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俯瞰

放課後の教室でひとりたたずんでいると、窓の外が冬めいて、年も暮れたのが良く分かる。
日が陰るのが早くなり、最近はコートがないと行き帰りの道中もつらくなっているので、相内香織は羽織を一枚、鞄から出した。

ストッキングをはいてくるべきだったかもしれないと思いながら、最近、親しくなりつつある深見達也の事を考えていると、自然に頬が熱くなった。
達也は同じ組の少年で、昨月に行われた文化祭の時に親しくなり、交友を持つようになっている。
サッカー部のエースである達也は、運動だけではなく勉
強も優秀で、将来は弁護士になりたいといつも言っていた。香織はそういう達也の真面目な性格に好意を抱き、また尊敬もしている。

まだ肉体的な接触こそないが、二人は誰もが認める公認の恋人同士である事に疑いはなく、香織はいつもこうして部活を終えて教室へ来る達也を待っているのであった。
「おい、香織」
不意に廊下から誰かが香織に声をかけた。
それは、かつて所属していた陸上部の仲間で、和木剛という少年だった。
陸上部は男子と女子に分かれているが、練習は基本的に一緒にやるので、男子にも顔見知りが多い。
和木は陸上部でもお荷物的な存在で、これまで大会らしい大会にも出た経験はなく、
練習もさぼりがちだったので、半ば幽霊部員と化していたが、練習以外の会合やコンパの時などには積極的に顔を出し、
所謂、宴会部長的な存在感を出していた。さらに言うと二人はかつて、恋仲であった。

ただ、香織がだらしのない性格の和木を見限り、関係はとっくに切れている。
一方で和木は未練なのか、香織のいる教室に気安く入ってきた。
「何やってるんだ、お前」
「友達待ってるの」
「ああ、彼氏待ちか」
和木はいかにも乙女らしい香織の可愛い仕草に目ざとく気づき、からかうような口ぶりでそう言った。
「誰だっけ、サッカー部の」
「深見君よ」
「ああ、そう。あの優男。他の女子にも人気があって…」
ひょろ長い体型の和木は、窓の外を指差した。ちょうど、練習を終えたサッカー部が整列し、挨拶をしている所だった。

「あれ、そうだろう」
「どれ?」
香織は窓に近寄り、サッカー部の一団を眺めた。
主将を務める達也が部員を前に、何か話している姿は、香織の心を熱くさせた。
部員もまた達也に心酔し、彼の口から出される
言葉にいちいち頷いている。親しい付き合いをしている異性のそういう頼もしい姿に香織は胸ときめき、思わずぼうっとして眺めていたのだが、
その時、スカート越しに尻を触られている事に気づき、はっとした。

「ちょっと」
触っていたのは和木だった。香織は和木の手を跳ね除け、厳しい目つきで睨んだ。
「おお、こわい」
「冗談でも許さないわよ」
香織は目に怒りをため、無礼な真似は許さないと言った。
しかし、和木はそれをいなし、へらへらと笑っている。

「元彼に対して、それはつれないんじゃないか」
「ふざけないでよ」
香織は頬を赤らめたが、それは先ほどの達也を想っている時とは違い、恥と怒りにまかせた物だった。
しかし、和木は怯む事なく、香織の腕をつかんだのである。
「離して」
「大声でも出してみろよ。あいつが飛んできてくれるかもしれないぜ」
和木の手が香織のスカートの中へ及んだ。
パンティを脱がそうとするその動きを、香織は腰をかがめて避けようとするが、膂力で勝る和木におされ気味である。

和木はパンティの上から陰部を撫で、指先で敏感な場所をさぐった。
その強引なやり方に香織は顔をしかめ、泣きそうになっている。
「やめて、お願い」
「少しだけだ。騒ぐなよ」
ついにはパンティをむしりとられ、香織は背を押された。
窓に手をつくと、和木がすぐさま尻に腰を押し付けてきて、ぐいと陰茎を入れてくる。
「うぐッ」
花弁を押しのけ、胎内へ遡ってくる和木の陰茎は太く、また長かった。
知らない相手ではなかったが、かつての恋人にこうも酷い扱いをされると、香織は悲しくて仕方がない。

和木の陰茎は凄まじい速さで膣内を出入りし、香織の過去の記憶を呼び起こそうとする。
かつては愛し合った相手の陰茎を、体の方が覚えていた。
悔しいけど…と前置きしながら、香織は和木の腰使いに呼応し、痺れるような快楽がわが身を包もうとしているのを感じた。
この素っ気無く強引なやり方を、かつては愛していた事もあった。太くたくましい陰茎を口に含み、楽しませてやったのは香織自身である。
そういう事が思い起こされ、香織は我を失いかけていく。
ただ、窓の外にいる達也の姿が、僅かではあるが香織に理性をもたらそうとしていた。
その達也が、ふと教室にいる自分に気づいたのか、校舎の方へ走りよってくる姿が見える。
俯瞰になっているので、達也からは窓から身を乗り出す香織の姿しか見えていない。

「香織、待っててくれたのか」
「う、うん」
香織はなるべく冷静を装い──あえていうのなら、上半身だけは達也に、下半身は和木に預ける形を取った。
和木は声だけ聞こえてくる恋敵に対して敵意を燃やし、香織の女を激しく突いた。
香織は必死に体を揺らさないよう努め、達也の前で自然に振舞うが、内心では生きた心地がしない。
万が一にも和木の姿が見咎められれば、達也との関係は終わ
る。今の香織は達也がもっとも大事な異性であり、和木などは厄介者でしかない。
なのに、体は過去の男をいつまでも引きずり、拒む事が出来ないのである。パンティを奪われた時、
香織はもっと抵抗出来た筈だ。和木が教室へ入ってきた時点で逃げる事も出来たし、窓から達也を呼べば和木は退散したに違いない。
言い訳になるが、香織はまだ心のどこかで和木を許すような部分があったのである。

「もう、部活は終わり?」
「後片付けがあるんで、もうちょっと。校門の前で待っててくれよ」
達也はそういって校舎の前から手を振りながら去っていった。すると、和木が香織の体を引き寄せ、強引な口付けをねだった。
和木もまた忸怩たる思いでいたのである。かつての女を取られる悔しさを味わっていたのだ。
そういう意味では、新しい恋に希望を燃やす香織は幸せなのかもしれなかった。
「あッ、あん」
和木に担がれるような格好で、香織は犯された。
陰茎は最も奥深い場所まで達し、鈍い痛みさえ感じるのだが、その後に来る痺れるような快感を、香織は楽しんでいた。

男を知らない体ではない。和木に何度抱かれたかも分からないのだ。
喜び方だって心得ている。
下半身を教室で露呈していても、恥ずかしいという感情はなかった。
床に落ちたパンティを見た時、僅かに自分が淫らと思いはしたが、和木を拒む気はさらさらない。
もし、誰かにこんな所を見られでもしたら──その思いが、よりいっそう、快楽の炎を焚きつけてくれる。
和木と重ねる香織の唇は濡れ、互いの舌は淫らに絡み合い、腰はうねっている。和木の動きが早まると、香織は意識して膣を締めた。
今よりずっと奥へ飲み込むように──そうすると和木は喜び、すぐにお漏らしをする。
温かな粘液がすうっと自分の胎内に染みていく感覚を、香織は嫌いではなかった。

校門に達也が現れたのはしばらく時間がたっての事であった。
香織は鞄を手に、時折、時計を気にするような様を見せていたが、達也が走ってくるのに気づくと途端に笑顔になった。
「待たせたな」
「ううん、平気よ」
そうして二人は肩を並べて歩き出した。冷たい風が足元を通り過ぎた時、香織は何か薄ら寒さを感じ、顔を赤らめる。
(パンティはいてないから、スースーするなあ)
実は先ほど、和木が教室を去る時、脱がした香織のパンティを持って行ってしまったのである。
別れた女のよすがが欲しかったのか、和木は香織が乞うても決して返そうとはしなかった。

一緒に歩いていると、ふと達也の指先が触れ、香織は思わず手を引っ込めた。
「あ、あはは…」
苦笑いをしながら手を引っ込め、顔を真っ赤に染める香織を、達也は純情なのだと取ったようで、優しげな微笑みで見つめている。
そして、触れた指先の熱さに、香織は戸惑った。
今さっきまで和木に体を許しておいて、おかしいではないか。
たかが指先が触れたぐらいで──そう思うものの、次第に顔まで熱くなってきたので、香織は不思議でならなかった。
それが恋というものだと気がつくのに、香織はまだまだ時間がかかりそうである。

おちまい

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