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恋人・瑞江


最近日本ではよくミサイルが飛んでくる。
どこからかは分からないが、とにかく飛んでくる。
一日一本どころではない。

二本、三本、景気良く十本近く飛ばされる事もある。
被害は甚大で、都市圏はほぼ壊滅状態。
日本は危ない、となると海外へ逃げようと考える。
それは実に甘い。
実際狙い済まして、飛行機は発着と同時に撃墜され、船は出港すると同時に撃沈される。
どこに目が付いているのかと思う。
こうなると人々の混乱はますます甚大なものになる。
都市は狙われている、山村は人がいないから標的にされる心配は無いと
いうデマゴーク丸出しの噂が流れるやいなや、皆が遠い昔に見捨てた筈の、過疎化した村々に移り住んだ。
結局の所、当然ながらただの噂に過ぎず、ミサイルの脅威は平等に訪れた。
そんな中でも、政治家達はどういう方法を使ったのかは分からないが、海外へ脱出していた。
向こうのネットやらTVやらを利用して、政見放送を行っている。
「日本政府の機能が麻痺しない様、考慮した結果です」
ふざけやがって、と政治家に対する怒りは爆発したが、本人らがいないのでどうしようもない。
その怒りは近くの人、物に代用された。
金銭での取引はすでに機能せず、店は皆が持ち出す為のただの倉庫と成り下がった。
言わば199x年で有名なアニメの様に、荒廃の一途を辿る。
僕等はいつ死んでも構わないとばかりに、誰もいないマンションの一室で
店からくすねた煙草やら酒やらをのみ、自堕落に暮らしていた。
瑞江が
「もう世界には私達しかいなかったりしてー」
とへらへらと笑えば、
僕も
「凄え、それじゃあ、この世界はふたりのものだねー」
とへらへらと返す。
正直、現実感に乏しいこの状況で、僕等がする事といえば、食うか、寝るか、セックスするかぐらいだ。
「そんなもんなんですよ、人間って。見てみろよ、ミサイルなんか正に文明の利器じゃないか。
やはり、人間は下手に科学の進歩やら、自然淘汰やらを旗印に好き勝手にやってきたのだ。
これは当然の報いじゃないか」
長々と気持ちよく語っている途中で、瑞江がすでに寝ているのに気づいた。
適当に言葉を並べただけなので、真剣にそんな事は考えちゃあいない。
僕も自然と横になった。


そうやってだらだらと寝ていると突然大きな音が聞こえてきて起こされた。
おいおいミサイル飛んできたのかよ、勘弁してくれよと寝ぼけた頭で考えていると
それはドアを叩いている音だと言う事にようやく気づいた。
警戒感も無く、ドアを開けるとそこには体格の良い大男。
にこやかに笑いかけ、
「良かった、他に生きている人がいたんだ。助かったー。ここには何人いるんだい、あそういえば」
一回り程年の違う男が矢付き早に言うので、僕は右手で待てをする。
誰ですか、と僕が尋ねると気づいた様に赤面して言う。
「武田だ。武田正和。君は?」
ちょっと待ってくださいと僕は水子を呼び、同時に紹介した。
武田さんは住んでいる家が焼け、食料を求めさまよっていたらしい。
「もう腹ペコで」
そう言ってグゴーと盛大に腹の音を鳴らす武田さん。まさに一流の芸人だ。
なかなか出来ないことです。
瑞江を促して、鯖の缶詰と少し青い点が見受けられる食パン、500m!のミネラルウォーターを持ってきてもらった。
それらを手渡すと見る間に平らげてしまう。
ずっと食べていなかったのだろう。喜色満面だ。
少し咳き込みながら、物足りそうな顔つきでこちらを見つめていたが、この勢いでは、持っている食料全てを食べられかねない。
僕はとりあえず武田さんと情報交換をする事にした。
武田さんの話は僕ら、特に水子を楽しませた。
最近、ずっとここにいたせいか、刺激が足らなかった事もある。
武田さんは、元々大学でラグビーをやっていたらしい。
卒業後、家業の酒屋を継いだ矢先に、今回のミサイルだ。
ただ一人の家族だった父はそのせいで亡くなったという。
僕等は人事ながら身に詰まる思いだった。
瑞江はハンカチで武田さんの涙を拭いてやる。
その姿がまるで兄弟の様にもみえたので指摘すると、二人は笑った。
「そりゃあいいね」


翌日、僕らは手分けして食料を調達に行く事にした。
武田さんの情報で、僕はこの近くにコンビニがある事を聞いていた。
見つけた段階では暗くて様子が分からなかった為、後で探してみるつもりだったらしい。
すぐにそのコンビニは見つかった。
道端に落ちていた割と大きめな石を選び、ガラスを割って進入する。
残念ながら陳列棚にはすでに何もなかった。
閉店するよていだったのかもしれない。
が運良く、倉庫で大量の缶詰がダンボール詰めにされて置いているのを発見した。
全ては持ち運べない、とりあえず箱を一つ開け、持ってきたゴミ袋に入る限り詰め込んだ。
二人の喜ぶ顔が目に浮かぶ、僕は軽やかに待ち合わせ場所へと向かった。

だが、待ちわせ場所に来ても二人はなかなか帰ってこなかった。
不安を感じ、とにかく周辺を探す事に決めた。
行き違いにならない様、その旨を記したメモを残しておいた。
呼び声を上げるかどうか考えながら歩いていると、どこからか声が聞こえてきた。
僕はその聞こえてくるその小さな声を頼りに向かう。
近付く度、段々と声が大きくなるのが分かる。
それは女の子の声。悲鳴を上げている様にも聞こえる。
声は、少し離れた一軒屋から聞こえてきた。
窓からそっと中を見渡す。
そして驚く。思わず声を出しそうになり、慌てて口を押さえる。
瑞江が武田さんに犯されていた。


武田さんのそれは僕の倍以上の大きさだった。
結合部はぬらぬらと濡れている。
ここまで聞こえる程、大きな音を立てて、挿入を繰り返している。
武田さんは力任せに、様々な角度から、瑞江の体を動かしていた。
相手に気遣いの無い一方的なセックス。
それでも、すでに身を任せたままでいる瑞江は紅潮し、うっとりとした表情を浮べている。
余程感じているのだろう。
そのうち、瑞江の声がより艶やかに変わり始める。
声に合わせる様、急激に動きが早くなった。
より強く、より深く押し込む様に。
間髪入れずに武田さんは、結合部から見える程盛大に射精した。
瑞江はそれを全て受け止めながら、小刻みに震えていた。同時に達したのだろうか。
しかし武田さんは、それだけでは満足できないのか再び動き始める。
最早瑞江は遠慮なく嬌声を上げていた。
僕は最早見ていられないと思い、耳を塞ぎ目を閉じて、窓の下に蹲っていた。


しばらく経ち、辺りは静かになっていた。
再び窓から、中の様子を覗いてみる。
すでに何回戦か終了したのか、二人は荒い息を立てていた。
厚い胸板に寄り添うように瑞江は寝そべっていた。
武田さんは満足そうに瑞江の尻を撫で回す。
その時、丁度僕と目が合った。
にやりといやらしい笑みを浮べる。
こっちへ来い、そう言っている様に見えた。
僕は礼儀正しく、玄関から入り、異様な熱気に包まれた部屋へと向かう。
武田さんと水子は嘲る様な笑みで僕を見つめていた。
最初に声を出したのは、瑞江だった。
「凄いんだよ、武田さん」
愛おしげに胸板に頬擦りをする。
「さっき押し倒されちゃって、無理やり犯されたの。しかもあんまり大きいから最初は苦しかったんだけど、その内だんだん気持ちよくなってね。
 何度もイっちゃったー」
満くんとは大違いだね、と微笑む。武田さんは続けて言う。
「そういう訳だ。今日からは瑞江は俺の物だからな。満、分かったな」
僕は口惜しげに唇を噛んだ。
怒りのまま殴りかかっても逆に半殺しにされるだけだ。
起き上がった武田さんは僕が持ってきた缶詰を見ると
よくやったとばかりに頭を撫でた。
さすがの僕も我慢できず、その手を払う。
面白そうに僕を見ていたが、ゆっくりと正面に体を動かす。
そしていきなり思い切り殴り飛ばされた。
一気に意識が白くなる。
情け無いことに、僕はその一撃で気を失ってしまった。

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