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高速バスにのって会いに行くと・・・(2)

どんなに辛かろうが朝は来る。目が覚めると、やっぱり真理は隣にいた。
あー、現実なんだと思うと、なぜか気が重くなった。

真「あ・・・おはよ・・・」かすれた声で真理が言う。
俺「ん・・・おはよ。今日は新幹線で帰るか?それともバスにするか?」
真「あ・・・ん・・・と・・・もう一日居たい」
俺「んー?でもヒデ待ってるだろ?」
真「彼は大学だから・・・今日はいないよ」
俺「でも、さ。たぶん真理のこと心配してるさ。・・・夜に飛んでくるんじゃないか?」
真「でも、雅人と居たいよ・・・」
俺はどうしたらいいのか分からない。そりゃあ真理と居られたらいいけど・・・
俺「ん・・・わかった。今日は俺とデートしよう・・・でも、明日は帰ろう、な?」
真「ごめん・・・ありがと・・・」
なにがごめんで、なにがありがとなんだか。

俺「デートだから、ちょっと付き合って欲しいトコがあるんだ」
俺は真理を病院に連れて行った。通院日だったし、現実を突きつけた。
先生は俺の大先輩(高校のOB。つっても、もういいかげん爺さん)で、「彼女です」なんて紹介したら、
「やってるなー」とか訳のわかんないこと言ってた。
真理は病院から出た後、暗い顔をしてた。当然だわな、これが現実ってもんだ。
俺「ごめんな・・・これが今の俺」
真「うん・・・話を聞いて分かったつもりなんだけど・・・」
真理は声を出さずに泣き始めた。俺は真理を抱きしめるしかできない。
俺「ま、腹減ったら暗くなるし・・・飯いこ、飯」
真理の好きだったパスタ屋へ行った。いつものランチを頼んで食べたけど、お互いに会話するでもなかった。
なんか二人で黙々と食べた。
そしてなんとなくいつものデートコースを回って、アパートへ帰ってきた。
夜に真理と頑張ろうとしたけど、やっぱり起たなかった。二人で苦笑いして寝た。

次の日、真理は高速バスで帰っていった。「長くいるとつらいから」って、朝一のバスで。
どうなんのかな、俺達。

真理が帰ってしばらくして。電話が鳴る。
真「雅人?」「おー、真理か。どした?」「体、どう?」「どうもなにも、先生にお任せ」「そっか」
俺「ヒデは来た?」「うん」「・・・やった?」「・・・うん」「・・・そっか・・・気持ちよかった?」「・・・うん」
何自虐的なこと言ってるかな、俺。
真「ね、雅人!」「ん?何?」「あの・・・よかったら・・・」「ん?」「早く、私のトコへ、来て・・・お願い」
俺「そう言われても・・・ヒデいるだろ?」「あの!・・・来て欲しいの・・・雅人に・・・会いたい・・・」
真理の気持ちは固まったんだろうか。それにしたってちょっと行くのは憚られる。
俺「じゃあ、近いうちに行く・・・来週は無理だから、再来週」
真「え?・・・うん!・・・待ってる・・・必ず・・・待ってる」
俺「じゃ、待っててよ」「うん」「じゃ、また」「うん、また」

相変わらずピクリともしない自分のティンポを伺う。どうしたもんか。

それにしても真理はよく電話をかけてくる。他愛もない話ばかりだけど。
今までの連絡のなさを埋めるみたいに。たぶん俺の体が心配なんだろうけどさ。
これって愛情じゃなくて情なのかな、なんてことも考えたり。
でも真理が精一杯俺を励ますので、少しずつ自分のティンポも復活してきたw

2週間経って、約束通り真理のところへ行く。でも今までみたいなウキウキはなく、どんより鬱を感じつつ。
アパートにはバイクはなかった。当然だよな。元彼来るんだし。
真「雅人!・・・会いたかった・・・」真理が抱きつく。そしてキス。今までみたいなラヴラヴは感じないけど、
でもちょっと嬉しいと感じるようにはなった。
真理の部屋で真理の手料理を食べ、一緒に風呂なんぞ入り、寄り添ってテレビ見たり。
なーんだ、いつものラヴラヴカポーじゃん。そんなとき、ピンポーン、と。
真理が玄関に出て、固まる。俺は敢えて行かない。真理が何かを言ってドアを閉める・・・

俺「ヒデ?」「・・・うん・・・」急に部屋の空気がよどんだ。

俺「俺が来ること、ヒデに言ってなかったの?」「うん・・・」「なんで?・・・もちっとうまくやりなよ・・・」
真「違う!・・・そうじゃ、ないの・・・」
真理は震えながら続ける。
真「言えなかったの・・・雅人のこと・・・ヒデとやめたいってこと・・・」
俺「・・・んー・・・言えなかったって・・・それで済む問題じゃないだろ?」
真「雅人のこと考えるとつらいの・・・一緒にいたくて・・・でもヒデに甘えてしまうの。ヒデ暖かくて、つい拒めないの・・・」俺「・・・」
真「ヒデとエッチして、すごく後悔する・・・雅人じゃないんだって・・・でも、雅人・・・」
俺「・・・俺、さ。お人好しじゃないし。ヒデのことは許せない。別れてよっていつも思ってる」
真「うん」
俺「でもそれ言うの俺じゃないだろ?・・・真理が言わないと」
真「うん・・・ごめん・・・雅人苦しめてる・・・」
俺「それ、本意?」真理は首を横に振る。
真「雅人・・・ごめんなさい!雅人!・・・」声を上げて真理が泣きじゃくる。
俺「なんとかしようよ・・・な」
真「うん・・・うん・・・」さて、スレのみんな、俺はだまされてるのかな?

真「お願い!私を抱いて!・・・めちゃめちゃにして・・・お願い」泣きながら真理が言う。
俺「!」
なんだろ。今まで全然ダメだったティムポが復活したよ。
思わず夢中で真理を抱いた。めちゃくちゃやりまくった。朝まで眠らずに。
そして外が白々明けて、二人とも疲れていつの間にか眠った。起きたときはなぜか繋がったままだったw
ま、ティムポはしぼんで抜けてたけど。
真理も起きて、二人でなんでか笑ってしまった。ようやく嬉しい気持ちが戻ったみたいだ。

朝食は二人で作った。なんか幸せだったな。もちろん、二人は覚悟を決めてた。
真「ヒデに電話するね・・・一緒にいてくれる?」「うん」


平日なので、真理は大学へ。俺はさぼってやって来たから、なにもすることがない。
つい部屋のカラーボックスを眺める。そしたら、日記帳を見つける。とことん自虐的だな、俺。

日記はご丁寧に、一人暮らしを始めてから続いていた。自分の彼女ながらすげーなと思う。
もちろん目で追ってるのは、ヒデとの一部始終。・・・これか。あった。

○日
秀明がアパートにやってきた。びっくりした。冗談で教えたつもりだったのに、わざわざバイクで。
部屋でいろんな話をした。懐かしかった。雅人がいなくて寂しかったけど、少し気が紛れた。

○日
今日も秀明が来た。部屋の写真を見つけて「彼氏?」って訊かれた。もちろんうんって返事した。
街でご飯を食べて帰っていった。今日も雅人と連絡が取れない。寂しい。


○日
秀明が来た。「彼氏は?」って気にかけてくれる。嬉しい。でも連絡が取れてない。
秀明が「大丈夫」って言ってくれた。ありがと。

○日
すごい雨。外に出られない。秀明はバイクだから来ないだろうな。なんか最近気になる。
秀明どうしてるかな。雅人はどうしてるんだろう。

○日
雨。秀明が来てびっくりした。ずぶぬれ。全部濡れてる。シャワーを貸して、自分の服を貸した。
なんで来たの?って訊いたら「会いたかったから」って。嬉しい。
秀明が優しい。ついつい甘えてしまう。そう思ったらキスしてしまった。秀明はびっくりしてた。
なんでしちゃったんだろう?

秀明に今度はキスされた。そのまま脱がされてエッチしそうになった。
でも秀明のが入らなかった。はじめてで緊張してるのかなって言われた。
自分が秀明の初めてなんだって、嬉しかった。抱き合って眠った。あったかい。
次の日はちゃんとできた。自分が秀明のをなめたら、ちゃんと固くなった。
よかった。秀明が感じられた。

○日
秀明が来て、エッチした。その時雅人の名前を言ったみたい。秀明が「ヒデって呼んでよ」って言った。
頑張ってみようと思う。雅人には申し訳ないけど。

○日
雅人に電話した。披露宴に出たくないこと言おうと思った。でも言えなかった。
雅人の声聴いたら、泣きそうになった。
ヒデは今日も来てくれた。エッチはしたくないって言ったら我慢してくれた。
どうしよう、今はヒデが好きだ。雅人になんて言おう。


○日
今日エッチしたとき、ちゃんとヒデって言えた。嬉しかった。雅人にはちゃんと言わないと。
別れないと。

○日
雅人が急に来た。ヒデがいるからびっくりして、追い返してしまった。ホテルに行って、別れ話をした。
なんでこうなったんだろう。ホテルに行く前ヒデは「いない方がいいだろ」って出ていった。
アパートで雅人にお金を置いてかれた。披露宴に出て欲しいって。どうしよう。

○日
ヒデが来た。披露宴のことを話した。ヒデはすごく悩んで「行っておいで」と言った。
雅人とのこと確認しておいでって。本当は行きたくない。でもこのままじゃダメだから行こうと思う。

○日
披露宴に行く日、ヒデが見送りに来てくれた。嬉しいけど、これから雅人に会うと思うとつらい。


○日
帰ってきた。すごく悲しくなった。
雅人の病気のこと。連絡取れなかったこと。全部聞いた。病院にも行った。
すごくひどい女だ、私。雅人のつらいの、分かってなかった。ヒデに甘えてる間もつらかったのに。
雅人としたかったけど、できなかった。当たり前だ。ひどいことしてるんだもの。
どうしよう、別れようって思って行ったはずなのに、やっぱり雅人が好きだ。
ヒデにもひどいことした。自分が分からない。

○日
ヒデが来た。求められてした。激しかったけど、いつもみたいに感じなかった。なんでだろ。
雅人に悪いことしてるからかな。ヒデにも悪い。

○日
ヒデが泊まっていった。したいって言われたけど断った。なんかできない。気持ち悪い。


○日
雅人に来てって電話した。再来週に来てくれるって。嬉しいよ。
でもヒデのこと訊かれて苦しかった。まだヒデのことも好きなのかな。
雅人だけ好きになりたい。自分が嫌い。

○日
ヒデに求められた。したけど、全然気持ちよくない。もう止めて欲しい。
ヒデにごめんって言っても、分かってくれない。エッチが怖いよ。

○日
もうすぐ雅人が来る。早く来ないかな。ヒデは最近学校が忙しいのかな。来ない。
でも来ないとなんか安心する。ヒデの顔を見るのが怖い。

○日
ヒデが来た。でも帰ってって言った。ヒデはなんでって訊いたけど、答えられなかった。
雅人、ごめんなさい。ヒデ、ごめんなさい。ヒデは帰ってくれた。ほっとした。


読んでてだんだん吐き気を感じてきた。やっぱり真理がヒデに抱かれてる事実を知るのはつらい。
馬鹿なことをしたと思う。
無性に自分に腹が立って、酒でも飲まないとやってられなくなった。浴びるように飲む。
もともと下戸の俺は、すぐに気持ち悪くなった。薬も飲んでるというのに、酒なんて。
目が回る。吐くなと思う寸前で、なんとかトイレに這い出して吐きまくった。
這ったまま部屋へ戻る。目が回ってどうしようもない。
ドアが開くような音がしたけど、そこから先は覚えてない。

めまいが少し楽になった。真理の膝枕で寝ていたようだ。真理が泣いたまま俺を見てる。
「雅人・・・なんで?・・・ごめん・・・」
真理は俺が見てしまったのを分かったようだ。俺もうまいことやればいいのになw


真「電話する!今、電話する・・・」真理が言う。
俺「動けないし、俺・・・もちっと待ってよ・・・」ヘタレだ、俺。夜になるまで二人でゆっくり眠る。

夜。
いつもの公衆電話に行く。ちょっとフラフラだけど、ここが正念場だ。
真理が番号をプッシュする。しばらくの間。
真「あ・・・ヒデ・・・明?」真理の表情がこわばる。
真「あの・・・ね・・・。もう、やめよ?・・・もう、来ないで・・・」
受話器の向こうで困惑してるヒデの様子が理解できる。俺もそうだったからな。
真「ごめん・・・なさい・・・秀明とおつき合い、できない・・・雅人がいい・・・」
真理が俺に助けを求める目をしてる。頭を切り換えて、受話器を受け取る。
俺「もしもし、雅人です・・・分かるよな?」
秀「はい・・・分かります・・・」


俺「なんで、手を出した?」
秀「・・・好きになったから・・・」
俺「俺がいるのを知ってて?」「はい」「・・・ひでぇ男だな・・・」「あなただって!」

電話は長くなった。詳細を書いても仕方ないので書かない。
要は「もう来んな。この間男」と決着つけただけ。でも話をしてヒデも俺と似て毒男だよな、とは思った。
なんつか、今のご時世じゃなんでもありって感じだけど、昔だし田舎だし、まだウブってのが残ってたんだな。

約束通り、ヒデはもう真理のところへ来なくなった。真理の実家にも顔を出さなくなったらしい。
結局、俺と真理は元サヤになったというわけ。でも気持ちは元通りというわけにはいかなかったな。


一応ヒデとの話はおしまいなんだけど、ちょっとだけ続くんだ。

一度寝取られた女ってのは、繰りかえすってのはホント。
真理はこの後、俺のアパートの隣人と付き合ったり(をぃ)、オフ会のメンバーと寝たり(をぃをぃ)、
そんなこともあった。流されやすい女だよなw
でも結局戻ってくる。それを受け入れる俺もどうしようもないやつだわな。
でも、終わりは突然だった。


ヒデと別れて1年。俺はなんとか就職して社会人になった。
そんなとき、真理に「もう会うのやめよう・・・」って言われた。
俺「へ?また男か?」「違うの・・・でも、もう雅人と会いたくない」「男なんだろ?」「違う!」
そんなやりとり信じられるはずがない。でも真理は違うと言い張る。
高速バスで真理が帰るとき俺が「愛してる」と言ったとき、真理は「愛してた」と。
なんだそれは?

しばらくして真理のアパートへ押し掛けたら、ものの見事に引っ越していた。真理の居場所は分からない。
真理のクラスメートに訊いても教えてくれない。なんなんだよ。
疲れた足取りで家に帰った。それから真理の声を聞いてない。聞いてないってのはちょっと嘘だけど。


半年。
真理と不本意な別れをして半年して、電話が鳴った。

俺「はい」
声「はじめまして・・・真理の・・・母です・・・」
俺「は?・・・あ!・・・はじめまして・・・真理さんにはいろいろお世話になって」
声「いえ・・・こちらこそごめんなさい。実は・・・真理が・・・亡くなりまして・・・」
俺「え・・・ちょっと・・・」
声「雅人さんに告別式に来ていただきたいんですが・・・」

ちょっと待て。どっきり?・・・それにしてはひどいいたずらだ。

声「場所は・・・」
俺「すいません!・・・メモを・・・」
俺、思考が停止してる。手はメモを取ってるのに。なんなんだろう、この現実味のなさ。

とにかく、現実じゃなかろうとだまされてやろう。あわてて礼服を持って汽車に乗った。
初めて訪れる真理の実家。あー、ほんとに店だー。通夜になんとか来れた。
初めて間近に、あの頑固おやじさんを見た。俺に一瞥をして気丈にしてる。
お母さんに連れられ、奥の部屋で喪装に着替えた。真理の顔を見せてもらったはずなんけど、よく覚えてない。
記憶から脱落したのかも。

本葬、告別式。現実なんだろうけど現実じゃない。ホントに申し訳ないがよく覚えてない。
真理の旦那のようにして、よくやっていたと言われるけど、自分は全く覚えてない。
お母さんからの話では、急性の病気で学校にいられなくなったと。緊急入院で相当頑張ったけど、結局はダメだったと。
中途退学みたいになって、申し訳ないことをと。
お母さんから、真理の手紙をもらった。実はまだ持ってる。手紙の中身は教えてやんねー。もったいないw
でもちょっとだけ書かせてもらうと「雅人にひどいことした罰が当たったよ。ごめんね。ありがと」と。
手紙を預かり、真理のご両親へお礼を言い、できるだけ泣かないように家へ帰った。


家に着いた。ひとり。
なんなんだよ。ひとりかよ。この手紙なんだよ。安直なドラマじゃねーよ。大映TVシリーズかよ。

現実。
もうやだ。
やだよ。

泣いた。ひとりだし。泣くしかない。

そんなとこ。ほんとに突然の終わり。声は手紙って形で聞いた。
今でも、手紙と真理の写真1枚だけは捨てられないでいる。無理。

さ、これでホントに終わりだ。なんとか書いたよ。仕事中だってのに、オサーン泣かしてどうすんのよ、皆の衆?w
酒でも飲みたいな。下戸だけど。

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