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喪失 2
- 2009/02/15
- 06:51
その後の事は、全てが虚ろで色あせていた。
アンドレは3か月監禁されていたこと、フレッドとレジーナが結婚したこと、
ブランドンが死んだこと、フレッドは今屋敷にいないこと、
そのために監視が緩んだこと。
レジーナから受けたそれらの説明が、アンドレの脳裏に空虚に響いた。
全てを喪ったアンドレは、長年過ごした屋敷を去った。
アンドレは3か月監禁されていたこと、フレッドとレジーナが結婚したこと、
ブランドンが死んだこと、フレッドは今屋敷にいないこと、
そのために監視が緩んだこと。
レジーナから受けたそれらの説明が、アンドレの脳裏に空虚に響いた。
全てを喪ったアンドレは、長年過ごした屋敷を去った。
その部屋の中には二人の人間がいた。
男が一人、少女が一人。
男は30代ほどだろうか。
長身でどこか冷酷な印象を与える男であった。
冷淡な表情を浮かべながら、少女を見つめている。
少女は、14、5歳といったところである。
汚れの無い純白の肌と美しい金色の髪をした美しい少女であった。
その顔は笑顔を浮かべれば多くの人々を魅了するだろうが、しかし、
今は怒りと嫌悪が浮かんでいた。
「あなたは人でなしよ!」
少女は男を罵る。
それに対して、冷たい笑みを浮かべて男が答える。
「その人でなし以外に、あなた達に救いの手を差し出す者はいましたか、お譲さん?」
男の言葉に少女は言葉を詰まらせる。
少女の家は貴族であるが、今は困窮している。
少女の父は病に倒れ、なすすべもない。
かつて、自分をちやほやしていた者たちも、今は皆去った。
その中で、この男が援助を申し出てきたのだ。
その条件は、男と少女の結婚。
「…本当に、お父様は助かるの?」
「私が助けなければ、死ぬでしょうね」
少女の問いかけに対して、男はあっさりとした様子で返す。
少女は俯いて、しばらく黙りこんでいたがやがて、肩を震わせながら小声で囁いた。
「……わかったわ…」
「何が、分かったのでしょうか?」
「……あなたと、結婚するわ」
男はその返答に満足そうにうなずく。
「あなたが賢明で良かった…」
男を睨みながら、少女は背を向けて部屋を出ようとする。
「じゃあ、私は…」
去ろうとする少女の腕を男が掴む。
「待ちなさい」
「な、何……んん!?」
男が少女の唇に己のそれを重ねたのだ。
男は少女の唇を味わい、舌を押し入れて、なぶるように口腔犯していく。
「ん……んん…ん!」
少女を男から逃れようともがく。
男は少女の抵抗に楽しそうな表情を浮かべながら、じっくりと少女の口内を味わい、唇を離す。
「やめて!」
男が少女の唇を犯すのをやめたすきをついて少女を男から身をよじって突き飛ばした。
男はわざとらしく転んでみせる。
そして起き上がって少女に対してして嘲笑って見せる。
「おやおや、あなたのお父上がどうなってもよろしいのですか?」
「卑怯者…!」
「お父上がどうなっても良いか、と聞いているのですが」
怒りを込めて睨みつけていたが、力なくうなだれた。
「お父様を、助けて…」
「さきほど、私に働いた狼藉に対しては、何もないのですか?」
少女は一瞬虚を突かれた表情を浮かべるが、やがて気付く。
この卑劣漢は自分に謝罪しろと言っているのだ。
少女は屈辱に顔を赤くして、体を震わせた。
顔を俯かせながら、声を絞り出す。
「……ごめんなさい…」
パシッ。
少女の返答に対して、男は平手を打った。
叩かれた頬に手をやり呆然とする少女。
男は出来の悪い生徒を諭すように言う。
「申し訳ありません、でしょう」
少女は男の言葉に唇をかむ。
これでは、男の妻ではなくまるで…
「私はあなたの奴隷じゃない…」
「あなたは私の妻となるのですよ…そして妻は夫に従うものでしょう?」
唇をかむ少女。
「申し訳ありません…」
「そうです、口の聞き方には気をつけてください。ですが…」
男は少女の謝罪を受けて、満足していない。
「口で謝るだけならいくらでも言えます。行動で示してください。」
「…行動?」
男は一瞬、考え込むような仕草を見せる。
「そうですね…我々は夫婦となるのですからね…」
そういうと男は自らのズボンを下ろし、下着を脱ぎ、己の欲望ををさらした。
それは脈打ち、天を突いていた。
始めてみる光景に少女は思わず目をそらす。
「あなたの口で、私を鎮めてください」
「口で…」
信じられない、といった様子で彼女が男の言葉をなぞる。
「あなたの誠意を見せて欲しいのですよ…」
少女は男の欲望から顔を逸らしたまま、美しい顔に苦悩を浮かべる。
男は彼女を見下ろしている。
やがて。
「…わかったわ」
パシッ。
「口の聞き方には気をつけなさいと言ったでしょう」
「わかり、ました…」
男は満足げに頷きながら執務用の机に座りこむ。
「さぁ、頼みましたよ…」
屈辱に耐えながら少女は頷いた。
白い繊手を震わせながら男の欲望に手を伸ばす。
熱を持ったそれは、少女が触れたことで一層昂ぶったように見えた。
「さあ、口に入れなさい」
男が少女の髪を撫でながら促す。
「うっ…うっ…お父様……お母様……助けて…アン」
嗚咽を漏らす少女の顔を掴み男は自らの欲望に引き寄せる。
「うぐっ!?」
苦しそうにうめく少女。
口の中に広がる男の味に顔を歪める。
「さあ、頼みましたよ…」
そう言って、少女の頭を掴んだまま、男は腰を動かしていく。
「うぐっ…うっ……ぐっ…ふっ…うぐうっ…」
口の中で暴れる男の欲望に少女が苦しそうなうめき声を出す。
構うことなく男は少女の中に、精をを放つ。
ビュクッ、ビュクッ、ビュクッ。
少女は吐き出そうとするも、男の欲望を突っ込まれているので飲み込むしかない。
「さあっ、飲みなさい」
「ううっ、うっ」
苦しそうな表情のまま、男の白濁を飲み下していく。
その度に少女の透き通るように白い喉が苦しそうにこくっこくっと動く。
男はしばらく、少女の頭を抱きしめるように掴んでいたが、
少女が己の白濁を飲んだことを確認すると欲望を引き抜いた。
「げほっ、げほっ」
男から解放された少女は、口の中に残っていた精液を吐き出す。
涙を流しながら、自分の中の汚れを追い出そうとするかのように。
だが、男はそんな少女を再度はたいた。
「あなたが汚した床を綺麗にしなければならないでしょう?
見なさい。他は綺麗なのに、あなたのせいでそこだけ見苦しい」
そう言って、男が指さした場所には確かに少女が吐き出した精液があった。
磨き上げられた床にある白濁。
「さあ、綺麗にしなさい」
「…」
少女は黙って、清掃道具を取りに向かおうとした。
が、男は許さなかった。
「あなたの口で汚したのでしょう?だったらあなたが舐めて綺麗にしなさい」
「い、嫌っ」
どうして、自分が男の精液で汚れた床を舐めなければならないのか。
少女の顔には理不尽に対する怒りが見えた。
「あなたがそんなことを言える立場だと思っているのですか?」
少女の父親がどうなっても良いのか。
男の問いかけを理解しながら、少女は逡巡する。
そして。
少女は床に跪き、舌で吐き出した白濁を舐め始めた。
やがて、床を綺麗にし終わると男の機嫌を伺うように見上げた。
「よくできましたね…ですが、まだこれを綺麗にしてもらっていないですね」
そう言って男は、自らの欲望を少女に突きだす。
それは、少女が床を舐め上げている間に再び屹立していた。
そして、男の白濁と少女の唾液により、先ほどより忌わしく、醜悪に見えた。
「ひっ」
少女は怯えたような声を出す。
「さあ、その舌で汚れを拭き取りなさい」
男は少女の顔を掴み再び自分の欲望に寄せる。
観念したように少女は目を閉じ、舌をそっと出しながら、男の欲望に舌を這わせた。
そして、顔を歪めながら、男の欲望についた唾液と白濁を舐めていく。
ピチャ、ピチャ。
少女の舌が男の欲望を舐め上げる音が微かに部屋に響く。
「いい子だ…」
男は少女の頭を優しく撫でる。
少女は早く終わってほしいとばかりに男の欲望を綺麗にしていった。
「もう…いいでしょう…?」
懇願するように少女は男に問いかける。
「まだ、綺麗にしてもらわないといけませんね」
そう言って男は少女に続きを促す。
少女は諦めたように、行為を続ける。
ピチャ、ピチャ。
どれくらい続けたのか。
突然、男が少女の頭をつかんだかと思うと、少女の清らかな金髪に白濁を吐き出す。
「嫌ぁ」
少女の抗議を無視して、金髪を白濁で犯していく。
男は、白濁に汚された少女を満足げな笑みで見つめながら話しかける。
「今日はこのくらいにしておきましょう。体を綺麗にしていきなさい」
「う、ううっ」
少女は座り込み、嗚咽を漏らす。
「早く洗わないと、あなたの美しい金髪が痛みますよ。
これからは、毎日するのですから」
男の言葉に少女の表情が絶望に塗りつぶされる。
少女はよろよろと浴室へとむかった。
男はしばらく、満足そうな様子で椅子に座っていたが、
しばらくすると何かを思い出したように、こちらへ向かってきた。
そして、鏡を開けて鏡の中に閉じ込められた俺に話しかけた。
「どうだったかい、アンディ?」
親しげに男――アンドレは俺に話しかけながらさるぐつわを外す。
「こ、殺してやる!」
俺はありったけの殺意を込めて、アンドレに喚いた。
だが、彼は頷いただけであった。
「君の気持は、良くわかるよ」
アンドレは遠い目をしながら、そんなことを言った。
「ふざけるな!だったらなんでこんなことを…!」
「この鏡はね、マジックミラーといって、君からは部屋の様子が見ることができるのだけれど、
部屋からは、ただの鏡にしか見えない。良くできているだろう?」
アンドレはそんな説明を始めた。
だから、俺は鏡越しに部屋の様子を全て見ることができたのに、
少女――レナにはただの鏡にしか見えなかったのか。
鏡の奥に閉じ込められた俺に気付くことはなかったのか。
だが、それは質問の答えになっていない。
「俺は、何でこんなことをしたのかと聞いてるんだ!」
「そんな気分だったんだ」
アンドレはふざけたことを言った。
「君は、屋敷を出たことになっている…
レナお譲さんは君に捨てられたと思っているんだ…
だから、また地下に戻ってくれ」
「ふ、ふざけ」
俺の言葉は聞き入れられるはずもなく、後頭部に衝撃が走り、再び俺の意識は沈んだ。
アンドレは、アンディを地下室に戻したあとに、レナの父であるフレッドの主治医の元に向かった。
「これはこれは、アンドレ様」
卑しい顔に卑屈さを張りつかせて医者はアンドレにへつらう。
「フレッド殿の『治療』はしっかり進んでいるのだろうな」
医者はアンドレに返答する。
「それはもう、もちらん」
アンドレはフレッドを治療するつもりなどなかった。
生かさず殺さずの状態に置いて、レナに対する人質にするつもりであった。
「そうか、頼んだぞ」
アンドレは医者に金貨の入った袋を渡すとその場を去った。
アンドレがバクスター家の屋敷を去ってから、15年の月日が過ぎた。
アンドレは金のために、あらゆることを行った。
全ては、レジーナをこの手に取り戻すために。
「……」
だが、それはかなわなかった。
レジーナは娘のレナを産んだ後、病に倒れて亡くなってしまった。
そのことを知った当初は死を考えたが、アンドレは思い直した。
せめて、自分から全てを奪った男に復讐をする。
そのことを糧として生きてきた。
そしてアンドレは復讐するだけの力を蓄えてバクスター家の屋敷に戻った。
そこには、レジーナの生き写しのように美しく育った娘のレナがいた。
アンドレはレナを見て、彼女こそレジーナの代わり自分が手に入れる人間なのだと思い、
彼女を手に入れることを決意する。
そして、彼女の横に、アンディという少年がいることも知る。
二人の様子を見て、即座に二人がかつての自分とレジーナのような関係であることを見抜いた。
しかし、アンドレにはレナの横で幸せそうに微笑むアンディが許せなかった。
だから、レナに対する凌辱を特等席で見せてやったのだ。
かつての自分よりも遥かに強烈な絶望を味あわせるために。
アンディの怒りと絶望を目にして、アンドレの暗い感情が喜びに震えた。
かつて自分の味わった屈辱がようやく報われた気分になったのだ。
今までの労苦は報われて、それに対する報酬をこれからは受け取るのだ。
アンドレは笑みを浮かべながら自らの部屋となった執務室へ向かった。
以上です。
男が一人、少女が一人。
男は30代ほどだろうか。
長身でどこか冷酷な印象を与える男であった。
冷淡な表情を浮かべながら、少女を見つめている。
少女は、14、5歳といったところである。
汚れの無い純白の肌と美しい金色の髪をした美しい少女であった。
その顔は笑顔を浮かべれば多くの人々を魅了するだろうが、しかし、
今は怒りと嫌悪が浮かんでいた。
「あなたは人でなしよ!」
少女は男を罵る。
それに対して、冷たい笑みを浮かべて男が答える。
「その人でなし以外に、あなた達に救いの手を差し出す者はいましたか、お譲さん?」
男の言葉に少女は言葉を詰まらせる。
少女の家は貴族であるが、今は困窮している。
少女の父は病に倒れ、なすすべもない。
かつて、自分をちやほやしていた者たちも、今は皆去った。
その中で、この男が援助を申し出てきたのだ。
その条件は、男と少女の結婚。
「…本当に、お父様は助かるの?」
「私が助けなければ、死ぬでしょうね」
少女の問いかけに対して、男はあっさりとした様子で返す。
少女は俯いて、しばらく黙りこんでいたがやがて、肩を震わせながら小声で囁いた。
「……わかったわ…」
「何が、分かったのでしょうか?」
「……あなたと、結婚するわ」
男はその返答に満足そうにうなずく。
「あなたが賢明で良かった…」
男を睨みながら、少女は背を向けて部屋を出ようとする。
「じゃあ、私は…」
去ろうとする少女の腕を男が掴む。
「待ちなさい」
「な、何……んん!?」
男が少女の唇に己のそれを重ねたのだ。
男は少女の唇を味わい、舌を押し入れて、なぶるように口腔犯していく。
「ん……んん…ん!」
少女を男から逃れようともがく。
男は少女の抵抗に楽しそうな表情を浮かべながら、じっくりと少女の口内を味わい、唇を離す。
「やめて!」
男が少女の唇を犯すのをやめたすきをついて少女を男から身をよじって突き飛ばした。
男はわざとらしく転んでみせる。
そして起き上がって少女に対してして嘲笑って見せる。
「おやおや、あなたのお父上がどうなってもよろしいのですか?」
「卑怯者…!」
「お父上がどうなっても良いか、と聞いているのですが」
怒りを込めて睨みつけていたが、力なくうなだれた。
「お父様を、助けて…」
「さきほど、私に働いた狼藉に対しては、何もないのですか?」
少女は一瞬虚を突かれた表情を浮かべるが、やがて気付く。
この卑劣漢は自分に謝罪しろと言っているのだ。
少女は屈辱に顔を赤くして、体を震わせた。
顔を俯かせながら、声を絞り出す。
「……ごめんなさい…」
パシッ。
少女の返答に対して、男は平手を打った。
叩かれた頬に手をやり呆然とする少女。
男は出来の悪い生徒を諭すように言う。
「申し訳ありません、でしょう」
少女は男の言葉に唇をかむ。
これでは、男の妻ではなくまるで…
「私はあなたの奴隷じゃない…」
「あなたは私の妻となるのですよ…そして妻は夫に従うものでしょう?」
唇をかむ少女。
「申し訳ありません…」
「そうです、口の聞き方には気をつけてください。ですが…」
男は少女の謝罪を受けて、満足していない。
「口で謝るだけならいくらでも言えます。行動で示してください。」
「…行動?」
男は一瞬、考え込むような仕草を見せる。
「そうですね…我々は夫婦となるのですからね…」
そういうと男は自らのズボンを下ろし、下着を脱ぎ、己の欲望ををさらした。
それは脈打ち、天を突いていた。
始めてみる光景に少女は思わず目をそらす。
「あなたの口で、私を鎮めてください」
「口で…」
信じられない、といった様子で彼女が男の言葉をなぞる。
「あなたの誠意を見せて欲しいのですよ…」
少女は男の欲望から顔を逸らしたまま、美しい顔に苦悩を浮かべる。
男は彼女を見下ろしている。
やがて。
「…わかったわ」
パシッ。
「口の聞き方には気をつけなさいと言ったでしょう」
「わかり、ました…」
男は満足げに頷きながら執務用の机に座りこむ。
「さぁ、頼みましたよ…」
屈辱に耐えながら少女は頷いた。
白い繊手を震わせながら男の欲望に手を伸ばす。
熱を持ったそれは、少女が触れたことで一層昂ぶったように見えた。
「さあ、口に入れなさい」
男が少女の髪を撫でながら促す。
「うっ…うっ…お父様……お母様……助けて…アン」
嗚咽を漏らす少女の顔を掴み男は自らの欲望に引き寄せる。
「うぐっ!?」
苦しそうにうめく少女。
口の中に広がる男の味に顔を歪める。
「さあ、頼みましたよ…」
そう言って、少女の頭を掴んだまま、男は腰を動かしていく。
「うぐっ…うっ……ぐっ…ふっ…うぐうっ…」
口の中で暴れる男の欲望に少女が苦しそうなうめき声を出す。
構うことなく男は少女の中に、精をを放つ。
ビュクッ、ビュクッ、ビュクッ。
少女は吐き出そうとするも、男の欲望を突っ込まれているので飲み込むしかない。
「さあっ、飲みなさい」
「ううっ、うっ」
苦しそうな表情のまま、男の白濁を飲み下していく。
その度に少女の透き通るように白い喉が苦しそうにこくっこくっと動く。
男はしばらく、少女の頭を抱きしめるように掴んでいたが、
少女が己の白濁を飲んだことを確認すると欲望を引き抜いた。
「げほっ、げほっ」
男から解放された少女は、口の中に残っていた精液を吐き出す。
涙を流しながら、自分の中の汚れを追い出そうとするかのように。
だが、男はそんな少女を再度はたいた。
「あなたが汚した床を綺麗にしなければならないでしょう?
見なさい。他は綺麗なのに、あなたのせいでそこだけ見苦しい」
そう言って、男が指さした場所には確かに少女が吐き出した精液があった。
磨き上げられた床にある白濁。
「さあ、綺麗にしなさい」
「…」
少女は黙って、清掃道具を取りに向かおうとした。
が、男は許さなかった。
「あなたの口で汚したのでしょう?だったらあなたが舐めて綺麗にしなさい」
「い、嫌っ」
どうして、自分が男の精液で汚れた床を舐めなければならないのか。
少女の顔には理不尽に対する怒りが見えた。
「あなたがそんなことを言える立場だと思っているのですか?」
少女の父親がどうなっても良いのか。
男の問いかけを理解しながら、少女は逡巡する。
そして。
少女は床に跪き、舌で吐き出した白濁を舐め始めた。
やがて、床を綺麗にし終わると男の機嫌を伺うように見上げた。
「よくできましたね…ですが、まだこれを綺麗にしてもらっていないですね」
そう言って男は、自らの欲望を少女に突きだす。
それは、少女が床を舐め上げている間に再び屹立していた。
そして、男の白濁と少女の唾液により、先ほどより忌わしく、醜悪に見えた。
「ひっ」
少女は怯えたような声を出す。
「さあ、その舌で汚れを拭き取りなさい」
男は少女の顔を掴み再び自分の欲望に寄せる。
観念したように少女は目を閉じ、舌をそっと出しながら、男の欲望に舌を這わせた。
そして、顔を歪めながら、男の欲望についた唾液と白濁を舐めていく。
ピチャ、ピチャ。
少女の舌が男の欲望を舐め上げる音が微かに部屋に響く。
「いい子だ…」
男は少女の頭を優しく撫でる。
少女は早く終わってほしいとばかりに男の欲望を綺麗にしていった。
「もう…いいでしょう…?」
懇願するように少女は男に問いかける。
「まだ、綺麗にしてもらわないといけませんね」
そう言って男は少女に続きを促す。
少女は諦めたように、行為を続ける。
ピチャ、ピチャ。
どれくらい続けたのか。
突然、男が少女の頭をつかんだかと思うと、少女の清らかな金髪に白濁を吐き出す。
「嫌ぁ」
少女の抗議を無視して、金髪を白濁で犯していく。
男は、白濁に汚された少女を満足げな笑みで見つめながら話しかける。
「今日はこのくらいにしておきましょう。体を綺麗にしていきなさい」
「う、ううっ」
少女は座り込み、嗚咽を漏らす。
「早く洗わないと、あなたの美しい金髪が痛みますよ。
これからは、毎日するのですから」
男の言葉に少女の表情が絶望に塗りつぶされる。
少女はよろよろと浴室へとむかった。
男はしばらく、満足そうな様子で椅子に座っていたが、
しばらくすると何かを思い出したように、こちらへ向かってきた。
そして、鏡を開けて鏡の中に閉じ込められた俺に話しかけた。
「どうだったかい、アンディ?」
親しげに男――アンドレは俺に話しかけながらさるぐつわを外す。
「こ、殺してやる!」
俺はありったけの殺意を込めて、アンドレに喚いた。
だが、彼は頷いただけであった。
「君の気持は、良くわかるよ」
アンドレは遠い目をしながら、そんなことを言った。
「ふざけるな!だったらなんでこんなことを…!」
「この鏡はね、マジックミラーといって、君からは部屋の様子が見ることができるのだけれど、
部屋からは、ただの鏡にしか見えない。良くできているだろう?」
アンドレはそんな説明を始めた。
だから、俺は鏡越しに部屋の様子を全て見ることができたのに、
少女――レナにはただの鏡にしか見えなかったのか。
鏡の奥に閉じ込められた俺に気付くことはなかったのか。
だが、それは質問の答えになっていない。
「俺は、何でこんなことをしたのかと聞いてるんだ!」
「そんな気分だったんだ」
アンドレはふざけたことを言った。
「君は、屋敷を出たことになっている…
レナお譲さんは君に捨てられたと思っているんだ…
だから、また地下に戻ってくれ」
「ふ、ふざけ」
俺の言葉は聞き入れられるはずもなく、後頭部に衝撃が走り、再び俺の意識は沈んだ。
アンドレは、アンディを地下室に戻したあとに、レナの父であるフレッドの主治医の元に向かった。
「これはこれは、アンドレ様」
卑しい顔に卑屈さを張りつかせて医者はアンドレにへつらう。
「フレッド殿の『治療』はしっかり進んでいるのだろうな」
医者はアンドレに返答する。
「それはもう、もちらん」
アンドレはフレッドを治療するつもりなどなかった。
生かさず殺さずの状態に置いて、レナに対する人質にするつもりであった。
「そうか、頼んだぞ」
アンドレは医者に金貨の入った袋を渡すとその場を去った。
アンドレがバクスター家の屋敷を去ってから、15年の月日が過ぎた。
アンドレは金のために、あらゆることを行った。
全ては、レジーナをこの手に取り戻すために。
「……」
だが、それはかなわなかった。
レジーナは娘のレナを産んだ後、病に倒れて亡くなってしまった。
そのことを知った当初は死を考えたが、アンドレは思い直した。
せめて、自分から全てを奪った男に復讐をする。
そのことを糧として生きてきた。
そしてアンドレは復讐するだけの力を蓄えてバクスター家の屋敷に戻った。
そこには、レジーナの生き写しのように美しく育った娘のレナがいた。
アンドレはレナを見て、彼女こそレジーナの代わり自分が手に入れる人間なのだと思い、
彼女を手に入れることを決意する。
そして、彼女の横に、アンディという少年がいることも知る。
二人の様子を見て、即座に二人がかつての自分とレジーナのような関係であることを見抜いた。
しかし、アンドレにはレナの横で幸せそうに微笑むアンディが許せなかった。
だから、レナに対する凌辱を特等席で見せてやったのだ。
かつての自分よりも遥かに強烈な絶望を味あわせるために。
アンディの怒りと絶望を目にして、アンドレの暗い感情が喜びに震えた。
かつて自分の味わった屈辱がようやく報われた気分になったのだ。
今までの労苦は報われて、それに対する報酬をこれからは受け取るのだ。
アンドレは笑みを浮かべながら自らの部屋となった執務室へ向かった。
以上です。