2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

弟の願い事 ~3~

 再び肉棒を引き抜こうとする誠司。
「じゃあ、やめよっか」
「言う、言うの、だからやめないで!」
 誠司を止めようとそんな台詞を口走る恵理沙。
 沈黙が降りる。
 やがて。
「わ、私…秀雄に、秀雄に見られながら…Hすると…興奮するの…私…よ、欲情してる…」
 たどたどしく羞恥に顔を染めながら恵理沙は言う。
 恋人として屈辱的な台詞を目の前で言われても秀雄は何もできない。
 それでも、誠司は動かない。
「誠司君…?」
 四つんばいのまま後ろを見やる恵理沙。
「兄ちゃんと向かい合ってるんだからさ、ちゃんと兄ちゃんのこと見て言わなきゃ駄目だよ」
「そ、そんな…」
 誠司の言葉に恵理沙はショックを受ける。
 それでも恵理沙は再び口を開く。
 その瞳をしっかりと秀雄に見据えながら。
「私ね、秀雄に見られながら誠司君とHするとすごく興奮するの…だから、誠司君お願い…」
 まるで秀雄に語りかけるように言葉を続ける恵理沙。
 秀雄は体をブルブルと震わせることしか出来ない。
「よく言えたね、お姉ちゃん!」
 そう言って誠司は腰で恵理沙を突き始める
「あっ……ああっ……ああっ……いいのっ…ああん…私……ああっ」…ああっ…はぁん」
 両手で体を支えられなくなった恵理沙は手をついて、上半身で体を支える姿勢になる。
 自然と尻を誠司に突き出す格好となる。
(こいつら…!)
 秀雄は殺意が湧いてくるがどうしても体が動かない。
(くそっ)
 自らは体を動かせずにいるのに、2人は交わり続けている。
「これだけさ、見せ付ければ、兄ちゃんも諦めるよねっ」
 激しい突きを入れながら誠司が笑う。
 ククッと嘲りを込めて。
 貫かれている恵里沙と目が合う。
 そこにあるのは欲情。
 秀雄を裏切ったことに対する罪悪感の欠片もない。
「ああん……秀雄ぉ……許してぇ…ああっ…はぁん……ああん…ああっ」
 恵里沙は口先だけの謝罪の言葉を快楽の中で発する。
 もちろん、秀雄は許す気になどなれない。
 彼女は快楽に身をゆだねる雌となっているのだから。


(ち、ちくしょう…)
「くっ…お姉ちゃん、出すよ!」
「ああっ……あぁん…はぁん……誠司君の…誠司君の頂戴!」
 2人は絶頂を迎える。
 誠司は肉棒を引き抜き恵理沙の横に寝そべる。
 愛おしそうに互いを見詰め合う。
 もはや、秀雄など2人にとっていないも同然の人間だった。
「とっても良かったよ…恵里沙お姉ちゃん」
 うっとりと誠司が恵里沙を見つめる。
「私も…」
 恵里沙は恥ずかしそうにしながら頷く。
 誠司はそんな恵里沙の頭を優しく撫でる。
「お姉ちゃん、お願い…」
 誠司は恵里沙を見つめながらそんなことを言い始める。
 秀雄には何のことだか見当もつかない。
「うん、分かったよ。誠司君」
 そう言って恵里沙は誠司の様々なものが付着した肉棒を丁寧に舐め始める。
 丁寧に、丁寧に。
 大切なものを扱うように。
「うう…ありがとう、お姉ちゃん」
 恵里沙の与える刺激に声をあげながら、誠司は感謝の言葉を言う。
 誠司は目をつむり時折うめき声をあげて、恵里沙の奉仕を受ける。
 と、誠司は初めて秀雄に気づいたような顔をしてにっこり笑った。
「ありがとう、兄ちゃん」
 誠司がお礼を言い出した。
 一体、何を考えているのだ。
 怒りと不審に駆られる秀雄。
「兄ちゃんに見られてる時にするとね、恵里沙お姉ちゃんの中がギュッてなってすごく良かったんだ」
 あまりの言い草に自分の耳がおかしくなったのかとすら秀雄は思った。
 これではまるで自分は誠司の快楽を高めるための道具だ。
 屈辱と怒りで体が震える。
「恵里沙お姉ちゃんも良かったよね?」
 未だに誠司の肉棒を丁寧に舐めている恵里沙に目を向けて言う。
 恵里沙は誠司の肉棒から舌を離し、ためらいながらも頷く。
「ほら、兄ちゃんにお礼言わなきゃ」
「…ありがとう秀雄…あのね、あなたのおかげでとっても…気持ち良かったわ」


 恥ずかしそうに笑みを浮かべて恵理沙は言う。
 体は動かせないが、秀雄の心は悲鳴をあげていた。
(何なんだよ…!こいつら俺に恨みでもあるのかよ!)
「でもさ、これで兄ちゃんがどんな馬鹿でも分かってくれたよね」
 笑顔で語りかけてくる誠司。
 今度は何を言うつもりなのだ。
「恵里沙お姉ちゃんは僕のものだから。兄ちゃんは諦めてね」
「ごめんなさい…秀雄。私、もうあなたとはだめなの…誠司君はとっても可愛いし、こんなに気持ちよくしてくれるから…」
 ごめんなさい、ともう一度笑顔を浮かべながら繰り返す恵里沙。
 秀雄の体がわなわなと震える。
「兄ちゃん、邪魔だからあっち行ってよ。今度は二人きりでしたいんだ。
 あっ、でもまた後で呼ぶかもしれないから、それまでどっか行ってていいよ」
「そうね…秀雄。私たち二人きりになりたいの…だからお願い」
 2人は冷酷な台詞を秀雄に叩きつける。
 自分はここまでの仕打ちをされなければいけないことをしたのだろうか?
 秀雄はそう自問して即座に否と自答する。
 この2人のクズどもが悪い。
 憎しみに心を焼かれながらそう結論を出す秀雄。
「今度は2人だけで誰にも邪魔されずにしようね…」
 胸を触りながら誠司が恵里沙に囁く。
「あん…もう、誠司君ったら…」
 2人で顔を寄せ合いクスクスと楽しそうに笑う。
 その笑顔すら秀雄を馬鹿にしたものと感じる。
「ふざけるな!」


 そこで目が覚めた。
「はぁ、はぁ」
 何と言う夢を見たのだろう。
 もちろん夢だ。
 まだ8歳の弟があんなことをするはずが無い。
 しかし、誠司のことを考えると胸がムカつく。
 時計を見るとまだ午前3時。
 夢の内容が心に焼きついている。
 誠司も恵里沙も寝ているはずだ。
 そのはずなのだ。
 こんな時間に起きているなどあり得ない。
 それに、恵理沙にも平手で叩いたことを何度も謝った。
 彼女も許してくれたはずなのだ。


 しかし、一度疑惑が生じるとどうしても打ち消せない。
 あり得ないことでも、疑いが消えない。
 思えば恵里沙がサンタクロースなどということもあり得ないことだった。
 そして、弟の願いを叶えるために、秀雄の家に居る事も。
 そう思うといても立ってもいられなくなる。


 いつの間にか秀雄は恵理沙の部屋の前に立っていた。
 寒さに震えながら、聞き耳を立てる。
 何の音も聞こえない。
 …思い違いかもしれない。
 いや、自分の目で確かめなければならない。
 秀雄は自分の中に次々と浮かび続ける妄想を断ち切るためにドアを開ける。
 キィと微かな音を立てて部屋に入る。
 ランプの淡い明かりが部屋を浮かび上がらせている。
 そこにいるのは恵理沙。
 安らかな表情で眠りについている。
 彼女は一人だ。
 そんな当たり前のことなのに、秀雄は安堵のあまり涙を流しそうになる。
 その安らかな寝顔に愛おしさがこみ上げてくる。
 彼女は今、眠っている。
 今ならば、キスできるのではないか。
 本当の恋人である自分がキスするのだ、何の問題がある。
 秀雄はそう思い、彼女の顔にそっと自分の顔を近づける。
 だが、あと少しというところで、バンッと恵理沙から弾き飛ばされる。
「うぐあっ」
 ドタンと音を立てて倒れる秀雄。
 その物音に恵理沙が「ん」と目を開ける。
 そして、目を開けた恵理沙の前には不審な人影。
「き、きゃああああああああ!」
 恵理沙が叫ぶ。
 秀雄は彼女の悲鳴に焦りと同時に憤りも覚える。
 確かに、こんな時間に恵理沙の部屋に入ったのは悪かった。
 だが、なぜ悲鳴をあげられなければならないのか。
「どうしたの?恵理沙お姉ちゃん…」
 誠司が声に気づいてやってきたのだ。
 まだ、意識がはっきりしていないようで、目をこすりながら眠そうにしている。
「勝手に人の部屋に入って来ないでよ、馬鹿!」
 時計を見て時刻を知った恵理沙が怒鳴った。
 その声に誠司がビクッと体を震わせる。


 秀雄も驚いたが、同時に誠司の様子にざまを見ろと思った。
「ご、ごめんなさい…僕…僕…」
 涙声になる誠司。
 恵理沙はそんな誠司に慌てて駆け寄る。
「違うのよ誠司君。あなたに言ったんじゃないの。だから泣かなくていいのよ」
「うう…僕ね、恵理沙お姉ちゃんが心配で、だからね」
 しゃくりあげながら誠司が言う。
 恵理沙は誠司を抱きしめて優しい声をかける。
「ありがとうね、誠司君。私のために来てくれたんだよね?」
 自分に怒鳴ったのか。
 恵理沙の台詞の意味を理解する秀雄。
 二人を止められない。
 今割り込んだら、恵理沙の怒りに油を注ぐことになる。
 だから、秀雄は二人を見ることしか出来なかった。
「うん…うん…」
 恵理沙は誠司のことを優しくなでながらあやす。
 やがて誠司が落ち着きを取り戻す。
「誠司君、ありがとうね…これはお礼よ」
 そう言って淡いオレンジの光の下。
 恵理沙は誠司の頬にキスをした。
「あ…あ…」
 呆然とする誠司。
 恵理沙はにっこりと誠司に笑う。
「私はもう大丈夫よ…お休みなさい誠司君」
「う…うん…お休みなさい…お姉ちゃん」
 ぼんやりとした声で誠司は挨拶を返して部屋から出て行った。
 秀雄は気の狂いそうな思いだった。
 夢で見た淫らな交わりよりも先ほどのキスは彼の心を乱した。
 性的なものは微塵も感じさせなかったが、恵理沙は優しい表情を誠司に向けていた。
 自分にではなく。
 それに二人の親密さは嫌になるほど伝わってくる。
 まるで秀雄に見せ付けているようだった。
「何でこんな時間にいたの、秀雄」
 いつの間にか恵理沙がこちらを向いていた。
 その冷たい声には押さえきれない苛立ちと不審があった。
「し、心配だったんだ」
 何と言えばいいかわからない。
 それでも、夜中にやって来た理由を話そうと彼の中の焦りを言葉にしようとした。
「心配?」
 訳がわからないと言った風に恵理沙が言う。
 どうして恵理沙は分かってくれないのだろう。


 秀雄は切実だが身勝手な想いを抱く。
 なぜ、自分の苦しみを理解してくれないのだ。
「お前と、誠司が…二人でいないか」
「こんな時間に?」
 恵理沙の声に含まれる不審が強まる。
 当然だろう。
 8歳の少年がこんな時間に起きているなどありはしない。
 焦りからだろうか、秀雄は自分の不安を言語にできない。
 ふと、恵理沙の声が優しくなる。
「ねえ…秀雄、正直に言って。あなたも男の子だから、その、そういうことをしたいって気持ちもあるのは分かるの…だからね」
 恵理沙は分かってくれない。
 秀雄は絶望した。
 彼女はは秀雄が夜這いしにきたと思っているのだ。
「違う、そんなんじゃない。俺はお前が誠司と二人きりになるのが不安で…だから」
「どうして正直にいってくれないの?」
 何とか理解してもらおうと言葉を探す秀雄を恵理沙は悲しそうな声で遮る。
「もう、出てって」
 その言葉は彼女の拒絶の言葉。
 今は何を行っても無駄だ。
 秀雄はそう思った。
「お休み」
「…お休みなさい、秀雄」
 返事があったことだけが秀雄にとっての救いだった。

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

最近のトラックバック

アクセスランキング

アクセスランキング ☆ランキングの参加は、このページ
http://saeta.blog.2nt.com/
にリンクするだけです☆

ブロとも申請フォーム

お知らせ

(*´Д`)<ハァハァ・・・・・・

かんりにん:(*´Д`)<ハァハァ・・・・・・
相互リンクも大歓迎です。
気に入ったらどんどんリンクしてください。

コメント欄にでも知らせてくださると嬉しいです。

ブログ内検索

注目

ページの先頭へ戻る