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幼馴染み真由美 1

「ほら、何やってんの!試合が終わっちゃうじゃない!」
「はぁはぁ、まだ大丈夫だって…始まったばかりだよ」
まったく、俺…何やってんだ?
今日は休日だというのに、すでに物凄く人が集まる学校のグラウンドへと走らされていたんだ。

「何を言ってるの!先輩の活躍を見逃したらどうするの!」
この目の前を先に走る彼女の付き添いでな…正直俺の方は全く興味が無いというのに、
ただ幼馴染というだけで無理矢理に叩き起こされ、ここまで引っ張ってこられたわけさ。

「キャァァァァ────────!!!」

突然に黄色い歓声が学校周辺にまで響く程に上がった、
見ればグラウンドに居る大半の女性陣が、中央へと大きく手を振って浮かれてるじゃないか。
「ウソッ!先に行くわよ駿!」
「あっ、待てよ真由美!!」
だが俺よりも遥かに足の速い彼女は、その人の集まりの中に強引に突入していき、
人壁に囲まれ行われてるサッカーの試合を、無理矢理に前の方で見るのだった。
あのお目当ての男の活躍を見る為だけに…
「きゃぁぁぁ!!!飛鳥先輩!!」
「三点目よ!!」
どうやらこの黄色い歓声は、たった今ハットトリックを決めた我が校のサッカー部部長で、
学校の女子の中で一番人気の男である、飛鳥先輩へと送られた歓声だったようだ。
この運動神経抜群で学力もある先輩は、彼女達の憧れの的だったわけだ。
しかも意外と男連中にもウケがいいらしい…

その試合の後…俺は真由美に理不尽な文句を言われまくっていた。
「もう!あんたの寝坊せいで先輩の活躍を見逃したじゃない!」
「んな事を言われてもなぁたった開始5分で、ハットトリックを決めるなんて思わないよ!」
ちなみに飛鳥先輩はこの試合で、前半だけで1点もゴールを決め、
グラウンドの観客を沸かしていたんだ、あとの後半は後ろに下がって守備に専念してたけどな。
おかげで五月蝿くてたまらなかったっけ…まだ耳の中が黄色い歓声で痺れてる気がするし。
「はぁ…でも、格好良かったな先輩…」
すっかり目がハートマークになってるようだな、しかしこいつがこんなに乙女モードになるなんて…
少し前…いや普段のこいつを見てる俺としては信じられない姿だよ。
『瀬戸 真由美』それが彼女の名前だ、俺…「銃島 駿」の小学校時代からの幼馴染でな、
こいつには昔は男勝りの我侭なガキ大将ぶりに泣かされてたよ…今もか?
しかも空手を習ってて力でも勝てずにいた彼女は、周囲の女連中にもてられまくっていて、
だからきっとまったく男に興味ない奴だと思ってた程だよ。
まぁ外見は小柄でポニーテールの髪型も似合っているし、こう顔も含め可愛いんだが…
ただ胸とか尻とか、出るとこは出てなくて…
口も悪いから正直マニアな趣味の男でないと言い寄ってこない奴だな。
そんな彼女が、この学校に入学して出会ったあの先輩に一目惚れしてしまったんだよ。
あれは驚きだった…初めてこいつが女だと知った気分だったから。
「んっ、なんか私の悪口を思わなかった?」
「い、嫌…そんな事は何も思ってないようん」
「本当?声に出してたら回し蹴りをくらわしてあげてたのにね」
「え、遠慮します!」
ただそんなこいつ…真由美の事が、俺は好きだった…

そんな俺にとっての幸運は…その真由美が惚れた男が、
如何にも雲の上の存在だったって事だ。


すでにファンクラブまである先輩には、真由美が幾ら努力しても勝てないような、
この学校…いや周囲の学校に先生!さらにOLに主婦までと、
出るとこ出てるモデルのような美人らに言い寄ってきてるらしいんだ。
だから今日みたいに真由美は、その恋心を胸に秘めて、
ただ好きな男の追っかけをしているしか無かったわけさ。
本人もそれで満足してる、ただ憧れの先輩…彼を見ているだけで、
それ以上にならないと分かってるんだ。
だからこそ俺には彼女の心を射止める隙は十分にあった…

何故こうも昔から殴られ蹴られ、プロレス技の実験台にされても、彼女の傍に居続けたのか、
それは俺が真由美の事を好きだったからできた事なんだ…
貧弱だった幼い頃に抱いた強い彼女への憧れが、いつしか恋心になってたみたいでさ。
例え今は真由美の心の眼差しは、雲の上の男に向けられても…
俺は諦めずに彼女の傍にい続けてる。
奴は三年…その内に学校から去るだろう、後には傷心の彼女が残される、
その機会を狙えば十分に真由美の心は俺に向けられると思うしな。
とても不謹慎な考えだが、それが順当なとこだと思った…この時は。

入学して数月が経過し、先輩と出会ってから真由美は少し変わった…
前は女なのに身なりには、特にこだわらない性格だったんだ、
私服のときは汚れてもいいような動きやすい質素な服を選び、スカートすら履いてなかった。
だが最近は随分と女らしく身なりに拘ってる、女友達にでも選んでもらったのか、
とても可愛らしい服装になって、短めのスカートまで履いて…
薄くだが化粧までしてるようにも思える。
「ねぇ駿…どうかな、コレ?」
「えっ…あぁ、可愛い…似合ってるよ」
「そ、そう!あはは…ちょっと自分では分からなくて」
その身なりを、まず見せるのは俺にだった…きっと慣れてない事だから、
その手の服を着ても、本人には判別が無理なんだろ。
男の目から見て、どんな感想を持つか心配らしいな。
もちろん本当に見せたいのは、別の…あの先輩になんだろうが。
「まぁ、馬子にも衣装ってやつか?……うがぁ!!」
だからつい余計な一言を言って、蹴られる事もしばしばあったよ。

だけど…本当に日が経つ毎に真由美は色気を増していった気がした。
近くに居るから分かる…時々に胸をドキッとさせる表情や仕草をしてたから。
恋は女を綺麗にさせる…どっかでそんな言葉を聞いたっけな、これがそうだろうか?
艶っぽい吐息まで、あの乱暴な口調を吐いてた口から漏れる時もあるし…
なんだか少し複雑な気持ちだ…好きな彼女を女として目覚めさせてるのは、
俺じゃない、別の男なんだから…
そんな事を思い、心に影を残してたある日の事だった…
それは本当にたまたまだったんだ、先生に頼まれて授業に使った器材を倉庫に運んでた帰りに、
近道だと運動部部室の後ろを歩いてたんだが、ふと…知ってる声が聞こえてきて、
気になったから声の聞こえた方を見たんだ、するとそこにはサッカー部の部室の窓があった。
夏も近づき暑い日々だというのに、中からカーテンで覆ってるようだが…怪しいな、おや?
よく見ればカーテンは完全に閉まらず、中の様子が少し見えてる…
今は周りには誰も居ないな…だからよ、チャンスとばかりに俺は妙な好奇心を抱き、
この隙間の覗いたわけだった…
幸い内側では電気を付けてたから、中の様子がよく分かる…って!?

「……えっ!?」

お、俺は見てしまった…この信じられない光景を!
それは真由美が飛鳥先輩に抱きしめられてる現場だった!


さっき聞こえたのは真由美の声だったのかよ!?でもどういう事だ…なんで!
「先輩…」
彼女の声が窓越しに聞こえてくる…凄く艶の篭った甘い声色だった。
近くに居て十数年…こんな声色は初めて聞いたよ。
しかもあんなに恍惚した表情で男に抱きしめられて!
とても幸せそうな彼女を見て、俺の胸は激しく痛んだ…
でも信じられない、そんなまさか…あの先輩が真由美を!
真由美にとっての憧れの先輩だとは知ってたが、幾らなんでも雲の上の存在だろうと、
こんな展開に大して危惧してなかったが…
「いいよね、今日も…」
「はい…」
すると真由美は自分の手で、着ていた制服を脱ぎ始めた…おい、まさか!
一枚一枚、恥ずかしそうにしながらに制服を上も下も脱いでいく、
徐々に下着姿になり、その下着すら…真っ赤な顔して恥じらい脱ぎ取っている!!
俺は初めて見た…いや、昔の子供の頃なら見た事はあるが、
今とは全然に違ってる…幾ら貧相な身体でも、女は女…
真由美の乳房は、僅かだが膨らみを見せて、先には綺麗な桃色の突起も勃ってる。
そして…昔でも見たことのない、股の秘所…アソコも晒させてた。
「あんっ…」
「ふふ、もう濡れてるね真由美ちゃんのおまんこ」
「あんっ…恥ずかしいです先輩」
薄く陰毛の生えた股間部…その中央には赤く充血させ濡れ輝かすワレメ、
下の唇が…アソコが見えてる!
ドキドキしてくる…あんなのだったのか、女の子の…
そして真由美のアソコは!
ここまでして、俺はこの後の光景を安易に想像できてた…やだ、そんなの見たくない!
これは真由美の、俺にとっての大切な人が望んでた光景だろう…
だが他の男に抱かれ深く結ばれる好きな子を見るのは辛かった。
畜生…だから覗くのを止めて、今すぐにこの場から離れたかった…でも足が動かないんだ!
俺の男の本能が、これから見られるであろう淫靡な光景を待ち望んでいるからか…
情けない…情けなさ過ぎるぞ駿!!
「じゃあ、いつものしてくれるかい?」
「はい…わかりました」
真由美は急に目を閉ざす、すると先輩は何か黒い布を取り出すんだ、
何をするつもりだと思ってると、なんとそれで目元を覆い縛り真由美に目隠しをしたんだ!
何てマニアックな事を…そんな風にして楽しむ仲にすでになってたのかよ。
「どうだい…目を開けても真っ暗闇だろ?」
「はい…何も見えません…あんっ」
真由美の口から荒い息使いが混じりだす、興奮してるのか目隠しに…?
すると飛鳥先輩は満足そうに微笑み、その真由美を抱きしめ…

………無い!?

先輩は静かに、少し離れた場所に置かれた椅子に座ったんだ、するとだ…
「!?」
部室内には二分してたカーテンがあったのだが、
突然にそれが静かに開き複数の男子が入ってきたんだ!
先輩は彼らに手で合図する、するとその中の男達で一番に醜い顔した奴が、
我先にと静かに…それでいて激しく目隠ししてる真由美に迫ってきた!
「んっ!んぐぅぅ!!!」
そして男は…キスしやがった!太った男の分厚い唇が真由美の唇に重なる、
しかも閉ざす口を開かせて、同じく分厚い舌を捻じ込み、舌同士を絡ませていくのだ。
なのに真由美は頬を染め…恥ずかしがりつつ喜んでた。


自分からも舌を動かせ、男の唾液がたっぷりと付着させる気持ち悪い軟体と、
幾度も絡ませ舐めあい…ドロドロの唾液を流し込まれていく!
「んんん!!」
「真由美ちゃんの唇…柔らかいね」
「あぁ先輩…」
当然に、飛鳥先輩は真由美にキスなんてしてない、ただニヤニヤして眺めてるだけだった。
そう…真由美は気付いてない、他の男が部屋に居て、そっちとキスされてるなんて!
彼女は憧れの先輩とキスを堪能してると思ってるに違いないのだ!
「はぁはぁ…かなり濡れてきたね、そろそろ挿入するよ、いいね」
「あんっ…は…はい、来てください…あっ!」
嘘だろ…それは止めろよ!真由美…気付け、それは先輩のじゃ!

ズブッ…ズブゥゥ!!

「あぁぁぁん!!!あぁ…くる…奥に!!」
そんな俺の心の叫びも空しく、真由美の中に大きく醜い肉棒が挿入されていく…
それは同じく先輩の物じゃない、この豚のような醜い大男の代物だ!
なのに真由美は盛大に歓喜の喘ぎを口から漏らしつつ、
その一物を受け入れ悶えてた…しかもアソコからたっぷり蜜を零して。
「あぁぁ!!あんっ!いい…気持ちいい!!」
「よく締まるよふぅ、気持ちいい…最高だよ真由美ちゃん」
飛鳥先輩は、まるで本当にそんな気分にでもなってるように演技して、
囁き続ける…そんなの知らない、体感してないくせに!
だが真由美は違う、先輩が自分の体で気持ち良くなってると思い込み、
幸せな気分になっていくのだ、そしてますます激しく悶えていく…
腰をやらしく動かし、きっと名も姿も知らない男のを貪っていくのだ!
俺は別の意味でもショックを受けてた…全然に男と交わって辛そうにしてない真由美、
それはつまり…当の昔に彼女の純潔は散らされていたという事だろう。
それが先輩の手のなのか、それとも今のように…
「あぁぁ!!あんっ!先輩先輩ぃぃ!!飛鳥先輩ぃぃぃ!!」
俺の耳に愛しの相手を呼び叫び、快楽を堪能する好きな女子の喘ぎ声が響いてくる…
辛い、辛過ぎる…なのに俺はただ見てるだけしかなかった。
この現場を止め様ともせず、ただ眺めてるだけだ!!
まだ、この目の前の光景が、真由美を先輩が抱いてるというなら、
失恋だと…仕方ないと納得できるかもしれない、
だが…騙され違う好きでもない男に抱かれてるなら話は別だ!そうだろ…惨めじゃないか!!
あんなに生まれて初めて男を好きになったというのに…やっと女の子らしく目覚めたのに、
こんな結末はあんまりだろ!!
「あぁ…好き、先輩…あぁぁ!!!!」
そうとも知らず、彼女は淫らな姿で醜い肉棒によがり喘ぐ、
すると男は何か手で先輩に合図してきたんだ、
先輩は微笑し、静かに歩み近づき…真由美の耳元に囁く。
「うっ…そろそろ出すよ」
「あ…あの…」
「ちゃんと飲んでるんだろ?じゃあいいよね…中で」
「は、はい…出して下さい!あ、あんっ!!」
中…おい待て!まさか…
先輩は男に目で合図する、するとより激しく自分の分身を、真由美のアソコ…
胎内に突っ込み入れてゆき…そして放ったのだった!

ドブゥゥゥ!!

「あぁあぁぁぁ──────────!!」
男が大柄の体を震わすと、真由美もまた震えて行く…終わったのか?
つまり出されたのか…中で!


「熱い…先輩のが入ってくる…」
「良かったよ、真由美ちゃん…ふふ」
身体を痙攣させる真由美は、満足した表情で果てていた…
そして彼女のアソコからは、白い粘ったのが溢れてくる。
やはり膣内射精をされたのだ、この醜い男の子種を注がれてしまったのだ…
俺は血の気が引く思いだった…もしもこれで真由美が身篭ったら!
だがそういえば、先輩は言ってたよな…あれを飲んでるかって?
そうだつまり…ちゃんと避妊薬は飲ませてるんだ、
さすがに孕ますのはマズイと判断したのか、ならまだ…いや、単に最悪の最悪じゃないだけか。
この最悪さは変わらない…俺は、どうすれば!
やがて男は満足した表情で後ろに下がった、すると今度は別の細い体型の男が真由美に近づく!
その下半身は、すでに勃起させたのを晒してた…まさか!!
「さぁ続けて、するよ」
「あぁ、またイったばかりなのに!あぁぅ!!」
なんて事だ、今度は別の男のが、まだ白濁液を零す箇所の中へ入っていった…
アソコに違う男性の肉棒を銜え込み、また悶えだす真由美、甲高く喘いで…そして

ドブゥゥゥ!!!

結局…その後の彼女は、その先輩以外の数人のを胎内に注ぎ終わるまで、
何度も交わり絶頂を繰り返していった…
そうだよ2人だけじゃない、5・6人のを相手させられたのさ、
憧れの先輩のだと思い込んで…
「あ…あぁ…」
放心する真由美の目隠しが取られていく、すでに他の男らは外に出て行った、
ここには飛鳥先輩と真由美だけが残されてる、後は…真由美の股間から足元に伝わる、
名も知らない複数人分のの男子の精液があった。
「今日も可愛かった…最高だったよ」
「ありがとうございます先輩…ん、先輩のがこんなに…」
真由美は恍惚した表情で、その股間で溢れ垂らす男の精液を眺めてた、
微笑む彼女は…それが憧れの先輩の精子だと本気で信じてるのだ。
だがその液体に、望む男の精は一滴も混じってない…
先輩は一回も真由美を抱く事も、キスすらしなかった。
「ごめんな、毎日身体だけ欲求する真似してさ」
「いえ…先輩は忙しいもん、しょうがないですよ」
少し寂しげな表情で彼女は微笑む、先輩は申し訳ない顔をしてた…
いや、そんな表情を演技し作ってたんだ。
「だから…嬉しいです、エッチだけでも…こうして繋がりをもてて」
「ありがとう真由美ちゃん、暇になったらちゃんとデートするからさ」
「はい!」
真由美は最高の笑顔を先輩に見せた、凄く嬉しかったのだろ。
手早くハンカチで溢れる股間を拭き、そして服を着直して…
先輩に一礼すると、この部室から出て行くのだった。

結局…彼女は目隠しされてる間に、何があったか…知らずじまいだったんだ。

俺はやっとこの場から離れようと、足を動かす…糞、今更に動くのかよ!
この足は…もっと早く動けば、…何か変わったのか?
するとだ、部室内からまた話し声が聞こえてくる、
これは飛鳥先輩と…あの最初に真由美を犯した男か!
「よ、今日も良かったぜ」
「よく、毎日のように同じ女を抱けて満足できるよな、しかもあんな貧相な体のを」
「わかってないなあれがいいんだよ、わかんないかな」


よく見ると先輩は、何か何枚かの薄い紙を持ってた…お金か!?
「俺にはわからんな、一回千円の破格の値とはいえ、希望者は後を断たないし…何がいいんだか」
そう…それはお金、千円札だ…どうやらさっきの男らから取ったものらしい。
「でも彼女にはいい夢見させておけよ、憧れの男に全てを捧げたと思い込んでるんだからさ」
「本当は、こんなデブのキモオタに初めてを奪いつくされ、犯されまくってるのに…てか?」
「お前…友人とはいえ本人を前にそこまで言うか!」
「タダで楽しんでおきながら、よく言うぜ…まぁいいけどな、せいぜい演技を頑張るよ」
な、なんだと…先輩は…真由美を騙し、売春をさせていたのか!
しかも千円だなんて安いお金で、それにやっぱりというか…
真由美はあの醜い奴に初めてを…初めてってどれの事だ?
くっ、想像したくない…彼女は本気で、憧れの先輩と関係を続けてると思っている、
だけどそれは間違いだった。
飛鳥先輩は、真由美に好意は一つも抱いていないんだ!!

だが、それが分かって俺に何ができる?
この後…俺は震えてる手で鞄を持って帰宅していた、さっきの事を考え込みながらに。
だってそうだろ、俺がそれを見たと彼女に伝えて信じるだろうか?
信じないさ…きっと、今の真由美は先輩を心酔してるのだから…
畜生…カメラでも持っておけば良かったか?
でも次も今日のように、覗けるポイントがあるだろうか?
今回覗けたのは偶然の、本当にたまたまなだけ…
それに今度は何時してるか分からないんだ…何にせよ色々と準備は必要のようだった。
「あれ、駿!まだ学校に居たの!」
「えっ、あ…真由美か」
歩きながら考え込んでいると、急に自分を呼ぶ声が聞こえた…それは真由美だった。
「奇遇ね、一緒に帰ろうか♪」
真由美はやったらご機嫌だった、きっと何も知らず幸せを堪能してるのだろう、
好きな男に抱かれたという幸せに…
「そ、そうだな…うん」
「どうしたの、何か暗いよね」
「そういう、真由美こそ…何だか嬉しそうだな」
「そ、そう…それはね、ウフフ…内緒!」
知ってるよ、そんな意地悪な微笑んだ表情で誤魔化さなくても、
その真実まで…だから辛いんじゃないか!

俺がやろうとしてる事…きっとそれはこの彼女の幸せの幻をぶち壊す事なんだな。
そう思うと、胸が痛いが…だが彼女を救う為でもあるんだよ、
その時がきたらわかってくれ…俺を憎んでもいい、
ただ今の先輩との関係が虚構の物だと分かってくれたらいいんだから。
だから先輩…あんたの化けの皮を、必ず剥いで見せ付けてやる!!

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