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兄と一緒に


(亜紀 ◆)

それは、うだるような暑さの中、白昼堂々に起こった。
2日前に目の手術をした母を見舞うため、兄と一緒に駅に向かって住宅街を歩いていた私は浮かれていた。
というのも、手術は簡単なもので術後の経過も良く、予定通り1週間後には退院できそうだと安堵していたし、
なにより兄が家に帰ってきたことが嬉しくて仕方がなかった。今年、高校に入学した兄は自宅からでも通えるのに寮に入り、
夏休みになっても部活が忙しいと寮に残ったままだったが、母のことが心配で帰ってきていた。

兄も安堵したのだろう、いつになく饒舌で久々に笑顔で話が弾んだ。
数年前から兄との関係がぎくしゃくしだし、それに悩んでいた私は今回のことをきっかけに、
また以前のように仲の良い兄妹に戻れるかもと期待に胸を膨らませていた。
それに、今夜は父が出張で二人っきりだと思うと落ち着かず、背後に迫る不審な車に全く気が付かなかった。


キキーッ、というブレーキ音がして、スモークフィルムの貼られたワゴンが前を塞ぐように停まった。中から3人の男たちが降りてくる。
危険を感じた兄が私をかばって前に出る。その肩越しに、腕に刺青をした男が近づくのが見えた。
「何だ、おま――ぐっ」
言い終わらないうちに刺青の男に鳩尾を殴られ、地面に膝をつき苦しそうに咳きこむ兄。
「お兄ちゃん!」
「おっと、騒ぐな。早くやれ」
短い髪を金色に染めた男が後ろから私の口を手で塞ぎ、他の2人に指示を出す。
もう1人の男がガムテープを兄の口を貼り、後ろ手に巻き付けている。暴れる兄の顔を刺青の男が殴る。
「ふぁへぇふぇっ(やめてっ)」
「静かにしろっつーの、こいつにも貼っとけ」
同じようにガムテープで動きを封じられ、ワゴンの2列目に押し込まれた。横に金髪の男が乗り込んでくる。
兄もすでに3列目に乗せられ、横にいる刺青の男に見張られていた。
運転席にはまた別の男がおり、ガムテープの男が助手席に座るやいなや車を出した。
ちょうど昼時で住宅街に人影はなく、私たちが連れ去られたのを見た者はいなかった。


(勇介 ◆)

口の中に血の味が広がり、殴られた箇所がじんじんと痛む。
なぜこんな目に?どこに向かっている?誰なんだこいつらは?苦痛に顔をしかめながら考える。
金髪の男に見覚えがある――。確か、1週間ほど前に「オレの女に手を出したな」と難癖をつけてきた奴だ。
昔から、生意気だなんだと呼び出されることが多く、その日も寮の近くにある人気のない公園に呼び出されると、男が2人いた。
話を聞いてるうちにオレの女というのが、最近付きまとわれて迷惑していた女だと分かり、言い掛かりだと反論したら
「お前の女にも同じことしてやるからな」と凄むので、「おれ、付き合ってる女なんかいないし」と一発殴って追い払った。
あれで済んだと思っていたが、今度は腕っぷしの強い奴を連れて現れた。よりによって妹の亜紀と一緒にいるときに……。


「拉致成功。噂には聞いてたけど、緒方の妹ってすげー可愛い。つか、ちょー美人」
金髪の男が携帯で話をしていた。
「あと10分ぐらいだな、楽しみに待ってろって」
へっへっへっ、と下卑た笑いに怒りと焦りが沸き上がる。まだ他に仲間がいるのか、このままじゃ亜紀が……。
この状況から逃れる術はないかとフル回転で考えるが、浮かぶのは悪い想像ばかりで暗澹たる気持ちになる。
海に近づいているのか、潮の匂いがしてきた。車は鬱蒼とした雑木林の中の道を走っている。
ほどなく、濃い緑に囲まれた古色蒼然とした建物が見えてきた。
雑草や蔦がはびこり、壁や屋根が崩れ黒かびに覆われたこの古い建物は……廃ホテルか?

建物の前に少し開けた場所があり、そこに車とバイクが1台ずつ停まっていた。最低でも2人いるのか、くそっ。
その隣にワゴンが停められ、外に引き出される。蝉の鳴き声がすごい、頭が割れるようだ。
亜紀のただでさえ白い肌が蒼白だ。不安げな様子に胸が掻きむしられる。
なんとか亜紀だけでも逃すことができないかと機会を窺うが、縛られた上に相手が4人じゃ無理だ、絶望感に襲われる。
男たちに引き立てられ、従業員用らしい細い階段を上らせられる。取れかかった扉をくぐると、そこは薄暗い廊下だった。
ひんやりとかび臭い空気が肌に触れた。漆喰やガラス片が落ちている床を歩かされる。
客室を通り過ぎる際に中を覗くと、ベッドやカーテンがそのまま残っていた。
前方が明るいな思ったら、突然視界が開き、広い空間が出現した。
そして、中央に置かれたマットレスと待ち受けていた3人の男たちを見て、その日、何度目かの絶望に目の前が真っ暗になった


(亜紀 ◆)

その広いホールに足を踏み入れた瞬間、
私はここで男たちから性的暴行を受けるのか、とまるで他人事のように思った。
兄の苦しそうに歪んだ顔を見て、同じことを考えているのが分かった。
「マジ!?ちょーカワイイじゃん」「脚ながっ、モデルみてぇ」
そこにいた3人のうちの2人が、私の体を嘗め回すように見ながら軽口をたたいた。
この2人とガムテープを貼っていた男は、私や兄と同じ歳の15~17ような気がする。学校に行っている感じはしない。
他の男たちは18~20くらいだろうか、よく分からない。特に、残りの1人がはっきりしない。
遠目からでも分かる整った顔立ちは10代のように見えるし、不気味に落ち着いたさまは二十歳を軽く超えているようにも見える。
ホールの片側は全面窓で、木々の間から海が見える。ガラスはほとんど割れていて、外から這入り込んだ蔦が天井まで伸びていた。
窓枠に腰掛けていたその男が近寄ってくる。雑踏の中でもすぐ見つけ出せる、そんな存在感を放っていた。
てっきり金髪の男がリーダーかと思っていたが、この男がそうなのだと確信する。

私の腕を取り、周りに宣言するように言った。
「この女、俺が最初にいただく」
「おいおい、カズそりゃねーだろ。今回はオレの女の仕返しだからオレが最初だろ」
金髪の男が不満の声を上げた。カズと呼ばれた男がおもむろに、ジーンズの後ろポケットからバタフライナイフを取り出し、
鮮やかな手つきでナイフを振った。チャリンチャリンと音がして、その場にいた全員の顔に緊張感が走る。
「わ、分かったよ。じゃあ、オレはお前の次な、その間――」
と言いながら、金髪の男が腹立ちをぶつけるように兄の体に蹴りを入れた。
それが合図だったように他の男たちも動き出し、兄を取り囲み殴る蹴るの暴行が始まった。
んぐ、んぐと呻き声を出す私の口に張られたガムテープをカズがゆっくりと剥がして言う。
「兄貴を助けたかったら、何をすればいいか分かるよな?」
真っ直ぐに目を見て薄く笑った。顔がきれいな分、冷酷さが増しぞっとするような迫力があった。
手首を固定していたガムテープをナイフで切られ、客室から運んできたらしいマットレスに投げ出された。

金髪の男と兄の間で、女性をめぐりトラブルがあったらしいことが何となく分かった。
たぶん、それは一方的な言い掛かりで、何かの間違いだとここで主張しても意味が無いだろう。
成績もスポーツも優秀で、モテる兄が気に食わないだけだ。いたぶって楽しむのが目的の最低な奴らだ。
一人二人と男たちがニヤニヤと笑いながら、マットレスの周りに集まりだした。
遅かれ早かれ私は犯される。私にできることは、暴れたり泣き喚いたりして相手の嗜虐心を煽らせないことだけだ。
まったく反応を示さなければ、男たちは飽きて早めに解放するかもしれない。
「さっさと脱げよ。それとも、こんな風に切り裂かれたいのかよ」
カズが兄の胸の辺りを薙ぎ払った。何のためらいも感じさせない動作だった。
着ていたTシャツが斜めに裂け、白い生地に赤い色がじわじわと染まっていく。兄の顔は腫れ上がり、変形していた。

今朝、兄とデートする気分で選んだパフスリーブが可愛い、
お気に入りのクリームイエローのワンピース。胸元のボタンを外し、意を決して頭から抜いた。
下に着けているのは、白地に淡い黄花柄のお揃いのブラとショーツだけだった。
「いいよ、いいよ~盛り上がってきた~」「おっぱい、ちっちぇな」「早く抱きてぇ」
ヒューヒューと揶揄する男たちの歓声が、狂乱の幕開けとなった。


(勇介 ◆)

亜紀の体に見入っていた。こんな時にとはっとして、たちまち罪悪感に苛まれる。何を考えてるんだ、おれは。
これじゃ、低俗で下劣なあいつらと変わらないじゃないか。あまりにも強く思い描いていたせいか、頭では分かっているのに思考が止まらない。
たった2年の間に目を見張るほど、丸く柔らかな女らしい体つきに成長していた。

2年前の夏――。おれが中2で亜紀が中1だった。
夕方、家に帰るとクーラーがガンガンに効いている居間のソファーで亜紀が寝ていた。母親は買い物に出掛けているらしくいなかった。
体にフィットしたタンクトップとショートパンツから伸びた長い手足を見て、ぞくっと背筋が震えた。クーラーのせいだけじゃなかった。
寝顔を見つめているうちに、苦しい想いが胸からせりあがり、喉を締め付けた。
亜紀は幼い頃から近所でも評判の可愛い子供で、どこへ行くにも「お兄ちゃん、お兄ちゃん」と付いてくるのが誇らしかった。
自慢の妹を見るたびに、いつから苦しいと感じるようになったのか覚えていない。
ただ、体が反応したのがいつだったのかは覚えている。


小5の冬だ。毎晩のように、一緒にお風呂に入っていた。
向き合って浴槽に浸かっていたとき、何かの拍子で亜紀の足がおれのチンコに当たった。
その刹那、下半身に衝撃が走り、あっと思ったときには湯船に白いゲル状のものが浮かんでいた。初めての精通だった。
おれは急いで桶ですくって流した。亜紀はきょとんとした顔でそれを見ていた。
それ以来、亜紀にどれだけせがまれても絶対、一緒に入らないようにした。本能がやばいと告げていた。
同じ布団で寝るのもやめ、部屋にも入れないようにした。親は思春期が来たんだなと理解していたが、妹には分からない。
突然、冷たくなったおれに亜紀は悲しんだ。「お兄ちゃん、亜紀のこと嫌いなの?」と、
大きな瞳からポロポロと涙をこぼして訊かれたときは参った。「泣き虫は嫌いだ」と言うのが精一杯だった。

あの時、赤く泣き腫らしていた目は、今閉じられている。亜紀が眠るソファーの横にひざまずき、柔らかい髪を撫でる。
薄く開いたふっくらとした唇を見ていたおれは、気づくと唇を重ねていた。目が覚める気配が無い。
規則正しい呼吸で上下する胸はノーブラだった。ツツーと指を滑らせる。指先が先端を捉え、撫でていると硬くなってきた。
おれのチンコも痛いぐらい硬くなっていた。我慢できなくなって生地の上から口に含む。唾液で濡れた生地が胸に貼り付き、
小さな2つの突起に喉を鳴らす。ここまでくると、もう止まらない。タンクトップをたくし上げ、直に舌で転がし、夢中で吸った。
「……う、うーん……」と亜紀が寝惚けた声を出したのと、おれがパンツの中にどろりと精液を出したのがほぼ同時だった。
股間の濡れた感触に、はっと我に返る。母親が帰って来たらしく、玄関の方で物音がした。
おれはあわててタンクトップを下ろし、2階の自分の部屋に駆け込んだ。亜紀は熟睡していたので、気が付かなかったと思う。
妹相手に……おれは変態だ、愕然とする。ますます、おれは亜紀と距離を置くようになった。


悩んだ末、高校は寮があるY高を選んで家を出ることにした。
親も教師も進学校のW高に行くものだと思い込んでいたので驚いていた。
多少ランクは落ちるもののY高も良い学校だったし、スポーツの盛んな高校に行きたいからということで納得させた。
入寮を認めさせるのは難しいかなと思っていたら、寮生活をしたことのある父親が、
「良い経験になる」と言ってあっさりクリアした。
亜紀は物問いたげな目をしていたが、その頃にはもうかなりぎくしゃくした関係だったので、
淋しそうな顔を見せただけで、話し掛けてくることはなかった。

――目の前のつらい現実から逃れるように、おれは回想していた。
リーダー格と思われるやたら顔のきれいな男が、ブラの谷間にナイフの先を差し入れ、引っ掛けるように切った。
小振りで形のいい胸がこぼれる。為す術もなく見ているしかなかった。亜紀ごめん、おれのせいで……虚脱感が全身を覆う。
「今回は女優の見栄えがいいから傑作ができそー。でも、演技力がな。涙一つこぼさねぇ、気のつえー女だな」
ビデオカメラを回していた男が言った。「泣き虫は嫌いだ」と言ってから、亜紀が泣くのを見たことはなかった。
よろよろと立ち上がり、タイミングをはかって男に体当たりする。手から離れたビデオカメラを壁に向かって思いっきり蹴り飛ばす。
「てめぇ、このやろう」「この糞ガキ」男たちにまたボコボコにされながら思った。
どうせ携帯のカメラがあるから焼け石に水か……目が霞み、耳鳴りがする。意識が朦朧としてきた――死ぬのか?
亜紀が犯されるのを見るぐらいなら、このまま死んだほうがマシだ……。

(亜紀 ◆)

「やめてっ!お兄ちゃんが死んじゃう」ぼろ雑巾のようにうずくまる兄はぴくりとも動かない。
「ガムテープを取って、吐瀉物で窒息するかもっ」
「おまえの協力次第だな」カズがからかうように言い、ナイフを持つ手が動いた。
腰に触れる冷たい感触に鳥肌が立つ。ブラと同じようにショーツも切られ、小さな布切れが足元に落ちる。
男たちの欲望にギラつく視線に体がふらつき、肩をトンと押されただけで簡単に尻餅をついた。
露になった淡い繁みと赤い裂け目に男たちのボルテージは上がる。
今まで誰にも触られたことのない下腹部を、カズの手に弄られ、指を突き立てられる。
「濡れてないな、おまえ初めてだろ。こんなんじゃ痛いぞ、しゃぶれよ、ほら」
ジーンスのボタンを外し、取り出した性器を鼻先に突き出す。唇をこじ開けるように性器をねじ込まれた。

「たっぷり唾液をつけとけよ、兄貴を助けたいんだろ」私は黙って従うしかなかった。
「歯を立てるな」「アイスを舐めるように舐めろ」「カリを唇でしごけ」一切の感情を廃し、言われた通りにした。
「うわっ、エロイ」「口内発射してぇ」「俺もフェラさせよっと」緊張と不安で押し潰されそうになりながらも、
男たちの薄汚い声は、はっきりと耳に届いていた。これからどんな地獄が待っているのかと思うと、いっそ狂ってしまいたかった。
「準備OKだな」カズが口から性器を抜き、私を押し倒す。
先から滲み出る透明の液と、唾液でヌルヌルに怒張した性器がおぞましかった。
「おまえ、本当に気が強いな。普通、泣き叫んで哀願してくるけどな。ま、いいよ。俺、気の強い女を犯すの好きだから」
カズは楽しくて仕方がないといった表情でせせら笑い、脚の間に膝を割り込ませてくる。
相手の嗜虐心を煽らないようにと必死に無反応、無表情に努めていたのは逆効果だった?
内心は怖くて怖くて堪らなかった。無理だと分かっていても、お兄ちゃん助けて!と何度も心の中で叫んでいた。

膣口に接した、指とは違う感触に体がびくんと強張る。メリメリッ、と音が聞こえた気がした。
「―――っ!!」激痛に体がバラバラになりそうだった。苦痛から逃れようと自然に体がずり上がる。
乱暴に引き戻されると同時に、性器が押し込まれた。息苦しい……痛さのあまり呼吸が止まっていた。喘ぐように息を吸う。
「くっ……きつぅ……。やっと、奥まで入った」
カズが前後に腰を動かしだした。十分に潤っていない膣壁が、強引な摩擦に悲鳴を上げる。
頭を占めていたのは耐え難い苦痛だけで、カズがいつ射精したのか私には分からなかった。
性器が抜かれると、処女の証が混じったピンク色の精液が、中からどろっと流れ出した。
これまで何人の女性たちが男たちの餌食となってきたのか――。マットレスには黒ずんだシミや、
ガビガビにこびりついた精液の跡があちこちに残っており、新たに犠牲となった私の痕跡がそこに加わった。

兄が生きていてよかった……。さっきカズに命じられて、男が口のガムテープだけを取った。
乱暴に剥がされたとき、低い呻き声が聞こえた。この陵辱の嵐が過ぎるまで、気を失っていて欲しい。
こんな姿を見られたら、もう生きていけない。兄だけには絶対、見られたくなかった。
「はい、次々~」休む間もなく金髪の男が覆い被さってくる。疼痛の残る体に、容赦なく性器を突き刺された。
「うひゃ、奥がざらついてて、チンポの先が気持ちイイーッ」
ゆっくり堪能するように動いていた腰が、だんだんと激しく、滅茶苦茶に打ち付ける動きに変化していく。
壊れてしまう……、処女膜につづき子宮も破れるんじゃないかと思った。
やがて金髪の男が果て、刺青の男が冷たく私の体を見下ろしていた。レイプする順番は、
歳の順とグループ内の力関係で決まっているようで、刺青の男の次が車を運転をしていた男、その次が若い3人組だった。
「コイツ、反応薄くて犯しがいがないよな」「だな、高級ダッチワイフみてぇ」「オマエ、少しは声出せって」
口々に勝手なことを言う3人組の声が不快だった。

「なあ、誰がこの女鳴かせるか賭けねえ?」「おっ、いいねぇ。オレの高速ピストンの出番だな」「なにが高速だよっ、粗チンが」
ぎゃははと馬鹿笑いが弾けたとき、別の男の声が割り込んだ。
「面白そうだな、それ。この女逝かせた奴に、そうだな……ただでクスリまわしてやるよ」
「マジすか!?カズさん」
「ああ、その代わり条件付けるぞ。クリ逝きじゃなくて中逝きな。で、手マンじゃなくてチンポで逝かせろよ」
「何だよカズ、そういうおいしい話は早く言ってくれよー」と、金髪男。
カズの発言から俄然、場の空気が熱くなり、私の体を性具にゲームが始まった。
私を逝かせようと男たちは躍起になって腰を振り、体の中に精液を注ぎ込んでいく。
前の男が放った精液を、次の男が外に掻き出し、また奥に放つという作業が繰り返された。
それはまさに作業というべきもので、日常の決まりきった仕事を機械的にこなしていくルーチンワークのようだった。

私はただひたすら横たわっていた。時に、男に言われるまま立ったり座ったり、四つん這いになったりした。
野獣と化した男たちの性欲は底なしで、順番を待つ間も手や口で奉仕することを強制された。
肉便器、性奴隷、中出し女……そんな単語がぐるぐると回っていた。
私の上では7人目の男が圧し掛かり、必死に体を動かしていた。「ボケっとしてるからだ、バカッ」と一番最後にされた、
ビデオカメラを回していた男だった。兄が壁に叩き付けたビデオカメラは使えなくなったようで、
代わりに携帯のカメラで沢山の写真を撮られていた。後でそれをネタに脅され、再びレイプされるのか……。
私は自分でも驚くほど平静だった。過酷な現実に直面し感情が追いつかないだけなのか、
それともただ単に自暴自棄になっているだけなのか、変に醒めていた。

この輪姦はいつまで続くのか……、私が絶頂に達すれば終わるのか、逝くふりでもしてみようかと思ったけどやめた。
男たち、特にカズに見破られそうな気がするし、第一どうすればいいのか分からない。
ふとある玩具が浮かんだ。樽に順番に剣を突き刺していって、人形が飛び出すあれ、なんて言ったかな?
やったことはないけどテレビで見たことがある。まるで私はあの人形のようだと思った途端、口元が歪んだ。
「オマエ、余裕だな。あ?」自分が哂われたとでも思ったのか、男は意地になって腰を突きまくり、荒い息を吐きながら射精した。
2巡目に突入かとぼんやりする私の目に、兄の姿が入ってきた。ふらつきながら半身を起こそうとしている。
お兄ちゃん、だめ!起きちゃだめっ!!激しく動揺する私を、カズが見逃す筈はなかった。
「兄貴をこっちに連れて来い」笑いを含んだ声が、残酷に頭に響いた。


(勇介 ◆)

全身を襲う痛みと吐き気で目が覚めた。昼は病院内のレストランで摂るつもりだったため、朝食べたきりの胃の中はからっぽで、
折れた歯と一緒に血の混じった唾が出ただけだった。いつの間にか口のガムテープが剥がされていることに気づく。
――亜紀は!?意識が戻り蒼ざめていると、突然両側から両腕をつかまれ立たされた。
足に力の入らないおれを引きずって、どこかへ連れて行こうとする。すぐ、足が止まった。
重い頭を上げると、腫れた目が信じられない光景を捉える。胡坐をかいた男の上に、亜紀がこちら向きで座らされていた。
背後から太ももを抱えられ、俗に言う子供におしっこをさせるような格好をとらされていた。
いっぱいに広がったピンク色の割れ目に、黒ずんだ異物が突き刺さっている。
「……ない…で……お兄…ちゃん……見ないでえぇぇっ」
視線を逸らすことも声を発することもできず、その場に縛り付けられたように凝視していた。
「お兄ちゃんガン見だよ、もっと見せてあげようか」
背後の、確かカズという名の男が亜紀の耳元で囁き、掴んでいた太ももを軽々と上下に揺さぶった。
「やあっ…ああっ…いやああぁぁぁ」

じゅぼじゅぼと湿った音を立てながら結合部から、泡立った白い粘液が溢れ出る。
「ぃやあ……見ない…でっ……お兄ぃっ、あっ、あっ、あん……」
「あれぇ、声出ないように我慢してたのにね~」「あんあん言ちゃってるよー」「感じてきてるんじゃね?」
囃し立てる男たちの声を遠くに聞きながら、異物に絡みつくピンク色の肉襞を惚けたように見ていた。
目を瞑れよ――。亜紀がいやいやと首を振って頼んでるだろ。自分だって発狂しそうなのに、なに見てんだよ、やめろよ。
理性では判っていても目を離すことができなかった。体の奥から這い上がってくる衝動を抑えることができなかった。
「うわっ、こいつ勃起してるじゃん」
「マジかよ!?妹が犯されてんの見て興奮してんのかよっ」
「女の子に人気の緒方君がまさか変態だったとはな」
どっと嘲りの哄笑が沸き起こる。脇にいた男がおれのズボンを下着ごとずり下ろし、猛り立ったものを晒した。
とっさに亜紀の顔を見る。軽蔑の色はないかと探すが、混乱した表情は何を思っているのか分からない。
憤怒と恥辱でかっとなった頭はまともに働かない。どうすればいいのか分からない。

「お兄ちゃんギンギンで辛そうだねぇ、兄思いの妹としては何とかしてやりたいよなぁ?」
カズが薄笑いを浮かべながら追い討ちをかける。いやな予感がする……。
「口で抜いてやれよ。もう何本も咥えたから慣れたもんだよな、お兄ちゃんに成果の程を見てもらえよ」
おれも亜紀も瞬時に凍りつく。反対に周りの男たちは沸騰した。
血の繋がった兄と妹が禁忌を犯す――。それは男たちの性的好奇心を大いに刺激し、異様な興奮をもたらした。
善悪や倫理を口にする奴なんかいない。そんなものは吹き荒れた淫虐の嵐によってどこかへぶっ飛んだ。
カズに背中を押され、四つん這いになった亜紀がおれを見上げている。
放心した顔の中で、瞳だけが何かを強く求めるように暗く光っていた。
その瞳の奥にあるものに、体が無意識に反応する。おれたち兄妹は異常な世界へと引きずり込まれていった。


(亜紀 ◆)

心臓がばくばくと轟いていた。今、私が何を思ってるか誰ひとりとして当てることはできないだろう。
強制されて止むを得なかった……、避けられない事態だった……。私は、口実ができたと思った。
男たちの精液の中に毒でも入っていたんじゃないかと、非現実的なことまで考えた。だから――邪心が湧いてくるのだと。
物心ついた頃から、ずっとずっと好きだった。兄以外の男性に興味を持ったことはない。
この恋が成就することは絶対無いと分かり過ぎるぐらい分かっていた。
兄に避けられるようになってからは失意の日々で、夜中ベッドでひっそりと泣くこともあった。
せめて、昔のように仲の良い兄妹に戻りたいと願っていた。でも、もう普通の兄妹には戻れない……。
だったら――という悪魔の囁きが、理性の壁にひびを入れていく。兄への想いがこんなかたちで果たされるとは想像だにしなかった。
私が望んでいたのはキス程度の甘い想像で、具体的に兄と結ばれたいと思ったことはなかった。
経験の無い私にとって、それ以上のことは雲を掴むような話だった。
それが……男たちに犯され、セックスという行為を無理矢理、否応無く、体に叩き込まれた。

激痛から鈍痛へ、そして何も感じない麻痺していた心と体に、薄皮を剥ぐように少しずつ官能の芽が現れようとしていた。
兄にあられもない姿を見られてから、おかしくなっていったような気がする。
兄の驚愕だけではない熱い興奮を宿した視線に、体が敏感に応える。いつの間にか全身が火照り、汗が滲んでいた。
見られている……大好きなお兄ちゃんに……背筋にぞくぞくとした感覚が走った。羞恥心が快感へと変化した瞬間だった。
いけないと頭では分かっていても、愛欲に目覚め始めた体が兄を強く求めていた。
「ほら~、早く咥えないと画像をネットにばら撒いちゃうよ~」金髪の男が携帯を片手に急き立てる。
男の脅し文句が背徳へと後押しする。兄は膝を曲げ、ぺたりと座り込んでいた。目の前には兄の性器があった。
子供の頃に見た、小さくて肌色をしたものとはまるで違う、大きくて赤黒く漲ったもの。
先端の割れ目から透明の液体が零れ、誘うように光っている。口の中に唾液が溜まり、体中を覆う熱情が葛藤を溶かしていく。
仰ぐように反り返り、びくびくと跳ねた。私の体の芯もひくひくと疼き、淫水がしたたり落ちていった。

体の奥底から得体の知れない何かが噴き出し、理性の壁が崩れていくのを感じる。
「……亜紀……だめだ……あ…き……」
熱情に支配された脳は、兄の弱々しい声と罪悪感を黙殺する。私はゆっくりと、股間に顔をうずめていった。
「うはっ、なにこいつ。俺らのしゃぶるより熱心じゃね?」
「エロすぎ、やべぇ……ガマンできねぇ」
夢中でむさぼる姿は淫猥で、男たちの劣情を刺激し手淫に駆り立てた。むっとした精液の臭いが辺りに充満している。
「最初ヤった時とは大違いだな。ずぶ濡れでひくつかせて、よがりまくりだな、おいっ」
胡坐の姿勢から膝立ちになったカズが、腰を掴みずんずんと突き上げてくる。ぱんぱんと肉を打つ音が廃墟に響く。
「ふん、んっ、んっ、んっ、んんーっ」悩ましい鼻声が、咥えた隙間から洩れる。
ふつふつと、もどかしい感覚が腰の辺りに溜まってきて、いまかいまかと爆発する瞬間を体は待ち望んでいた。
犯されて絶頂を感じるなんて……絶対、いやだ。それだけは阻止したい。ぼろぼろのプライドが訴える。
快感を耐えるため、歯を食い縛る。兄を傷つけないよう、歯の代わりに唇に力を込める。

命綱にすがるように、カリ首にしがみ付き吸い上げたせいで、兄の限界が近づいていた。
「亜紀、出るっ!」
苦悶の表情を浮かべる兄を、上目遣いでうながす。自分でも知らないうちに、媚態を含んだ視線になっていた。
兄の体が強張り、熱い感触と濃い匂いが鼻腔に広がった。びくんびくんと痙攣が唇に伝わる。
男たちの時とは違い、愛おしさで胸が一杯になる。喉を鳴らしながら、零さないよう最後まで飲み干した。
「おまえら、とんだ変態兄妹だな。感じてんだろ、逝けよ、ほらっ」
カズの打ち込む速度が増し、気が遠くなりそうになる。
窓から入ってくる潮風が、風雨に晒され灰色になったカーテンをはためかせ、頬を撫でる。
陽が傾いてきた。何時なんだろう?病院に現れない私たちを、お母さん心配してるだろうな……。
じわじわと追いつめる快感から必死に意識をそらそうとしていると、膣奥にどぷっと迸る感触があった。カズが達したようだった。
相手の思い通りにならなかったことに、多少なりとも溜飲を下げる。
でもそのせいで、カズの怒りを買い更に酷い仕打ちを受けそうだった。背中にひしひしと伝わる激した気配に、私は怯え慄く。


(勇介 ◆)

亜紀が、壊れた――。おれが気を失っている間に、何か変な薬でも飲まされたんだろうか?
それに催淫効果のある成分が含まれていて……、そうとしか考えられなかった。
いくら強要されたとはいえ、亜紀の様子はおかしい。
元々、年齢の割りに大人びた雰囲気の妹だったが、そこに匂い立つような色香が加わり、艶かしい女へと変貌していた。
淫情が滲んだ眼差しで、取り憑かれたように舐める姿は正気の沙汰とは思えない。
射精後も咥えたまま、すべてを搾り取ろとするように頬を窄めているのが、どれだけ堪らないか。
その表情がどれだけ扇情的で男をそそることに、本人は分かっているのかいないのか……。
自分のことは棚に上げてなに言ってんだ、という声がする。おまえも十分、おかしい。
野獣の群れの前で、見世物状態で、縮み上がるどころかこれ以上ないくらい、熱り立っていたのはどこのどいつだ。
情けないことに、消耗し脱力感に包まれていた体が復活しようとしていた。
「……亜紀っ、やめろ、離せ」
体をねじって抜き出したものが、再び充血し膨らんでいた。


「お兄ちゃん、口だけじゃ満足できないってよ。おまえも欲しくて堪んねーって顔してるよな」
カズが内と外で挟むように陰部を掴み、まさぐっていた。
ぐちゅぐちゅと中を掻き回す指に合わせて、親指がクリトリスを捏ねている。
「んあっ…ああん…あっ…あっ…あっ…」
亜紀の桜色に染まり、汗で濡れた体が妖しく跳ねる。
色っぽく開いた口から出る喘ぎ声に比例して、淫水が太ももを流れていく。
「そんなに兄貴のチンポが欲しいのかよ。この、淫乱女っ!」
血走った目は、完全に常軌を逸していた。それは、その場にいる者すべてがそうだった。
集団の欲望はエスカレートし暴走する。男たちの興奮した声が地響きとなって襲いかかってくる。
後ろ手のまま仰向けにされ、肩や足を押さえ付けられても、実際に起こっていることだとは思えなかった。
夢だよな、これは……にしては、痛みや疼きがリアルだ。夢とうつつの狭間を漂うおれを、亜紀が現実に引き戻す。
おれの体を両膝で挟み、哀しい、覚悟を決めたような目で見下ろしていた。

「……亜紀…だめだ…やめろっ!」
しかし、体は抵抗を裏切るように、収まるべきところを求め熱くたぎっていた。
亜紀がそれをそっと手に取り、先端を入り口にあてがう。
「亜紀っ、やめろぉぉぉぉ!!」
「……お兄ちゃん……ごめん…ね……」
掠れた声を出しながら腰を落としていく亜紀の目元から、涙が一筋零れ落ちた。
根元まで深々と吸い込まれていく。熱くぬるりとした感触に思わずふうぅぅぅっ、と感極まった息が吐き出される。
肉壁が別の生き物のように纏わりつき、締め付けてくる感覚はあまりにも甘美で強烈だった。
なにもかもどうでもいいと諦めるほどに。相手が実の妹だということを、忘れてしまうほどに。
禁断の愛に対する罪悪感や抑え付けていた欲望が強かった分、一線を越えたあとは転がるように快楽の泥沼へと堕ちていった。


(亜紀 ◆)

ああ、ついにやってしまった……今更ながら、一生背負う罪の重さに慄然とする。
ごめん、ごめん、ごめん――。呪文を唱えれば救われるかのごとく、繰り返されるつぶやきが、徐々に甘い切なげな声へと変わっていく。
「……ん…はあ…あっ…あっ…あ…ん…」
熱発した肌から立ちのぼる、ねっとりとした自分の匂いに酔ったようになる。視界に霞がかかり、浮いているよう。
官能のうねりに突き動かされた体は勝手に跳ね回る。汗まみれで淫欲へと溺れていった。
「すげぇ……リアル近親相姦かよ」
「さっきまで処女だったとは思えねぇ、ガンガン腰振ってるしぃ」
「変態っつーか、こいつら鬼畜だよな」
男たちの声は遮断され、頭は空白で、体は目前のことだけに縛られる。前後左右に腰を振り回しているうちに、
体は前の方へと傾いていく。脇に手をつき、兄の歪んだ顔を眺めながら腰を動かす……まるで、犯しているようだった。

何度も肉壁の上部の感じるところに押し付け、抜き挿しする。
激しく、お互いの恥骨を擦りつける。濡れそぼった繁みが絡み合う。
「はァ…はァ…はァ…あ…き……」
兄の息遣いも荒くなり、剥き出しの欲望を帯びた視線にじりじりと炙られ、燃えてしまいそうだ。
下から突き上げる動きに身悶え、堪らず兄の体にしがみつく。目の前にある耳元に唇を寄せ、息も絶え絶えに囁く。
「も、もう…だめ……お兄…ちゃん……好き……」
せり上がってきた快感と共に吐き出された想いが、口から自然に滑り出た。
一瞬、動きを止めた兄が獣のような低い唸り声を上げながら、激しく腰を突きまくる。
お、お兄ちゃん……もしかして……?胸が高鳴る。兄の切なくて、強い想いが肌を通して伝わってくる、ような気がする。
わからない……熱い……でも、たぶん……苦しい……平衡感覚が狂い、乱れ、翻弄されていった。
もうなにもかもどうでもよくなって、ただひたすら兄と溶け合いたくて、深く密着し呼吸を合わせていく。

兄にぐったりと上半身を預ける。繋がった部分だけが蠢く。しっかりと咥え込み、肉壁がぎゅいぎゅいと締め上げる。
嗚咽のような喘ぎ声、切迫した呼吸音が建物内で幾重にも反響する。
焦点の定まらない瞳、強張る肉体……絶頂がすぐそばまできていた。
「おい、逝きそうじゃん。まさか賭けに勝つの兄貴とか?!」
「笑えるー、初逝きが兄貴ってなんだよー、カズさんこいつにクスリやるんすか」
「やるわけないだろ、ビデオカメラ壊されてるし、こんな変態野郎に。おまえらみたいの、犬畜生にも劣るって言うんだよっ」
びちゃっ、べちゃっ、と罵声と共に精液を浴びせられる中、快感の熱波が物凄い勢いで押し寄せ、一気に高みまで押し上げた。
「おっ…おっ…おにぃ、ちゃっ…あっ…あぁぁあああんん!」
「っ…あっ…あきいぃぃぃーーーっっ!」
びゅくびゅくと子宮にぶち当たり、何度かに分けて全ての精が注ぎ込まれた。波動はいつまでも続き、体を震わせる。
けだるい浮遊感に包まれながら、深い底に沈んでいった。



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