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舞台裏

わたしは、入雲夕凪(いりくもゆうなぎ)、いわゆる入雲財閥のご令嬢というやつね。
わたしのような完璧な人間にも、悩み事があるわ。

幼馴染の蕨清明(わらびせいめい)。
何が楽しいのかいつも、ニコニコしていて、見ていてイライラするわ。
おまけに、入雲財閥の令嬢であるわたしのことを高校生になっても
『ゆうなぎちゃん、ゆうなぎちゃん』などとなれなれしく呼ぶ始末。
救いようの無い馬鹿ね。
高校に入るときもわざわざ遠くの高校を選んで一人暮らしをするなんて、わたしに対する嫌がらせね。
一緒の高校に行ってあげてるわたしのことを少しは考えたらどうかしら。
馬鹿な幼馴染を持つと苦労が耐えないわ。
まあ、わたしにも落ち度はあるわ。
不覚にも幼稚園の頃、
『ぼく、ゆうなぎちゃんをお嫁さんにしてあげるね!』
『し、仕方ないわね!わたしのお婿さんにはしてあげるわ!』
なんて約束をしてしまったものね。
そうよ、相手が馬鹿でも、や、約束は守らないといけないわ。

「お嬢様」
「なに、泉」
これは、わたしの執事の泉。
お祖父さまの代から仕えている忠実な男よ。
「蕨様のことで…」
「あの馬鹿がどうしたの?」
「なにやら恋人がおできになられたとのことですが…」
「なんですって!!」
わたしは大急ぎで携帯を使って馬鹿を呼び出したわ。
『あ、もしもし、ゆうなぎちゃん?』
「そうよ!あんた、今日、何か無かった!?」
『うん、ゆうなぎちゃんに真っ先に伝えようと思ってたんだけど』
あの馬鹿の能天気な笑顔が頭に浮かぶわ。
「速く用件を言いなさい!!」
『恋人が出来たんだよ』
「誰!?名前は!!?」
『同じクラスの青鷺宮(あおさぎみや)さんだよ』
「そう…」
わたしの声の変化にも気づかず、能天気に続ける。
相変わらず空気がよめないのね、この馬鹿は!
『当たって砕けろっていうけど、意外とうまくいくんだね』
「良かったじゃない…」
『あっ、ごめんね、今からデートなんだ。じゃあね』
ガシャン!
携帯をそろそろ買い直さなければいけないと思っていたから、ちょうどいいわ。
「泉」
「はっ、何でしょう、お嬢様」
「あの馬鹿にまとわり付いた害虫を駆除して頂戴」
「はっ、どのような方法で?」
「任せるわ」
「畏まりました」

数日後
『いいっ、いいですぅ、もっとぉ、もっとお願いしますぅっ!』
『くっ、まったく、淫乱なお嬢ちゃんだな』
『はいいっ、淫乱な雌豚にご褒美をくださいいっ!ご主人様ぁっ』
『はいはい、ほらよ、ご褒美のザーメンだ』
『ああっ、ありがとうございますうっ、孕んじゃう、孕んじゃう、みや孕んじゃううっ!』
『腹ボテになっても、楽しませてくれるよなあ?』
『はいいっ、みやはご主人様の雌豚ですぅっ』
『ほら、続き行くぞ、雌豚の宮ちゃん』
『あんっ、いいっ…もう、らめぇ…』
ぴっ。
DVDを途中で止め、泉に向かって言う。
「思ったより、遅かったわね。」
「申し訳ありません。薬漬けにした後も、思いのほか長く理性が残っておりまして」
「それにしてもこの娘、頭おかしいんじゃない?」
「薬のためには何でもするように躾けましたので。途中経過をご覧になりますか?」
「そんなものはいいわ。それで、これはいつ清明の所に届くのかしら?」
「明日には届きます」
「そう、下がって良いわ」
「はっ」
まったく。
あの馬鹿をわざわざ慰めるためだけにわたしの貴重な時間がつぶれてしまうわ。
駆除した後もわたしに迷惑をかけるなんて本当、害虫って最低。
まあ、そもそもはあの馬鹿が悪いのだけど。
ホント、馬鹿な幼馴染を持つと苦労が絶えないわ。

> 表舞台

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