は無い。哲郎は勝手にビールを空けた。
「千田さんも飲む?」
「私はいい」
真奈美は手を振って、誠司の勧めを辞した。

「つまみくれ」
「缶詰でも開けろ」
「お前も飲めよ」
「ああ」
不思議な感じだった。哲郎と飲むのは珍しい事では無いが、学内でも一、二位を
争う美女と称される千田真奈美が、まさかこの安アパートに泊まるなんて、誠司
は思ってもみなかった。

ここにいる男二人とは違い、真奈美はお嬢様だった。頭脳明晰かつ容姿端麗、良
家の出で、望めばどのような男でも手に入ろうものだが、何故、性格が破綻した
哲郎を求めるのかは定かではない。

「千田さん、ジュースでも」
「ありがとう」
友人の彼女という事で、やはり気遣う誠司。哲郎は一人、缶ビールを二本も空ける
と酔いが回ってきたのか、すでに舟をこぎ始めている。
「誠司、俺、眠い」
「勝手に寝ろ。布団は千田さんに使ってもらうから、俺とお前は新聞紙だぞ」
「そんな、いいのよ、吉本君」
「なあに、俺たちは男だから、平気さ」

時計を見ると午前一時。明日も講義があるので、そろそろ眠っておかなければ
いけない時間だった。
「ごめん、千田さん。こんなむさ苦しい所で寝て貰わなければならないけど」
「いきなり押しかけてきたのは、私達の方だもの。気を使って貰うと申し訳ないわ」
「じゃあ、寝ようか」
「そうね」
誠司は真奈美を布団にいざない、自分と哲郎は畳の上に寝転がった。


「電気消すよ」
部屋が暗くなると、布団が敷いてある場所で衣擦れの音がした。さっさっというの
は、ブラウスを脱いだ音だろうか。次いで、ジーッとジッパを下げる音。こちらは
ジーンズを愛用する誠司にもお馴染みだった。

(脱いでるのか、千田さん)
卑しい気持ちを押さえながら、誠司は目を瞑った。隣にいる哲郎の鼾が鬱陶しい
が、真奈美に対する卑しい感情が押さえられて、ちょうど良いなどと思っている
と──
「吉本君」
闇の中に響く、艶かしい声。誠司は思わず身を震わせた。

「どうしたの、千田さん」
「哲郎、寝てる?」
「うん。鼾がうるさくて・・・洗濯バサミで摘んでやろうかなって思ってた所」
「私、ちょっと、吉本君と話がしたいな」
「・・・」

一瞬、誠司は妖しい予感を覚えたが、何か哲郎についての相談ごとかと思い、
身を返して真奈美がいる方を向く。
「何かあったの?哲郎と」
「何も無いわよ」
「じゃあ、話って」
「世間話よ」
窓から差し込む月明かりのおかげで、真奈美の輪郭は案外、はっきりと捉えられ
た。今、彼女はキャミソールとショーツだけの姿で、足を大胆に開いて壁にもたれ
かかっている。


「吉本君、タバコ寄越して」
「千田さん、吸うの」
「たまにね」
真奈美は手馴れた感じで、紫煙をくゆらせはじめた。月明かりに映るその姿は、
ややもすると娼婦じみており、随分と婀娜っぽい。

「吉本君、彼女いたっけ」
「あいにく」
「じゃあ、たまってるんだ」
「うん、まあ」
「私でよかったら、どう?」
真奈美はふうっと煙を噴出しながら、言うのである。驚いたのは誠司の方だ。

「だって君は」
「哲郎の彼女だからって?関係ないわよ、そんなの」
真奈美は四つん這いになり、咥えタバコのまま誠司の方へ向かって来る。
「男と女、やりたかったら、それでいいじゃない」
細く長い両手に抱かれ、誠司は真奈美に押し倒された。そして、股間の辺りを
まさぐられ、肉の杭には細い指が及んだ。

「千田さん」
「ふふ、大きいのね。ちょっと、しゃぶってあげるわ」
真奈美はとんでもない事を言い出した。自分の恋人が横にいるのを知って、
敢えて他の男の物を口で愛撫してやろうと言うのである。
「お口に入るかしら」
「うう・・・」
薄闇の中で、誠司は己の股間が咥え込まれた事を知る。生温かな吐息がかか
ったかと思ったら、次に湿り気を帯びた穴の中にすっぽりと包まれていた。


これは一体、どうした事だろう。あの清楚で頭の良い真奈美が、このような態度を
取るとは予想だにしなかった。誠司は口唇愛撫に身を捩らせながらそう思う。例え
ば以前から自分に恋心を抱いていた上で、哲郎の目を憚り、密会でもするというの
なら話は分かる。だが、真奈美の態度を見る限り、そうではあるまい。誠司の頭は
混乱に陥った。

「ああ、大きくて凄いわ。ねえ、私が上になるわね」
真奈美はそう言ってショーツを脱いだ。誠司は寝転んだままで、真奈美が肉の杭
にまたがる感じになる。
「隣に哲郎がいるよ」
「大丈夫よ。あれだけ飲んでたら、目を覚ますはずないわ」
腰を沈め、肉の杭を己の胎内に収めていく真奈美。膝をつき、自ら串刺しになった
所で前かがみとなり、キャミソールも脱いだ。

「胸をもんで。優しくしないでね。私、乱暴な方が感じるの」
真奈美は腰を前後に動かし始めた。初めは小刻みに、そして段々、回転や上下運
動を加えたりして、身勝手な性交に耽溺する。
「はッ、はッ・・・ねえ、キスしましょう」
きわめて動物的な行為であった。誠司の上になった真奈美は、体を密着させなが
ら口づけも求めてくる。

挙句、
「お尻の穴、弄って。ここ触ってもらうと、私、うふふ・・・」
と言って、淫靡に笑う始末であった。誠司は両手で肉感たっぷりの尻を抱くような形
で、割れ目の真ん中にあるすぼまりに指を這わせた。本人が言うようにそこを弄る
と、真奈美は身を大きく仰け反らせ、喘ぎ始めた。声は落としているが、隣で寝てい
る恋人の事など忘れたかのように、激しく登りつめていく。


「どうだった?」
事が終わってから、真奈美は再び咥えタバコで、誠司と向き合った。
「君は素晴らしかったよ。でも」
「でも?」
「普段の君の方が、好きかな。真面目でお嬢様っぽい・・・」
誠司がそう言うと、真奈美は優しく笑った。

「吉本君、女に夢を持つタイプね」
「格好悪いな」
「ううん。可愛くて良いよ、そういうの」
真奈美は哲郎が飲み残したビールを口にした。
「私、お嬢様でも何でも無いのよ。ただの女」
照れ臭そうに真奈美は呟いた。幻想を持ってくれるなという意味であろう。

「哲郎とは別れるの?」
「どうして?」
「嫌になったとか、そういうのじゃないの?」
「違うわ。哲郎の事は好きよ」
「じゃあ、どうして俺と?」
「ただの気まぐれよ。女って、時々、そういうのがあるの」

「俺が惨めに見えたとか?あるいはお人よしだからとか」
「ううん。あえて理由をつけるなら、吉本君はちょっとだけ私のタイプなのよ」
「ちょっとだけ?」
「そう、ちょっとだけ」
短くなったタバコをビールの空き缶に捨て、真奈美は窓の外を見る。その目が何か寂
しげだった。


「ま、つまみ食いって所かなあ・・・」
真奈美の呟きを聞いて、誠司は黙り込んだ。つまみ程度の男だといわれれば、誰
だってへこむ。まして、誠司は真奈美に対し、憧れの気持ちも多少なりとはあった
のだ。打ちひしがれるのは当然だった。

「ねえ、吉本君。まだ夜は長いけど、二回戦いく?」
「せっかくだし、そうさせてもらう」
もう開き直るしかなかった。こうなれば哲郎には悪いが、未練を残さぬようこの機会
にたっぷりと真奈美の体を味わっておきたい。これを逃せば、もう二度と抱けないか
もしれないのだ。

「私ね、アナルセックスに興味あるの。試してくれる?」
「付き合うよ」
「哲郎とだって試した事無いのよ」
「そっちは処女ってわけか。それを頂戴できるとは、身に余る光栄だね」
「じゃあ、お風呂場へ行きましょう」

真奈美があまりにもさばさばとしているため、恋人気分とまではいかないが、それで
も誠司は、
「とりあえず、朝が来るまでの恋物語かな」
などと思って、彼女の肩をそっと抱くのであった。

おちまいん

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