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その男、昏睡中につき(3)

しばらくして、俺は以前のようにとは行かないが山本と次第に言葉を交わすようになった。
奴は相変わらず自主研究会は欠席していた。
「お前、あんまり自主研欠席ばっかしてっと教授ににらまれるぞ」
「余計なお世話なんだよ。ちっと口をきくようになったからって軽口たたくなよ」
「すまん・・・」
山本との関係はこんな感じだった。
俺は必至に打ち解けようとしたが奴はそうではないようだ。
それも当然といえば当然なのだが。

それに比べて俺と村上の関係は次第に深まっていく。
村上は自宅から通っていたので都内に住んでいる俺と会うのは
学校のある時と土日くらいしかない。
村上は神奈川県のあるサーファーで有名な町に住んでいて学校まで約1時間かかる。
俺は都内の中央線沿線の23区ないに住んでいるから、お互いの自宅は遠かった。


だから会うのは学校の図書館で卒論や自主研の準備をしてその帰りにドトールや
スタバでしゃべったり時には庄屋で飲んだりした。
俺のバイトがないときには歌舞伎町裏のホテル街で過ごす事もあった。
こうしていくうちに村上は俺に対して本気になっていた。
俺もだんだんと村上の事が好きになっていくのが分かった。
でも、やはり英子とのセックスは忘れられない。

連れて歩くにしても村上では物足りなかった。
村上は最近は俺がプレゼントしてやったコムサの服を着るようになってからは
大分まともになったがやはり華やかさに欠けている。
英子と一緒に歩いているとすれ違う男たちの視線が英子の巨乳にいくのが面白かった。
特に英子は胸元が大きく開いた服やからだにぴったりとフィットするシャツを好んでいた
からただでさえでかい乳が強調されるので視姦されまくっていた。
かく言う俺も、英子の巨乳目当てで付き合っていたのだから男たちの気持ちは分かった。
俺も、見られるくらいなら別に気にすることはなかったので英子の好きなようにさせていた。


俺は、心のどこかで村上に気持ちが傾きつつもまだ英子の事は諦めていなかった。
その後も、山本懐柔策をすすめていたがさっぱりうまくいかなかった。
今となっては、奴がうちに遊びに来たりすることも一緒にのみに行く事もなくなった。
しかし、俺が話しかけるとどんどん挙動が不審になっていくのが変だった。
俺は話題が勤めて英子の事に触れないように努力した。
山本は英子の事など全く話題に出さない。
俺は英子の事が気になって仕方がなかったが奴から口火を切らないかぎりこちらからは
なんとも切り出せなかった。

別荘事件から5ヶ月ほど過ぎた初冬のある時、再び事件が起きた。
ここから先の事件は俺が直接体験したことではなく伝聞に過ぎない。
しかし、その伝聞を裏付けるような決定的物証があった。
だからこの伝聞は限りなく事実に近いものだと思われる。
しかし、あくまで伝聞のため詳細は脚色もあるし俺の推測もある。
そのことだけはあらかじめご了承願いたい。


初冬のある時、俺は午前中必修科目があったため学校に出てきた。
この時期にもなると自主研もゼミもあまりなく、各々が卒論に取り掛かっていた。
俺は、村上の協力もあり、論文も完成までもう一歩というところまで来ていた。
必修科目では俺と山本と村上は顔をあわせるのだが最近山本は必修科目には出席していなかった。
俺はこのところバイトと卒論が忙しくて村上とはゼミと必修科目くらいでしか会っていなかったが
メールや電話は毎日欠かさずにしていた。

この日も、俺は村上と授業が終わったらHホテルに行くつもりでいた。
もちろん村上もそのつもりでいることは前からのメールや電話でお互いに分かっていた。

授業が終わると最近は渋谷方面に遊びに行っていなかったので、渋谷をぶらついて食事してから
円山町にでも行く事にした。
食事もファーストフードで早々に済ませて、マルイやパルコをちょっとのぞいて俺たちは円山町に向かった。


俺はホテルの中で村上とキスをしながらあることを思いついた。
山本の性癖はどんなものだったのだろうかと。
俺は巨乳がすきで英子と付き合う前に2人ほどと付き合ったことがあったが
その2人も巨乳の部類に入るほうだった。
しかし、村上ははっきり言ってぺチャパイである。
はじめのうちは半ば脅されて村上と付き合っていたが、今ではすっかり俺の彼女になっていた。
からだは英子の方が魅力的だったが村上はテクニックがあった。
英子のフェラは歯があたるし、奥までくわえ込むこともしないはっきり言ってへたくそで
ちっとも気持ちよくなかったが、村上はとてもうまかった。

もしかしたら、山本が教え込んだのかと思うとかなり鬱がはいった。
俺は村上とキスをしながらそんな事を考えていた。
しかし、いつ、村上にそんな過去のことを聞き出そうか?
お互いの元彼元彼女を知っている。知っているというよりも、俺が村上を山本から
寝取った事になるのだろう。
そんな事を考えながらキスをしていたので俺は勃起しなかった。


「ねぇ、何考えているの?」
ちっとも勃起しないし、キスにも集中していなかったので村上は不安そうに聞いてきた。
「いや、ちょっと卒論の事考えていた」
俺は、過去のことを考えていたなんて言えなかった。当然である。
「口でしてあげようか?」
村上はそういうと俺自身をやさしく口に含んだ。
村上のフェラは最高だった。過去の3人と比べようがないくらいだった。

村上は口の中に唾液をためると、俺をくわえながらその唾液を俺自身にだらだらと垂らしながら
指を巧みに使って感じさせてくれる。
はじめて村上にしてもらった時は村上が俺のチンチンを根本までくわえ込んでいるのかと思っていた。
しかし、実際は村上の唾液でねとねとになった指使いがまるで口の中を思わせるくらいに巧みだったのだ。
はっきり言って、俺は村上にフェラしてもらうのが大好きだった。


「うっ、気持ちいい・・・」
村上は巧みに口と指を行使して俺は完全に勃起していた。
「ねぇ、もういれてもいい?」
村上は俺にそう言った。
俺は黙ってうなずいた。
村上は俺の上にまたがるとゆっくりと腰を沈めた。
村上は既にぐちょぐちょに濡れていた。
俺自身も村上の唾液でねとねとになっているので簡単に村上と一つになれた。

俺の意識のある時ではじめて村上としたのは俺が村上に警察に行かない代償に
伊勢丹でバッグを買ってやるといって買い物した帰り、歌舞伎町裏のホテルでのことだった。
この時は、バッグではなくコムサのワンピとスーツを買わされた。
そのことでむかついてた俺は村上を憎しみをこめて突き入れるだけではっきり言えばこれこそ
レイプと変わらなかったと思う。
俺も気持ちはよくなかったし、村上はなおさらだろう。


しかし、その後、勉強を手伝ってもらったり、周りから恋人同士として扱われていくうちに
いつしか、2人は本物の恋人同士になっていった。
村上とのセックスが最高だと気がついたのは俺が山本と何とか話をしようと説得して結局、
挙動不審になった山本に逃げられた後、村上に誘われてケンタッキーで食事した帰りに
歌舞伎町のホテルでのことだった。
このとき、村上ははじめてフェラをしてくれた。そして村上のリードで騎乗位でした時、
今までにない快感に襲われたのだった。



村上の腰使いは非常に巧みだった。前後の動きや上下、回転運動を巧みに織り交ぜながら
俺のことを攻撃してくる。村上は危険日以外はなまでOKだった。
しかし、なかだしはNGだった。いく時は騎乗位の時は俺が
「もうだめ、いく・・・」というと村上はすばやく腰を上げて俺のチンチンをくわえてくれる。
そして、俺は村上の口の中に放出してくれる。放出し終わると村上は精液を飲み込んでくれる。
これも、俺にとってはたまらなかった。英子はなまはNG、フェラは下手、パイズリもいまいち。
フェラが下手だから口内射精すらしたことがなかった。


だから俺の精液を飲み込んでくれる村上に愛おしさを感じた。
村上は土地柄かボディーボードをするために日に焼けて真っ黒でまるで土人のようだったが、
俺が色白なのを好きなものだから最近はボディーボードもほどほどにしているようだ。
一度色黒になったらそう簡単に元に戻るものではないがそこまでする村上がかわいくて仕方がなくなってきていた。
次第に、俺は英子の事も忘れて、村上にのめり込んでいった。
そうなると必然的に山本も相手にしなくなる。
どうせ、英子は俺のことを捨てて山本にはしった女だ。俺の頭にはそのことが刻み込まれていたからだ。


俺は、自分の上半身を起すと村上と向かい合う形の座位になり、村上を抱きしめた。
ふと、英子のからだはこうした時など「抱きごこちはよかったな」と思うことはあった。
しかし、抱き合う事により村上はからだを安定させてより激しく動く事ができるようになる。
俺と村上はお互いの唇をむさぼりながら激しく腰を動かした。
俺は興奮の度合いが高まり、村上に今しか無いと言うタイミングで例の話を切り出していた。
「なぁ、山本としていた時もこんなんだったのか?」
「やめて、もう、彼との事は思い出したくないの」
村上はそれでも動きを止めなかった。村上はいくのが近づくと白目をむくので俺には分かりやすくてよかった。
まだ、村上はいきそうではない。
しかし、かなり激しく動いているからいくのもそう先のことではないな。
俺は、そう思い、質問を続けた。


「美香(村上の名前)のフェラは最高だよ、どこで覚えたの?」
「知らない・・・」
「美香のこと全て知りたいんだよ、全てを知った上で受け入れたいんだよ」
「イヤ・・・」
村上は白目をむき始めた。
「イヤならやめるよ」
俺は、そう言うと、村上の上半身をベッドに倒すと、俺自身を抜こうとした。
「やめないで」

いく寸前でじらされた村上は泣きそうな目で俺に懇願した。
「じゃ、俺の質問に答えろよ」
「それは、イヤ」
「なんでなんだよ、俺は美香の過去のこと全てを知りたいだけなんだよ」
「知ったからって、美香のこと嫌いになるわけじゃないよ」
「美香の全てを知った上で、美香の全てを受け入れたいんだよ」


「嫌いにならないと約束してくれる?」
「もちろん、約束する」
「話すから、もう意地悪しないで」
「分かった」
「いかせてくれる?」
「ああ、もちろん」
俺はそう言うと、村上の両足を脇に抱えると、村上のなかに再び侵入した。
村上は正常位よりも騎乗位や座位の方がいきやすいため、俺はすぐに村上の上半身を
起して座位の体勢にした。
こうすると、あとは村上が自由に動いて自分でいってくれる。
村上は再び激しく腰を動かし始める。
「美香はいつからこんなにHになったの?」
「こっ、こんなになったのは秀樹(俺の仮名)がはじめてだよぉ」
「嘘だろ、はじめからそうだったじゃないか」
「ち、違うぅ、こんなに激しくはなかったよぉ」
「はじめていったのはいつだよ?」


「イヤ」
「イヤじゃないだろ、言うと約束しただろ」
「あぁー、どうしても言わなきゃダメェ?」
村上はせつなげな喘ぎ声とともに言った。
「言わないとやめるよ」
「2年の時のサークルの先輩・・・」
村上がはじめていった相手が山本ではなくて俺は少々安心した。


俺は2年のころの村上の事はあまり知らなかった。というよりも気にもとめていなかった。
村上は2大学に入学するとすぐにマリンスポーツ同好会に入っていた。
そこで知り合った先輩としばらく付き合っていたらしい。
しかし、先輩が卒業するとすぐに別れる事になった。
どうやら先輩には本命の彼女がいたらしく、就職してからあまり時間がなくなり
二股をかけるのが難しくなったので捨てられたらしい。
「な、なんだよ、じゃ、美香はセックスフレンドにされていたのかよ・・・」
「いやぁ、怒らないで、ごめんなさい」
村上は喘ぎながら本当に申し訳なさそうに謝りつづけた。
「ごめんなさい、もう、秀樹以外とはしないから許して」
「その先輩とはなまでやっていたの?」
「うん、怒らないで・・・」
俺は嫉妬の念で勃起度が増したようだった。
「・・・なかに出していたの?」
「うん・・・」


衝撃的だった。なまでやられたのも我慢できないが、なかだしまでされていたとは。
「精液も飲んでいたの?」
「うん・・・怒らないで」
「怒ってないよ」俺は、顔も知らないその先輩にはっきり言って憎しみを感じた。
美香のことを愛していてやったことならともかく、自分には本命の彼女がいて、
その彼女とやれない時の性欲の捌け口に村上の事を利用していた事が許せなかった。
「俺だって、美香の中に出した事がないのに・・・」
「違うよ、秀樹も中に出したよ」村上は申し訳なさそうに言った。
「そういえばそうだけど、俺、覚えていないし、美香だって覚えてないだろ」
「ごめんね、ごめんね」村上は再び白目をむき始めた。エクスタシーが近づいている証拠だった。

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