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朝からずっと雨(2)

その夜のコンドームの箱が気になったというのは、今浮気が知ってしまっているから改めて考えると
って事なんかもしれん。その時にはやはりあまり気にせずに使ったんだろうな…。

文章にしてみてなんか冷静になったのかどうか、酔った頭では良く分からないな・
この数ヶ月はずっとそうだけども寝る前になるとちょっと息苦しくなる。
また禁煙しようかとも、思うんだがつい吸ってしまう。
彼女に換気扇のとこ以外では吸わない様に言いつけられてるんだが、
気がつくと今モニターの前で吸ってしまっていた

で、その夜の続き。

コンドーム着けて、挿入した。腰を動かしながら彼女の顔を見るとまだ涙のあとが
ほっぺたに残っている。そのときもまた目じりの方からじわっと水滴が滲み出てきていた。
気持ちよいというより安心感のような感情が、低いあえぎ声になって彼女の口を開いている。
新幹線の中では酔いつつも結構俺は高ぶっていて、今晩やったら見事に早いだろうなと
思ってたんだが、その夜は全く逝けなかった。
長い事突いてたのに、彼女のあそこはずっと濡れたままで途中これはおしっこじゃないんだろうか?
と疑い匂いを嗅いでみたほどだった。
彼女の口からは「うん・・」という抑えたあえぎ声のほかに「好き」とか「良かった」とか「ありがとう」
って言葉が漏れてくる。「愛してる?」って問いは出てこなかった。

そのまま逝けずに感覚が鈍ってきて惰性のまま突いていると、いつの間にか彼女は寝息を立て始めた。
抜いてコンドームを外す。完全に寝てしまった彼女のあそこは、しかしまだびしょびしょだった。
結局お互い素っ裸のままで掛け布団をかぶってその日は寝た。


で、その翌朝またいつもの様に朝起ちの勢いに任せてやった、と思うんだが
実は良く憶えていない。と云う事は、やったにせよ記憶に残らない程度の
おざなりなセックスだったんだと思う。
俺が彼女のアパートに着いたのは金曜日で、タイミング良く彼女は土曜日の
午前中にバイオリンのレッスンがあるだけで以後日曜日までおやすみ。
俺は月曜日は夜勤だったんで当日の昼に帰れば良く、二人で過ごす充分な
時間が久し振りに取れた事でお互い喜んでいた。


その夜は彼女とその親友Nちゃん(処女)&Hちゃん(処女)の四人で
食事をした。彼女がトイレに立ったときに早速ここ最近の彼女の様子を
聞いたが「睡眠も充分に取れないで、かなりヤバかった」とのこと。
あと「この前は3人で練習室で抱き合って泣いてしまった」とも。
この言葉はその時は何のことか分からなかった。
すぐに彼女がトイレから出てきた姿が見えたため「君らのおかげでA子も頑張れる。
これからも良い友達でいて下さいね」とお礼を云って、話を打ち切った。


彼女が戻ってからすぐに「3人で泣いたって、なんのこと?」って聞いたんだが
「色々しんどくて・・・」って答えしか得られなかった。二人もあいまいに笑うだけ。
当夜の会話であと記憶に残ったのは、彼女の通う学校の女子大生は処女か、男遊びが
激しいかの両極端、という話や、飲んだ後に行ったカラオケボックスで
選曲番号をリモコンに入力する時、「@@@@入れて」て云うところを
「@@@@ハメて」と普通に言う、地元出身のNちゃんの無邪気な声にちょっとショックを
受けたりした。


最後は四人でゲーセンに行き、プリクラ撮った。彼女と二人だけで撮ったやつは
「2月X日○○ちゃん(俺)が会いに来てくれた。ありがとう大好き。」と彼女の
書いた言葉が添えられた。
彼女のアパートの近くのコンビ二で二人に改めてお礼を言って解散した。
ついでにコンビニでベネトンパケのコンドームを買って帰る。この時のパッケージは
四人の外人さんの写真が四分割になっているやつだったと思う。昨夜彼女の家に
置いてあったものと同じ。
後に思い出すのだが、俺が前回遊びに来た時買ったやつは、
モッズのシンボル(イギリス海軍の3重丸マーク)をカラーリングだけ
変えたようなパッケージだった。


で、アパートに着いてからこれからがメインイベントという感じで部屋に着くなり
服を急いで脱いで二人でベッドに倒れ込んだ。
この夜は前夜のリベンジとばかりにお互い激しかった。
口での前戯にお互いたっぷりと時間を掛けた後、アルコールが残っていて
いまいち起ちが悪かった俺は、ローターでクリトリスを責めとりあえず1度逝かせる。
その後調子が戻ったのを確認して、昨夜のケースにまだ一つ残っていたゴムを着けようとした。
この時なんともなしに「パッケージ変わったね?」というと「そう?今日買ったやつと同じじゃ?」
という返事。あまり考えずに装着、すぐに挿入した。


正常位で彼女の足を掴んで、位置を変えながらしつこく突く。
足を高く持ち上げての側位、に変えようとした時に「○○ちゃん後ろからして」との声。
後ろからする時彼女は激しく突かれるのが好きで、この時も「あ。っあ。」てあえぎ声。
程なく「○○ちゃんガガガってして」との注文。ヒーターの設定温度が高かったのか彼女の
背中のくぼみとおしりの割れ目に玉のような汗が浮いていた。


枕もとに用意していたローションをたっぷり背中に垂らして、手のひらでマッサージしつつ
お尻に伸ばす。おしりの周りを指でちょんと突つく度にあえぎ声も高まった。
彼女のあそこをゆっくり突きながら、人差し指をおしりの穴にあてて何度か押してみる。
もういいかな、というところで彼女に「いい?」と聞く。「いいよ」と彼女。


指を入れる前に舌でお尻の穴の周辺を丁寧に舐め、サービスのつもりで舌を入れてみる。
少し広がるだけですぐに舌先を弾き返す。その後人差し指をゆっくりさしいれると
高めのあえぎ声が「うっうっ」と甘く、低くなる。(絶対音感を持つ彼女によればE♭からちょうど
1オクターブくらい下がるんだそうな)


指を入れてとりあえず俺のちんちんを薄い壁を通してなぞってみた。
亀頭のくびれのところを壁越しになでると、彼女の低い苦しむような感じにも聴こえる
あえぎ声に刺激され、思わず逝きそうになる。
まだまだと、我慢しつつあそこを突くのと、お尻が呑み込んだ指の動きを交互に抜き差しする。


彼女の声は「うぅ」と「っあ。」が交互に入れ替わり、しばしそれに耳をすます。
しばらくして指の出し入れが大分楽になったので、ゆっくり両方を抜いた。
この時点ではちんちんをおしりに入れたのはまだ2度程だった。
新しく買ってきたコンドームに付け替えてその上にたっぷりローションをつけた。
ゆっくりと、時間を掛けておしりに埋めて行く。亀頭あたりが収まったところで
小刻みに腰を揺らしてみる。今までより一際高ぶったような
「あぁあぁ」という声を合図に少し力を入れると、抵抗を感じながらも
ゆっくりとお尻が俺のを飲み込んでいった。


全体の2/3ほど飲み込んだところで止り、それより先はきつそうだったので、お尻はそのままで指を1度シーツで
拭うとびちょびちょになってしまっているあそこへさし入れた。
膣の前庭あたりを指のおなかで撫でながら、ゆっくりと腰を振り始めると数回
動かした時点で、彼女は「○○ちゃん、好き、愛してる」というと
お尻に入れたまま、かえるの様に足をM字に開いて突っ伏した。
俺もたっぷりと射精してしまった…。


射精後、少し萎えたちんちんを括約筋が押し出す。
背中の汗をタオルで拭いてやっていると、うつ伏せていた上体を起こして
首だけ振り向けながらにんまり笑う彼女。
「すごいね入っちゃったねー」と指を自らお尻にあてるとそのまま彼女の中指は
おしりの中にするっと入ってしまった…。「・・・」「・・・すごいねー」また笑う彼女。
正直に言うとこの時俺ちょっと彼女が怖くなったな…。


その後はしばらく彼女をマッサージしてやった。「凝っとるよ、ここ」
腰の筋肉をほぐしていると「ぷすっ」とおならが出た。一瞬間を置いて二人で爆笑。
彼女は「むずむずする」とトイレに掛け込む。
急に眠くなった俺はそのままシャワーも浴びずに布団をかぶった。しばらくして
彼女が布団の中に入ってきたので、腕枕をして寝た…。


この翌日は、外で食事をして彼女に紺地に水玉のシフォン(?)
のスカートを買ってあげた。
帰りがけにビデオ(クロッカーズってのと代々木忠のエロビ)を借りて、
コンビニでおやつ買って帰宅。
彼女おやつ食べながら、俺ビール飲みながらビィデオ観て、
エロビ観ながらセックスして寝た…。
ホントこの時は楽しかった。


月曜日。学校へ行く彼女と一緒にアパートを出る。バス停でベンチに並んで座って
駅へ向かうバスが来るのを待った。ひとしきり話していると黄色い帽子をかぶった
幼稚園の子供たちがバスに乗るために集まってきた来たところで、バスが来た。
また夜に電話するよ、と云い手をぎゅっと握って別れた。
「また後で」「うん」


それからしばらくは毎日の電話で、その日に起きた事の互いの報告したり、つまらんことで
口喧嘩になったりしながらも仲良い関係を保っていた。
三月末のある週末、1日だけ全く連絡の取れない日があった。
互いのどちらかが飲みに出掛けたりする時は、事前に決めたということもなく
前もって報告する習慣がついていた。
遊びに行って帰宅が遅くなりそうなら、電話が無理ならメールで連絡するという
暗黙のルールがあったのだが、そのある1日は繰り返しメールを送ったのに返事は来ず
寝る直前に最後の1通を送るとその日は諦めた。


返信が届いたのはその五時間後。明け方近くだった。仕事に出掛ける準備をしつつ
確認すると「昨日は連絡しないでごめんね。友達と遊びにいったんだけど、帰ったら
すぐに寝てしまいました。また今晩電話します」
まぁいいや、と思い「ラジャ。でもあまり夜遅くの外出は気を付ける様に。車で送ってもらう時は
ちゃんとアパートの前まで送って貰ってね」と返信。
寝てるだろと思ってたのにすぐ「うん」とだけ返信があった。

その日の夜、いつもの時間に電話した。
「おーす。昨日はごめんねー」ちょっとふわっとした口調に
もう眠ザイのんでるってのがすぐわかった。服用している眠ザイは飲んで効きはじめるのに
しばらく掛かるので、電話の途中で寝る時間に合わせて飲むのが通例で
「もう飲んだんか」と少し訝しく思いながらも、「あ、もうのんでるね」と聞く。

「うん。今日は疲れたから早めに寝ようと思って」「そう」
しばらくお互い無言。「あのさ、夜帰って来るときはホント注意してね」
彼女のアパートへの道は、車一台半くらいの幅の路地が続いていて街灯も少なく
以前から心配していた。以前地元のヤンキーが自転車に乗った彼女の大学の女性徒を
付けまわした、という事があったことも聞いていた。
「うん。なるだけ一人では歩かない様にしてるし、昨日も送ってもらったから」
車を持っている友達のNちゃんに送ってもらったんだろう、と思い
くどいかと思ったが「なら、いいんだけど。まぁ気を付けてね」


で、そこでまた互いに沈黙。なんか今日はヘンだなとは思ったが、きっと眠たいんだな
と自分を納得させた。
「・・・あのね」「うん?」「この前さ」「うん」「・・・」
ちょっとまた沈黙が続いたが「あかん、今日はもう寝ます。心配してくれてありがとね」
「おやすみなさい」でその夜の電話は終わった。


お互い気詰まりな電話をした夜の数日後、彼女から電話があった。
遠距離ということもあり電話代もバカにならないのだが、
事前に何時頃に電話するというのが分かっている時は、まず彼女が
ワンコールして切る。で折り返し俺が掛け直すというルールがあった。
その日はしばらくコールが鳴り続けたので、彼女以外の人間だと思い
子機を取り上げた。


彼女だった。「あれ?A子?ごめん掛け直すよ」「ううん、いいよ。いつも掛けてもらってるから」
「そう?まぁいいけど」「うん」「どうしたん?なんかあった?」「いや、別に」
「ははは、なんそれ?」「いやいや」
声の空気の抜け具合(?)から彼女がすでに眠ザイのんでるが分かった。


「ええとね大学の先輩がおってさ、この前ボーリングに行ったよ」
「へぇめずらしい。スコアどうだった?」「うん ははは 100いかんかったよ」
「ははは」「先輩って誰?俺知ってる人かな?」「いや○○ちゃん(俺)は知らんな」
「ええと先輩っていうと何歳?」「四年生だからわたしの2コくらい下じゃないかな?」
「もうひとりは?」「その先輩の友達で女のコ。よその学校のひと」
「先輩って男?」「うん」


「?その女のコの友達の二人で行ったの?」「あ、いや先輩も来たから3人」
「そうか」このとき俺は男と一緒にいたと云う事に関しては大してむかつきもしなかった。
しばらくボーリングでの失敗談を聞いていると、段々彼女の声のトーンが落ちてきた。
「送ってもらってきた?」「うん」「晩御飯はちゃんと食べた?」「うん」
会話がブツ切れになっていく


「あのね○○ちゃん、話があるんやけど」「うん」「もしかしたら怒るかもしれんけど」
「?」「聞いても怒らん?」「そりゃ内容によるよ」俺はこの時点ではまだ平静。
「ええと、今日な、その先輩になホテルに誘われたんよ」「・・・・」
「・・・・」「・・・はぁ?」「いや行ってはおらんよ」「うん」

「で?なんでそういう流れになったの?」と話を促す
「あのな、わたしお酒のむと結構シモネタ話すやんか?」大学に通うようになり
色んな地方から来る生徒たちの方言に影響され本来の関西弁はしばらく聞いてなかったんだが
思いきり母国語に戻っていた。
「で、ボーリング終わった後、一緒にいた女のコがそのコの友達の話をしてな」
「うん」「なんか処女やねんけど、アナルセックスは経験してるて話になってな」
「うん」・・・・「で、すごいHな話で盛り上がったんよ」
「で、送ってもらって途中でその女のコ降ろしてな、その後先輩がうちまで送ってくれて」
「コンビニの前でいい言うたんやけど」「アパート言っちゃダメ?とか聞いてきて」
「ダメていうとなんか不機嫌になって」「あんなエロい話しておいてダメなの?とかゆうて」
「ダメ」でアパートの近くのコンビニで降ろしてもらったそうだ。

この時点で俺はやっと切れ気味になってきた。
「はぁ?なんそいつは?どういうkとnん」「いやだから怒らんといてって」
「いや普通怒るでしょ」「だから付いていってないていうたやんか」
ここで少し彼女が涙声になってきたんで、俺も反省。「ちょっと待っとって」
で冷蔵庫から飲み物もってきて飲む。頭からなんか湯気が出てそうで、この時禁煙5ヶ月目
だったんだが無性に煙草が吸いたくなった・・・。

しばらく互いに無言だったが「あのさA子、ほんと付いて行ってないんよね?」「うん」
「ウソじゃないよね?」「うん。ホント。信じてください」
「・・・わかった。」「やっぱりな今日のこと○○ちゃんに内緒しておれんくて」
「うん」「信じてくれる?」「うん」…。
同じような意味の会話を繰り返していくと、段々心が落ち着いてきた。

で、落ちつくにつれ俺には別の心配が…。
「あんね、そいつに無理に誘われたん?なんかひどい事はされんかったやろうか?」
「ううん、それはないよ。大丈夫」「ほんとに?」「うん、ほんとだよ」
安心…。ええと書き漏らしたんで今書くけど、彼女が男性恐怖症気味なのはもちろん理由がある。
昔ちょっと男に乱暴(レイプ、性的悪戯とかでなく、小学生頃クラスの男子に頭はたかれたり、とかね)されたことがあって、男がちょっと乱暴な言動をとると異常に震えたりすることがあるんだ。


誘われはしたものの、なにもなかったとの事なので俺も大分落ちつきを取り戻した。
「で、そいつ名前はなんていうの?」「K川」「あのさそのK川の電話番号教えて」
「え、なんで?」「そいつに電話する。当たり前だろ。君(イライラしてるときは彼女の事を君と呼ぶ)
酔ってたんでしょ?なにもなかったから良いけど、1歩間違ってたら君が危ない目に遭ってたかも
しれないじゃない」「だから今後そういう事しないように釘を刺す」

「○○ちゃん、もう2度とその人とは会わんし、後ですぐにメモリ消すから」
「そうして。でも1度そいつと話しときたいんだけど?」
「ごめん、それはやめて」「なんで?」「その人はもう卒業するけど、まだ学校では顔を会わせるかもしれんし」「だから?」
「・・・」「だからなんでさ?なんで電話したらいかんの?」「顔あわせてしもうたら、気まずいやん・・・」

この辺でまたイライラしてくる。
「君はダメって言ったのに、それでもしつこかったんだろ?」「いや強い口調で拒否したらあとは
すぐ言うこと聞いてくれたから」「いや、でもな俺の気持ちが収まらんのやけどね」
「お願いやから。ね?もう絶対外で会う事ないから・・・」「・・・」「ね?ほんとごめん」

ここで考えたのは、俺が電話しなくても顔を合わせたら気まずいには違いなく、K川がもう一度
A子を誘う事はないだろう。実際俺がK川に電話かけた場合、もしこいつが腹を立てて
彼女にとって悪い風評とかを学内で広められたら、彼女は学校に居難くなるんでは?という事だった。


それでも何度か押し問答しているうちに、ふともう一つ質問するのを思い出した。
「そいつは君は彼氏持ちだということ知ってて誘ったんだよね」「・・・いや知らん、と思う」
「ハァ??なんで?君、俺と付き合ってるってこと言わなかったの?」
「いや…聞かれんかったし…」ここで再び怒りが。

「あのな、聞かれんかったら話さんの?そう言う事はちゃんと言うべきじゃない?」
「うん…ごめん」ホントになにもなかったんだろうか?と心証灰色に・・・
彼女は右手薬指に俺があげたプラチナにいくつかの小さいダイヤが埋め込まれたリングをしていた。
「指輪はしてたんだろ?」「うん」「K川ってやつは指輪見てるよね」「うん」
「ほんとに聞いてこなかったの?彼氏いるの?とかさ」「うん」


でこの後「一言いわせろ」「ごめん頼むからそれはやめて」の問答が繰り返され
俺もいい加減どうでも良くなってきた。投げやりに「あぁそう。電話すんのは
もういいよ。でもまた誘ってきたら絶対教えてね。で、そん時はもう絶対K川ってやつに
電話するからな」「…うん、ごめん…やっぱり怒ってるよね…」
「別に。なんもなかったんだろ?ならいいよ」「怒ってるやん」
「あのさ明日早いからもう寝るわ」「…」「じゃまた明日ね」ガチャ。


その後何度か家の電話と携帯が交互に鳴ったが、わざと無視した。
けっこうしつこく掛かって来たのだが徹底して無視してると、ようやく電話は鳴らなくなったが
携帯にメールが。「心配かけてごめんなさい。本当に悪かったと思ってます。疑っているかも
しれないけどヘンな事はなにもありませんでした。また明日電話します、おやすみなさい」
返信はしなかった。



翌日は、仕事中ずっと気分悪いままで、同僚や機械にやつあたりしたり。
仕事はルーティンワークで、なにも考えずに出来たのがちょっと救いだった。
ただふとすると、昨日の電話のことを考えてしまい、そうなるとダムに空いたちいさな
穴がどんどん大きくなる様に疑いもどんどん膨らんでくる。

なにもなかったって、ウソじゃないか?電話しないでといったのも怪しいし
とか思ってると電話での彼女の声の調子とか、細かい事すべてが俺の
疑いを肯定しているような気がして、悪いほうへ、悪い方へ考えてしまう…。


昼休み頃までに俺はひとつ考えが浮かんだ。彼女にカマ掛けてみようって。
それを思いつくと、早く実行したいと気持ちが焦る。昨日彼女は本当のことを
話してくれたんだろうか?それともウソをついたのか?



仕事を終え、彼女にメール「昨日は不機嫌になってごめん、夜にまた話そう
電話するの遅くなるかも。11時頃かな」
返信は「うん、わたしもごめん。電話待ってます」


電話する時間を迎えるにつれ、こんなことするのなんか意味があるのかどうか
分からなくなってくる。知らんほうがいいこともあるのに。
でも、昨日彼女には何があったのか知りたいという気持ちは大きくて
同時に自虐的かつ、彼女を問い詰めることを喜ぶ残酷な気持ちもあった。


11時少し過ぎて電話。すぐに彼女が出た。
「・・・おす。あのな昨日ちょっとA子をいやな気持ちにさせたよね、ごめんな」
「いや、わたしが悪いから。わたしこそごめん」
と謝り、一旦話を昨日のことからわざとそらす
「ちょっと電話するの遅かったよね。明日学校は朝から?」
「うん1日みっちり授業とレッスンがあるよ・・・」
また昨日のことを責められると思ってたんだろう。会話が昨日のことに触れなくてすむ
と饒舌になった。


学校が朝からなら起きるのは七時半くらい。彼女は睡眠時間を
たっぷり取る方なので午前0時頃には寝る予定だろう。
「あまり今日は遅くまで話せないだろ?もう寝る薬のんだら」
「うん…。ちょっと飲んでくる受話器ちょっと置くね」
「うん」


戻ってきた彼女としばらく学校や仕事の話、楽器の話などをしていると
結構な時間が経っていた。で、彼女の声も眠たげになってきた。
時計を見るとすでに0時過ぎている。
「もう寝る?」「いやいいよもうちょつと話したい」と彼女。
でもう少し時間稼ぐために彼女の親友のNちゃんの話を振ったりする
その友達は彼とのことでちょっと間抜けな悩みがあり、彼女は楽しそうに
その話をする。


ひとしきり話をしていると「そういえばね・・・」とすでに以前聞いた事のある
親友Nちゃんの失敗談を笑いながらしだした。
その話を俺も笑いながら聞いていて(実際何度聞いても笑えるのだが)
もういいか、俺は思った。同時にすごい罪悪感も。


「あのさ、昨日の話なんだけど」「うん?昨日?」「ほら学校の先輩とさボーリング行ってきたって…」
「あぁーうん。スコア全然ダメだったよ。あ、話したか」
声の様子を受話器に耳をあてて伺う。


「昨日ねほら、Hな話で盛り上がったって言ってたじゃない?」「あぁ!そうそう詳しく話してなかったよね」
「うん」「それがねー一緒にいた女のコの友達でさ・・・」
と念の為、話を引き伸ばす。彼女の口調がどんどんゆるくなってきた。
で、今日の昼に考えたことを実行に移す。



「昨日A子さ、その学校のK川って先輩に誘われたって話したよね?」
「・・・うん」流石に声が緊張する。
「俺さ昨日その話聞いてショックだったよ」「うん」
「でもね、俺A子信じるよ」「うん。ありがとう」


今夜の電話ではまだ問い詰めたりはしない。
あくまでも明日の夜のための、前振りだ。
そのK川に関してのどうでも良い話をする。
じつはそんな会話の中身自体にはあまり興味はなかった。
ただ彼女に今夜、K川に誘われた事について電話で俺と話したって
ことだけがうっすら記憶に残ってくれれば良かった。


せっかくだからどこで、何故、K川と知り合いになったのかを聞いてみようかと思った。
「その先輩とはいつから知り合い?」
「ええと、うちとは別の学科だけど、その先輩と同郷の女の子がいて
その子はわたしと同じ学科なんよ」「うん」
「で、わたしほら結構目立ってしまうやんか?年違っててもあんまし遠慮せんし
人見知りもせんし、で」「うん。それで?」


「で、その子がクラスに面白い子がいるってその先輩にちらっと話したらしくて」
「その子と学食でお昼食べてたらたまたまその先輩がおって・・・」
そういうことで二人は顔見知りになったが、以後はあまり顔も合わすことなく
会っても挨拶をする程度だったそうだ。


話してるうちに彼女の声はろれつが怪しくなってきた。
駄目押しにもう2、3K川について質問すると
「眠たいでしょ?」と聞く。
「ねむたい!」
「時間大分たった。ごめん話過ぎた。また明日話そう」
「うん!」
「昨日はごめん」
「わたしもごめん」
「おやすみA子」「おやすみ○○ちゃん、大好き」

その日の電話はそれで終わった。


翌日。今晩の彼女への電話で、彼女が浮気したのかどうかがわかる
そのこと考えると仕事の間ずっと落ちつかなかった。
もし彼女の言ったことがホントでなにもなかったのなら、疑った上に
彼女にカマ掛けた事をちゃんと謝る。
もし浮気があったのなら…って所で、正直どうすればいいのか悩んで
1日を終えた。


その夜、待ちきれなくて約束してた時間より大分早く彼女に電話する
「おす。調子どう?晩御飯何食べた?」「カレー食べたよ美味しかった」
…でしばらく業務連絡と雑談を交わして本題へ。俺はわざと不機嫌な口調で。
「あのさ、一昨日A子、学校の先輩にホテルに誘われたって話したよね」
「…うん」「で、昨日さ電話でまた俺そのこと聞いたでしょ?」
「ええと…うん、なんかその話はしてたよね」
様子を注意深く伺う、でわざと無言になる。
「…」「?どうかしたの?」「…」「なにか怒ってるの?昨日わたしなにか
ヘンな事言ったかな?」やっぱり昨日の会話最後のほうは覚えてないんだな。
ここで、賭けに入る。

「おとといさ、君先輩とは何もなかったって云ったよね」「…うん」
「昨日な、俺やっぱし気になってたからまた君に聞いたけど」「…」
「どうして浮気したの?」「え?え?」「昨日君ラブホに付いていったって言ったよ」
「え?」「いや、え?じゃなくてさどうして?」「え?わたし昨日そんなこといった?」
「…うん」「…」このしばらくの彼女の沈黙で浮気、決定しました。


「え?え?わたし昨日なんて話したの?」「だから君はおとといK川って先輩とラブホ
行ったって話だよ。どうしてそんな事したの?」「…」「黙ってないでなんか云う事あるんじゃない?」「…」「…」「わたしホントにそんな事言った?」「うん」
でまたお互い沈黙。俺はといえば、予想していた事が当たった事で頭に血が昇りはじめてた。
「昨日君が話した事、憶えてないの?」「…うん」「ねぇなんでラブホなんか行ったの?」
「…ごめんなさい」はぁ…。やっぱし行ったのか…。

「でもね、確かにホテルには行ったけど何もしてないよ。信じて?」
「ホテルに行って何もないってのはありえんでしょ?」
「いや、本当なにもなかったよ。だってわたし昨日はとにかく酔ってたし眠たくてしょうがなかったんよ」
「…」「で、車で送ってもらってる時、今にも寝てしまいそうだったたから、先輩がどっかで休もうか?って」「…」


彼女はとにかく眠くて仕方がなかったらしく、どこでもよいから早く布団に入って
眠りたかったんだと。で、先輩にホテルに誘われた時、「行っても何もしないんだったら
いい」と答えた。(ホテルいって何もしない男なんかおらんぞ、と心中でつっこむ)
で、入ったら当たり前というかK川は早速ちょっかいかけてきたが、「やめて」「約束したやん」
「やめろって。しつこい」と断固拒否。で、むっとしたK川がベッドの端に背を向けて寝たのを
確認して彼女も寝たのだそうだ。


翌朝起きて流石に彼女もバツが悪く、早朝アパートに送ってもらう途中コンビニに寄ってもらい
自動支払機でお金下ろしてホテル代払ったそうだ。
電話している間、ずっと彼女は否定した。ハァ…どうしてもそう言い張りますか…。
しかし「なにもなかった」という言葉を聞いて、そんな事絶対ありえんと思いつつも
俺は結局その言葉を信じる事にした。というか、すがった。


冷静に考えたらなにもないってこと有り得ないのに、彼女が他の男とヤッたなんて
信じたくなくて、「そうか…ほんとに何もなかったんやね」「うん。ほんとです」
という言葉を信じることにした…。

バカだな俺…


彼女が浮気したって確信していたのに、彼女の言い訳に乗っかって自分を誤魔化していた。
丸っきり信じてないのに、それを意識しないようにする事が出来るって人間のこころの
防衛反応ってすごいな、と思った。
四月。彼女はNちゃん&Hちゃんとともに老人保健施設に介護の実習に行く。
ちんこ丸出しでウオーと雄叫び上げながら院内を歩き回る、痴呆のおじいちゃんとか、
もう身寄りは全くないのに子供らが迎えに来るのを1日中待ってたおばあちゃんとかの話。
電話で毎晩その日にあった、嬉しかった事、悲しかった事、笑えた事を話してくれた。
そういう彼女は、浮気をする前の俺が大好きな彼女だったよ。

この時もある男に言い寄られた事があった。
介護実習は学生の他、一般の人達も受講してたのだが、その中の彼女と同い年の娘を持つ
中年男性。実習が終わって数日後その男から電話がかかった。
「学校の近くに来てるんだけど、会えないかな?」その時Nちゃん&Hちゃんも傍にいて
「四人でどっか飲みに行きましょうか?」と応えると、もそもそと「出来るなら二人で…」
と。いや、それはちょっと…と返事すると電話が切れたそうだ。
男を惹き付ける粉かなんかが、身体からポロポロ落ちてたんだろう。
1年前と比べると格段に色っぽくなってたし。
その男の印象を聞くと「とても感じのよい、立派な紳士だと思ってた」そうだ。


ゴールデンウィークは以前から大きな二つの予定があった。
一つは彼女の学校の定期演奏会のためのドレス選び。
二つ目は、良さそうだと目を付けてた、結婚式場の見学…。
去年の正月に両親、親戚どもに改めて結婚する、と紹介してから彼女は良く
結婚情報誌を買うようになった。そこで紹介されている良さそうな場所に
電話してはパンフレットを送ってもらい、検討した後何ヶ所か見学してみるという
事になっていた。こちらに帰ってくる前の電話で嬉しそうに「気に入った式場見つかると
いいね」という彼女に「…うん、そうやね」と答える俺。
ラブホの件、彼女の頭の中ではどうなってんだろう???忘れたのか??


俺は二人で過ごす連休の為に、以前から休日出勤をしていて世間並みに休みを確保していた。
で、連休に入る二日前の夜、彼女は帰って来た。駅に迎えに行くと
片手に大きなカバン、片手にバイオリンケース。
これまでに何度も見た、いつもの彼女の姿。「お帰り」「ただいま」
ケースを受け取ると、空いた手ですぐに俺の手を握ってきた。
表情を伺うが、これといって変わったとこもなく、全く普通。普段より念入りにお化粧はしてたが。
二人だけの時しか行かない小料理屋で乾杯のあと、これまた今まで通りの会話、明るい笑い声。
彼女が店の大将と話す
「うちら今週式場見に行くんですよ!」「○○さん、とうとう覚悟決めたね」と大将
やっぱし俺の思い違いだったのか…そうか…良かった…。安心したせいか良く飲んだな。


家に帰ると、二人でお風呂に入る。いつもならここで一戦交えるのだが
アルコールのせいか役に立たず。「あーあ、年だねー」と笑いながら
その後しばらく湯船に使っておしゃべりした。
お風呂から上がると、翌日の俺の仕事の為「お弁当を作る」と言ってくれたんだが、
彼女も長旅で疲れてるはずだから、お礼を言って断った。


食事中、携帯の電源を落としてたので、パジャマに着替えた彼女がメールのチェック
を始める。一通り確認した後、二人で布団にはいるなり彼女はすぐに抱き付いてきた。
何故かもう半泣きになってた。俺のマウントを取り顔中にキスした後、「会いたかった、大好き」と
言いながら片手で裸の俺の上半身を撫でながら、片方はすぐにパンツの中をまさぐってくる。


この時俺が何を考えてたのか分からない。ただ半泣きになっている彼女の顔を醒めた目で
眺めていた事だけ憶えてる。
パンツの中をしばらく触ってても変化が起きないのに、ちょっと焦った様子でパンツをずり降ろし
「疲れた?」と聞きながら唇を近づけたところで制止する。
「A子明日また仕事早いからさ、今日は寝よ?A子も疲れてるでしょ?」
「えーっ!」とちょっと芝居掛かった表情で目をまるくしたが、
にこっと笑って「じゃ明日ヤリまくろうね!」と云って俺に背中を向け「いつもので」と
せがむ。「了解」と彼女を背中から包む様に抱いて目をつぶった…。


俺も疲れてたんだろうか、すぐに眠ってしまった様だ。

…彼女の携帯の着信音で目が醒める。
彼女を見るとぐっすり寝入っている様で、とても穏やかな、安心した表情だった。
着信音はすぐに途絶えた。これはメールの方だなと思った。午後11時位だったと思う。
彼女と電話をしている時、良く彼女の携帯がメール着信を知らせるメロディを受話器が
拾って、俺に聞こえることがある。
(聴いた事ないメロディだな?)
彼女の携帯の着信音は大抵バッハのアリアか、宮崎アニメの主題歌、あとは古いモータウンの歌とか
そんなのをローテーションで使ってたんだが、今聴いたのはそのどれとも違ってたような気がした。

…なんかすごく嫌な胸騒ぎがした。頭がチリチリしてくる。
もう目は冴えまくっている。布団に入ったまま(あれなんて曲だっけ?)と
どうでも良い事を考えて一瞬浮かんだ厭な考えを忘れようとした。
(なんだ?なんだ?なんだ?)(どうする?どうしよう?)(だめだろ、そんなことしたら?)
(裏切りだろ?それは?)という言葉が頭の中をぐるぐるまわる…。

胸苦しいまま、そのまま確か三十分ほど悶々としていたと、思う。
隣からは「すー」という穏やかな寝息。顔を見るとぐっすり眠っている。ちょっとよだれも…。
俺は決心すると、腕枕してちょっと痺れた腕をそっと彼女の頭の下から抜いて、布団から抜け出た。


静かに音を立てないように、ダイニングテーブルに置いたままの
彼女の携帯を手に取るとそっとトイレへ。
鍵を閉め、ひとつ深呼吸してメールを確認する。開いてしまわないように、注意して送信者の
名前を……

…Hちゃんか…。(ふう…)と安心すると急に眩暈がして、息苦しくなった。
(他人の日記や、私信を盗み読みするのはそれまで最低だと忌避していた)
しばらく携帯を開いたまま放心してたが、一寸投げやりな気持ちになって
1度もうやっちゃったんだから、と居直りつつ
もしかするとこれでやっと晴れて彼女を信じる事が出来るのでは?と期待しながら
今までの受信メールを確認していく、あの時は多分ちょっとおかしくなってたんだと思う。
ダイアルを回して次々に確認していく、俺、俺、俺、Hちゃん、Nちゃん、M先生、俺…
ゆっくり見逃さない様に確認していく。そして。


(?誰これ?…)
N内。(???)思い当たらない。
嫌な気分がしたが、もうメールを開いていた。
「ところでA子のお気に入りの****に今日行かない?」3/28
次もN内。
「スロット勝った!」3/28
「うん、まあ身体のほうはなんともなかったけど」3/27
「朝から車ぶつけられて…」3/27
N内、N内、…○○の社長と同じ苗字…。
少し記憶を探った後に「ぁ」…。

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