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変わる関係、移ろう日々 ~13~

「くぅ……すごい…」
 快楽の強さに思わず歯を食いしばる。
 やがて射精を終え、操の上に覆いかぶさる。
「はぁ、はぁ、はぁ」
 荒い息遣いが部屋を満たす。
 細みの体が柔らかく宗治を受け止める。
(ミサオとした…僕がしたんだ)
「重いよぉ……ハルくん…」
 宗治の下から抗議の声が弱々しく響く。
「あっ…ごめん」
 我に帰った宗治は操からどく。
 ペニスが引き抜かれ、交わりが解ける。
 そこには操が純潔だった証。
 宗治が操の処女を犯した証である赤い血が流れ出ていた。
 血は流れてバスタオルを汚す。
 操を犯したことを改めて実感する。
(ミサオの初めて…僕のものになったんだ)
 行為を終えた宗治に喜びが再び満ち溢れる。
 操の横で二人で並んで寝る。
「……ボクたち…しちゃったね…」
 力をすべて使い果たしたといった様子で操が宗治に話しかける。
(そうだよ、僕がミサオとしたんだ、僕が汚したんだ)
「そうだね」
 頷く宗治。
「ボク、ハルくんに痛いって言った、やめてって言った」
 恨みがましげな声で操が宗治をじろりと睨む。
 その視線が宗治の良心を刺激する。
「その…ごめん、ミサオ」
「ハルくんってケダモノだったんだね。ボク、すっとハルくんと一緒にいたのに知らなかった」
 睨みつけながら操が言う。
 ただ、その瞳には怒りの色は薄く、愛しげな色が濃かった。
「本当にごめん、ミサオ。許して」
「……ハルくんは気持ち良かった?」
 興味深そうに聞いてくる。
「うん、ミサオの中、すごく良かったよ」
 心の底からそう思う。
「…いいよ、許してあげる、ハルくんだから特別に」
 操が悪戯っぽく笑って言った。
 ハルくんだから特別に。

 その言葉と操の顔があまりに可愛らしくて宗治は操を抱きしめる。
 操はいい匂いがするな、と思った。
「ミサオ、いい匂い…」
「ん…ハルくん…好き」
 甘えるように操が寄り添ってくる。
 その姿には先ほどまでの淫らな様子は霧消していたが、射精し満足した宗治の心の中に肉欲とは別の愛おしさが強まる。
 しばらく二人寄り添う。
「ボクたち、恋人になったんだよね」
「うん、僕、すごく幸せだよ」
 成一のものになるはずの操の純潔。
 それを自分が汚したのから。
 そして、いつもの元気の良い操とは全く別の操を宗治だけが見られたから。
 そして、操が自分に嬉しそうな表情で生まれたままの姿で寄り添ってくれたから。
 何よりも、他の誰でもない宗治が操を手に入れられたから。
「もう…ハルくんのバカ」
 操は照れたような笑みを見せる。
「ボク…汗かいたからシャワー浴びてくるね」
「風呂沸かした方がいいんじゃないか」
「うん、そうだね…じゃあ、お風呂沸かしてくる」
 操が部屋を出る。
 風呂が沸くまで操は宗治の傍にぴたりと肌を寄せていた。
 暖かい操の体温を感じながら、行為の最中の操の声や表情、そして、膣の中の感触を思い出す。
「お風呂沸いたみたい」
「また、一緒に入る、ミサオ?」
 操は逡巡して宗治に問うた。
「…Hなこと、しない?」
 また、浴室で操に淫らな行為をしない保証はなかった。
「ん……それは、分からないよ、ミサオ…可愛いし」
 操がじろりと宗治を睨む。
「もう、ハルくんのスケベ。今日はHは終わり。ボク…まだ痛いんだからさ」
 ただ、可愛いと言われたことにはまんざらでもないようだったが。
 そう言って操は風呂場へ向かった。
(操も十分エロかったじゃん)
 宗治はそう思ったが、膣への挿入の時に操が涙を流して苦痛を訴えていたのを思い出していたので、言わなかった。
(今度する時はミサオの口でしてみたいな)
 操が部屋から出て行ったあとも宗治は操との行為の余韻と幸福感にひたった。


 シャワーの流れる音が操の耳に響き、暖かいお湯が操の体を洗い流す。
 操は今日一日にあったことをとりとめもなく思い出す。

(ボク…ハルくんと…しちゃった)
 浴室と自分の部屋で行った二人の行為。
 今まで操は自慰を行う時は幼馴染の成一のことを思い浮かべてしていた。
 それなのに。
(ハルくんのオチンチン…あんなにおっきくなってたんだ…)
 宗治のペニスは昔一緒に風呂に入っていた頃と全くちがっていた。
 そして、それが自分の中に入っていたのだ。
 挿入自体は苦痛を操にもたらしたが、それまでの愛撫は操に快楽をもたらした。
 今も操の中に何かが入っているような気分になる。
 操はシャワーを切って浴槽に浸かる。
 操は次に考えたのは成一のこと。
(セーくん…あんな風に思ってたんだ、ボクのこと)
 男子達の話を聞きそのまま家に帰って涙を流していた。
 その時に宗治が帰ってきたのだ。
(ハルくん…あんなにスケベだったなんて)
 そして、それに対して自分はいやらしく応じてしまった。
 思い出すだけで恥ずかしくなる。
 同時に、宗治は「可愛い」「綺麗だ」「大好き」と言ったことを何度も掛けてきた。
 「オトコオンナ」などと言われていた操にはそれらの言葉が心地よく心に染み込んだ。
 その言葉を耳にするごとに操の中で喜びが湧きあがった。
 今、思い出しても胸に心地良い響きとなって操の心にそれらの言葉が響く。
 宗治の行為と言葉。
 思い出すと操の顔が火照る。
(でも、オチンチン舐めろだなんて…後、ボクの…あんなところ舐めようとしたし)
 しかし、宗治の秘所への愛撫に操は快楽を見出してしまっていた。
(次…するって言われた時、ボク…どうなっちゃうんだろう)
 どんどん自分が淫らな女になってしまうような気がする。
 そして、自分が変わっていくことに不安だけでなく、ほのかな期待を抱いてしまっていることに気付く。
 操はその考えを振り払って浴槽から出る。
 そして、思い出す。
(セーくんに編んだマフラー、どうしよう)
 操が編みあげて、引き裂いたマフラー。
 もう渡せないし、新しく編んで渡す気にはなれなかった。
 さりとて捨てることも、まだできなかった。
(セーくんのこと、まだ忘れられない。友達でいるのは…いいよね。
それと…今日からハルくんはボクの……恋人)
 恋人という単語を心に思い浮かべるとドキドキした。
 体を拭いて着替える。
 血が付いたバスタオルも何とかしないといけない。
 そう思いながら宗治がいるであろう自分の部屋に向かう。
 家族から恋人になった少年のいる部屋に。

「ハルくんもお風呂入りなよ。汗かいたでしょ?さっぱりするよ」
 操は新しく恋人となった少年に話しかけた。


 坂上成一には幼馴染がいる。
「なあ、ハル」
「何、坂上」
 今、成一は宗治と二人で下校していた。
「今度さ、ミサオも入れて三人で映画見に行かないか」
「映画?」
 成一は映画の名前を挙げる。
「ふうん、三人で?」
「ああ、ミサオと二人っきりになりたいんだけど、それは、まだちょっとな」
 まだ成一には操と二人きりになってどこかに行く心の準備がない。
 宗治を含めて三人ならば幼いころからしてきたことで、成一にも抵抗はなかった。
「だから、三人で映画見に行こうぜ。
お前ら、仲直りしたみたいだし、一緒でも平気だろ?」
「……」
 一瞬黙りこむ宗治。
 その沈黙は成一を出し抜いて操と恋人になってしまったことへの罪悪感であることを成一は知らない。
「何か、予定でもあるのか?」
「いや、僕はいいけど。
わかった。ミサオに聞いてみるよ」
「じゃ、よろしくな」
 成一は喧嘩した二人がどうやって仲直りしたか知らないし、興味もなかった。
 ただ、仲直りして良かったと思うだけだった。
 だから、成一は知らない。


以上です。

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