2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

悪いクセ

私が通勤に使っている○○線は、自然の猛威というやつに弱い。
猛威はオーバーか、別に10年ぶりの大雪とか台風が直撃ってわけじゃないんだから。
えっ、この程度の雨で遅れるの……と、呆れるほどの軟弱さでダイヤは乱れまくる。
最初はびっくりしたけど、最近はもう慣れた。というか、諦めた。いや、心待ちにしてるかも……。

会社は下り方面にあるので、上り方面の電車のようには混まない。
それがちょっと寂しい、痴漢に憧れる私としては。だから今日みたいに朝からしとしと降っていた雨が、
窓にばちばちと当たる強い風を伴った雨に変わってくると、ワクワクしてしまう。
子供の頃は雨なんて大嫌いだったのに。まさか大人になって、アメアメ、フレフレと願うなんて
思いもしなかったな、あはは。まあ、いつもそんなこと考えてるわけじゃないけどね、たまーにね。
ごくごく、たまーに、むしょーに、見ず知らずの男の人に触られたいと思ってしまう。
『やめて下さい……』なんて、小声で嫌がる私を無視して強引に触って欲しいと思う。
あー、今日はさっさと帰ろう。退社まで、あと2時間……。


傘の意味なく、横殴りの雨で全身ずぶ濡れになって駅に着くと、案の定の展開だ。
快速は消え、各駅停車のノロノロ運転。ホームは人で溢れかえっている。きゅん、と思わず武者震い。
2本ほど見送って、次にやってきた電車に勇んで乗り込む。後ろから押され、
あれよあれよという間に車両の中ほどまで進む。スシ詰め状態の超満員。足、浮いてるし……。
左右の手に持ったバッグや傘を引っ張っても、びくともしない。
私が身動き出来ないということは、痴漢する方だって同じだろう。密着を愉しむしかない。
でも、胸に食い込む腕の持ち主は女性だし、お尻に当たっているのはカバンで手じゃない。
目の前の女性の後ろにいるオジサンが、必死の形相で両手を挙げている。
大変だよね~、痴漢と間違われて会社クビになんか、なりたくないよね~。
私だったら、文句一つ言わないのに……。もう、どっからでもかかってらっしゃいって感じなのに……。
そうそう、自分の思い通りにはならない。世の中うまくいかないものだ。


そんな私の思惑などには関係なく電車は進む、ノロノロと。
駅に停まる度にどかどかと乗客が乗り込んできて、私の体はあちらへこちらへと押され、
いつの間にか座席の前に。左手でバッグと傘を持ち、右手でつり革に掴まる。
前には20代後半のサラリーマンが座っていた。見た瞬間タイプだと思った。
無骨な顔立ちで、清潔感があって、なんか不器用そうで……。
しかも、ごつごつした手まで好みだ。足の間に挟んだ傘の柄を、両手でぎゅっと掴んでいる。
男の人の手の甲に浮かぶ血管って大好き。指も長くてすごくイイ。見てて飽きない、アソコが切なくなってくる。
いいなァ……こんな手で触られたい。でもこの人マジメそうだから、痴漢しそうにないしなァ……。
「なァァ!?」
ガクンと電車が大きく揺れて、座っている男の右足を両足で挟み込んでしまった。
あ、足が抜けない……それどころか、押されたせいで余計深く嵌ってしまい、際どいことに……。


ひゃー、穿いてるベージュ色のタイトスカートがずり上がってきてるよー。
ストレッチ素材が入っているせいか、足を開くとと生地が伸び、自然と裾が上がってきてしまう。
挟んだ男の太ももに力が入ったのが分かる。おそるおそる顔を向けると、さりげなく視線を逸らされた。
でも、ごくりと動いた喉の動きが男の関心の高さを物語っていた。顔がカーッと熱くなる。
加えて、傘を持つ男の手が右の腰の辺りに感じられ、ますます顔が火照る。
興味津々なのは目の前の男だけじゃなく、右隣に座る大学生風の男もそうだ。マンガを読みながら、
チラチラと視線を寄越す。その隣のOLは、あら、可哀想って表情だ。
左隣に座るオバサンは眠りこけてるからいいとして、その隣のオジサンはニヤついた顔だ。
私の両隣に立っている人にも見られている。ゾクゾクする……見られていることに。
痛いほどの視線を感じながら、つり革から右手を離し、スカートの裾を引っ張る。
そして、つり革に手を……って伸ばしたら、誰かの手が。ええっ!そんな……まごつく間も
スカートはずり上がってくる。視線が突き刺さる。ドキドキする。震える手で裾を引っ張る。


平静を装っていても、男の粘つく目が欲情をを隠し切れていない。
頭の中でどんなイヤらしいことを考えているのか……じわっとアソコが潤む。
見られるのって興奮する。私の希望は痴漢されることだったんだけど……。
こういうのって視姦っていうのかな?しかん、ちかん……一字違いだ。まあいいか、気持ちいいし。
『顔を赤らめて恥ずかしげにスカートの裾を押さえる』という演技に酔う。
そんな仕草が、より男の性欲をかり立てるのを計算しながら……。
我ながらよくやるなと呆れるけど、なんか愉しくてやめられない。
びしょ濡れの体に貼り付いた白いシャツブラウスも、男の目にイヤらしく映っていることだろう……。
「うあッ!?」
急停車した衝撃で、どどどーっと人の波に押される。バランスを崩した私は、
咄嗟に男の頭の上の窓に手をつく。控え目に開いた胸元に、男の息がかかり肌をくすぐる。
電車は何事も無かったかのように動き出す。私は男に圧し掛かったような格好のままだ。


なにこの体勢……卑猥。股を広げて、お尻を突き出して、胸が男の顔にくっつきそうだ。
男は傘から手を離し、体を反らして触れないよう気を遣ってくれている。
傘は2人の太ももの間に固定された。私は体を起こそうとするも、人の壁に押し返されてしまう。
男に倒れ込まないよう窓に手をついて、体を支えるのが精一杯だ。
透けた胸の谷間に熱い視線が注がれる。胸を包み込む繊細なレース模様が浮かび上がり、
ぴったりと肌に貼り付いた布がふくらみを強調している。
こんな風に、見ず知らずの男の人に至近距離で胸を見られるなんて初めてだ。
すごい……快感だ。クラクラする。ブラの下で乳首が勃っているのが分かる。
どちらかがちょっとでも近寄れば、文字通り目と鼻の先にある、男の鼻先が胸の先端を捉えそうだ。
その想像は私をおかしくさせる。体がウズウズする。男の顔に胸を押し付けてみたいと。
まずい……悪いクセが。思ったことを実行せずにはいられないという、悪いクセがむくむくと……。


「ぃや…ン」
「す、すみませんっ」
――実行しちゃった。変な声付きで。男はあわてて謝り、顔を横にずらそうと懸命だ。
私がワザともたれていったのは気づいてないみたいだ。
でも、柔らかい中に硬い感触があったのは気づいたよ、ね?
薄いパット越しに尖った乳首を感じたんじゃないかな。結構、強く押し付けたから。
唇の感触が肌に残っている。はあぁ、と男の熱い息が耳朶を刺激する。
アソコがきゅうと締め付けられ、とろりと流れた愛液が下着を濡らす。
まさか、太ももまで濡らしてないよね?確認しようと下を見て驚く。
「うそッ」
見ると、スカートの裾がかなり上の方まできていて、太ももが露だ。
ストッキングのレースが見え隠れしている。私はパンストが嫌いなので、
太もも丈のストッキングを穿いている。チラチラ覗くレースはそのストッパー部分だ。
約8センチ幅のレースはデッドラインだ。そこを越えると上は……パンツだ、パンツ。


『今日の昼以降は激しい雨に見舞われる恐れがあります』――。
今朝お天気ニュースを聞いて、そうか、今日は痴漢日和か……。ウキウキと選んだパンツは、
パンツなんて色気のない言葉とは裏腹に、エロい総レースのタンガだ。
色はブラと同じシャンパンゴールドで、思いっきり黒々とヘアが透けている。
イヤーーッ、見られたら恥ずかし過ぎるッ。『見られるのって気持ちいい』などと、呑気なことは言ってられない。
いくらなんでも、そこまでの露出趣味はない。なんとかしなくちゃ……でも、どうやって?
全然、動けないんですけど……。気づけば、右隣の大学生風の男が身を沈ませて、
スカートの中を覗き込もうとしている。もうマンガなんか読んでいない。食い入るように一点を見つめている。
周りにいる男達の目もランランと輝いていた。その熱さに頭がぼーっとなる。
事ここに至っても、嬲る視線に反応し、感じてしまう自分の体が恨めしい。
ああッ……裾がデッドラインを超えて、太ももの付け根までッ。いやあぁぁッ!


ち、痴漢!?目を見開く。
お尻に手の感触が。その手がスカートの生地ををじりじりと押し上げていく。
……おかしいと思った。スルスルと勝手にスカートが捲れていくから……痴漢だったのか。
男達の念力で裾が上がっているのかと錯覚を起こすところだった……って、有り得ないし。当たり前だ。
こんな時にそんな真相が分かっても、なんの助けにもならない。むしろ、厄介ごとが増えただけだ。
別の日だったら、歓迎するのに……。ホント、望むようにはいかない。
痴漢の手がスカートの裾を握り、一気に捲ろうとする気配が伝わってくる。
ああッ、あッ、あッ、だめッ、だめぇぇーッ!!
ぎゅっと目を瞑り、息を止める。心臓が飛び出しそうだ。
車内のむっとした空気がお尻とアソコを撫でる。ショックで体から力が抜けていく。
「ふうーーーっ」
ガタンガタンという電車の走る音に、男達の長い溜息が重なり、妙な沈黙が続く。


見られている……アソコを、じっくりと。恐ろしくて目を開けられない。
一体、どこまで見られているのか……。ヘアが覆う盛り上がった恥丘はもとより、
その奥の、薄い布がムニッと膨らんだ陰唇のところまで見られてる?
眩暈がする……なんで、電車の中で下半身を晒しているのか、訳が分からない。これじゃ、変態だ。
「あの…もしかして……痴漢、ですか?」
目の前の男に小声で問い掛けられ、うっすらと目を開ける。ほら、やっぱり痴漢と間違われてる。
この場合、痴女か……。違いますッ、と言いそうになって自分の勘違いに気づく。
男の困惑と興奮の混じった表情の中に、気遣うような色が浮かんでいた。
「痴漢に遭ってるんですか?」
いい人だなと思う。でも、そっとしていて欲しい。これ以上、大事になったら恥の上塗りだ。
それに、私は助けてもらう資格が無い。痴漢されたいと思ってたわけだし、自業自得という気がするし、
実は今も全く感じてないと言えば嘘になるし……。


様々な思考がぐるぐると回り、後ろめたさから口ごもる。
「あのォ…あのォ……ああんッ!」
痴漢がお尻の割れ目にイチモツをぴったりと嵌め込んできた。
剥き出しの硬い感触を薄いレース越しに感じ、私は堪らず声を上げてしまう。
男はぎょっとして固まっている。顔から火が出そうだ。
彼氏以外に聞かせたことのない、喘ぎ声を聞かれてしまった……。
恥ずかしさのあまり倒れそう……ハッとする。倒れるフリをしながら、男の膝に座っちゃえばいいんじゃない?
そうすれば痴漢から逃れられるし、アソコを見られることもないし一石二鳥だ。
膝の上に座るなんて、普通に考えれば恥ずかしいことだけど、今の状況よりはマシだ。
さっき上げてしまった声のせいで、注目の的になっている。なのに痴漢は大胆にもイチモツを動かしてくる。
くぅ……また喘ぎ声が洩れてしまいそう……唇を噛んでガマンする。
周りの男達は淫らな視線を遠慮なく投げ掛けてくるし、同性からの侮蔑の視線も痛い。
腕がプルプルして、体力的にも限界だ。決めた。次に大きく電車が揺れたら男の膝の上に座る。


頭の中で、いかに自然に倒れ込みながら膝上に座るかのシミュレーションを繰り返す。
ガタタン――。電車がカーブに差し掛かった。今だっ!
反動を突けて窓から右手を離し、勢いを利用して後ろにいる痴漢に肘鉄を食らわす。
少し空間ができたところで、そのまま体を捻って腰を落とす。
やった、完璧。……成功と思いきや、お尻に直に接した生地の感触に失敗を悟る。
クルッと上手く一回転することばかりに気がとられ、スカートの裾を下ろすのを忘れてしまい、
お尻剥き出しで男の膝に座ってしまった。割れ目を覆っていたレース生地は、
痴漢が擦り付けたせいで捩れ、一本の紐状になっており、なにも穿いていないようなものだ。
どうしてこう、次から次へと不運が見舞うのか……もう、知らない。開き直る。
「ごめんなさいッ」
とりあえず、泣きそうな顔で振り向き男に謝る。唖然とした顔をしている。
なんとか立とうとするけど、やっぱり無理。という芝居を何度かし、そのまま膝に座っている。
まあ、実際に立つのは混んでて無理だし、気力もない。


どうにかお尻を隠す程度にはスカートを下ろすことが出来てホッとする。
周りの乗客に奇異な目で見られているものの、アソコを見られていた時よりは鎮まってきたので、よしとする。
私のすぐ後ろにいた痴漢は間抜けにイチモツを晒していたが、すばやく立ち直り無理矢理
ドア付近に移動していった。ホッとして少し余裕が出てくると、また悪いクセがむくむくと……。
よからぬ考えが脳裏をかすめ、いっぱいに広がっていく。懲りないな私も……呆れ果てても妄想が止まらない。
男の膝に座った瞬間から感じていた股間の硬さが、妄想に拍車を掛ける。
背面座位で貫かれているみたい……。みたいじゃなくて、されたい……。
後ろからガンガン突かれて、あのごつごつした手で胸を揉みしだかれて、イキまくりたい。
いくら私が、『思ったことを実行せずにはいられない』タチだとしても、
流石に見ず知らずの人に付いて行ったことはない。しかししかし、その危険な誘惑に負けそうだ。
もしここで男に、『次で、降りようか』と耳元で囁かれたら、ふらふらと付いて行ってしまいそうだ。


よからぬ考えがどんどん膨らんでいく。早くも、どうやったらそんなシチュエーションに
持っていけるのかと考え出すバカな私。刺激を与える……かな?
「あのォ…スーツ濡らしてしまってごめんなさい。私、びしょびしょで…あっ、雨で、ですけど……」
最後の一言はわざとらしかったか。それに、振り返ったときお尻を股間に押し付け過ぎたか。
「いや……元々僕も、濡れてましたから」
男と視線が絡み合う。私の方から視線を外す。ドギマギする。喉がカラカラだ。
男の顔から戸惑いが消え、ある決意が漲っていた。ここで引き下がったら男が廃るって感じ?
なんか、狩られる気分?……イイ、すごくイイ。背筋にぞわぞわと快感が走る。
アソコから愛液が溢れ出し、高そうなスーツを本当に濡らしていく。
男が身じろぎして、敏感な太ももの裏を生地が擦る。カチカチになった股間がアソコにめり込む。
びくんと肩を震わせた私を見て、男が目を細め口元を緩ませたのが、前を向いていても分かる。
男の方でも、感じている私がどんな表情をしているのか、手に取るように分かってそう。


カンカンカンカン――。踏み切りを通り過ぎ、電車の速度が落ちてきたところで
男が身を乗り出し、私だけに聞こえるよう耳打ちする。
「次の駅で、降ります」
降りま……す?それはただ単に、降りるので膝からどいて下さいと頼んでいるのか、
一緒に降りようと誘っているのか……びみょーだ。そう、思いたい私がいる。
どうしよう、どうしよう……いざとなったら、怖くなってきた。
どうしよう、どうしよう……電車がホームに滑り込んでいく。
男が立ち上がり、じっと見詰めてくる。静かな目だった。ただ、見てるって感じの。
ここまできて逃げるのか、という怒りを孕んだものだったら私は付いて行かなかったかもしれない。
去り際にぎゅっと手を握られたのが、心を決めた。触れた指先から熱が駆け巡る。
のぼせたような足取りで、人にぶつかりながら男の背中を追う。
「――降ります、通して下さいッ」。


おわり

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

最近のトラックバック

アクセスランキング

アクセスランキング ☆ランキングの参加は、このページ
http://saeta.blog.2nt.com/
にリンクするだけです☆

ブロとも申請フォーム

お知らせ

(*´Д`)<ハァハァ・・・・・・

かんりにん:(*´Д`)<ハァハァ・・・・・・
相互リンクも大歓迎です。
気に入ったらどんどんリンクしてください。

コメント欄にでも知らせてくださると嬉しいです。

ブログ内検索

注目

ページの先頭へ戻る