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剣 - Estranged その2 -

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Estranged その2
-*-*-

サクヤは覗き穴の向こうで宿屋の制服の白いブラウスを脱ぎ、
紺色の短めのグレイのスカートを脱いで純白のシルクの下着姿となっていた。
軽く片腕を持ち上げて胸元だけを隠すようにしている。
前髪に軽くウエーブの掛かった漆黒の髪をもう片方の手で直しながら
特に焦る様子もなく、アイスベルクの前でベッドのシーツを直している。
この前を除けば初めてと言っていいサクヤの露になった体を見て思わず奥歯を噛み締めた。
綺麗な体だった。何かを語りかけるような表情豊かな目が印象的な顔立ちに
小麦色に焼けた肌、すらりとした肢体。剥き出しになった白くなめらかな腹。
華奢な身体つきの割りに成長途中である気配が濃厚な胸。
隠そうとする片腕の押し付けるような圧力によって
寧ろ押し上げられているようにすら見えている
体中が今成長途中にあるが故の危うい魅力に満ちていた。

そういえば、と思い出す。
結婚前にと言って俺は一度だけサクヤとキスをした事があった。
ぎゅうと抱きしめた時、サクヤの胸が俺の腹部にあたり、つい「結婚後が楽しみだな」
と呟いてしまいサクヤにいやらしい、と軽く機嫌を損ねられた事。

もう一度サクヤを見る。
下卑た感想だと思いつつも覗き穴から見えるサクヤの後姿を見て思う。
肩に垂れかかる漆黒の艶やかな髪。
身長百六十センチと少しの手足の長いスレンダーな肢体。

「その下着にも慣れたか。」
アイスベルクの低い声が聞こえて思わずそちらの方へ目をやる。
サクヤもベッドを直す手を止めてアイスベルクの方へと向き直った。



「俺が買ってやったのさ。」
思わず覗き穴から目を離し、ははは。と笑いながら小さく声を出した隣のハルトの方を向いた。
「な、何をで御座いましょうか。」
そのハルトも片手に酒瓶を抱え、ちらちらと覗き穴を覗きながら忙しく酒瓶をそのまま口に運んでいる。

「下着さ。安物しか持っていないようだったからな。
 俺達の相手をするからには身に付ける物にも気を使えと言って街でシルクのを買ってきてやった。」
最初は受け取らなかったがこれも仕事のうちだと言って渡してやったのさ。
そう言ってまた酒瓶を口に運ぶ。

ハルトの言葉に俺は下を向いた。
その言葉に衝撃を受けていた。
少なくとも、それが偽りであろうとも
サクヤの行為は勇者様達への市民として出来る協力だと、俺はそう考えていた。
サクヤの行為は形を変えたある種の税であろうと思おうとしていた。
街に、王国に住まう者として、勇者様に出来るせめてもの協力。
それは俺だけではない。サクヤもそうであったと思う。
それが、まるきり娼婦の扱いではないか。
物を与え、その代りに体を抱く。
そんな物にサクヤが喜ぶとでも?
そんなものを受けとり、そして身に付けねばならないその行為をサクヤが喜ぶとでも思っているのか。

「ほら、見てみろ。」
とんとんとハルトに肩を叩かれ、俺は覗き穴に目をまた戻した。



覗き穴の向こうでは椅子に座ったアイスベルクの前に下着姿のサクヤが跪いていた。
アイスベルクは覗き穴のある壁に平行に椅子を置いて座っており、
こちらからはアイスベルクとサクヤの様子を横から眺めるような形で見えている。
サクヤは酒瓶を両手に持ち、アイスベルクの持つグラスに赤いワインを注いでいた。
もう胸は隠してはおらず、その所為で日に焼けていない真っ白い鎖骨からシルクの白い下着、
そしてなめらかな腹部に到るまでの全てをアイスベルクの目に晒している。

「今日もモンスターどもが何処かへ隠れた所為で5体程度だ。話にならん。」
ワインを一度口に運び、喉を鳴らすと、アイスベルクは吐き捨てるように目の前に立っているサクヤに向って口を開いた

「勇者様、素晴らしい戦果です。それだけこの街を平和にして頂いて、皆、喜びます。」
サクヤが微笑みながらくいと首を持ち上げてアイスベルクの顔を見上げそう答えたその瞬間、
アイスベルクが片足でサクヤの足を蹴った。

「あっ!」
姿勢を崩しながらもサクヤは両手で持っていた酒瓶を片手に持ち替え、片手と両膝を床についてバランスを取った。
酒瓶の中身が床に毀れる。
思わずカっとなり片手を握り締めた。
頭を仰け反らせた瞬間、壁が見えて自分が今隣の部屋にいることを思い出す。

「ふざけるな。馬鹿が。」
「も、申し訳ありません。」
聞いている俺にもわからない、サクヤにも判らないであろうアイスベルクの怒りだが
サクヤはアイスベルクの膝元に跪くと従順に頭を下げていた。

「たった5体で戦果と言えるか。たったの5体で。 雀を追っ払った程度でしかない。
 そんな事はお前も判ってるだろう。
 西にある山脈に巣があるようなんだがいくら狩っても未だに姿を見せん。
 それを掃討しなければモンスターは減らん。」

「それでも、勇者様がいらっしゃる事で、街の人達は安心しています。」
サクヤは床に毀れたワインを拭うと再度膝をそろえて座り、
アイスベルクの顔を見上げながら訴えかけるようにそう言うと薄く笑うようにしてアイスベルクは口を開いた。
「はっ。どうだかな。血塗れになって敵を倒し、怪我を圧してモンスターと向かい合う。
それで一日の戦果が5体だ。いつになったらこの街から出られるのかも判らん。」
笑いながらグラスを煽る。




「今まではこうじゃなかった。3人で1週間そこそこもあればモンスターの巣はあらかた掃討できた。
それが此処に来てもう4週間、巣の一つも見つからん。
単発で何匹が狩った所でモンスターなど減る訳がない。
それどころか一人で街の外に行けばハルトのように組織的に襲われ、今日のように準備をして行けば空振りだ。
ここは今までの街とは違う。」

俺ははっと覗き穴から顔を逸らした。
そうだ。噂で聞く限り勇者様の街の滞在期間は長くて1週間といった所だった。
俺はこの規模の街なら3日程度で平和にして下さるはずだと市民達が噂していた事を思い出した。
モンスター狩りは上手くいっていないのか。
壁から目を離し、横にいるハルトの顔を見る。
ハルトもこちらを見ていた。ふん。と鼻を鳴らす。

「あいつの考えすぎだ。モンスターは地域によって特性があるんだ。
攻撃的な奴ら、頭の良い奴ら。狡猾な奴ら。掃討に半年掛かった例もある。
3日で終わることなんざ殆どない。大抵は1ヶ月は掛かる。もっと掛かる事も多い。
噂が一人歩きしているのさ。市民達は俺達に過剰な期待をするからな。」
渋面を作ってハルトは俺に言った。

「それで、この街は…」
「まあ多少は数も多い。それに中々巣が見つからないのも確かだ。手強い方だ。
だが今までで初めてというレベルじゃないな。
ゆっくりと狩っていればそのうち必ず見つけ出せる。退治してみせる。心配するな。
あいつは腕は良いんだが冷静に見えて実際の所攻撃的で辛抱の効かない性質だからな。
こういう展開が苦手なんだ。苛々してるのさ。」
そういって酒を煽るとそんな事よりほら、そろそろだぞと俺の肩を叩く。

そろそろだぞ。か。
壁に目を移すと覗き穴の向こうではアイスベルクの膝元に跪いていたサクヤがゆっくりと立ち上がり、
アイスベルクに近寄っていく所だった。




が、もうこの光景には耐えられそうに無かった。
アイスベルクがサクヤの足を蹴った時にはカッとなり、思わず立ち上がりそうになった。
それだけじゃない。サクヤが下着姿で他の男の膝元にいて、何かを話している。
剥き出しになった腹部をアイスベルクに見せながら話をしている。
決して他人に見せないその格好で。
それだけで耐えられそうに無いのに、この先を見ることなど出来るのか?
もう何度も壁を叩きそうになり、その度に耐えているのに。

そこまで考えて、俺は気が付いた。
今まで俺は自室にいてサクヤが階上に行く事だけでも絶えられない苦痛だと思っていた。
今になってみて、それすら現実感を失った妄想でしかなかったのだという事が判る。
今目の前で俺が見ているこの光景は自室で考えていた想像よりもなお数倍も悪かった。
俺は今まで、目を逸らしていただけだったのだ。
サクヤが他の誰かに抱かれているという事に現実感を感じないように
俺は自室で唯一人、逃げていただけだ。

これが現実だった。
この覗き穴の向こう側が。
今まで、勇者様に求められ、サクヤを差し出してから今まで。
俺が目を瞑っていただけで、その現実はこの覗き穴の向こうでずっと起こっていた。
俺が国家に対する忠誠と、勇者様への協力と、払うべき税を払う善良な市民という衣を被って差し出したものが覗き穴の向こうにあった。
サクヤが。
俺と同じように感じ、生きている、しかも俺の唱えた善良な市民の義務というその言葉を信じている、いや信じざるを得なかった俺の許嫁が。

俺は正しかったのか?
ただ、サクヤを騙しているだけではないのか。
絶対に守るべき自分の許嫁を。




ハルトを見た。覗き穴に目をあて、酒瓶を抱え込んだ姿のままだらしなく顔を歪ませている。

これが罰か。
何が悪かったのか、そもそも何か悪い行為があったのかすら判らないが、
今のこの状況が俺に与えられた罰なのだろう。
それともモンスターという不可思議な存在を倒す為に市民に与えられた義務か。
モンスターが跋扈するこの王国で何かの役に立てる訳ではなく、無論勇者に敵う訳もなく、
誰にも救われないこの状況でサクヤを要求され、
そしてただ国家に対する忠誠などと形の無い理由で自分の許嫁を差し出した俺への。
義務か、もしくは罰。

覗き穴に目を近づけた。
そこには俺の代りに義務を果たし、罰を受けているサクヤがいた。
俺が選択し、俺が払い、受けるべきだった義務と罰を。
下着姿で勇者様を足元から見上げ、何かを話している。
その両手は勇者様の足元に置かれ、しっかりと握り締められている。
今まで、今日以前にも何度も繰り返されただろう行為。
そして俺は自分に与えられるべき罰をサクヤに渡して、何も出来ずに此処で身勝手な怒りに震えている。

その罰が目の前にあった。
ハルトから貰ったこれは俺へのねぎらいではなく、せめてもの俺への罰だ。
目の前の光景は自室で丸まって、不幸な顔をしていた俺への罰で、
そして俺はせめて彼女が俺の代わりに何を支払い、何を受けているのかを見届けなくてはいけなかった。


@@

覗き穴に目を戻すと、アイスベルクが目の前で跪いているサクヤの顎を指先に引っ掛け、
その顔を眺めながらグラスを口に運んでいる所だった。
サクヤは従順にアイスベルクの言うなりに顔を上げ、
アイスベルクが顎に引っ掛けていた指を外してからもアイスベルクを見上げ続けていた。
そしてアイスベルクがワインを飲み終え、グラスをテーブルの上に置くのを待っていたように口を開いた。
「あ、あの、初めても、宜しいですか?」

「お、始まるぞ。見てみろ。ほら。」
ハルトが横で声を弾ませる。

「早くしろ。」
椅子に座った格好のままアイスベルクが冷たい声でサクヤにそう告げると
サクヤは「はい」と答え、アイスベルクの前に膝を進ませた。

サクヤはアイスベルクの足元に再度跪くと長い睫を一度しばたたかせ、
アイスベルクの着ているゆったりとした形のズボンを脱がせ始めた。
アイスベルクはさも当然といった顔つきでサクヤの手の動きに合わせて腰を浮かせている。
サクヤはアイスベルクの動きに合わせる様にズボンを緩め、そして引き下ろすようにしていた。
何度か経験しているのだろう。それはなんだか手馴れつつある手つきにも思えた。

「昨日の事を覚えてるか?。サクヤ。」
「勇者様…そういう事は仰らないで下さい…」
アイスベルクの言葉にサクヤがズボンを脱がせる手を止めないままいやいやと首を振り
「おい、俺は覚えてるかと言ったんだ。」
アイスベルクは今度は頭を小突くように手を振った。
サクヤの光沢のある髪が翻ると、さらさらと垂れ落ちてきた。




「もう…勇者様」
サクヤは顔を俯けたまま溜息をついていた。
「覚えているのか、サクヤ。」
「はい、勇者様。サクヤは覚えております。」
覚悟を決めたようにアイスベルクを見上げる。
その目つきは戸惑いと幾分かの媚が含まれていた。
俺の見たことの無い、恐らく女が自分を抱く男にだけ浮かべる媚。

そして、アイスベルクを見上げながらサクヤははっきりとこう言った。
「サクヤを、明日もお呼び下さいますか。と言いました。」

「そうだ、昨日お前は俺にそう言ったな。俺に呼ばれる前にこの部屋に来たのも今日が初めてだ。」
「…昨日、お約束致しましたから。」
「俺がモンスターを倒し、お前がその俺の血の滾りを抑える為にか?」
「…は、はい。それが私のお仕事ですから。」
アイスベルクが又サクヤの顎を指先に引っ掛け、くいと顎を上向かせた。
「…仕事か。覚えているか?
 昨日は俺が明日街の外に行くと言う前にお前はそう言ったんだぞ。明日も呼ぶのか、と。」

アイスベルクがそう言うとサクヤはぐっと顔を俯かせた。
「そ、それは最近は、毎日ですから昨日もそう思って…。」

今日もお呼び下さるのかと、そう確認したのです。と小さく呟くサクヤの言葉に
まあいい。と鼻で笑い、アイスベルクはサクヤに行為を続けるように指先を動かした。
「は、恥ずかしい……そう云う風におっしゃって私をお苛めにならないで下さいっ。」
サクヤがゆっくりとアイスベルクの足を持ち上げ、既に踝まで下げていたズボンを足から抜いていく。



そして。
サクヤがアイスベルクの両足からズボンを取り去った後にその時が来た。
一度立ち上がり、アイスベルクのズボンをゆっくりと綺麗に畳むと、
サクヤは再度アイスベルクの膝元、今度は先程よりもアイスベルクに近い位置に
白いシルクの下着姿をゆっくりと下ろして跪いた。

「勇者様、お清めして宜しいですか?」
「ああ。」
アイスベルクの返答を待ってから、
サクヤは椅子の上で反り返るような格好のアイスベルクの股座に顔を寄せていった。

そこまで見てから俺は一度だけ目を閉じて、それから又覗き穴の向こうに目を向けた。

「ん…」
アイスベルクの筋肉の発達した足に阻まれてサクヤの顔は見えなかったが、
サクヤはゆっくりと足の間に顔を沈み込ませていった。

「判るか?一度口の中に入れて大きくなるまで舌だけで綺麗にさせるんだ。
上手いもんだぜ。最初は歯を立てたりしていたけどな。」
「ど、どうして・・・」
俺の言葉にハルトがぐびりと音を立てて酒を煽りながら言った。
「一日モンスターどもと追いかけっこしてりゃぁ汗まみれになるし足に疲れが溜まる。
ああやってまず汗を拭わせると腰から疲れが抜けるって訳だ。
まるで極上の風呂に浸かるみたいな感じだぞ。」
そう言いながらハルトは覗き穴に忙しなく目をやっている。

サクヤは30秒ほどアイスベルクの股座の上で顔をじっと留めていた。
時折床に置いた両手がぴくりと震えるように動いていた。

暫くした後、沈み込ませた時と同じ速度でゆっくりと顔を持ち上げていく。
すると今度は先ほどまではこちらから見えなかった長大な一物がサクヤの口から吐き出されてきたのが見えた。
アイスベルクの股から突き出したそれにぬらぬらとサクヤの唾液がまとわり付いているのが此処からでも見える。

「んっ…」
少し体全体を持ち上げるようにしてアイスベルクの一物の先端の所まで吐き出した後、
サクヤは先端のみを咥えたまま暫くじっとしていた。
顔を持ち上げていた為、今度はゆっくりと舌を動かしているように動くサクヤの喉と
呼吸が苦しいのか、上気したような顔が見えた 。



もう一度ぎゅっと目を瞑る。
サクヤ。

10秒ほどそうしてからぽんっと音を立てるようにしてサクヤはアイスベルクの一物から口を離した。
口を離した勢いでアイスベルクの一物がゆっくりと揺れて動く。
先ほどのは雁首に舌を這わせていたのか。その部分が濡れ光っている。
はあ、とサクヤが吐き出した息が白く室内に煙った。

サクヤと婚約する前の話だが、俺は数人の女は知っていた。
半分娼婦のような酒場の女だったが、
しかし口でそれを咥えるなど一度もそのような事をしてもらった事は無かった。
無論宿屋と酒場をやっているのだ。その様な行為があることは知っていたが。
目の前の光景を見ながらサクヤのその行為が
どのような快感をアイスベルクに与えているのかを全く想像できなかった。

「汗臭いか?」
アイスベルクのものから口を離し、一度ゆっくりと息を吐いたサクヤにアイスベルクは声を掛けた。
溜まった唾だろうか、ごくりと喉を鳴らして飲み込んだ後、サクヤはアイスベルクを見上げ
「勇者様が街を守って下さった、そのお味が致します。」
そう答えていた。

「そうか、今日は一日中歩き回っただけのようなものだ。大分汗をかいた。綺麗にしろ。」
アイスベルクの言葉に頷きも首を振りもせずサクヤははい、と答えると当たり前のように立ち上がり、
部屋の入り口近くに既に用意しておいたものであろう、幾枚かのタオルと水差しを手に取った。

タオルに水差しの水を垂らし、今度はアイスベルクの上半身をはだけさせながらその肌を拭っていく。
上半身、更には跪いて両脚とアイスベルクの全身をタオルを幾度か取り替えながら時間を掛けて拭い終えると、
サクヤは立ち上がった。
タオルを置き、一度呼吸を整えるように息を吐く。
そしてアイスベルクに身を寄せて「失礼致します。」と言ってからサクヤは
手元に置いておいた水差しを傾けて口に含むとそのままアイスベルクの顔に覆い被さり、唇を合わせていった。
サクヤの喉がこくこくと動く。

もう一度、目を閉じた。
サクヤがアイスベルクの股座に顔を沈ませたその時よりもショックを受けている自分を認めた。




俺は一度だけ、サクヤとキスをしていた。
俺が自室で売り上げの計算をしていて、サクヤが一人、後ろで本を読みながら何か歌を歌っていた。
細かな計算に倦んだ俺がぐぐうっと伸びをしてサクヤと目が合って。
お互い言葉は交わさなかった。
サクヤは本を置いて歌を止め、悪戯っぽく笑った後俺の方に来て、
俺はサクヤにキスしても良いかとも聞かず、
伸び上がってきたサクヤを抱きとめていつの間にかキスをして、
それから2人で何がおかしかったのかも判らずに、ずっと笑った。

サクヤは数秒間そうした後、アイスベルクから唇を離して水差しを床に置いてアイスベルクの膝元に跪いた。
アイスベルクが何度か口を動かすとべっと水をサクヤの跪いている脇の床に吐き出し、
それをサクヤが跪いてタオルで拭っていく。
サクヤは全て拭い終わると、跪いた格好のまま一度肩に掛かったシルクの下着の紐を直すようなしぐさを見せた。

「勇者様、こちらの方もお清めさせて頂いても宜しいですか?」
「ああ。続けろ。」
アイスベルクの頷きに合わせ、サクヤはためらいも無く膝を進めると、股間に顔を寄せていった。
今度は口の中に入れるのではなく、顔をアイスベルクの一物のある位置よりもずっと下に沈めて
ゆっくりと顔を動かしていく。

「ああやって袋の部分から全体を舌でこじる様に舐めてくるんだ。クソ、俺の時より熱心に見えるな。
ああ、クソ俺の時はあんなに下まで舐めて来ないぞ。」
ハルトが横で呟く。

此処からは椅子に座っているアイスベルクの足に隠れてしまい、サクヤの顔までは見えない。
それでも随分と下の方までサクヤが顔を潜らせている事は判った。
アイスベルクはサクヤの動きに合わせて微妙に腰の位置を変え続け、
じっくりと時間を掛けてサクヤにそれをさせている様に思えた。
暫くの間、10分以上の時間をかけてそうした後にサクヤはようやく顔を上げた。




「これで綺麗になったか?」
ほう、と息を吐くサクヤを椅子の上から見下ろしながらアイスベルクが口を開いた。
「ん…」
息を整えるように吐き出した後、サクヤはアイスベルクの顔を見上げながらコクンと喉を鳴らして口の中のものを飲み込み、そして恥じ入るように顔を俯けてアイスベルクの問いに答えた。
「い、意地悪を仰らないで下さい、勇者様…」
「何が意地悪だ。」
「勇者様に汚れている所など御座いません。何度も、お伝えしていますのに。」
くくっと喉を鳴らしてアイスベルクが笑う。
「そうか、それは悪かった。じゃあ言葉を変えようか。
お前の仕事の一つである、体を拭う仕事はこれで終わりか?」

サクヤは今度も又、本当に恥ずかしそうに顔を染めた。
俯いたままいやいやと2,3回首を振るとそれから諦めたように顔を上げ、今度はしっかりとアイスベルクの顔を見上げた。
「ま、まだ、終わっておりません。
ゆ、勇者様、ご存知なのにいつもいつもその様な事ばかり仰らないで下さい。」
そう言ってからサクヤはアイスベルクの返答を待つ事無く、今度は素早く顔を上げ、
力強く隆起しているアイスベルクの物に唇を被せた。
そのままゆっくりと唇を被せ、そして飲み込んでゆく。
ゆっくりとアイスベルクの太腿に近づく位まで顔を沈めると、
今度はまた同じ速度でゆっくりと顔を持ち上げていく。

されたことは無くとも、想像は出来た。
先程の口に含むだけの行為ではない、その動き。
サクヤは口とその唇を使ってアイスベルクに対し、性交を模した行為をしているのだ。
無論、このような行為もその意味もアイスベルクやハルトに教え込まれたものに違いなかった。

数回同じような動きを繰り返すと、サクヤは首の動きを速めた。
膝立ちの姿勢で両肘から先を椅子に座ったアイスベルクの両腿の上に乗せて体のバランスを取り、
顔だけを下に向けてアイスベルクのものを口に含み、くっくっと首をうねる様に動かしては上下させる行為を繰り返す。
赤く染まった目元は閉じられていた。



暫くしてアイスベルクが椅子の背もたれから体を起こし、
懸命に顔を上下させているサクヤの頭越しに背中に手を回した。
そのまま指で背中の辺りを何度か擦る様に動かすと下着が外れ、
はちきれんばかりの真っ白な美乳がぷるんと勢い良く飛び出す。
「んうっっ」
抗議するかのようにくぐもった声を上げ、それでも顔の動きを止めないサクヤに対して
隆々とした筋肉の張った腕を伸ばし、アイスベルクが露になった胸乳を手のひらで掬うように持ち上げた。
何度か揺するように手を動かした後に先端に指を伸ばしたその瞬間、
アイスベルクの股間で顔を振り続けていたサクヤの首が一瞬、カクンと反り返った。
ぽんと口から一物が飛び出す。
「んあっ……やぁ…そこ…」

いやいやと首を振り、アイスベルクを見上げるサクヤにアイスベルクが冷ややかな声を掛ける。
「どうしたサクヤ。」
「…そこをそうされると、出来なくなってしまいます。」
訴えかけるようにそう言ってからサクヤが唇を開き、またアイスベルクの一物に被せようとしたその瞬間、
又サクヤの体がぶるっと震えた。
「あっ…ああっ…あんっ!」
目を閉じたまま首を上に持ち上げ、抑えきれない様に高い声を上げる。
意図していなかった声なのであろう。真っ白な喉を晒したまま慌てて唇を噛む。
椅子の隙間からアイスベルクの両手がサクヤの乳房を弄んでいる動きが見えた。
その指が先端を弄うような動きをした瞬間、サクヤの体がまたぶるっと震えた。
「どうした?お前の仕事はおしまいか?」
「やぁ…ま、まだいつものお時間は致していません…。勇者様、手を…そんなっ…あっ!ああっ!!」
サクヤが首を前に傾けて一物に唇を被せ、深く顔を沈めようとすると
その度にアイスベルクは乳房の先端を指で弄んでいた。
サクヤはその都度カクンと体を仰け反らせながらも懸命に首を上下に振ろうとしている。

「サクヤは胸が弱いんだ。見てみろ。ほら。」
目の前の淫らな光景にハルトは興奮しきっていた。
ひっきりなしに酒瓶を傾けている。

「っんあっ……勇者様、手を…出来ませんから…もう、あっあっだめっ…ああっ…んっ…」
サクヤは度々中断してはアイスベルクに喘ぐように懇願し、
返答がないのを見ると諦めては又唇を開いてアイスベルクの一物に被せていっていた。
もはやサクヤが首を上下に動かしているその間、
ひっきりなしにアイスベルクの指がサクヤの乳房の先端を弄ぶようになっていた。



そのような行為を暫く続けた後、アイスベルクはその悪戯を十分楽しんだのだろう。
片手でサクヤの額を突付き、自分の方に顔を上向かせようとした。

サクヤは一度目のアイスベルクのその行為の時にはアイスベルクの意図に気が付かず、
再度アイスベルクの一物に唇を寄せて行こうとし、
2度目にそうされてようやく気が付いたようにアイスベルクを見上げた。

「もういい。」
アイスベルクを見上げながらその言葉にぼうと暫く考えるようにした後、
サクヤは膝立ちでアイスベルクの両腿に腕を置いて体重を支えて一物に被さるようにしていたその格好から
ぺたんと床に座り込んだ。
上気した顔を一度頷かせ、息を整えるように吐くとそれからもう一度アイスベルクを見上げた。
「勇者様、宜しいのですか?」

経験の無い俺にもサクヤが何を言っているのか判った。
サクヤはなにかをしなくて良いのか?と聞いているのだ。
恐らくその行為の先にあるであろう事を、サクヤは経験しているのだろう。
それをしなくていいのか?とサクヤはアイスベルクに聞いているのだ。




アイスベルクはそれには答えず立ち上がると、一歩前に進んで跪いているサクヤの目の前に立った。
「あ…」
顔先に再度隆起した一物を突きつけられた形のサクヤが俯く。
アイスベルクが手を持ち上げ、サクヤの頭に手を置いた。

「まずはここまででいい。お前のおかげで今日の戦闘の汚れは落とせたようだからな。」
その言葉にサクヤが自分の仕事を果たせたように思ったのか、心持ち嬉しそうに俯いた。

「さっき、お前は仕事と言ったな。じゃあサクヤ、お前の仕事をしろ。今度はどうするんだ?」

サクヤは俯いたままアイスベルクの言葉に一度びくりと体を振るわせた。
こちらからは俯いた顔の表情は窺えなかった。
幾度か首を振った後、暫くして覚悟を決めたように顔を上げたサクヤは
「その…」
と一度口ごもるようにそう言うと、アイスベルクの顔を見た。
何も返答がないのを見るとサクヤはアイスベルクの股間に唇を寄せていった。
言葉では言えないから行為で示す。そのような動きだった。
サクヤは力強く隆起したアイスベルクの一物の裏側の一番下の部分に唇を合わせるようにすると、
そこから舌を上に向けて這わせるように首を動かした。

「それがお前の仕事か?」
サクヤが一度縦に首を振った。
「…サクヤに勇者様の血の滾りをお納めさせて下さい。」
覚悟を決めるように一度唇を股間から外しそう言うと、サクヤはアイスベルクを見上げた。

「勇者様…ベッドに…」
サクヤはそれだけを言うと真っ赤に首筋を染めて
今度はアイスベルクから視線を逸らす為のように、ゆっくりと俯いた。

「それでいい。」
「きゃっ」
アイスベルクは膝を曲げて一度屈み込み、
ひょいとサクヤを持ち上げるとそのままベッドの方へと顔を向けた。




作者:量産型うに氏のページ →Affair With A Mouth

コメント

どうも。つるぎを書いたものです。
つるぎに関しては私のH Pにおいておりますので
こちらへのリンクとしていただければ嬉しいです。
宜しくご検討下さい。
 

うにさんですか?

あ、そうです。量産型うにです。はじめまして。
メールが見つからなかったのでこのような形ですみません。
あ、上の意味不明ですね。
元ねたのページを貼り付けようとしているのですが、
英文字との比率とか出てスパムと判定されてしまうみたいです。
URLに入れると禁止文字となってしまうみたいです。

うにさん。
2chでのネタ何度かお世話になっております、リンクに入れさせて頂きました!

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