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沙有里 -4-

チャポン…ッ
小柄な沙有里を後ろから抱きしめながら、氷高と沙有里が一緒に浴槽に入る。大きめな浴槽とはいえ、男女が一つの浴槽に入るとなると、必然的に密着した。

「ぬるめに設定しておいたからな、熱くないだろ、沙有里?」
「は、はい…あッ、あンッ!」
沙有里に話しかけながら、氷高の手はお湯の中で少女のの小ぶりな胸を揉んでいる。
「へへっ、沙有里と風呂の中でセックスしようと思ってぬるくしておいたんだよ…」
言いながら、氷高が沙有里の背中に怒張しきったモノを押し当てた。さらに、入浴のためにアップにしている沙有里の髪の香りをかぎながら、うなじに舌を這わせる。
「はンッ、そ、そこッ」
「もっと気持ちよくしてやるよ…」
今すぐにでも沙有里の中に入れたい氷高だったが、ぐっと堪えて沙有里への愛撫を続けた。舌で沙有里のうなじや背中を舐めながら、左手で沙有里の胸を揉み、さらに右手は沙有里の中心へと伸びる…。
「あああッ…ン…」
ゆっくりと沙有里の膣内に指を入れると、それだけで沙有里の口から甘い声が漏れた。斜め前にある洗い場の鏡には、沙有里の艶かしい表情が映し出されている…。

「もっとだ…もっと気持ちよくしてやるぜ、沙有里…!」
氷高の三点責めがさらに激しくなる。舌は沙有里の背中や首筋に新たなキスマークを付け、左手は沙有里の乳首を小刻みに震わせ、そして右手の中指は沙有里の中で優しく動き回る…。
「あッ、あッ、あン…ひ、氷高さぁん!」
喘ぎ声がひときわ高まり、確実に上がってきている沙有里の性感。入浴前に飲ませた媚薬が効いてくるのも、きっとそろそろだろう…。
(今日こそ…イカせてやるぜ、沙有里…!オレから離れられなくしてやるからな…!)

湯気でやや曇る鏡の中の沙有里と氷高の目が合う…。沙有里がトロンとした目で艶かしく振り向くと、氷高に顔を寄せ、自分からキスをねだってきた。
「氷高さん…も、もう…私…」
まだ幼さを残す少女に、顔と顔が触れ合いそうな距離でこれほど色っぽい表情をされては、たまったものではない。沙有里の背中に当たりっぱなしの氷高の怒張が疼いた。さすがにもう我慢の限界であった。

「沙有里ぃ!」
氷高が沙有里の頭を抱えながら、歯と歯がぶつかりそうな勢いで、荒々しく口付けを交わす。
「チュゥッ、ンッ…はン…」
そのまま腰をもぞもぞと動かすと、沙有里も無言で軽く腰を上げて、挿入されやすい体勢へと協力する。
「ぃれるぜ」
舌を絡めながら、氷高が一声かけると、一気に下から貫いた!背面座位の体勢で、艶かしい表情で男と口付けを交わしながら、下から荒々しく突かれる美少女…。鏡に映るその姿はまさに圧巻であった。

パチャッ、パチャッ、パチャッ…
二人の腰の動きに会わせるように水の音がいやらしく響く…。
「ハッ、ハッ…沙有里、沙有里ぃ…!」
「あッ、あッ…いッ…あぁっ…氷高さん、氷高さぁん!!」
男の荒い息使いと、美少女の可憐な声が、その音に負けじと浴室に響く…。
「すげェぜ、沙有里のおまんこ…!オレのをめちゃくちゃ締めてきてるぜッ!」
「あ、あぁッ、そんな…!でも…氷高さんの感触が…すごいですッ…ぁッ、ああああン!」
鏡越しにお互いの表情を見ながら、性の快感に酔う二人。今や完全に二人の腰の動きは合致し、呼吸のひとつまでもシンクロしているかのようだった。

「ハァ、ハァ…好きだ…マジで愛してるぜ、沙有里…!」
後ろから荒々しく突きながら氷高が沙有里の耳元で独り言のように言うと、沙有里も間髪入れずに愛の言葉を返す。
「わ、私もぉッ!氷高さん、好き、大好きぃぃ!!…あ、ああっ!!」
「和也とオレとどっちが好きだ!?」
「わ、わかりませんッ…!どっちも、どっちも好きぃ!」
それはいったい演技なのか、それとも…。それは沙有里自身にもわからなかったが、激しい快感を得ながら、愛の言葉を囁かれ、無意識に口から出てしまったものだった。

「くっ…さ、沙有里ッ!オレだけを好きになれッ!和也のことなんて忘れちまえ!!」
氷高が沙有里の髪を束ねるヘアクリップを外し、沙有里の長く美しい濡れ髪がふぁさりと落ちる。浴槽のお湯に髪が浸かり、甘い香りが氷高の鼻腔をくすぐる。嫉妬にかられ、氷高がさらに荒々しく沙有里の膣内を突きまくる。
「沙有里ッ…沙有里ッ…沙有里ッ…俺のものだっ、沙有里ッ!」
「あ、ああッ、な、何これッッ!?す、すごいのッ!あっ、あっ、あっ、ああん…ッ!」
「それが絶頂だ、沙有里ッ!オレの顔を見ながらイクッて言えッ!」
和也への嫉妬と、沙有里を絶頂に導こうとしている優越感を同時に感じながら、氷高もラストスパートに向かう。そして鏡越しに見つめあいながら、ついに沙有里が絶頂に達した…!
「ひ、氷高さんッ…!イクッ…イキますッ…!!」
沙有里が氷高の胸に体を委ねて、身を反らせながら絶叫した。途端、沙有里の膣内がさらにキュッと締まり、優しく氷高自身を包み込んだ。
「す、すげェ…!たまんねェ!」
その締め付けに思わず氷高も舌を巻いた。
「イクぜ、沙有里…!中でぶちまけてやるぜッ!」
腰の動きを止め、沙有里の長い髪に顔を埋めながら、氷高も堪えに堪えていた快楽を解放した…。

ドビュッ…ドクッ…ドクッ…ドクッ…

「んッ…」
沙有里が子宮に精液を受けながら、最後の一滴まで搾り取るかのように、無意識に膣内を収縮させる…。
「ハァ…ハァ…ンッ…」
一足先に絶頂に達した沙有里が、まだ惚けたような目で振り向き、氷高の顔中にキスの雨を降らせる。その甘い媚態を受け、氷高もようやく和也への勝利を実感した…。

そしてまだ氷高のモノが入ったままの沙有里の膣内から流れ出た精液が、浴槽に沈むヘアクリップを白く汚した。それは和也と沙有里がプチデートをした時に買った、あのヘアクリップだった…。

沙有里が氷高によって、女としての快楽の頂点を味あわされている頃…。

まだ諦めきれずに例のテープを探していた和也の携帯に着信が入った。
「ん、さ、沙有里からか!?」
慌てて携帯の表示窓を覗き込んだ和也であったが、そこに表示されている見知った名前を確認するとがっくりと肩を落とした。

「もしもしぃ」
和也が明らかに不満げな声を隠そうともせずに電話に出る。
「あ、和也?あたし、お姉ちゃんだけど…ごめん、寝てた?」
「いや、起きてたけど…なに?」
「んー今ね、外で理沙と飲んでたんだけど…カードの入ったバッグ忘れちゃって…」
理沙というのは結花の中学時代からの親友であり、氷高の美人の彼女だ…。
(あ、いや、もう元カノってことか…)
先ほど氷高から聞かされた話を思い出し、自身の心情も重なり、思わず氷高に同情してしまう。

「…ねえ、和也、聞いてる!?」
「あ、あぁ、聞いてるよ!」
「うん、でさぁ、悪いんだけどそのバッグを持ってきて欲しいんだけど…」
「へっ!?」
「カードがあると思って買い物しすぎちゃって、お金払えないのよぉぉぉ~…助けて~」
「理沙さんに借りればいいじゃん」
「…二人合わせても足りないの…。お願い、悪いけど持ってきてッ!あ、持って来てくれたら理沙がちゅーしてくれるって!」
「ゆ、結花ッ!ちょ、ちょっとぉ…!」
隣から姉とは対照的な可愛い声が聞こえる。恐らく理沙が否定しているのだろう。

「ああ、もうわかったから、で、バッグはどこにあるの?」
「きゃー、和ちゃんカッコイイ!えーと、バッグはね、あたしの部屋の鏡台の下に置いてあるうちの茶色いやつ!あたしバッグ買い換えて、嬉しくて新しい方持ってきちゃってさぁ…」
結花がいつものように早口でまくしたてる。
「お店は二駅先の…そう、駅の近くのカフェバーなんだけど…そう、その店!うん、場所大丈夫だよね。じゃ、なるべく早くね~」
「はいはい…」
電話を切ろうとすると最後に結花が一言添えてきた。
「あ、和也ぁ!理沙がね、ほっぺか、舌を入れなければ唇でもいいって!じゃね!」

プチッ
「…ふぅ」
姉のマシンガントークから解放され、思わず溜息をもらす。とはいえ、沙有里の外泊の件で落ち込んでいた和也の心をほんの少しでも紛らわせてくれたのは確かだ。
「…さて、じゃあバッグを探してくるか…」
気分転換のためにわざと声に出して呟いてから、ゆっくりと腰を上げ、姉の部屋に向かった。

和也が結花の部屋の扉を開けるのは久しぶりだった。最近では沙有里がその部屋に同居しているため、なおさら近づけない部屋である。

部屋に入ると若い女性特有の甘酸っぱい香りと、良く整頓された室内、そして片隅に集められた沙有里の荷物を見て、思わずうっとりしてしまう。
「えーと、鏡台、鏡台…あ、あれか」
鏡台の下を覗くと、茶色いバッグがひとつだけ置かれていた。
(何だ、茶色いバッグも何も、ひとつしか置いてないじゃん。姉ちゃんめ、理沙さんの前で見得張りやがったな…)
一応中を確認すると、確かに財布があり、中にはクレジットカードが何枚か入っていた。
「さて、じゃあとっとと行くとするか…」
和也がまた独り言を言って立ち上がったとき…沙有里の荷物の中からふと気になる物が視界に飛び込んできた。

「…あれ?」
チャックが開いた沙有里の大きなバッグ。その中をよく見てみると、予備校の本に混じってビデオテープが1本だけ入っていた。
(もしかして…)
自分の探していたテープかと思って手に取ってみるが、どうやら違ったようだ。しかしラベルも貼っていなければ、ケースにも入っていない。几帳面な沙有里らしからぬその状態が気になり、和也は思わずそのテープを持ち出してしまった…。

自分の部屋に戻ると、いそいそとビデオデッキにテープを入れる。
(…きっとこっちに来てから録画したテレビ番組か何かだよな…)
少し緊張しながらリモコンの再生ボタンを押すと、ほんの少しのノイズ画面の後に、観たことのある画面が映り出された。

(…あれ、これって…?)
旅行先の山の景色、そして沙有里の満面の笑顔…。そう、それは、和也がずっと探していたあのテープの内容そのものだった。慌てて停止ボタンを押して、テープを抜き出してみる。
(やっぱりオレのとは違うよな…沙有里がダビングしたってことか…?)

あれこれ考えていると、また携帯が鳴った。
「もしもし、和也?バッグは見つかった?」
「あ、う、うん。今見つけたとこ」
「余計なトコ、詮索したりしてないでしょーね?」
「し、してねーよ!それとも見られるとマズイものでもあんのかよ!?」
「あ、あるわけないじゃない!そ、それより、急がないと終電なくなっちゃうから、そろそろ出発してね!理沙も久しぶりに会いたいって待ってるよ~」
「はーい、今出るから!んじゃね!」

テープのせいで、すっかり姉からの用事を忘れてしまっていたのに気付き、慌てて身支度をする。しかしテープのことも気になり、とりあえず巻き戻し、もう一台のデッキに生テープを入れると、急いでダビングをかけたまま家を出た。

そのテープの本当の内容など想像もしないままに…。

「ふぅ、やっと着いたよ…」
和也がカフェバーに着いた時はもう深夜12時近かった。高校生である和也が店内にひとりで入るのは少しだけ勇気が必要だったが、幸い店に入るとすぐに結花と理沙が見つけてくれた。
「あ、きたきた!」
結花と理沙が二人して手招きして和也を呼んでいる。少しはにかみながら彼女たちの席に向かう和也と、対照的に周囲でがっかりという反応が起こる。
「チッ、やっぱ男付きかよ」
「あんなイイ女二人が男抜きなんて変だと思ったぜ…」
そんな声が嫌でも耳に入り、少しだけ優越感に浸りながら、和也が美女たちの席に着いた。

実の姉と女子バスケ部のセンパイという二人の女子大生に囲まれた酒の席。理沙は当然のこととして、姉の結花も客観的にみればかなりの美人…らしい。そして結花も理沙も和也のひとつ年上で、氷高と同い年にあたる。

理沙は真面目で大人しい性格だが、女子バスケ部の副キャプテンに選ばれるほど芯は強かった。氷高との付き合いも理沙の方から告白したと聞いている。長いサラサラの髪にアイドル顔負けの正統派美少女の理沙と、ひょうきんでそれでいてルックスも良くスポーツも万能だった氷高のカップルは学校の誰もが羨む理想のカップルだった。

そしてボーイッシュで何事にも明るく積極的な姉の結花。誰かと付き合っていたという話は聞いたことがないが、去年までは和也の元へひっきりなしに姉を紹介しろという男子たちが訪れていたものだ。

「はい、おまたせ」
姉の隣に座りながら、和也がぶっきらぼうにバッグを渡す。
「ありがとう、和也ぁ!助かったわ~」
酔っているのか、結花が大げさに喜びながら和也に抱きついてくる。周囲の、特に理沙の視線が気になり、慌ててそれを振りほどく和也。
「やーめーろって!あ、り、理沙さん、お久しぶりです」
「久しぶりねぇ、和也くん。ますますカッコよくなっちゃって~。なんか飲むぅ?」
理沙がおっとりした口調で和也に話しかけながら、ドリンクのメニューを渡した。
「んー、じゃ、とりあえずビールで」
「とりあえずって、どこのおっさんじゃ、おまいは」
結花がメニューの角で和也を叩きながら突っ込みを入れる。
「おいおい、突っ込むんならそこんとこじゃなくて、ビール飲むことにだろ?」
「んー、いいって、いいって!バッグ持って来てくれたお礼ってことであたしが許すぅ!」
…結花は思った以上に酔っ払っているようだ。

「あ、そ、そういえば、さっき沙有里から連絡があってさ…」
結花が酔っていることをチャンスとみて、いずれ話さなくてはならない沙有里の外泊の件を切り出す和也。
「あー、あたしの携帯にもメールあったよ。予備校の友達のとこに泊まるんでしょ?」
「あ、う、うん…」
「オ・ト・コだったりして…あ、和也心配なんでしょ!?」
「そ、そんなんじゃねーよ!」
「あはは、照れてる、照れてるぅ!」
「ねえねえ、誰、その沙有里ちゃんって?和也くんの彼女?」
理沙も話に乗ってくる。和也が必死にただの従妹だと説明するが、年上の女性二人にかかっては沙有里への恋心はバレたも同然であった…。

「そういえば和也、あんた沙有里ちゃんの予備校に知り合いの先輩っている?」
「え、わかんない…オレの知ってる範囲ではいないと思うけど?でもなんで?」
「んー?ほら、沙有里ちゃん、あれだけの可愛さじゃない。周りの男がほっとかなくてしつこかったらしいのよ。でもその和也の先輩が守ってくれてるらしくてね」
「ふーん…そ、そうなんだ…」
「あ~、和也くん動揺してる~」
「ち、違いますってば、理沙さん!」
「和也、ホントに知らないの?沙有里ちゃんの話では和也も知ってそうな口ぶりだったけど…。そうじゃなかったら沙有里ちゃんも気を許さないだろうしねェ…」
「予備校に通ってるセンパイって言われてもなぁ…わかんねーよ」
(まさかそいつが沙有里と外泊してる相手なのか!?くそっ、誰だよ、いったい…!)

その先輩とは当然氷高のことであるのだが…。予備校生であるという条件が、逆に和也の思考から現役の大学生である氷高を完全に除外してしまっていた。まさか現役大学生が、夏休みの間だけ予備校に通って予備校生のフリをするとは、和也でなくとも思いもよらないことであろう…。

「と、ところで姉ちゃんたち、いつもこんな高そうなとこで飲んでるの?」
動揺を振り払うように和也が話題を変えると、ふいに二人の表情が曇った。

「んーん、今日はちょっと特別に…ね。私が理沙を誘ったの」
「ごめんね、和也くんまで付き合わせちゃって…でもなんか嬉しいな」
理沙がおっとりした口調で、それでいて妖艶さをにじませて和也の目を見つめながら微笑んだ。
「いや、オレなんかで役に立てるならどこへでも駆けつけますよ!」
「えへへ、和也くんは昔から優しいね。わたし、和也くんみたいな人と付き合えばよかった…」
「ちょ、ちょっと理沙ッ!?」
うっすら涙を浮かべて和也の手を握る理沙が、結花の心配そうな声をよそに、なおも言葉を続ける。
「わたしね、氷高くんに振られちゃったの…」
そういえば…。楽しい雰囲気に気を取られて忘れていたが、氷高との電話の言葉を思い出していた。理沙に他の男ができて、ずっと前に二人は破局したと氷高は言っていたが…。

「えっ、でも、振られたって…理沙さんが振ったんじゃ…?」
思わず口にしてしまった和也。
「そんな、わたしが氷高くんを振るなんて…でも、もっと早くそうできてたらどんなに楽だったかな…」
俯いた理沙の顔からテーブルに涙の雫が落ちる…。
「……理沙」
結花も理沙にかける言葉がみつからず、そっと手を握るしかできなかった。
「氷高くんの誕生日プレゼントも用意してたのに…無駄になっちゃった…」
理沙が目に涙を溜めて、悲しそうに呟く。それは思わず抱きしめてしまいたくなるほど、儚げで健気な可憐さだった。
「そういえば和也くんと氷高くんって同じ誕生日だったよね…。えへへ、代わりにあげよっか?」
そう言って無理に笑顔を作る理沙。その芯の強さが、今は逆に可憐さを引き立たせていた…。

「…でもあんなに仲が良かったのに、どうして突然…」
「ううん、突然ってわけでもないの…。っていうか…最初から最後まで、あの人の心にはずっと別の誰かがいたような気がする…」
それが今の氷高の彼女なんだろうか…。これほどの美人で性格的にも男の理想そのもののような理沙を振るなんて、いったいその彼女はどれほど魅力的なんだろうか…?まさかそれが自分の恋焦がれる沙有里のことであるとは夢にも思わず、和也はその”別の誰か”がどんな魅力的な女性なのか不謹慎な興味を覚えた。
「別の誰かって、いったい…誰なんですか?」
「私にもわからない…でも、氷高くんが、ね…。『ずっと好きだった女とやっと結ばれた。悪いけどお前とはもう別れる』って…」
涙をこらえ、一息に言葉にする理沙。
「氷高センパイが…そんな、ひでぇよ…」
唖然とする和也。結花はもう既にそのことを聞かされていたのだろう。何も言わず、ただ理沙の手を握るだけだった…。

そしてその氷高と沙有里が、ここからそう遠くない彼のマンションで今も抱き合っているとは…。この時の和也には知る由もなかった。

大きな鏡台の前でひとりルージュをひく美少女。
「…和ちゃん、今頃なにしてるのかな」
鏡に写る自分の口が動くのを見て、想いを声にしてしまったことに気付く少女。我に返ってハッとするが、幸い今この部屋には沙有里ひとりで、その言葉を聞いて嫉妬する人物はいなかった。

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