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変わる関係、移ろう日々 ~3~
- 2008/04/08
- 16:47
宗治は朝から憂鬱な気分だった。
「お早う、セーくん」
「よっ、お早う」
宗治と操が学校に向かう途中に成一と合流して一緒に登校する。
いつもの光景だが、宗治にはいつもと同じようには見ることはできなかった。
先日、成一が操のことを好きであると聞かされ、操からも成一のことが好きだと聞かされた。
そのことが宗治の心を曇らせていた。
「お早う、セーくん」
「よっ、お早う」
宗治と操が学校に向かう途中に成一と合流して一緒に登校する。
いつもの光景だが、宗治にはいつもと同じようには見ることはできなかった。
先日、成一が操のことを好きであると聞かされ、操からも成一のことが好きだと聞かされた。
そのことが宗治の心を曇らせていた。
「でさー、昨日さ…」
バカ話をする成一。
「あはは、面白いね」
それに笑う操。
成一と操の何気ない会話。
笑顔を向け合う二人。
それら全てが宗治には苦痛となった。
成一と操が互いにどう想っているか知っているのは宗治だけだ。
二人はまだ恋人同士ではない。
いつかどちらかが相手に告白するだろう。
そして、今操は成一に手作りのマフラーを作っており、それを渡すときに告白すると言っていた。
そうなったら二人は恋人同士になる。
宗治にはそれを止められない。
「ハル、どうしたよ?元気ないじゃん」
口数の少ない宗治のことが気になったのか成一が聞いてくる。
宗治は心配させたことを申し訳なく思うものの相談するわけにはいかない。
「そうだよ、ハルくん。ボク等で良ければ相談に乗るけど?」
「何でもないよ」
強いて笑顔を作り宗治は答える。
「そう?本当に?」
二人ともあまり信じていない様子だった。
一緒にいた月日の長さがささいな心情の変化を捉えられるようになったのだろう。
それでも宗治は何でもないような態度をとった。
二人が心から心配してくれていることも、嫉妬や苛立ちが宗治自身のエゴでしかないとわかっているから。
「大丈夫だって。心配ご無用」
おどけた様子で宗治が言うと二人は追及を止めた。
その後はなるべく会話に参加するように心がけたので、特に何か言われるようなこともなかった。
その日の部活動はプールサイドや更衣室などの掃除だった。
宗治も宗治は悩み事から気分を逸らすために掃除をしていく。
「いいじゃんかハル。プール使う時期になってからちゃんとすれば」
せっせとプールサイドの掃除をしていた成一がそんなことを言う。
別に宗治も熱意があって掃除しているわけではないのだが、成一には真面目に掃除をしていると映ったようだ。
「でもゴミがたまるしね…今のうちにちゃんとやっとかないと、後で面倒だよ」
「まあ、今年のプール掃除は面倒だったけどな…どうせ夏場にはまたたまってるよ」
先輩部員もそんなことを言う。
そこへ操がやってくる。
「ほーら、男子達もちゃんと掃除して!先輩もちゃんとやってくださいよ!」
だらだらとやっている男子達に操が元気良く声をかける。
その表情は宗治には眩しいものだった。
「はいはい」
仕方なく、男子部員も掃除を始めていく。
帰り道。
「あーめんどかったな。掃除」
「そうだね」
宗治は成一と家路についていた。
「坂上は操に告白しないの?」
思い切って宗治は聞いてみる。
成一はぎょっとした後周りをきょろきょろする。
「どうしたのさ」
不思議に思ったので宗治は聞く。
「誰かが聞いてたらどうするんだよ」
咎めるように成一が宗治に言う。
やがて、誰もいないのを確認したのか意を決して成一が語り始める。
「そんな簡単にできねぇって。振られたらめちゃめちゃ気まずいじゃん。心の準備がだな…」
長々と話すが要するに「操に振られて今の幼馴染の関係が壊れるのが怖い」という内容だった。
宗治にすればそれは杞憂なので相槌を打つのがおざなりになっていたかもしれない。
「そう言えば、言ってないよな?」
突然、成一がそんなことを言い出した。
何を言われたのか、一瞬宗治にはわからなかった。
「えっ?」
「だから、俺がミサオのこと好きってこと」
「誰にも言ってないよ」
口止めされているし、そんなことを言う理由も宗治にはない。
「ミサオにもか」
「ミサオにも」
その言葉に、成一がほっとした様子を見せる。
「絶対言うなよ、俺の口から言うんだからな」
そんなに言われたくないのだろうか。
だったら、自分に言うなよと以前と同じことを宗治は思ったが頷いた。
そこで、二人は別れた。
バカ話をする成一。
「あはは、面白いね」
それに笑う操。
成一と操の何気ない会話。
笑顔を向け合う二人。
それら全てが宗治には苦痛となった。
成一と操が互いにどう想っているか知っているのは宗治だけだ。
二人はまだ恋人同士ではない。
いつかどちらかが相手に告白するだろう。
そして、今操は成一に手作りのマフラーを作っており、それを渡すときに告白すると言っていた。
そうなったら二人は恋人同士になる。
宗治にはそれを止められない。
「ハル、どうしたよ?元気ないじゃん」
口数の少ない宗治のことが気になったのか成一が聞いてくる。
宗治は心配させたことを申し訳なく思うものの相談するわけにはいかない。
「そうだよ、ハルくん。ボク等で良ければ相談に乗るけど?」
「何でもないよ」
強いて笑顔を作り宗治は答える。
「そう?本当に?」
二人ともあまり信じていない様子だった。
一緒にいた月日の長さがささいな心情の変化を捉えられるようになったのだろう。
それでも宗治は何でもないような態度をとった。
二人が心から心配してくれていることも、嫉妬や苛立ちが宗治自身のエゴでしかないとわかっているから。
「大丈夫だって。心配ご無用」
おどけた様子で宗治が言うと二人は追及を止めた。
その後はなるべく会話に参加するように心がけたので、特に何か言われるようなこともなかった。
その日の部活動はプールサイドや更衣室などの掃除だった。
宗治も宗治は悩み事から気分を逸らすために掃除をしていく。
「いいじゃんかハル。プール使う時期になってからちゃんとすれば」
せっせとプールサイドの掃除をしていた成一がそんなことを言う。
別に宗治も熱意があって掃除しているわけではないのだが、成一には真面目に掃除をしていると映ったようだ。
「でもゴミがたまるしね…今のうちにちゃんとやっとかないと、後で面倒だよ」
「まあ、今年のプール掃除は面倒だったけどな…どうせ夏場にはまたたまってるよ」
先輩部員もそんなことを言う。
そこへ操がやってくる。
「ほーら、男子達もちゃんと掃除して!先輩もちゃんとやってくださいよ!」
だらだらとやっている男子達に操が元気良く声をかける。
その表情は宗治には眩しいものだった。
「はいはい」
仕方なく、男子部員も掃除を始めていく。
帰り道。
「あーめんどかったな。掃除」
「そうだね」
宗治は成一と家路についていた。
「坂上は操に告白しないの?」
思い切って宗治は聞いてみる。
成一はぎょっとした後周りをきょろきょろする。
「どうしたのさ」
不思議に思ったので宗治は聞く。
「誰かが聞いてたらどうするんだよ」
咎めるように成一が宗治に言う。
やがて、誰もいないのを確認したのか意を決して成一が語り始める。
「そんな簡単にできねぇって。振られたらめちゃめちゃ気まずいじゃん。心の準備がだな…」
長々と話すが要するに「操に振られて今の幼馴染の関係が壊れるのが怖い」という内容だった。
宗治にすればそれは杞憂なので相槌を打つのがおざなりになっていたかもしれない。
「そう言えば、言ってないよな?」
突然、成一がそんなことを言い出した。
何を言われたのか、一瞬宗治にはわからなかった。
「えっ?」
「だから、俺がミサオのこと好きってこと」
「誰にも言ってないよ」
口止めされているし、そんなことを言う理由も宗治にはない。
「ミサオにもか」
「ミサオにも」
その言葉に、成一がほっとした様子を見せる。
「絶対言うなよ、俺の口から言うんだからな」
そんなに言われたくないのだろうか。
だったら、自分に言うなよと以前と同じことを宗治は思ったが頷いた。
そこで、二人は別れた。