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沙有里 -5-

…一時間程前、氷高と共に風呂から上がった沙有里は、少し休んだ後、寝室の隣にあるこの部屋に案内された。
「制服に着替えて、化粧もしておいてくれ」
氷高はそういって鏡台の下に置かれていた化粧箱を取り出して沙有里に渡した。裏蓋に「R.H.」とイニシャルの入ったその化粧箱には、普段ほとんど化粧をしない沙有里にとって見たこともないような高価な化粧品がズラリと揃っていた。
(R.Hって、誰かしら?氷高さんの昔の彼女?それとも私の他にも誰かと関係してるの…?)
沙有里の心に去来する感情…それはR.Hという女性に対する同情なのか、それとも…。

「どうした、沙有里?」
「あ、あの、わたし、お化粧はあまりしたことないんです…」
一瞬考えかけた思考の答えを打ち消し、とっさに違う言葉を口にする。しかし化粧をほとんどしたことがないというのは本当のことだった。
「上手くなくてもいいんだよ…ホントは何もしなくても充分過ぎるんだからな」
「そ、そんなことないです…」
たちまち顔を赤らめる沙有里。いつまでも純情なままの沙有里に欲情を強めながら、氷高が言葉を続ける。
「オレに抱かれるためだけの化粧をして、オレを興奮させるためだけに制服を着て欲しいんだ…」
氷高が後ろに回って沙有里の小振りな胸を揉みながら、鏡越しに沙有里を見つめる。鏡越しに目が合うと、先ほどの浴槽内での絶頂を思い出し、顔を真っ赤にして俯きながら沙有里が答える。
「わかり…ました…あッ」
指先で軽く乳首を摘まれ、甘い声をあげる沙有里。媚薬の効果がまだ効いているのか、それとも先ほどの絶頂の余韻が続いているのか。どちらにしても沙有里の性感はかなり敏感になっているようだ…。

「沙有里、口紅を塗る前に…」
氷高が沙有里の頬に触れて振り向かせ、唇を重ねる。
「ンッ…チュッ、チュッ…氷高さ…ン」
ほんの少し唇を味わうつもりだった氷高だが、沙有里の洗いたての髪の甘い香りが男の欲情を駆り立てた。
「沙有里の唇はホントに危険だぜ…また勃ってきちまった…」
言いながら、なおもキスを続け、沙有里の手を取って自らの怒張に導く。
「や、やァン」
先ほどの風呂での艶っぽい媚態が嘘のように少女の恥じらいを見せてすぐに手を離す沙有里。しかしそれは男の興奮をより強めるだけでしかなかった。
「可愛いぜ、沙有里ぃ」
氷高が荒々しく沙有里の唇を吸いながら、沙有里の体を覆う唯一の衣であるバスタオルを剥ぎ取り、自らも腰に巻いたバスタオルを外して全裸になった。

立ったまま後ろから沙有里を抱きしめ、鏡越しに目を合わせながら会話をする。
「風呂上りですげェいい匂いがしてたまんねェぜ、沙有里…」
既に今日三度精を放っているにも関わらず、完全に怒張しているそれが沙有里の背中にその存在を主張している。
「あ、あの、お化粧と、制服に着替えないと、いけないんじゃ…」
「わかってる…まだしねェよ…」
そう言いながらも沙有里の背中に怒張を押し付けたまま、激しく腰を振り、その勢いはますます激しくなる。
「あッ、あン…制服に着替えたら…いっぱい抱いていいですから…い、今は…」
沙有里自身、背中から伝わる性感を堪えながら、なんとか氷高に冷静になってもらおうと振り向いて耳元で囁く。今の沙有里は抱かれるための覚悟ができていない不意打ち状態であり、敏感になっている体とは裏腹に、心は処女に戻ったように恐怖でいっぱいになっていた。
「そんなこと口にされるとなおさら興奮しちまうぜ、沙有里…!」
振り向いた沙有里の顔を引き寄せ、唇といわず、頬といわず、沙有里の顔中にキスをする氷高。まるで風呂場での沙有里の媚態の再現のように…。

しかし、氷高はそれ以上は自制して腰の動きを止めると、代わりにより強く沙有里を抱きしめながら言った。
「口紅は何色がいいかな…」
沙有里の唇にそっと人差し指を当て、また鏡越しに目を合わせながら言葉を続ける。
「妖艶な真っ赤なルージュか、それとも…」
沙有里の唇から口内へと指を差し入れると、沙有里も優しく舌で迎え入れる。
「やっぱりピンクにしてくれ、沙有里…この小さな唇にきっと似合うと思うぜ…」
丁寧に氷高の指を舌で愛撫しながら、沙有里がこくりと頷く。そして氷高は指を引き抜くと、最後にもう一度だけ軽いキスを交わした。
「さて…オレはベッドメイクとアレの準備をしておくか…。寝室で待ってるからな、沙有里」
そう言い残して氷高は部屋を出て行った…。


そして今、鏡の前には夏服のセーラー服に身を包んだ絶世の美少女がいた。

背中まで伸びるサラサラの長い髪。先ほど乾いたばかりの黒髪からはリンスの甘い香りが漂っている。控えめな膨らみを見せる胸元には真っ赤なセーラー服のリボンが華を添え、膝上丈のプリーツスカートから伸びる細くしなやかな生足が少女特有の瑞々しさを物語る。化粧によりややくっきりと上がった睫毛と、ほんの少し加えたアイシャドウが小顔を引き立てる。そして小さな唇に塗られたピンク色のルージュ…。沙有里自身は気付ていないが、ほんの少しのメイクと少女の象徴である制服が、沙有里に可憐さを残しつつ妖艶さを格段に増加させていた。今の沙有里と人気絶頂のアイドルを天秤にかければ、確実に沙有里を乗せた秤が大きく下に傾くことだろう。しかし、彼女がこれから向かう先はスポットライトの当たる華やかな世界ではなく、淫猥な寝室なのだ…。

「もう、戻れないの…氷高さんを愛するしかないの…」
制服姿の美少女は自分に言い聞かせるように小さく呟くと、男の待つ寝室の扉をノックした…。

コンコンッ
沙有里が氷高の待つ寝室の扉をノックする。
「氷高さん、あの、準備できました…」
「おう、こっちも準備できてるぜ、入れよ」
「は、はい…」
この扉を開けば、また抱かれるのは間違いない…。しかし、氷高の言う準備とは何のことだろうか?
一抹の不安を抱えながら、沙有里が寝室の扉を開いた。

沙有里が寝室に入ると、氷高はベッドの上に腰掛けて待っていた。腰にはバスタオルが巻かれ、上半身は裸のままだ。
「待ってたぜ、さゆ…」
氷高がセーラー服姿の沙有里を見て、思わず声を失くした。自分で命じたとはいえ、薄く化粧をした制服姿の沙有里は想像以上に美しさを増していた。そしてその美少女を好きなように抱ける今の自分の幸運に改めて感謝した。
「あ、あの、やっぱり、変…ですか?」
化粧に自身のない沙有里が口にする言葉を、氷高が即座に否定する。
「い、いや、可愛い…可愛すぎるぜ…!もっとそばに来てくれ、沙有里…!」
「氷高さん…」
氷高が立ち上がって手招きすると、沙有里も少し恥じらいながらも素直に氷高のもとへ歩み寄った。

二人の距離がゼロになり、どちらともなく抱き合い、そして唇を重ねる…。口紅を塗りたての美少女の艶めく唇なだけに、氷高もやや遠慮がちになる。
「沙有里…」
「ンッ…氷高さん…」
まずは軽いキスをして見つめ合い、互いの名前を呼び合う。既に覚悟を決めている沙有里は、もう本当の恋人そのものだ。そのまま氷高が沙有里をより強く抱きしめて、耳元で囁く。
「…沙有里、オレのこと好きか?」
「…す、好きです」
ほんの一瞬、間を置きながらも、沙有里が恋人としての演技をしながら答える。
「なぁ、明日が何の日かわかるか…?」
「明日…?」
(明日は和ちゃんの…)
そう、明日は和也の誕生日だ。それを思うと、今こうして氷高に抱かれていることに胸が痛む。そもそも沙有里は和也に誕生日プレゼントを渡すために、この夏休みに上京してきたのだ。そして、その結果が今こうして氷高に抱かれることに繋がってしまったのだが…。

「…今、和也のこと考えただろ?」
「い、いえ、そんな…」
図星を突かれ、思わず否定する沙有里。
「否定しなくてもいいんだよ。そう、明日は和也の誕生日だけど、オレの誕生日でもあるんだ」
「えっ…!?」
「なぁ、沙有里から誕生日プレゼントが欲しいんだよ…心のこもったプレゼントが…」
「で、でも、急に言われても、なにも用意してません…」
「これから作るんだよ、和也に渡そうとしたアレと同じのを…!」
「……ッ!」
氷高の傍らに置いてある黒い物体を見て、沙有里が思わず息を飲んだ。
「い、いやあッ!!!!」
そして氷高に処女を奪われたあの日を鮮明に思い出し、恋人としての演技も何もかも忘れ、氷高の腕から逃れようとする沙有里。しかし氷高は腕の力をいっそう強め、沙有里を離さない。
「嫌じゃねェんだよ、オレのこと好きなんだろ、沙有里!?」
「でも…でも…!」
沙有里が目に涙を浮かべながら、氷高の腕の中で暴れている。
「…二度は訊かねェぞ、沙有里!オレへの誕生日プレゼントは何にするんだ!?」
氷高がこれまでにないような嫉妬と怒りをあらわにして、沙有里に返事を求める。その右手には、いつの間にか傍らに置かれていた黒い物体が握られている。沙有里は彼の表情と握られた物を見て、抗えない自分の境遇を思い直した…。
「ひ、氷高さん…わ、私からの誕生日プレゼントです…私のビデオレターを…撮ってください…」
「いいコだ、沙有里…」
今までとは打って変わって優しくそう言うと、強く抱きしめていた腕を解き、そっと沙有里の頭を撫でた。そして片手に握られた黒い物体…ビデオカメラを構え、目に涙を浮かべた沙有里の顔を覗き込んだ…。

…そう、それは沙有里が和也に贈ろうとした心のこもった誕生日プレゼント。予備校に通い始めて数日後、和也に何をプレゼントしようか迷っていた沙有里が、和也の部屋で偶然見つけてしまったあのビデオテープ。ほんの悪戯心で再生してみた沙有里だったが、まさか自分自身が編集されて映っているとは思ってもいなかった。そして和也と自分とが両想いであることを確信し、嬉しさに涙したのだった。しかし、このテープの続きにこっそり自分のビデオレターを撮ろうとした悪戯心が悲劇の始まりであった…。

それは沙有里が予備校に通いだして3日が過ぎた頃のこと…。
「ごめんね、和ちゃん。ちょっとだけこのテープ貸してねッ」
留守中の和也の部屋で小声で呟いて、そっとビデオテープを持ち出す沙有里。
和也を驚かすためとはいえ、勝手に人の物を持ち出すことに強い罪悪感はあったが、それ以上に和也への想いが勝った。
(このテープに和ちゃんへの想いをこめて…!)
そう、和也と同様に沙有里もまた告白の機会を探していたのだ。
(あっ、でも私、ビデオカメラなんて持ってきてないや…。どうしよう…)
せっかくプレゼントにビデオレターを思いついたものの、ビデオカメラを持ってきていないことを思い出した沙有里。しかし翌日、その悩みはあっさりと解決することとなった。

「ビデオカメラなら、オレ持ってるよ」
「えッ、本当ですか、氷高さん!?」
和也とのあのプチデートで偶然知り合った氷高は、予備校でしつこいくらいに言い寄ってくる男子や、それに嫉妬して無視を決め込む女子から唯一身を守ってくれる頼れる存在だった。恋愛感情は抜きにして、沙有里が氷高に心を許すのに時間はかからなかった。そんな氷高にダメもとでビデオカメラを持っているか聞いたところ、嬉しい返事が返ってきたのだ。

「貸してあげるのはいいけど、いったい何を撮るつもりなの、沙有里ちゃん?」
「え、えーと、それは…秘密です…」
「えェ~、それじゃ貸してあ~げない!」
氷高が優しい笑みを浮かべながら意地悪な返事をする。
「え~!氷高さんの意地悪ぅ!」
「あはは、冗談、冗談!そんなに言いたくないならいいってば。貸してあげるよ」
屈託の無い笑顔でそう言う氷高に対して、いっそう心を許した沙有里。
(ひとりで自分を撮るのって大変そうだし、和ちゃんのテープに編集するのも難しそうだし、氷高さんなら手伝ってくれるかなぁ?)
「あ、あの…和ちゃんには絶対ナイショにしてくれますか?」
沙有里は照れながらも意を決して氷高に目的を打ち明けた。

和也への誕生日プレゼントにビデオレターを撮ろうとしていること。和也の持っていたテープをこっそり持ち出していること。そのテープの空き部分にビデオレターを編集したいこと。和也への想いを告白したいことだけは隠していたが、氷高でなくとも、それに気付かないはずもなかった。この時初めて和也への嫉妬心を感じた氷高であったが、そんな感情はおくびにも見せずにそっと牙を剥いた。
「なるほどねー、ビデオレターかぁ…。でも、ひとりじゃ大変でしょ?オレでよかったら協力するよ」
「えへへ、実はひとりじゃ大変かなって思ってたんです…じゃあお言葉に甘えてもいいですか?」
こうして氷高は沙有里の撮影協力を快諾し、翌日の予備校明けに氷高宅で撮影することで話は進んだ。中学、高校と女子校で育ってきた沙有里にとって、男の部屋で二人きりになるということがどれほど危険なことかをまるで理解していなかった…。

「それじゃ、氷高さん、明日よろしくお願いします」
予備校の帰り道、ぺこりと頭を下げる沙有里。
「うん、明日はきっと沙有里ちゃんにとって記念日になるね、フフッ、楽しみだよ」
「やだ、氷高さん、大げさですよー」
「ははッ、そうだね、それじゃ、また明日」
「はい、さよなら、氷高さんッ!」
駅で沙有里を見送ると、氷高はニヤリと妖しい笑みを浮かべた。
(大げさなんかじゃないぜ、沙有里…一生忘れられない日になるさ…!)
狙っていた獲物が自分から罠に飛び込んできたことに笑みを隠せない氷高であった。

コメント

意外と長いな

うう、なんかこの話ヤダ…

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