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バレンタイン 1

ふぅ…寒いな、俺は二月の寒空の下の通学路を歩いてた、
もうすぐ高校一年目も終わりか…まぁそんな事よりも、
今日この日は男達にとって、敏感にピリピリする一日だというのが何よりも重要だった。
そう…二月といえば節分!じゃなくて…バレンタインだ!
今日は二月の十四日、またお菓子業界に振り回される日か…、
でも女の子からチョコレートを渡されると嬉しいからな、
例えそれが義理でも心躍るもんだよ。
かつての俺もそうだった特に意中の相手がいるわけでもないのに、
この日は朝からドキドキとさせて周りの女の子達の動きに過敏になってたものだよ。
何故過去形なのかというとだ、実は今の俺は最低でも一個は確保できる環境にあったのだ、
言っておくが母親とか姉妹からとかじゃないぞ。
それは…おっ、発見発見!
「おはよ、悠香!」
「あっ、おはよう古谷くん!」
目の前に現れた少し幼さを残す元気いっぱいの女の子、
彼女こそは俺の彼女…つまり恋人として付き合っている女の坂本悠香だった。
彼女とは中学校からの付き合いで、毎年になると手作りのチョコレートをくれている、
スマンな世の男ども…俺だけは幸せを満喫して!
「ところで悠香…その今日は…」
「いけない!そういえば日直だった!!先に行くね古谷くん!」
「バレ…あれ?」
悠香は慌てて駆け出していった…はは、そうだよな日直は大切だ大切…
なぁ~に!まだだ…ようやく一日が始まったばっかりじゃないか!
俺は動揺しざわめく心を必死に堪え、余裕を取り戻すのだ…そうだ、まだまだこれからさ。



しかし…いざ学校に着くと、ようやくここで現状に気付く、
そうだ高校では俺と悠香のクラスは別だったんだ、
クラスも離れてるので、ちまちまと休み時間に会いに行く事は少ない、
だから学校の中ではそんなに接点は無いのだ、
あるといえば昼休みだが、そう一緒にお弁当を食べるのが日課だ、
だからきっとそのタイミングで…
「ゴメン、先生に用を頼まれて…一緒にお昼できないの」
「そ、そうか…それじゃ仕方ないよな」
「うん、じゃあもう行くね」
ははは…おのれ日直~~~!こんな日に悠香の番にならなくてもいいじゃないか!
だが慌てるな…放課後だ放課後、いつも彼女は部活が終わるまで待っててくれる。
短い時間じゃないだろうに…聞けば待ってるうちに、図書室で課題とかやってるらしい。
だから今日も…するとさっきクラスに戻ったと思った悠香が慌てて戻ってくるのだ。
「忘れてた…今日ね、お母さんから用事を頼まれたのだから…一緒に帰れないの、それじゃ!」
「へ…悠香?」
俺はそれを聞き…固まった、え…まさか…今日の内に悠香に会うのって、
これが最後なんじゃ…おいおい今日はバレンタインだよな?
何か忘れてませんか…悠香さぁぁん!!!
俺は悲しげに心で彼女の背中に叫ぶのだった…。



はぁ…部活終了して体力も、そして精神力まで尽きた俺は、
ぐったりしつつ鞄を持って下校しようとする。
まさかチョコ0とは…部活の悪友に彼女にチョコはもらえたかと言われた時は、
本当にグサグサと胸にきたぜ、人気ある先輩なんかもらったチョコ自慢してたし。
きっと忘れているんだろう、そうだ…そうに決まってるよな?
とほほ…そんな風に俺はすっかり気落ちしてしまい、フラフラと校門をくぐろうとする、
するとフッと目の前に誰かが立ち塞がるのだ、なんだと目前を見ると…悠香!?


「古谷くん…」
え…?あれ?用があるんじゃなかったのか?
何でここにまだ居るんだと、疑問に思いつつ呆然と立ってると、
スッと彼女はその手に持っているのを、突き出してきた…これは!
「はい…」
「もしかしてチョコレート?」
「うん…」
もしかして…驚かせようと一芝居を?
悠香の顔をジッと見つめると、その顔は真っ赤に赤く染めていた、
夕日が照り反射して、まるで強調させるように輝き潤わせてる瞳で、ジッと見つめてきて、
小柄な彼女の体も震えてる…そんな風に意識されて渡されたら、
感激のあまりに今更に惚れ直すじゃないか!!
「ありがとう…手作り?」
「うん…心をこめて作ったから」
「そっか、じゃあ…じっくり味わって食べるよ」
「えへっ、それじゃこんど感想…聞かせてね」
そんな結果なんて当然に今から決まってるじゃないか、
頷きつつ思ってしまう、一芝居が恥ずかしかったのか、
帰り道の悠香はいつもより大人しく無口で、ずっと赤面だった…
まだ小さく震える握った彼女の手からは、鼓動が強く響き聞こえてきたような気もした…
そういえば二年に上がると成績でクラス分けされると聞く、
俺達の成績の差からして多分また同じクラスになれず、
今みたいにこうして学校でもいつも一緒にはなれないだろうけど…
でも互いに好き合っていこうな、悠香…



::::::::::::::::::::::::



二月十三日の夜…私は家の台所で、湯せんを用意してチョコレートを溶かしていました。
こんな時間にお菓子作りするのは明日が特別な日だから…
今年のバレンタインも、大好きな彼氏…古谷くんの為にチョコレートを自作する事にしたの。
彼…喜んでくれるかな?甘いもの大好きなの知ってるけれど、
それでも美味しいと感じてほしいと願いをこめて、
じっくりと丁寧に型へと溶けたチョコを流し込み、手作りチョコレートを作ります。
ただ溶かして固めただけじゃなくて、トッピングにもこだわってみたりして、
今年もちょっと一工夫もして、市販とは違ったものに仕上げなきゃね。
そうじゃなきゃ手作りの意味ないし、材料もたっぷり買ったから失敗しても平気、なんだけど…
「あ…なんかちょっと作りすぎたかな?」
う~ん張り切り過ぎたかしら?失敗した時も考えてとはいえ、
どうも材料を多く用意し過ぎたみたい、しかも思った以上に上手くいったから、
いつの間にか古谷くんやお父さんといった渡す相手の予定数をはるかに超えて、
かなり余る程にいっぱい作りすぎちゃったみたい。
お皿の上に完成した、山のように仕上がったチョコレートが積まれてます、
まぁ仕方ないから義理チョコとして誰かにあげようかな…
本命の古谷くんは当然に特大で力が入った作品に仕上がったけど、
他の義理用のもかなり本命と思われそうな出来になっちゃった。
さて翌朝にこの無事に出来上がったのを鞄に入れて、学校に持っていくのだけど…




「おはよ、悠香!」
「あっ、おはよう古谷くん!」
朝の登校でいつものように古谷くんが後ろから駆けてきます。
大体この辺りで一緒に登校するのが毎朝の日課になってました、
だからここで渡すのもいいんだけど…
「ところで悠香…その今日は…」
「いけない!そういえば日直だった!!先に行くね古谷くん!」
「バレ…あれ?」
あえて逃げるようにして古谷くんを置いて走って先に学校に向かいます。
だっていかにもチョコを欲しがってたし…
何となく今年は悪戯心で焦らしてみようと思ったの。
せっかくの恋人のイベントだもん、ちょっと演出していいよね?
それに騙してないから、日直なのは本当だもん。



「へぇ~これ悠香が作ったの?美味しいじゃない!」
「ありがと~、でも美登里のも味いいよ」
「二人とも凄いな…私なんて買ってきたのなのに」
昼休みはお弁当を食べてから、女の子友達の間で、
それぞれの持ってきたチョコを味見してました、
もちろん義理として持ってきた分の余りだよ。
私の作ったチョコは好評で、これなら古谷くんに渡しても平気そう。
それにみんなに配ったおかげで在庫も処理できてるしね。
そんなこんなで授業を終えて日直の仕事も終わる頃…
「先生…よかったらどうぞ」
「おぅ!ありがたいな、義理だろうが喜んで貰っとくぞ…って凄い出来だな!?」
ふぅ…これで最後の用事終わったついでに、先生にも義理チョコも渡したし、
今度こそ本番だね…でも古谷くんの部活が終わるまで時間あるか、
いつもみたいに図書室にでも暇潰ししとこうかな…
私はそう考えながらに職員室から出て教室に戻りました。
戻ってくるともう誰も教室には…あっ、一人いた。
何をしてたのか知らないけれど、男子が一人残っていたの。
確か広岡くんだよね、彼も今まで何か用事あったのかな…
帰り支度してるから終わってるみたいだけども…あっ、そうだ…
ふとまだ鞄の中に義理分のチョコレートが一つ残ってるのに気付きました、
とりあえず配るべき人には配った後だし、せっかくだからあまり親しくないけれど、
これも縁って事で彼にもあげちゃおうっと。
そう決めるとゆっくりと歩み寄って、彼に声をかけました。
突然の事だからか驚く広岡くんの前に、スッと差し出すのは手作りチョコレート、
彼の目は驚きで大きく見開いていきます。
「ねぇ広岡くん…これあげる」
「えっ…これって!」
「今日はバレンタインだからね」
「!?」
あはは、凄くびっくりしてる…まぁ女子の中では人気ない男子だからね、
人気が無いというよりも存在感が無いかもしれない、
休み時間にはいつも本を読んでて、友達と一緒に居るというのは見たことなかったから。
彼は渡したチョコレートの包みを見て呆然としてた、
何だか信じられないって感じみたい。
「あの…もしかして手作りじゃ?」
「うん、そうだよ…今日の為に心をこめて作ったんだ」
「!?」



うわ…感激してるのかな?まぁ広岡くんてあまりこういうのに縁の無い感じだもんね、
薄っすらと目元に涙が染み出てる事にも気付きます、そんな泣くなんて大袈裟だよ、
だって…これ義理なのに、まぁ嬉しいけどね。
あまりの彼の感激ぷりに、ニッコリと微笑む私…
なんであれここまで感動されては嬉しくなるよ、さて…
それじゃそろそろ教室から出ようかな、
そう思った時でした、彼は震えながら呟いたのは…
「そっか…そうだったんだ、僕の一方通行な片思いだって思ってたのに…」
「え?」
ふとその言葉にドキッとなる、あれ?何を言ってるのだろ…
まだ私は自分のしでかした大きなミスに気付いてませんでした、
この軽い気持ちでの行動が、彼の目にどう映って何を感じたのかを…
「僕も…僕も!!」
「えっ?あ…んんっ!!?」
その時だったの!急に目の前が暗くなった…あれ?何?何がどうしたの?
突然の事態に頭の中が混乱していく、今どうなってるのか判断付かない…
ただ感じてた、私の唇に…温かな感触が触れてる事に!
そして…目の前から大きく被さってきた咄嗟の体重に、足が耐えれなくなって…
そのまま私は床に倒れこんでしまったのでした。
「んぐっ!きゃっ!!あぅ…」
頭が床に叩きつけられたと思ったけど、しがみついてきた私のじゃない腕が、
衝撃から守ってくれたみたいで、背中が痛いくらいで済みました。
だけど何がどうなってるのか、目元を覆いつくす影に視覚が奪われて、
全く何も分からない…ただ口が塞がっていて、呻き声を出すしか…
「んぐっ…んん~~!!!」
え!何…何か口の中に入ってくる、熱いヌメヌメした塊が…やだ入ってこないで、
これ気持ち悪いよ…それは強引に侵入してきたから、
あまりの触感にゾワゾワと嫌悪感が全身に駆けてくる。
私は反射的に何とか追い出そうと自分の舌で押し返すけども、それはとても力強くて…
しかもヌメっとしてて滑ってしまう始末、うぇ!やだ…余計にくっついて気持ち悪い、
結果的に私にとってはより苦しむ状況になってしまってた。
こんなのやだ…だから上から被さるのをどけようとするけども、
私の力では弱くてそれが持ち上げれない…ひぃ!あ…臭いし…
鼻先が生暖かくて、とても酷い匂いをも感じさせてた。
もう何もかも苦痛だった…何が…どうなって…あっ!
その時になって、ようやく私は気付くの…本当に今更に、
この現状を頭で理解したのでした。
そう…そうなんだ、上に乗り被さってるのは広岡くんの身体…
そして目の前を塞いでるのは彼の顔…
しかも口を塞がせてるのは彼の口…
しっかりと密着し舌先も入り込み、互いの唇が触れ合ってる…!?
キス…されてる、私にとっての初めてのキスを!
古谷くんともまだしてないのに…!!
「んぐぅ~!!んんん~~!!!」
絶望と何でこんな事に?という疑問…そして彼に対する裏切りみたいな申し訳なさが、
心を苦しめてくる、だけど何よりも逃げなきゃ!
だから必死に暴れて拒絶するの…でも逃げれない!
どんなに身体を動かしても広岡くんはどいてくれないし、
この口も離さない…しっかり唇を塞いで言葉も話せない、
それどころか私が何かしようとする度に、広岡くんの舌が絡み付いてきて、
口の中を舐めてくるみたい、やぁ…ドロドロしたの喉奥に流れてくるし、
これ…唾?彼の…汚い唾が溜まってきてる、このままじゃ飲んじゃう…
「むぐっ…むぅ…んんん~!!」



うぇっ!の、飲んじゃ…ったかも、ずっと口を塞がれてるから、
いくら喉奥で抵抗してても、問答無用に胃の中に流れ込んでいるみたい…
こんなの嫌、ひぃっ!!な…何?
「んぐぅぅ!!んん~~!!!」
やだ…急に何か強いの衝撃が全身に響いて駆けてくる、
まるで強い電流が流れてきたみたいに…
今度は何をされてるの?何を…きゃっ!また…
「んん~~~!!!」
ふぅ…ふぅ…広岡くんの荒々しい鼻息が、私の鼻先に当たってる…
それで彼が何かしてるのは一目瞭然だった、
目には見えないけれど、体の感覚でそれが何か段々と理解してくるの、
彼は…その自由に動く手で、私の身体を触れてきてるみたい。
まず腕や腰…太もも、そして胸にも!やぁぁぁっ!!
「んんっ!!んぁ…んぐぅ…」
やだ…触らないで変態!揉まないで…私のおっぱいは古谷くんにも触らせてないの、
そこをそんなに…やぁっ!強く…んんんっ!!
最初は軽く恐る恐る触れてきてたのに、やがておもいっきりぎゅっと揉み掴んでもきてた、
そんな形が変わるほど…大きくないのに、小ぶりなのに…ひぅ!!
私の心の叫びなんて彼に聞こえる筈なく、広岡くんは私のそこを好き勝手に、
揉んで触って弄って…一人興奮してるみたい、しかも魔の手はそこだけで済まないの。
胸からの感触が急に消えたと思ったら、今度は…股辺りからまた強い衝撃がくる!
「!!?んんん~~~!!!」
口で悲鳴がだせないから、背筋を反らし衝撃に耐える…やだ、こんな所にまで!
制服のスカートの下から手を突っ込まれて…パンツの上から触ってる、
大事なとこを…アソコを弄られてる!!
そこは駄目ぇ!!やだ…指で弄らないで、酷い…こんなのやだ!
よりによって…ここを触れられるなんて、あっ…ちょっと…まさか!
男の人に大事な箇所を触れられる…それだけでも衝撃的だったのに、
更に…ひんやりとした感覚を感じて、その異常に気付くの。
嘘…パンツを脱がせてる?え…ちょ…下着をひっぱられたら…やぁぁっ!!
勢いよく剥がされていく私の下着、ちょっとつまり今度は…ひゃぁ!!
さっきよりも激しく強い刺激に全身が震えてくる、嘘…嘘…あぁっ!!
触ってる…今度は下着越しなんかじゃない、直で…直接触られてる!!
やめて…そこは…あっ!だめぇ…ひぅっ!!
私のアソコを…そんなに弄らないでぇぇ!!!
広岡君は女の子の大事な所を、欲望のままに素手で弄り出してた、
指が這う感触が強い刺激になって押し寄せてきてる!
ヤダ…そんな事を言ってるように、広岡くんの口はもっと密着して、
私の口の中を舐めつくすの…そしてまた唾液を流し込んで、
その汚いのを飲ませられていく…下も同じ、
広岡くんの男の人の太い指先がアソコの中にまで侵入してきてくる、
ズブズブと入り込んで…内側を掻き回されてているみたい、
あぁっ!!やぁぁ…だめ…あぁぁ!!こんな激しい刺激を感じさせてた、
全身が痙攣してるのは嫌悪感のせい?駄目だよ…このままじゃ私、
その時でした、ハッと察するの…
ここが無防備にされてしまったら…まさか、広岡くんは!!
すると唐突に口元が解放されたのです、あまりにも唐突で一瞬で判断つかなかった、
後に思えばそれは唯一のチャンスだったかもしれなかったのに、
その時に叫んでいればまだ助かったかもしれない、呆けてなければ…
その刹那が命取りになってた、少し離れる広岡くんの身体…安堵する一瞬、
でもそれは絶望の始まりだったの。
「いくよ…坂本さん」
「えっ…」



みしっ…何か軋むような音が鳴ったように、じわっと体の下から響いてくる…それは激痛!
呻く間もなく続いて肉が破れ裂ける痛みが、まるで突き刺さってくる様に駆けてくる!!
一瞬で目の前が真っ白になった…それくらいの激痛が走る!
「い…痛っ!!んぐぅぅぅぅ!!!」
そして悲鳴を塞ぐ分厚い唇…体重が乗り激痛に逃げようとする身体を押し付けてくる!
しかもより深くそれが入り込んでいく、中身を潰すように…
そこで私は現状を理解するのを止めた、激痛が思考を止めてしまったから…



その日、私は…奪われちゃったの、初めてのキスだけじゃなくて…
好きな人にあげるのが夢だった処女まで…
「はぁはぁ…」
「あ…あぁ…」
いつの間に…終わったのだろう?
我に返った時に感じたのは、ズキズキ痛む下半身、
そして喪失感…ジワジワと頭が働いてきて、ようやく自分の今を理解しました。
足下に真っ赤な血が垂れてる、それは喪失の証…
もう一つ白い雫も混じってた、それは…私の中に彼のが注がれた証。
多分それはそれで衝撃な事かもしれない、
だけど今はそれをまだ理解できなかった…
本当に頭の中が真っ白だったから…ただ汚された事を理解するので限界だったの。
荒々しい呼吸の音が、私達以外に誰も居ない教室に響いてる、
すると…ここでようやく私は嗚咽の声を響かせたの。
「う…うぅ…なんで…なんでぇ?」
涙が…出てくる、それはさっきまでの痛みとは違う理由で、
哀しいから流す涙に切り替わってた。
疑問が頭によぎる、何で…こんな事になったの?って…
汚れちゃった、失っちゃった…大切なの無くしちゃったよ。
「え…あの、坂本さん?だって…あの…あっ」



パシィィィン!!!



大きな音が鳴った…
目の前の私を犯した人が困惑して、自分の赤く腫れていく頬を押さえる。
私が咄嗟に平手で叩いた頬を…
ん…激しい痛みに今も苦悶してる私は、
自分のお腹の中にとても熱いのを感じてたのだけど、
その私に、彼は再び満足した表情で、その口を私の口に合わせようとしてたの、
またキスをするつもりで…でもそれが触れる前に、
私の解放された手は動いてた、頬を叩きつける為に。
そこでようやく彼は知ったみたい、自分のしてしまった過ちを…
すると泣きじゃくる私の目の前で彼は土下座した。
「ごめん!てっきり…チョコレート渡されて告白されたから、それで…」
「ち、違う…あれは…義理…」
「!?あ…あぁ…ごめん!坂本さん!本当にゴメン!!」
そこで私も察した…あぁ…そっか手作りチョコを普通渡したら、
本命だと思われるよね…告白したって勘違いしたんだ。
でも…たとえ告白の方でもさ、いきなりこれは…ないよ。
無理矢理に…セックスするなんて!
もう私は呆然となってた、ただ泣きつくした私はまだ平謝る彼を眺め…
そして教室に備えられてる時計をゆっくり見上げるの。
あっ、もうこんな時間なんだ…部活が終わっちゃうよ…そうだ行かないと…
「もういいよ、もう…」
「坂本さん?」
「誤解させて私もゴメン…だけど本当に違うから、私が好きなのは…貴方じゃないから」



呟くように彼に告げながら、ゆっくりよろめいて立ち上がる、
いっ、痛い…まだ下半身がヒリヒリして麻痺してるみたい、
制服も乱れてて酷い有り様、でもここから早く立ち去りたかった。
例えまだ彼の事が許せなくても、怒り足りなくてもっと殴ってやりたくても…
今はもっと優先する事があるから、
ほら早くここから出て、汚れを拭いていかないと…
好きな彼に…古谷くんに本命チョコを渡さないといけないもん。
「今日の事…ヒミツにしてね、私も…誰にも言わないから」
「う、うん…」
「じゃあ…さよなら」
そのまま放心したように床に座り込む彼を置いて、
自分の鞄を持ってヨロヨロと廊下に出ます、そして近くの女子トイレに入るの、
洗面台でハンカチを水に濡らし、唾だらけの口元…血と白いので汚れた足下、
何よりまだ出血してる股…アソコを丁寧に拭っていく、
無残に散らされた処女の跡を綺麗に消し去るの…事実は消えないけれど。
まだ垂れるのは、生理用具でカバーすれば帰る間なら、足に垂れる事はないよね?
手早く古谷くんにこの事をバレるのを避ける工夫をしていく、
一通り終えると鏡を見て髪も制服も整えてっと…
うん、これで大丈夫、見た目はいつもと同じ、
ただ中は…大事なのをなくしちゃったけどもね、
また胸がズキッと痛む、でも行こう…もう時間だもの。
私は様々な痛みに耐えて、校門の前に足を進めた、
そして待つの…彼がここを過ぎるのを。
鞄の中には他の人に渡したのよりも、大きなチョコレートが用意されてる、
それを軽く隠し持って…心臓を大きく鳴らせ、待つの…
今日はこの瞬間を楽しみにしてたのだもん、ほら着たよ…ガンバレ私!
「はい…」
「もしかしてチョコレート?」
「うん…」



こうして今年のバレンタインは終わったの。



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チョコは、すかん

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