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嫁の彩たんが寝てる間に-35-

5時前にデニーズに着くと既に智美が席について待っていた。
俺「久し振りだね」
智美「急に呼び出してごめんね。何にする?」
俺「アイスコーヒーで」
智美が定員を呼び止めアイスコーヒーを追加注文する。
それから、本題には入らず、会社の近況とか昨日の飲み会の話とかをした。
こうして二人で話していると付き合っている時と変わらない気がした。
居心地は悪くなかった。
智美は人の話を聞くときは必ず大きな目でじっと見つめてくる。
俺は話しながら、智美の大きな目に引き込まれそうになるのを感じた。

俺はそんな自分の気持ちを断ち切るように話を切り出した。
俺「お前、平山とはうまくいってるのかよ。付き合ってるんだろ」
智美「・・・・・うん」
分かってはいたものの、智美から平山との関係について初めて肯定的な返事を
聞かされるとショックだった。
目の前に座っている智美を見る。今日の服装は大きめのパーカーを羽織っているため、
分かりにくいが、その下には豊満な胸が隠されている。
平山がそれを好きに弄んでいると思うと胸が苦しくなった。


俺「今日はどうした?」
智美「○○君は、私のこと本気だった?」
唐突な質問に戸惑う俺。

俺「ああ。本気で好きだったよ」
智美「ほんとに?私たちどうしてうまくいかなかったのかなぁ」
俺「俺が智美のことを好きすぎて、思うようにならない智美にいらついて
いたんだと思う」
智美「私はいつも○○に愛されているのか不安でいっぱいだった」
俺「ごめんな」
智美「ううん。誤ってほしくて会ってもらった訳じゃないから」
俺「・・・・・」
智美「一歩踏み出す前に○○に愛されていたってことを自分の思い出として
しまっておきたかったから。私、平山君と結婚しようと思ってる」

「私、平山君と結婚しようと思ってる」
正直、これを聞いたときショックだった。
俺「そうか。おめでとうだね」
智美「ありがとう。私、○○と会えてよかったと思ってるよ」
俺「うん」

智美と別れた後も何かを引きずっている自分がいた。
なんか胸の中にぽっかりと穴が開いたようなそんな気持ちだった。


それから2週間後、智美と平山が結婚するとのニュースが支店の話題をさらった。
二人が正式に上司に報告したようだ。
石川はショックだったらしく、二人で飲んだとき、かなり荒れていた。
石川は智美のことを未だ諦めてなかったらしい。
俺は、ただ黙って石川の愚痴を聞いていた。


程なくして、約束どおり彩がやってきた。
ちょうどその時は仕事の担当が増え、忙しくてちょっと心が荒んでいた時期だった。
空港に降り立った彩の笑顔を見たとき、ほっと安らぐ自分がいた。
連休の3日間はどこにも行かず、彩と二人きりの時間を過ごした。
音楽を聞いてまったりしたり、TVゲームをしたり、手をつないでスーパーに夕飯の買い出しに
いったり。仕事のことも智美のことも忘れた。
こんな落ち着いた生活もいいのかなと思った。


あっという間の3日間だった。
空港の搭乗口に向かう彩の姿を見送っていた時、突然引き留めたい気持ちが
湧いてきた。本当に帰したくないと思った。
彩はガラスの向こうから、聞こえない声で
「ま・た・ね」と言って東京に帰って行った。

彩がいない部屋に一人で戻ると何故か違和感を感じた。
ずっと一人で生活してきた部屋なのに、たった3日間一人ではなかっただけで
こんなに変わってしまうものなのか。
今までに感じたことのない気持ちだった。
この部屋には、自分には彩が必要なんだと本当に思った。


それから、彩が再び訪れる日をひたすら待った。
彩に会える日を目標にして、仕事にも打ち込んだ。
彩が次にやってくるまでの3ヵ月の間に2人の女性から告白を受けた。
人生って不思議なものでモテル時期とモテない時期があると思う。
モテたいとあがいているとと全く駄目で、そう思ってない時に限ってその周期が
突然やってきたりするものではないだろうか。
それまでの自分だったらフラフラしただろうが、そんな誘惑にも全く
動じることなく彩が来るのをひたすら待った。


そして彩がやってきた。
俺は決心していた。その言葉を早く彩に伝えたかった。
彩を空港に迎えに行った。
彩は変わらない笑顔で到着口から出てきた。
俺も笑顔で彩を迎えた。
彩「おなかすいた!なんか食べに行こう!」
俺「なにが食べたい?」
彩「××のラーメン!」


本当はちょっとおしゃれなレストランとかを想像していたが、
まあ、いいかと思った。

ラーメン屋のテーブル。
彩と俺が向かい合ってラーメンを啜っている。
俺「彩、ちょっといいか」
彩「なあに」
俺「結婚するよ」(ほんとならば『しようよ』だが)
彩「・・・・・えっ」一瞬彩には何のことだかわからなかったらしい。
俺「結婚するよ」
彩「・・・・・私と?」
俺「あたりまえじゃん!」
彩「・・・・・ほんとに?」
俺「ほんとに!」
彩「・・・・・」
俺「だめなの?」急に不安になる。
彩「だめな訳ないでしょ。でもラーメン食べながら言うか!」
俺「ごめん。でも早く彩に伝えたくて」
彩「・・・・・ありがとう。うれしい」
二人で笑った。彩は少し泣いているようでもあったが。

半年後、俺たちは無事に結婚式の日を迎えた。



ここで完結させていただいてもよろしいでしょうか。

このスレで改めて過去を振り返っていろんなことがあったなとしみじみと思います。
でもそのいろいろなことの全てがつながって現在があるのだとも実感しました。

本当にご支援いただいた皆様には感謝しています。
ありがとうございました。


コメント

はぁ

長かった割に山場もなくgdgd男の自分語りだったね。
こ れ は ひ ど い

(^-^)良かった! 結婚の後は 彩たんが狙われたり、〇〇さんが誘惑されたりという事はなかったのですか?

これはひどいなんて言いながらも、楽しみに読んでいたく せ に

毎日楽しく読ませて貰いました。終わってしまうのは残念ですが、大切な人と巡り合えて幸せですね。いつまでも、今の気持ちを忘れずに。。

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