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その男、昏睡中につき(10)

英子が有線に気を取られているうちにいつのまにか山本はシャワーを終えていた。
この時の英子の格好はまだ、からだにバスタオルを巻いていたが、タオルの下は
水着のままだった。
ベッドにうつぶせになり枕もとのパネルを操作していた英子には背後に山本が立って
いることには気がつかなかった。
その間、山本は舐めるような視線で英子の事を視姦していたにちがいない。
ふと、背後に人の気配を感じた英子が振り返るとそこに、下半身にタオルを巻いただ
けの山本が立っていた。

「やだーーー!びっくりするじゃない・・・終わったなら声かけてよ」
英子はびっくりして言った。
「へへへ、ごめん、ごめん」
「英子ちゃんがあまりにもかわいいからつい見とれちゃったんだよ」
山本はにやけながら英子のバスタオルからはみ出た太ももを凝視しながら言った。
「やだー、山本君、変なとこ見ないでよ、恥ずかしいでしょ」
英子はそう言うと、ベッドから上体を起こし、自分のかばんを置いてあるソファー
へと向かった。
「山本君も、そんな格好してないで早く着替えてね」
「えっ、もう着替えちゃうの?」
「そうだよ、恥ずかしいよ。だってお肉ぶよぶよだもん」


「そそ、そんなことないよ!英子ちゃん、魅力的だって」
「またまた、だって山本君は細い子すきなんじゃない?」
「そんなことないよ、英子ちゃんみたいな子好きだよ」
「えー、だって私村上さんとぜんぜんタイプ違うよ」
「だから、村上とはそんなんじゃないよ」
「無理しなくていいよ」
「だから、違うって・・・秀樹の奴はそんなこと言ってたけどな」
山本は不気味ににやりと口元をゆがめながら言った。
「えっ?秀樹が???なっなんて言っていたの?」
英子はあきらかに不快感を顔に表していた。


「さっき、車の中で言いかけたけれども、秀樹は英子ちゃんの事ミソカスに言ってたよ」
そう言うと山本は不敵な笑みを再び口元に浮かべた。しかし、英子は、目の前が真っ暗に
霞んでいくために山本の表情の変化に気がつかなかった。
「なっ、なんて言っていたの?」英子の声は震えていた・・・
「えっ、本当に聞きたいの?かなり凄い事言っていたけど・・・」
「もう、あんな奴の事どうでもいいよ!だから本当の事知りたい」
「そうか、じゃ、覚悟はいいんだね・・・」
「うん・・・」


「これはあくまでも秀樹が言ったことで僕の言葉じゃないからね」
「うん、分かってる」英子は静かにうなずいた。
「そうだね、俺も、こんな事言いにくいし、ちょっと飲んでもいいかな?」
「えっ、あっ、うん」
山本は英子があいまいにうなずくのをあまり聞きもせずに備え付けのグラスに
作ってあった水割りを手にした。
「さっき、僕がシャワーを浴びる前に作っておいたんだ、丁度いいくらいに
氷も溶けておいしそうだ、英子ちゃんも飲みなよ」
そう言って、山本は英子に水割りを手渡した。


「あっ、ありがとう・・・」
「さっ、早く飲みなよ・・・」
「うん・・・」そう言って英子はグラスに唇をつけた。
山本は静かにその動作を見守っていた。見守るというより直視していた。
英子は静かにグラスを傾け、唇を琥珀色の液体につけた。
「さっ、ぐっといきなよ」
英子は唇を少し湿らすくらいだった。
「ありがとう、おいしいね、これ・・・」
「ぐっといきなよ・・・」
「うん、でもなんだか水割りって気分じゃないな・・・ビール飲んでもいいかな?」
「えっ?あっ、あぁ、う、うん、いいよ・・・」


英子は山本の返事もろくに聞かずに冷蔵庫を開けた。
「うーーーん、ビールけっこう高いね・・・でも、いいかっ」
英子はボタンを押して缶ビールを取り出した。
「山本君は水割りでいいのね?」
「あっ、あ、ああ、いいよ・・・」
英子は山本の返事を聞くと、缶ビールを空けてそのまま一口飲んだ。
「あーーー、お風呂上りのビールはおいしいや」
つぶやくように言った。


「それで、秀樹はなんて言っていたの・・・」
「あっ、うん、その話だったよね・・・」
山本は少しうつむいて、自分の手にした水割りをニ、三口飲み込んだ。
「多分、英子ちゃんが聞いたら、卒倒しちゃうような事だよ・・・」
「・・・」


「あいつ、英子ちゃんの事バカ呼ばわりにしていたよ・・・」
「何て言っていたの?」英子はむっとして言った。
「そうだね、英子ちゃんは胸に栄養が行き過ぎて脳みそは腐っているとか」
「英子ちゃんはデブで肉がぶよぶよしている、俺はもっとスリムな子が好きだとか」
「最近腹が膨らんできたのは俺以外の男とやってはらんだに違いないとか」
「物覚えが悪くてセックスがへたくそなのは頭が悪いからだとか・・・」


男同士の友人だとわりと彼女との性生活の事や彼女に対する不満を愚痴ったりすることがある。
俺も、山本のことを親友だと思っていたので、英子に対する不満を飲んだ勢いで愚痴ったこと
があった、奴はそれを悪用してあることないことを英子に吹き込んだ。
奴は1いったことを100言ったように大袈裟に膨らまして挙句にはありもしないでまかせを
英子に吹き込んだのだった。


「ひっ、ひどい、そんなこと言っていたの・・・」英子の声は震えていた。
「こんな事も言っていたな・・・英子ちゃんとのセックスは最悪だから
ソープに行ってきたとか、英子もソープに沈めて勉強させるしかないなとか」
「・・・」英子の目には涙が浮かんでいた。
「あいつ、もしかしたら酔った振りして美香のこと襲ったのかもしれない」
「えっ?」英子は思わず山本の言葉に耳を疑った。
「あいつ、前日に英子ちゃんを襲ってなかだししたり顔に精液かけたりしたでしょ?」
「う、うん・・・」
「それは、あいつのたくらみで、英子ちゃんがなまでやらせてくれないから最後に
嫌われるために無理やり酔わせて寝ているうちにやったんだよ」


「それで、英子ちゃんと別れるために酔いつぶれた美香のことやったんだ!」
山本はだんだんと感情を高ぶらせ最後には叫んでいた。
「全部、あいつのたくらみだったんだよ!」
「そっ、そんな・・・」
この時、既に英子はショックと極度の疲労感に襲われてかなり落ち込んでいた。
「そんな、秀樹が、私の事、酷い事、言っていただなんて・・・」
「それに、酔ってたんじゃなくてレイプしただなんて・・・」
「そうだよ、あいつそういう奴だよ!俺のこともいつもいつも利用して」
「俺のこと小間使いとか奴隷くらいにしか思ってなかったんだよ!」
山本は矢継ぎ早に俺の悪口をあることないことまくし立てた。


英子はもう、うんざりしていた。
この二日間、いろいろなことがありすぎた・・・
一日目、秀樹に寝ている間にレイプされる・・・しかもなかだしされた・・・
しかも、あそこのなかだけではなく、顔や胸、お腹の上にも射精された・・・
二日目、秀樹が酔いつぶれた村上の事をレイプする。しかも、なかだしした・・・
そして、山本にはいろいろ連れまわされたあげく部屋に帰ることができなくなり
ラブホに泊まる事になった。そこで聞かされた秀樹の言った私の悪口・・・
最後には、秀樹は酔ったのではなく計画的に私と村上さんをレイプした・・・


「大丈夫?英子ちゃん」
山本は少々うつろになった英子の肩に手を置いた。
「えっ、うん、もう、凄くイヤだ」
英子は涙ぐんでいた。
さっきたくさん泣いてもうすっきりしたと思ったのに再び涙が溢れてきた。
「もういい・・・」


「えっ?」山本は間の抜けた返事をした。
「もういい・・・」英子は同じ事をつぶやいた。
「もういいって?・・・」
「いいよ、もういいよ、好きにしていいよ・・・」
英子は全てがイヤになっていた。大好きだった秀樹に裏切られるだなんて、
私の始めてをささげた愛しい人が私の事を裏切るだなんて・・・
しかも計画的にレイプをするだなんて、そんな人だっただなんて・・・


「えっ英子ちゃん・・・いいの?」
「・・・」英子はだまって何も答えなかった。
山本は英子が黙って返事をしないので英子の事をベッドにそっと寝かせた。
「・・・」英子はもう一言も言葉を発しなかった。
「はぁはぁ・・・」山本の息遣いは荒くなっていた。
「もういい・・・」英子の心の中ではこの言葉が何度も何度も繰り返されていた。

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