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変わる関係、移ろう日々 ~2~
- 2008/04/07
- 08:17
家に帰りを机に座るが、宗治の心は千々に乱れ、宿題に手をつけることができなかった。
操と成一。
二人が恋人として付き合ったいく様を想像すると心がざわつく。
操を取られたくないという思いで一杯になる。
(僕は、ミサオのこと…)
自分の元にずっと留めておきたい。
そんな想いが宗治の胸に溢れる。
(小学校の途中から操と風呂に入らなくなったな。)
唐突にそんなことが意識に上がる。
操と成一。
二人が恋人として付き合ったいく様を想像すると心がざわつく。
操を取られたくないという思いで一杯になる。
(僕は、ミサオのこと…)
自分の元にずっと留めておきたい。
そんな想いが宗治の胸に溢れる。
(小学校の途中から操と風呂に入らなくなったな。)
唐突にそんなことが意識に上がる。
操の裸を思い描こうとして失敗する。
宗治の記憶に残る操の裸は小学生までだからだ。
そのころは「何でミサオにはチンチンついてないんだろう?」というくらいにしか思わなかった裸。
どうして、もっと良く見なかったのだろうか。
後悔が宗治の胸を突く。
今は操の裸はどうなっているのか。
つい邪まな思いを抱いてしまう。。
本人は「胸が小さいんだよね」と言っていた。
確かに冬場に厚着をすれば胸の膨らみなど分からないが薄着だと、そこは女性を主張する程度には存在が分かる。
今の操の胸は触ったら柔らかそうだと思える程には。
触ったらどうなるだろう。
考えると宗治の股間が熱くなる。
そのことに後ろめたさを感じながら妄想を続けようとする。
(ミサオの裸…)
しかし、そこで妄想は打ち切られる。
とんとん、とドアをノックする音が宗治の意識を現実に呼び戻したからだ。
「ハルくん、ボクだけど入るよ」
言いながらドアを開けて入ってくる操。
今まで考えていた相手が目の前にやってきてどきりとした。
「な、何だよ」
目の前の相手の裸を妄想していた罪悪感からどもってしまう。
(ミサオは僕の妹じゃないか)
「ん~?どうかしたの?」
宗治の態度を不審に思ったのか操が聞いてきた。
「いや、何でもない」
「そぉ?あ、これ借りてたマンガ。ありがとね。面白かったよ」
無邪気な笑みを宗治に向けてマンガを手渡す。
「あ、うん」
宗治はそれをうけとる。
宗治が邪な思いを抱いていること知ったら操はどうするだろう?
もう、この笑顔を向けてくれないのではないか。
そんなことを宗治は思った。
「また面白いのあったら貸してね」
操はそう言うと部屋を出ていった。
「ミサオ…」
先ほどの操の笑顔。
あれがやがて他の男のものとなってしまうのだろうか。
鬱々とした感情を抱いたまま宗治は宿題に取り掛かった。
気が散ってしまい宿題が進まず、何とか終わらせた時には11時を過ぎていた。
「はぁ…終わった」
ひとまず、やることを終えると喉が渇いたので、何か飲み物を飲もうと部屋を出る。
「…ん?」
操の部屋から明かりがもれていた。
いつも操は10時ごろまでには寝ているのに、どうしたのだろう。
なんとなく気になってしまう。
(確か、僕もミサオからマンガ借りてたよな…)
それを返すことを口実に部屋の中に入ろう。
操は別に勝手に宗治が部屋に入ったりしても怒ったりはしない。
その代わり、操自身も勝手に宗治の部屋に入って本を借りたりする。
(だから、マンガを返すふりをして部屋に入ろう)
早速、借りたマンガを手に持って操の部屋をノックする。
「ミサオ、入るよ」
形だけのもので返事を待たずに扉を開ける。
「えっ、あっ」
操の焦ったような声が聞こえるが無視して入る。
机に向って何かしていたようだ。
操は細長い棒のような物を持っていた。
「何してんの?」
「えっと…ハルくん」
しばらく悩んだ後、真剣な表情で宗治を見つめる操。
その眼差しに宗治はどきりとする。
「このことセーくんには言わないでおいてくれるかな?」
「へっ?」
思わず間抜けな声を出す。
「だーかーらー、ボクがマフラー作ってること」
そう言われて操が編み物をしていることに気がついた。
言われてみればマフラーらしきものがだいぶ出来上がっているように思えた。
「なんで、成一に…黙ってなきゃ、いけないんだよ?」
聞くまでもないことだが、思わず宗治は聞いてしまう。
操が顔を赤くしながら下を向く。
そのことが答えだった。
それでも宗治は返事を待った。
やがて操が語りだす。
「…好きなんだ。セーくんのこと」
その言葉が宗治は奈落に突き落とす。
「そう…なんだ」
宗治は何とか声を絞り出す。
宗治の想いを知る由もない操は語り続ける。
「うん…だからね、手編みのマフラーをさ、セーくんにプレゼントしようと思ってるんだ。その時に告白しようと思ってるんだ」
そう言って操は今まで宗治が見たこともないような可愛らしい笑顔を浮かべた。
恥じらいと喜びを含んだ眼差し。
宗治でない人間に向けられた表情。
宗治の良く知る相手に向けられたもの。
その笑顔が宗治の心を奈落へと落としていく。
「一か月かけてここまでできたんだ。本当は誰にも内緒にしようと思ってたんだけど…ハルくんなら、いいか」
内緒にしておいてね。
操にそう言われて、宗治はただ頷くことしかできなかった。
「良かった…ところでハルくんは何しに来たの?」
「僕、は…ミサオに借りた本を返しに…」
なるべく自然に言葉を出そうとして失敗する。
その態度に操は心配そうな表情になる。
「どうしたの?具合でも悪い?」
「…何でもない」
「マンガなんて…そんなこと気にしなくてもいいのにさ…こんな時間にわざわざ来なくても」
「いや…さ。なるべく早めに返そうと…」
そう言って操に借りていたマンガを返す。
「別にそんなに気にしなくてもいいよ。でもマフラーのことはさ、言っちゃだめだよ」
「ああ…うん…お休み、ミサオ」
力のない声で答える宗治。
「おやすみ、ハルくん」
だが、宗治は踏みとどまる。
「…どうしたの、ハルくん?」
「その…さ。告白、うまくいくと、いいね」
何とか操から瞳を逸らさずに、応援の言葉を口にする。
成一の時には言えなかった言葉。
その言葉を口に出すのは痛みの伴うものだったが、それでも宗治は言った。
これからは操と成一が恋人となっていくのを見守る立場になるのだから。
宗治の言葉に操は嬉しそうな表情を見せる。
「うん、ありがとう。ハルくんのそういうとこ、ボク大好きだよ」
大好き。
笑顔と共に紡がれた言葉は宗治が望んでいた言葉だが、宗治の望んだ想いは込められていない。
今度こそ宗治は部屋から出て行った。
胸に重苦しいものを抱えながら。
宗治の記憶に残る操の裸は小学生までだからだ。
そのころは「何でミサオにはチンチンついてないんだろう?」というくらいにしか思わなかった裸。
どうして、もっと良く見なかったのだろうか。
後悔が宗治の胸を突く。
今は操の裸はどうなっているのか。
つい邪まな思いを抱いてしまう。。
本人は「胸が小さいんだよね」と言っていた。
確かに冬場に厚着をすれば胸の膨らみなど分からないが薄着だと、そこは女性を主張する程度には存在が分かる。
今の操の胸は触ったら柔らかそうだと思える程には。
触ったらどうなるだろう。
考えると宗治の股間が熱くなる。
そのことに後ろめたさを感じながら妄想を続けようとする。
(ミサオの裸…)
しかし、そこで妄想は打ち切られる。
とんとん、とドアをノックする音が宗治の意識を現実に呼び戻したからだ。
「ハルくん、ボクだけど入るよ」
言いながらドアを開けて入ってくる操。
今まで考えていた相手が目の前にやってきてどきりとした。
「な、何だよ」
目の前の相手の裸を妄想していた罪悪感からどもってしまう。
(ミサオは僕の妹じゃないか)
「ん~?どうかしたの?」
宗治の態度を不審に思ったのか操が聞いてきた。
「いや、何でもない」
「そぉ?あ、これ借りてたマンガ。ありがとね。面白かったよ」
無邪気な笑みを宗治に向けてマンガを手渡す。
「あ、うん」
宗治はそれをうけとる。
宗治が邪な思いを抱いていること知ったら操はどうするだろう?
もう、この笑顔を向けてくれないのではないか。
そんなことを宗治は思った。
「また面白いのあったら貸してね」
操はそう言うと部屋を出ていった。
「ミサオ…」
先ほどの操の笑顔。
あれがやがて他の男のものとなってしまうのだろうか。
鬱々とした感情を抱いたまま宗治は宿題に取り掛かった。
気が散ってしまい宿題が進まず、何とか終わらせた時には11時を過ぎていた。
「はぁ…終わった」
ひとまず、やることを終えると喉が渇いたので、何か飲み物を飲もうと部屋を出る。
「…ん?」
操の部屋から明かりがもれていた。
いつも操は10時ごろまでには寝ているのに、どうしたのだろう。
なんとなく気になってしまう。
(確か、僕もミサオからマンガ借りてたよな…)
それを返すことを口実に部屋の中に入ろう。
操は別に勝手に宗治が部屋に入ったりしても怒ったりはしない。
その代わり、操自身も勝手に宗治の部屋に入って本を借りたりする。
(だから、マンガを返すふりをして部屋に入ろう)
早速、借りたマンガを手に持って操の部屋をノックする。
「ミサオ、入るよ」
形だけのもので返事を待たずに扉を開ける。
「えっ、あっ」
操の焦ったような声が聞こえるが無視して入る。
机に向って何かしていたようだ。
操は細長い棒のような物を持っていた。
「何してんの?」
「えっと…ハルくん」
しばらく悩んだ後、真剣な表情で宗治を見つめる操。
その眼差しに宗治はどきりとする。
「このことセーくんには言わないでおいてくれるかな?」
「へっ?」
思わず間抜けな声を出す。
「だーかーらー、ボクがマフラー作ってること」
そう言われて操が編み物をしていることに気がついた。
言われてみればマフラーらしきものがだいぶ出来上がっているように思えた。
「なんで、成一に…黙ってなきゃ、いけないんだよ?」
聞くまでもないことだが、思わず宗治は聞いてしまう。
操が顔を赤くしながら下を向く。
そのことが答えだった。
それでも宗治は返事を待った。
やがて操が語りだす。
「…好きなんだ。セーくんのこと」
その言葉が宗治は奈落に突き落とす。
「そう…なんだ」
宗治は何とか声を絞り出す。
宗治の想いを知る由もない操は語り続ける。
「うん…だからね、手編みのマフラーをさ、セーくんにプレゼントしようと思ってるんだ。その時に告白しようと思ってるんだ」
そう言って操は今まで宗治が見たこともないような可愛らしい笑顔を浮かべた。
恥じらいと喜びを含んだ眼差し。
宗治でない人間に向けられた表情。
宗治の良く知る相手に向けられたもの。
その笑顔が宗治の心を奈落へと落としていく。
「一か月かけてここまでできたんだ。本当は誰にも内緒にしようと思ってたんだけど…ハルくんなら、いいか」
内緒にしておいてね。
操にそう言われて、宗治はただ頷くことしかできなかった。
「良かった…ところでハルくんは何しに来たの?」
「僕、は…ミサオに借りた本を返しに…」
なるべく自然に言葉を出そうとして失敗する。
その態度に操は心配そうな表情になる。
「どうしたの?具合でも悪い?」
「…何でもない」
「マンガなんて…そんなこと気にしなくてもいいのにさ…こんな時間にわざわざ来なくても」
「いや…さ。なるべく早めに返そうと…」
そう言って操に借りていたマンガを返す。
「別にそんなに気にしなくてもいいよ。でもマフラーのことはさ、言っちゃだめだよ」
「ああ…うん…お休み、ミサオ」
力のない声で答える宗治。
「おやすみ、ハルくん」
だが、宗治は踏みとどまる。
「…どうしたの、ハルくん?」
「その…さ。告白、うまくいくと、いいね」
何とか操から瞳を逸らさずに、応援の言葉を口にする。
成一の時には言えなかった言葉。
その言葉を口に出すのは痛みの伴うものだったが、それでも宗治は言った。
これからは操と成一が恋人となっていくのを見守る立場になるのだから。
宗治の言葉に操は嬉しそうな表情を見せる。
「うん、ありがとう。ハルくんのそういうとこ、ボク大好きだよ」
大好き。
笑顔と共に紡がれた言葉は宗治が望んでいた言葉だが、宗治の望んだ想いは込められていない。
今度こそ宗治は部屋から出て行った。
胸に重苦しいものを抱えながら。