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平和な日常(2)

この日を境に、敦子は帰宅時間が遅くなるようになった。
それと同時に、工藤たちも店へ来なくなっている。
継雄の胸中に、何とも言えぬ不安が募る。
「姉ちゃん、どうしたのかなあ・・・」
近ごろはもう、滅多に話もしなくなった。どちらかといえば、避けられているようだった。
そんな日々がしばらく続いたある日、継雄は仕事帰りに通りかかった公園で、三人の少年と、姉の姿を発見する。
しかも、彼らはケンカの真っ最中だった。

「死ね!」
「うわッ!」
工藤が蹴飛ばされ、地に這った。
柴崎や町田も殴られ、土にまみれている。
そのすぐ脇には、何故か許しを乞う敦子の姿があった。
「ねえ、やめて!お願い、死んじゃうわ!」
「なんだ、あんた?引っ込んでろよ」
多勢に無勢というか、工藤たち三人に対し、相手のグループは倍の六人もいる。
このまま殴られ続ければ、三人は死んでしまうかもしれない。
敦子の哀願は、切羽詰っていた。

「おい、工藤。保護者連れでケンカとは、笑わせるな」
相手グループが、一斉に笑った。すると工藤が悔し紛れに、
「保護者じゃねえ。俺たちの女だ」
と、言い返した。これが、精一杯の強がりなのだろう、目は伏せたままだった。

「へえ、あんたいい年して、こいつらのトイレ?」
見るからに悪そうな少年が、敦子のあごに手をかけた。美しい顔が恐怖に歪む。
「そんなんじゃないわ」
「でも、俺たちって言ったぜ。三人に輪姦されてるんだろう?」
「・・・・・」
この様子を見て、工藤がしまったというような顔をした。
しかし、余計な事を言ったと今さら悔やんでも、どうにもならない。

「ねえ、もういいでしょう。工藤君たちを殴るのはやめてあげて」
「そうはいかねえ。こいつらには、ずいぶん手を焼いてるんだ。ここできっちりカタにはめとかねえと、後が面倒くさい」
「そんな・・・お願い、許してください」
もういい加減、痛めつけられているのに、この上、まだ殴られては、本当に死にかねない。
敦子は身を呈して頼むのであった。

「じゃあ、あんた。こいつらの代わりに、一晩、付き合うかい?」
「えっ・・・?」
「俺たちのヤサへ来いって事さ。だったら、工藤たちは許してやってもいい」
その意味の持つ所は、すなわち敦子が嬲られるという事である。
しかしそれ以外、工藤たちを救う術は無さそうだった。

「行きます。私が行けばいいのね」
「決まりだ。俺たちの車に乗りな」
そんな訳で、敦子は工藤たちを痛めつけた相手の車に乗り込む事となった。

「ちくしょう・・・敦子さん」
「私なら、大丈夫。工藤君、体を労わってね」
相手グループは二台の車に分乗し、敦子と共に公園から出て行った。
その直後、継雄は工藤たちの傍らまで走り寄る。
「おい、お前ら、何やってるんだ」
「あっ、継雄さん・・・」
工藤たちは揃って、気まずそうにうなだれた。
目の前で敦子を奪われ、何も出来なかった不甲斐なさに打ち震えている。

「いったい姉ちゃん、お前らとどういう付き合いをしてたんだ。全部、話せ」
「・・・すいません。俺たち、あの日、敦子さんを酔わせて、レイプしました。
ケイタイで写真とか撮って、その後も脅して、やらせてもらってたんです。でも・・・」
「でも、なんだ?」
「敦子さん、そんな俺たちに優しくしてくれるんです。セックスはさせてあげるから、
悪ぶるのはやめなさいって・・・だから、俺たち悪さをやめてたんですが、昔のツケが回ってきて」
工藤は涙を流しながら告白した。他の二人も同じように、涙を流している。

「姉ちゃんを連れてったやつらは何者だ?」
「高校生の暴走族グループです。ヤサは隣町の中古車屋だった廃屋です」
「ちくしょう。どうしたらいいんだ・・・姉ちゃん」
継雄が途方にくれていると、蹲っていた町田が唐突に叫びだした。


「殴りこもう。それ以外に、敦子さんを助ける方法は無いよ」
「しかし、お前らも怪我してるだろう」
「こんな事、警察には話せないし。第一、敦子さんの身が危なくなる」
工藤が立ち上がり、通りに出てタクシーを止めた。足はふらつくが、何とか体は動く。

「俺はやるぜ」
「俺も行くよ」
「俺もだ」
工藤を筆頭に、柴崎と町田が続いた。こうなると継雄も行かないとは言えない。
「ええい、どうにでもなれ」
一行はやつらのヤサへ行く前に、深夜営業をしているスーパーで金属バットを仕入れ
ていく事にした。数で劣るので、武器が必要だったからだ。
しかし、その頃、敦子はすでに彼らの嬲り者となっていたのである。

「うッ・・・うくくッ・・・」
薄汚いマットレスを一枚敷いただけの場所で、敦子は早々と衣服を剥かれて犯されていた。
しかも相手は六人。休む間も与えられなかった。
「いい女だ。あいつらには、もったいねえ」
「俺たちのトイレになれよ」
矢継ぎ早に放たれる汚らしい言葉。
ケンカの戦利品という事もあり、彼らには女を女とも思わぬ、非情さがあった。

「しゃぶれ、ホラ」
と、少年たちに肉棒を突き出されればしゃぶり、
「ケツの穴も使おうぜ。なにせ、男が六人もいるんだ」
と、言われれば、アヌスを差し出さなければならない敦子。
その扱いは、完全に物であった。

「ああッ!壊れそう・・・」
アヌスを穿つ肉棒に苛まれ、敦子は悲鳴を上げる。
だが、逃げる事もかなわず、大きく息をしてそれを排泄孔に、粛々と飲み込まねばならなかった。
「これからは長い付き合いになりそうだから、ここもしっかり鍛えろよ」
「むぐぐッ・・・はい・・・」
女穴と尻穴を出入りする肉の凶器のせいで、失神寸前の敦子。
もっともたとえ気を失っても、彼らの責めは止まらないだろう。
実際、敦子が頭を垂れたりすると、乳房を手荒く揉まれたりして、喘ぎ声を絞らされた。容赦など無かった。

その様子を、影から見ている一団がある。廃屋についた工藤たちと継雄だった。
「ちくしょう、姉ちゃん・・・」
姉は六人の男に輪姦されている。
その怒りで頭に血が上った継雄は、手に持ったバットに力を込めた。
「行きましょう、継雄さん。お前らも腹を決めろよ」
「おう」
廃屋の扉を蹴破り、継雄たちは踊りこんだ。そして、一斉にバットを振り下ろす。

「なんだ?あっ、てめえら!」
「さっきのお礼に来たぜ。喰らえ!」
まず工藤のバットが、敦子のアヌスを犯していた少年の頭に喰らいつく。
次いで、他の少年も継雄たちの攻撃で、悲鳴を上げる羽目になった。

「助けてくれ!」
「死ね!」
逃げる者と追う者の怒号が入り混じり、廃屋は修羅場と化した。
こうして五分もすると、継雄たちと敦子以外は、物言わぬ骸のようになっていた。

「姉ちゃん、無事か・・・って、そんな訳ないか」
「継雄・・・あんた、どうして?」
「継雄さん、出ましょう」
工藤と継雄が肩を貸し、敦子はようやく救出された。
体中が精液にまみれていたが、大きな怪我とかは見当たらないので、とりあえず安堵する。

「家に帰ろうな、姉ちゃん」
「・・・うん」
姉の衣服を拾いながら、継雄は思った。
あの日、少しの勇気があったら、敦子がこんな目に遭う事は無かったのでは、と。
工藤たちに良い顔をせず、いや、犯されていた姉をすぐに助けていれば、傷はもっと浅くて済んだはずである。
そう思うと、継雄の胸は痛むのだった。

それから数日後、継雄はいつものようにコンビニで仕事をしていた。
すると、店の前で掃除をしていた継雄の傍らに、真っ赤な軽自動車が止まった。
しかも運転手は、敦子である。

「あれ、姉ちゃん・・・その車」
「レンタカーよ。これから、旅行に行くの」
スモークガラスを貼った後部座席には、何やら人影が蠢いていた。
継雄がホウキを放り出し、窓に歩み寄ると見慣れた顔が三つある。
「やっぱりお前らか」
「すいません、継雄さん」
工藤、柴崎、町田、三人の少年が、ちゃっかり後部座席にいるのだ。
これには継雄も呆れ顔。

「まだ付き合ってんの?」
「中々、離れがたくてね」
敦子はウインクをしてみせた。
悪びれてる様子は無い。ただ、心の底からそう思っているのだ。
「どこへ行くつもり?」
「伊豆まで。母さんには、女友達と旅行に出かけるって言ってある」
そう言うと敦子はアクセルを踏んだ。

「今夜は激しくなりそうよ、ふふ・・・」
それだけ言い残し、車は去って行った。ただ一人、残された継雄は、
「結局、あいつらの玩具じゃん」
と、こぼした。

最近の敦子は、会う日を決めて少年たちと付き合っているらしい。
もちろん、複数姦というふしだらな関係だが、本人がそれを望んでいるので、継雄にはどうしようもなかった。
しかし、悪い事ばかりでもない。
「やっぱり、人間は平凡が一番だよなあ」
コンビニの仕事に倦んで、スリルを求めていた継雄だったが、その考えが改まったのである。
毎日続く平和な日常が、とてつもなく尊いと思えるようになったのだ。
これはもちろん、工藤たちが敦子を犯した事や、バットを持っての殴り込みなどに起因している。
もうあんな危険な事は、こりごりなのだ。

しばらくして、継雄の携帯にメールが入った。発信者は敦子である。
『この子たちが待ちきれないって言うんで、伊豆へ行くのはやめて、
近くのラブホで遊ぶ事にします。やるだけだったら、ここでもいいもんね』
メールにはスカートを捲られる敦子と、ふざける工藤たちが写った画像が添えられていた。
継雄はそれを一瞥した後、
「さて、俺は仕事、仕事と・・・」
そう言って、店内に戻って行ったのであった。

おしまい

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