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痴漢に触られて・・・。

Kは大学時代からの男友達だった。
よく遊んだが、付き合うということになることはなかった。
私は彼の一番の女友達でいられることにとても満足していたから。
というのも、彼は絵に描いたようなさわやか青年ですごく人気があったのだ。
好きになってもどうしようもないと、諦めていたというのもある。
実は何度か、罪悪感を感じながらも、
その日焼けした腕に抱かれる想像をしたことはあったのだが…。

その日も私と彼はふたりで飲みに行った。
Kは、珍しくかなり酔っ払っていた。
仕事でミスを押し付けられたそうで、飲んでいる間もずっと愚痴を言っていた。
次の日は休みだし、私の家でまた愚痴を聞くよという流れになって、
ふたりで電車に乗り込んだ。

終電近いこともあり、かなり混んでいる。
Kはつり革につかまったまま寝そうになっていたので、
私はKの背中を右手で支えながら、左手でつり革をつかんでいた。
私の家の最寄り駅までは、急行で1駅。だが5分くらい止まらない。
ぎゅうぎゅうと押されながらも、自分の位置を確保して立つ。
と、そのとき背中に違和感を感じた。
なんだか、撫でられている気がする…?
その手はだんだんと下へ下がり、お尻を触ってきた。
私は今さら確信した。痴漢だ!!
自慢ではないが私は痴漢に今まで遭ったことがなかった。
まともな痴漢にあったのは初めてだった。
混乱して状況の理解に頭が追いつかない私を、
背後の痴漢は恐くて身動きがとれないと思ったようだった。
動きがエスカレートする。


お尻を揉みながら下半身を押し付けて、
私の首筋に荒い息を吹きかけてくる。
私は不覚にも感じてしまった。
「ふぅ……ん」
意図せず声が漏れてしまう。
痴漢は気をよくし、電車の揺れに乗じて更に体を寄せた。
右脇の下から手を差し入れて、胸をがっとつかんでくる。
右側はKが立っているから他の客からは死角になっている。
彼は相変わらずウトウトと揺れている。
左側には、私が左肩にかけたバッグで見えない。
目の前に座っているOLは、イヤホンをして眠っている……
なんという状況だろう。

痴漢は薄手のカーディガン越しに、人差し指の爪で乳首を執拗に擦る。
もう一方の手は、お尻を撫でたり、持ち上げたりしてくる。
両手がふさがって抵抗できない。
というより、したくないかも……
酔いで恐怖感が鈍っていた私は、されるがままになっていた。
「んん……はぁ…」
痴漢は乳首を指でぎゅっと押して、首筋に息をゆっくりと吹きかけてくる。
だんだんと気持ちよくなってきてしまった私は、
無意識に手に力が入っていたようだった。
Kがいつの間にか目を覚ましていた。

痴漢はそれにいち早く気付き手を引っ込めたが、
私は快感に酔いしれていて、気付かなかった。
Kの「なんかすごい背中つかまれてるんだけど……」
という声でやっと我に返った。
「ご、ごめん!」
はっと見上げた私にKは一瞬驚いていたようだった。
それもそうだろう、
私は冷房の効いた車内で顔を紅潮させてしまっていたのだから。
一気に冷静になった私は慌ててうつむき、
冷や汗がどっと出るのを感じていた。
だが間もなく駅に到着し、私は平静に戻るチャンスを得た。
むっとした空気のホームに降りながら私は痴漢がいた場所を振り返ったが、
人が多くて結局分からなかった。

家まで歩く間、Kはさっきのことには触れなかった。
痴漢に気付いていないようだから、
私が変な気持ちになっていたことも知られていないだろう。
私はホッとして、家でもKの愚痴を聞いたりバカ話をして過ごした。
しばらくして私がトイレから出てくると、Kは床で寝ていた。
もともとお酒強くないからあまり飲まないのに、
今日は相当飲んだからもう泥酔に近い域のようだった。
冷房を少し弱め、Kにタオルケットをかけようと膝をついたとき、
私はドキリとした。
半そでのシャツから、ほどよく筋肉のついた腕が伸びている。
私がいけない想像をした、あの腕が……こんなにすぐそばに。
しかも、触り放題。
Kに付き合って飲んだせいか、私の気はかなり大きくなっていた。
右手で彼の左腕をそっと撫でる。
二の腕からひじのあたりを、感触を確かめるようにゆっくりさする。
たくましくてほんのり熱を帯びた腕が、私を挑発していた。

床に座り、彼の腕を触りながら、
私は半ば無意識に左手を下着の中に差し込む。
さっき痴漢に触られたのもあって、濡れていた。
いっそういやらしい気持ちが高まってしまう。
Kがすぐそばで寝ているのに。
それどころか私は彼の腕に触れているのに。
こんなに近くで、彼でオナニーしようとしている。
Kが起きたら、どう言い訳するんだ?
言い逃れできない状況を自分で作り出しておきながら、
どんどん興奮している自分を抑えきれなくなった。
腕から離れ、細身ながらもがっしりとした肩や胸板を触りながら、
下着の中ではいちばん敏感なところを指でくにくにとこね回す。

「んん……はぁ……はぁ……ぁんん」

声がだんだんと高まってくる。
酔っ払ったKの高めの体温は、私の興奮度を更に上げ、指の動きも加速する。

「あぁ……んん……んっ」

早くも最高潮への兆しが見えてきた。
さすがにここで逝くのはまずいと思い、トイレへ移動することにした。
立ち上がろうとしたそのとき、私は右手をつかまれた。
えっと思ったときにはもう、Kによって床に組み伏せられていた。

「なにやってんのかな~」

Kは寝起きの顔、まだ酔いが回っている口調で、笑いながら言った。
冷静に考えれば当たり前だが、気付かれていたのだった。
酔って寝ていたKも、体をあちこち触られれば目を覚ますだろう。
私は今さらになって自分の行動を反省し、後悔した。
「あっはは~、ごめんごめん、酔っ払ってバカなことしてたぁ~」
つとめてバカっぽい言い方で誤魔化して、私はやり過ごそうと試みた。が、

「お前さぁ、痴漢されて感じてただろ。
 助けようと思ったのにうっとりしてんだもん」
というKの言葉でギクリとし、言い逃れは出来ないと思った。

「ちょ……何すん……はぁっ」
何度も何度もしつこく首筋を攻めてくる。
「ほんとごめ……やめ……あぁんっ」
「……ずっと好きだった。
 なのに目の前で痴漢に気持ちよくされてるし……」
私の両手を押さえる力が強くなる。
首筋から鎖骨、鎖骨から肩、あご、耳たぶと、
Kは色んなところにキスし、骨格のラインを舌でなぞっていく。


Kが私を好きだった?なにそれ?
「ね、今までも俺オカズにしたことあったの?ね、」
無理矢理目を合わせるようにして私の顔を覗き込みながら、
Kは意地悪く尋ねてきた。
私は意味の分からなさと恥ずかしさで
どうにでもなれという気持ちで、頷いた。

「痴漢から守れなくてごめん、俺くやしい」
さっきの意地悪な言い方から一転して、
Kは切なさで泣きそうになったような言い方をした。
かなりお酒が入っているからか、言っていることが前後している。
「ねぇ、俺のこと好き?俺、○○がすごい好きだよぉ……」

情けない声でそう言いながら、Kはキスをしてきた。
覆いかぶさるように私の上にいる、
Kのものが私に当たっている。
それは張り裂けそうなほど膨らんでいた。

舌が入ってくるのを感じながら、ぐらぐらに酔った頭で考える。
Kは本当に私なんかが好きなんだろうか?
酔ったはずみじゃないんだろうか。
だけど……、もうただ酔っ払っているだけでもいい、
今だけでもいい、Kに愛されているって感じたい。

気付けば私はKの舌と自分の舌を絡ませていた。
私はKの手をほどいて、両手をKの頭にまわしてぎゅっと抱きしめた。
Kは自由になった手を私の胸にあてがった。
はじめは優しく揉んでいたのが、だんだんと強くなる。
激しく揉みしだかれ、服の上から指で乳首をこすられ、
口をふさがれているのに声が漏れてしまう。
「ふぅっん……んっ」
Kの唇は私の首筋へと移った。
「どっかのオヤジが、ここに息吹きかけたんだ、むかつく」
さっきまでは会社の上司にむけられていた「むかつく」という単語が、
今は私を痴漢した男へとむけられている。

首筋を舐め回しながら、
Kは私のカーディガンとキャミソールをブラと一緒に取り払い、
スカートとストッキングもあっという間に脱がせてしまった。
ショーツ1枚でKの目の前にいる自分の姿にかっと顔が紅潮した。
「顔、赤くなってる……かわいい」
まるで恋人同士の甘いセックスのようなセリフとは裏腹に、
Kは私の乳首を激しく吸い上げ、舐め回し、舌先で刺激してきた。
ちゅうちゅう、ちゅぱちゅぱといやらしい音が響く。

冷房、弱めなければよかった。
自分の額に汗がにじんでいるのが分かる。
蛍光灯に照らされた白い私の鎖骨に、Kの汗が幾粒も光っている。

ちゅぱ…ちゅぱ…ちゅ…ぴちゃ…
Kがわざと音を立てているように思えてきて、
恥ずかしさでますます喘いでしまう。
「はぁぁっ……やぁん…ん……ぁんっ」
片方の乳首も指で摘まれ引っ張られて、休みなく責められる。
痛みに似た快感で、乳首はじんじんと疼いた。
その間にもKは右足で私の脚を開き、
下着だけになった私に大きくなったものを押し付けて、
クリトリスのあたりをぐいぐいとつついてくる。
「んぅ……はぁ……」
「気持ちいい?…すごい濡れてるよ…」

早く挿れられたい…。
私は手を下ろしてKのズボンのベルトに手をかけ、チャックを下ろした。
するとKは乳首を責めながらもスルッとズボンとトランクスを脱いで、
私が待ち焦がれたものを顕わにした。
思わず手を伸ばし、手探りで触ってしまう。
細身のKからは想像できなかったが、かなり大きかった。
それは自信を持ってそそり立っているように思えた。

もうぐしょぐしょに濡れていた私は、
自分で下着を脱ぎ、彼を招き入れようとした。
だが彼は、当たり前のように私の脚の間に顔をうずめた。
「あっ…K…もぅ…私…だめ…」
私の声を無視して、Kはクリトリスを親指で撫であげる。
思わず「はぁっ」と声を上げ、びくんとはねてしまう。

それからKは、溢れる入り口を指で優しくなぞっていった。
と思えば不意に指を入れられて、かき乱される。
ぬちゅ、ぐちゅ、と音を立てて、激しく出し入れをされ、
抜いた指でクリトリスをむき出しにして、舌でチロチロと舐める…。
「あぁっ…はぁんっ…あぁんんっ」
激しい愛撫の連続に喘ぎまくる私を、Kは更に虐める。
息を荒くして、今度は舌全体でべろりと舐め上げてくる。
「気持ちいいの?……」
Kは言いながら、中に入れた指の動きを速める。
「あぁんっやだぁっ……」
私は手で顔を覆ってそんな言葉を吐きつつ、
体は対照的に脚を自ら大きく開いて、がくがくしながら快感に浸っていた。
「あんっ…ひっんっ…はぁん…!」
だんだんと速くなるその速度についていけず、私は逝ってしまった。

どくどくと脈打つ体が熱い。
Kは脚を開いたまま息を切らせている私を、見下ろしていた。
ワイシャツのボタンを外し、手早くコンドームをつけている。
私はただ待ちわびた侵入者を力なく見つめていた。
ぬち、むちゅ、と卑猥な音を立てながら、
まるで処女を扱うかのように、Kは優しく、ゆっくりと挿入してきた。
ぬちゅ、くちゅ、といやらしい音が響く。
「んん…ぁ、ん、ん…」
Kは覆いかぶさるように私に重なり、
私の顔を両手で挟みこんでキスをしてきた。
直に触れる胸板から鼓動が伝わってくる。
Kの唇を味わおうとすると、
突然私の中にKが突き立てられて、激しく動かされた。
「はんっ!んっ、んっ、はぁっ、はぁぁん」
私は、今までないくらいいやらしい声で喘いでいた。

Kは腰を動かしながら、乳首を摘んでくりくりと刺激を与えてくる。
体にのしかかってくるKの重みと体温が愛しかった。
私の唇をむさぼりながらKは、ぐりぐりと膣の中をかき回す。
いつもは冷静なKの、荒い息遣いが信じられない。
Kが、私に興奮してるなんて、どうにかなってしまいそう。

「あぁ!はぁぁっ、あぁぁんっ」
ぐちゅぐちゅと愛液の音が絶え間なく響き、
Kはまた首筋や耳たぶにキスを降らせてくる。

「…好き、ほんと好き」
Kは前後に腰を動かしながら、うわ言のように囁いていた。
ほんとにそうなの?順番が全然違うよ…
これから私たちどうなっちゃうのかな、
こんなのだめだと思いながらも、
私は快楽には勝てず、ひたすら喘いでいた。

私の中で硬さを増したKが、ぐん、ずんと強く動き、
ぬちゃぬちゃ、くちゅ、にちゅ、と淫らな音が次々生まれる。
私は息をするのも忘れ、Kの唇や、歯を舌でなぞっていた。
私は今、Kに挿入されていて、めちゃめちゃに濡らされている。
日常とはかけ離れた状況に、私は更に溢れてくるものを止められなかった。
ぐいぐいと体を押し付けられ、乳房を激しく揉まれる。
もう一方の手の指はクリトリスを激しくこねくり回してくる。
そして、汗をたらしながらKは切なげに私を見つめてくる。

「はぁ、はぁ、んっ、○○…っ」
「あぁっ、はぁっはぁん、K…あぁぁっ」
私はびくびくと震えるKの背中に爪を立てて、また逝ってしまった。
Kの真意も自分の気持ちも分からないまま、
ただ溢れてくる快感だけのために、強くしがみついてKを味わっていた。


おわりです。

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