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悪魔の尻尾7

そうこうしている内に再び杉野とのテニスクラブへ行く土曜日がやってきた。信二は間違っても誘われないよう疲れて寝ている振りをする。佐和子はそっと、襖を開き
「じゃ、行ってくるわね」
と言って信二の顔を覗き込む。信二は
「う~ん・・」
と言って眩しそうな振りをした。

「陽一は母さんの所に預けて行くから」
と小声で言う。信二はうざったそうにウンウンと頷いてみせた。襖が再び閉められ暗闇が訪れる。

(果たして妻はどういう顔をしていたんだろう?)
逆光になって表情がつかめなかった。うっすらだが服装はいつもとそう変わらないラフな格好のようだった。信二の心に妻が再び
(過ちを犯してほしい)
という心と
(いや、ここで踏み止まれば許してやってもいい)
という気持ちが交錯する。
信二はモソモソと起きだすと、顔を洗い、寝巻きのままでかったるそうに冷め切った朝食にかかったラップをペリペリとはがした。
「まずい・・」
ボソっとつぶやく。これから行われるかもしれない妻の情事の可能性に信二の舌は乾ききり味覚が麻痺しているのが自分でも分かる。

そもそもテニスクラブへ行くようになったきっかけは信二の健康を考えての事だったはず。が、その当事者を差し置いて出かけるという事は
(やはり浮気は繰り返される)
という気持ちを確信めいたものにしていった。信二は子供の撮影用に買ったビデオカメラを取り出すとバックにしまい込いこんだ。ドアの鍵をかけ空を見上げると信二の心を嘲笑うように晴れ渡っている。近所の奥さんがゴミを捨てて戻ってきたのか階段を上がって来た。
「おはようございます」
笑顔で挨拶されたが信二は伏目がちに
「どうも・・」
というと逃げるように出て行った。

車を走らせ目的地に近付くにつれ信二の鼓動は早くなった。今の信二には晴れた空も賑わう町並みもブロンズのようにくすんで見える。
(近付きたくない!でも見なくてはいけない!)
信二の心が鬩ぎ合う。気付くと自分の下半身が硬くなっている事に気付く。信二はコートの傍の駐車場に車を置くと、勃起を隠すように前をギュっと押し込んだ。コートが近付いて来る。遠めに妻と杉野らしき姿を見つけた。が、直視できない。信二は俯き加減でヒタヒタと歩いた。

もうこれ以上近付けないくらいフェンスに近付くと思い切って目を上げた。信二がいつ買ったのかも知らない白いテニスウェアに紺のスコート姿で妻は杉野と楽しそうにコートを走っている。アップに髪を上げた佐和子とスポーツマンの杉野はとても良く似合っている。対比した自分の惨めさも相まって、嫉妬と憎悪の気持ちがムクムクと顔をもたげる。
(俺は家庭の為に日々仕事に追われてるのにお前はそれか!)
半ば自分が仕組んだ事だとは言え理屈ではなく腹が立った。ふと、ボールがフェンスを越して飛んできた。
「すいませーん取ってくださーい!」
と子供がやって来る。
(やばい!)
と思った信二は、そそくさとボールを投げ返すと物陰に隠れオペラグラスを取り出した。

「奥さん大分上手くなりましたねー」
と杉野が褒めると
「いやいや教える人が上手だから」
と佐和子はおどけて見せた。
「でも、もうちょっと手首を返した方が良いかな」
杉野がアドバイスする。
「こう?」
佐和子は指示通りにやって見せる。
「うん、ちょっと違うこう・・」
杉野が手振りでやってみせるが、 上手くいかないので近付いた。

そして佐和子の背後にまわると手を取り
「こう、分かる?こうです。」
と振って見せる。
「なるほど、こうね?」
佐和子は自分の力でラケットを振ってみた。オペラグラスで覗いている信二の手は、二人の身体がピッタリと寄り添うと汗でぐっしょりと濡れている。信二がその手をズボンの脇でゴシゴシと拭うと
「くそ!あいつ何ぴったりくっ付いてんだ!」
と呟く。そして
「あ?」
とまた二人の方を凝視した。

佐和子の背後にぴったりと寄り添うと、彼女の汗とシャンプーの香りが鼻腔をくすぐる。杉野は彼女から離れようにも離れられなくなってしまった。必要以上に佐和子の手を掴みながら素振りを続ける杉野。もう片方の手は彼女の腰を引き寄せ更に身体を密着させていった。
「す、杉野さん?」
佐和子も杉野の欲情に気付き身体を離そうとする。
「お、奥さん僕は・・僕は・・」
高揚した声で杉野は言うと既に膨張した下半身を彼女のヒップに擦り付けた。

強く擦り付けられた拍子にスコートは捲くり上げられアンダースコートが露になってしまっている。杉野は周囲も気にせず官能的な腰使いで佐和子のヒップに求愛行為を続けた。
「あ!や、駄目よ。ほら、みんなが見てる・・」
佐和子はモジモジと身体をよじらせ周囲の目を窺った。まだ気付かれてはいない。佐和子は身体を反転させると杉野の顎に手を当て
「わ、私今日はそういうつもりで来たんじゃありませんから!」
と言って睨んだ。

杉野はやるせなさそうに
「でも奥さんだって高山を連れて来なかったって事はそれを期待して来たんじゃないんですか?」
と言って佐和子に詰め寄った。
「そ、そんな。主人は今日も疲れて来れないって言うから・・」
佐和子は詭弁を言ったが、夫を誘わずに来た事実は自分自身には隠し様も無かった。
(信二さんを誘わなかったのは疲れてそうだったから?)
自分自身に問いかけるが、杉野の言うように全く不埒な気持ちが無かったかと問われると自身が無い。

杉野は佐和子の気持ちを見透かしたように
「ほら、やっぱり少しはそういう事を期待して来たんでしょ?」
と言って佐和子の目を覗き込む。
「え、えぇ・・いや、そんな事は無いわ!私はただテニスを」
佐和子が言いかけるのを杉野は遮り
「奥さん、僕も家庭が嫌いな訳じゃない。娘も可愛いし妻も愛している。ここはお互い割り切りませんか?それはそれ、これはこれで」
と明確な浮気の要求をして来た。
「・・・・・・」
佐和子は杉野の真剣な眼差しに明確な拒否をする事ができず。思わず目を伏せてしまった。
(落ちた!)
杉野は内心確信し、口元だけニヤリと笑った。二人の会話を他所に隣のコートではおばちゃん同士が、
「あ、またやっちゃったごめんなさーい!」
と言いながら下手なテニスを楽しんでいる。

信二は
「ちっ!」
と舌打ちした。先程まで密着していた二人の身体か離れ再びテニスを始めた様子を見て自分が期待していたのとは違う展開に、煮え切らないもどかしさを感じていた。何よりも膨張した下半身が「どうしてくれるんだ!?」と言わんばかりに脈打っている。
(佐和子の拒絶で杉野は素直に諦めたのだろうか?)
身体が離れても二人は暫く話し込んでいたようだが、今は何事も無かったようにコートを駆け回っている。

既に陽は傾き始め信二の居る方向からコートが西日で目映く光って見える。信二はまぶしそうに光の中に投影される二人を眺めているしか術は無かった。定期的に響く「ポーン!ポーン!」という球の音が寝不足の信二には催眠術のように睡魔が襲う。思わず信二は
「ふぁ~あ・・」
と深くあくびをせずにはいられなかった。緊張の後の失望も手伝って信二はとりあえず二人が帰るまで車で待つ事にした。小一時間も眠っただろうか?信二が起きると既に陽は沈みかけすっかり空は赤く染まっている。

「やばい!」
信二はどんドン!とドアを開けるとコートに走った。信二の脳裏にこの間の夕焼け空の下の二人がよぎる。が、既にコートには人影は無く。クラブの建物に近付き扉を開こうとすると既に鍵がかかっており、ガチャ!ガチャ!と無機質な音だけが虚しく響いた。
「今日は何もせずに帰ったのかな?」
信二はつぶやいた。安堵と落胆の複雑な気持ちが信二自身を冷静にさせ、自分がしていた行為が、やけに虚しいものに思えてくる。

車に戻ると信二はノートPCを取り出し追跡システムを稼動させる。佐和子に持たせた発信機付き携帯電話が、彼女の居場所を明確に知らせた。
「ん?」
信二は怪訝そうな声をあげる。帰宅方向と違う場所へ向かっているようだった。どうやら繁華街へ向かっているらしい。
「メシでも二人で喰いに行ったか?」
信二がつぶやく。が、佐和子は子供と信二の食事の支度はするはずであり、その前に自分だけ食事をするという事はちょっと考えにくい。

信二は急に胸騒ぎを覚え、車のエンジンをかける。キキキー!と急旋回する車が猛烈な勢いで通り過ぎるのを買い物帰りのおばちゃんが驚いて見ていた。が、そんな事をかまっていられない。信二は気だけが急いて前傾姿勢をとり、アクセルを踏み込んだ。
(佐和子!どこだ?何処に行こうとしているんだ?お前は!)
心の中で叫ぶ。紅葉した街路樹が凄い勢いで行き過ぎた。10分もすると、さっきまで妻が居たらしい繁華街へたどり着いた。そこで車を脇に寄せ。もういっぺんPCをたちあげる。どうやら、そう遠くはないようだ。信二は妻が居る方向へゆっくりと車を走らせ追跡を再開する。

繁華街を少し抜けた通りに出ると信二は愕然とした。既に暗くなった中にホテルの呼び込みネオンが羅列し妖しい光を放っている。このラブホテル街のどれかに二人は入った・・。紛れも無い現実に信二は興奮し目まいがしてヨロめく。どうやらそれらしいホテルを突き止め信二は漠然と情事に励んでいるかもしれないホテルから漏れる光を眺めていた。そして携帯を取り出すと調査器具屋に電話した。


佐和子と杉野はラブホテルのエレベーターに乗り込んでいた。ラブホテル。そのあからさまにソレを目的とした場所に来たという現実が佐和子自身が一時の気の迷いではなく、自主的にその行為に及ぶというもはや言い訳ができず引き返せない所まで来たという事を意味する。ここまで来て佐和子は罪悪の念に駆られはじめた。
(今頃夫はどうしているんだろうか?横になりながらTVでも観ているのだろうか?)
(息子は、私の帰りを待っているかもしれない・・)
誰よりも家庭を大事にしてきた自分が今ここに夫の同僚と来ている。まるで悪い淫夢でも見てるかのような錯覚を覚えた。

それを察したのか杉野は軽く肩を抱いた。俯き加減の佐和子を見つめる杉野。大丈夫というようにそのまま優しく肩をさすった。佐和子は少しだけ気が紛れたのか口元で「くすっ」と笑って見せる。背後からのぞくポニーテールに上げたうなじが堪らなく愛しくなり思わず杉野は口を付けた。と、そのまま唇で首筋を愛撫する。
「あ!う・・あん!」
思わず喘ぐ佐和子。そのまま杉野は背後から手を回し乳房を揉みしだいた。
「は!はぅ・・あっ!」
喘ぐ佐和子の声がエレベーターに響く。すると「チーン!」と音が鳴りエレベーターが目的の階に着いた事を告げた。

部屋に着くまでの短い廊下で佐和子はそれでもまだ息子陽一の笑顔が吹っ切れない。夫も毎日の残業で疲れているのに。反面自分はこの体たらくだ。杉野は部屋のドアをガチャリと開けるとベットが妖しい薄明かりに照らし出される。
(逃げよう!逃げられる。今ならまだ後戻りできる!)
佐和子がようやく自制心を取り戻した時に杉野は佐和子をガッシリと抱きすくめ唇に吸い付いてきた。身を硬くする佐和子の口内に杉野は強引に舌先を捩じ込んでくる。
「あくっ、ん!んぐ・・」
欲情と理性の狭間で佐和子は喘いだ。
(あなた!・・陽ちゃん・・ごめん、わたし・・)
もはやこの淫らな現実から逃れられないことを悟り硬直した佐和子の身体は弛緩し、杉野のザラついた舌に自らの舌を絡めていった。

最初は小さく弱い佐和子の舌の返信だったが、徐々に自分に返って来る反応が大きくなっていく事に強い興奮を覚える杉野。チロチロと可愛く反応する佐和子の舌に貪るように絡めた。たった一週間だったが、どれ程この時を待ち望んだだろうか。杉野は妻との営みでは決して得られないこの快楽の虜になっている。佐和子を強く抱き寄せながら柔らかい尻肉をまさぐる杉野。そのままスカートをたくし上げ、太腿から秘部近くまでも優しくまさぐる。秘部近くになるにつれ佐和子の身体が反り返る反応を楽しんだ。

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