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続・さよなら明日香 その1
- 2007/05/30
- 07:46
明日香は二日酔いと激しい性行為でぐったりとして、服を着替えることもなくベッドに倒れこんだ。
目を瞑り、自分に降り掛かった現実とも覚束ないような出来事を思い起こし、
辻内に見せた自分ではないような悶え乱れた醜態に頬を染める。
明日香には辻内との性行為の生々しい感覚が、身体にも心にもしっかりと刻み込まれていた。
目を瞑り、自分に降り掛かった現実とも覚束ないような出来事を思い起こし、
辻内に見せた自分ではないような悶え乱れた醜態に頬を染める。
明日香には辻内との性行為の生々しい感覚が、身体にも心にもしっかりと刻み込まれていた。
明日香は沸々と甦る性欲に、身体が火照り、誘われるように胸を触り、陰部に触れる。
胸は張り、陰部は濡れている。
「あっ・・・」
自分の激しい性欲の目覚めに戸惑いながらも酷く興奮する。
右手で胸をまさぐり、左手で陰部をまさぐる。
しかし、突起した秘部に触れたとき、裕樹ではなく、辻内との性行為を想像している自分に愕然とする。
裕樹の顔が思い浮かび、身体の火照りは消えてしまう。
明日香は裕樹を裏切ってしまったという事実に漸く気付く。
いや、事実はわかっていても心のどこかで自分に都合のいい言葉で否定していた。
「・・・ゆうき」
昨日は喧嘩したけど裕樹のことが嫌いなわけじゃない。裕樹のことは好き。
始めてバイトから二人で帰った日のバイクを押してくれた裕樹の優しい横顔。
人見知りをするけど、私には優しい笑顔を見せる裕樹。
明日香はハッとして慌てて携帯を鞄から取り出す。
何度も裕樹とあゆみから電話の着信がある。
メールを確認すると裕樹から一通、あゆみからも一通受信していた。
「明日香、今日はごめん。明日香の不安な気持ちわかってあげられなくて。
もう一度、明日香と将来の事を真剣に考えたい」
裕樹のメールを受信したのは昨日の午後9時、ちょうど辻内とお酒を飲んでいた時間。
明日香は裕樹のメールに手が震える。
裕樹の明日香を真摯に思う気持ちが、自分のしてしまった事と交差し胸を苦しめる。
「ゆうき・・・ごめんね」
裕樹を裏切ってしまった明日香の瞳から涙が溢れる。
涙目で明日香はあゆみのメールを開く。そこに救いがあるかのように。
あゆみのメールは午前5時、おそらくタクシーの中で受信したのだろう。
「明日香、話があるから、このメール見たのなら今日学校の前のカフェに来て」
明日香にはどうして裕樹とあゆみから揃って電話がきたのか分からない。
それも、昨日の晩に。
もしかしたら、裕樹に私と喧嘩したことを相談されたのかも・・・
明日香はそう考えると、あゆみの悲しそうな顔が思い浮かぶ。
あゆみは私と裕樹のことずっと応援してくれているから。
明日香はあゆみに今の状況をどう伝えれば言えばいいのか分からなかった。
カフェに明日香が入るとあゆみが窓際の席に座っていた。
明日香はあゆみに近付き、「・・・あゆみ」と声を掛け、目の前に腰掛けた。
あゆみは昨日の疲れで酷い顔をしている。
「どうしたの、あゆみ、酷い顔してるよ?」
あゆみは明日香を疲れた目で見つめる。
「明日香昨日何してたの?」
あゆみの明日香に対する問いかけには自然と棘が含まれる。
「何って、どうして・・・」
「何度電話しても明日香出ないし」
「・・・うん、あのね、電源切ってたから」
「どうして」
「・・・」
「辻内と一緒にいたんでしょ」
「えっ・・・」
「××駅前に二人でいるの見たよ」
明日香は顔が引き攣る。あゆみは明日香の目をじっと見て逸らさない。
「うん、そうなんだ・・・就活の相談にのってもらってたんだ」
「・・・ほんとに、それだけ」
あゆみは悲しそうに呟く。
「うん」
「・・・昨日、あたし、裕樹と一緒に明日香のことずっと探してたんだよ」
「・・・裕樹と・・・」
「裕樹、明日香の事が心配で、必死で色んな店探して・・・
朝までずっと明日香の家の前で明日香の帰り待ってたんだよ」
あゆみは途中から涙声になる。
明日香の顔はあゆみの言葉で蒼白になる。辻内といたことが裕樹に知られてしまった。
・・・裕樹に知られた。辻内とキスしていたのも見られてしまった。
「明日香、何もなかったのよね」
あゆみは涙をながしながら懇願するように言う。
明日香は何も答えられない。
「明日香!!」
あゆみは明日香の肩を掴み激しく揺らす。
「・・・」
「明日香・・・どうして。どうしてなの。明日香そんな子だったの。
喧嘩したぐらいで、他の男と直ぐに寝ちゃうような女だったの」
明日香とあゆみのただならぬ様子に周囲がざわめき出す。
「裕樹が可哀想だよ。明日香とのこと真剣に考えて、悩んで、
それでも前向いて、夢に向かって頑張ろうって・・・」
裕樹の夢、明日香は裕樹は将来の事も考えず自堕落に過しているものと思っていた。
そんな裕樹の姿にずっとイライラしていた。
でも、裕樹は将来の事をちゃんと考えていたんだ。
「明日香・・・」
あゆみは最後の言葉を飲み込み立ち上がる。
「あ・・・あゆみ」
あゆみは悲しそうに明日香を見下ろすと、何も言わず立ち去った。
明日香は目の前から大切な光りが消えたように感じる。
昨日裕樹と喧嘩して、もうダメだ別れようと考えたのは事実だけど、
それは頭の中で考えていただけだった。
一時の迷いで本当に別れたかったんじゃない。
その事に漸く気付く。
「ゆうき・・・」
明日香はその場で俯き涙を流した。
裕樹の携帯に今の気分とは不似合いな軽快な着信音が鳴る。
あゆみからだ。
「もしもし」
「もしもし、裕樹・・・大丈夫?」
「うん大丈夫、昨日はありがとう」
「うん」
「・・・」
[・・・」
「ねぇ、今日遊ばない?」
あゆみの声が無理に明るくなる。
「・・・」
「ねぇ、おいしい店あるんだけど、一人じゃ行きにくいから・・・ねっ」
心が折れそうになっていた裕樹には、あゆみの優しさが嬉しかった。
「・・・わかった」
「よかった。それじゃあ××駅前で待ってるね」
「あゆみ、もしかしてもう駅前にいるの?」
電話越しに街の喧噪が聞こえる。
「うん、そうなんだ」
「それ、早く言えよ。直ぐに行くから」
「うん、待ってる」
「あゆみ?」
「・・・裕樹」
グラスを傾け、あゆみは力なく笑う。
「今日はあゆみがおれを励ましてくれるんだろ」
「はは、そうだよね」
「そうだろ、なんかあゆみらしくないよ」
あゆみは店内の薄明かり越しに見える裕樹の強がりが痛い。
今日は滅茶苦茶飲んで元気づけようと思っていたが、いざ裕樹を目の前にすると言葉が出て来ない。
「・・・裕樹、どれぐらい明日香の家の前で待ってたの?」
裕樹の脳裏に明日香が知らない男とキスをしている姿が否応無しに甦る。
「朝までかな・・・」
「・・・そう」
「・・・明け方、明日香がタクシーで帰ってきて、そこで、知らない男とキスしてた」
裕樹はそう素っ気無く言ったが、口元が震え、目尻がうっすらと濡れている。
「・・・裕樹」
「俺、振られちゃったみたいだな」
裕樹は頭を掻いて、下手な笑顔を見せる。
「・・・」
あゆみは裕樹の強がる姿に涙がでそうになるが、ここでは泣けないんだと必死で堪える。
「・・・裕樹・・・。あたし裕樹のいいところいっぱい知ってるよ」
「いきなりどうしたの?俺は大丈夫だから」
裕樹は照れくさそうに笑う。
「ううん、違うの。あたし裕樹と明日香のこと一番近くで見てきた。
裕樹の夢聞いて、いいなって思ってた。
裕樹は肝心な所で、頼り無いところがあるけど頑張れって・・・
そして、二人が幸せになって欲しいって・・・。
でも私、いつからか裕樹のことが好きになってた・・・。
・・・だから裕樹の苦しんでるの見てるの辛いよ」
あゆみはそう言うと堪えていた涙が一雫こぼれ落ちる。
すると、堰を切ったように涙が溢れ出る。
胸は張り、陰部は濡れている。
「あっ・・・」
自分の激しい性欲の目覚めに戸惑いながらも酷く興奮する。
右手で胸をまさぐり、左手で陰部をまさぐる。
しかし、突起した秘部に触れたとき、裕樹ではなく、辻内との性行為を想像している自分に愕然とする。
裕樹の顔が思い浮かび、身体の火照りは消えてしまう。
明日香は裕樹を裏切ってしまったという事実に漸く気付く。
いや、事実はわかっていても心のどこかで自分に都合のいい言葉で否定していた。
「・・・ゆうき」
昨日は喧嘩したけど裕樹のことが嫌いなわけじゃない。裕樹のことは好き。
始めてバイトから二人で帰った日のバイクを押してくれた裕樹の優しい横顔。
人見知りをするけど、私には優しい笑顔を見せる裕樹。
明日香はハッとして慌てて携帯を鞄から取り出す。
何度も裕樹とあゆみから電話の着信がある。
メールを確認すると裕樹から一通、あゆみからも一通受信していた。
「明日香、今日はごめん。明日香の不安な気持ちわかってあげられなくて。
もう一度、明日香と将来の事を真剣に考えたい」
裕樹のメールを受信したのは昨日の午後9時、ちょうど辻内とお酒を飲んでいた時間。
明日香は裕樹のメールに手が震える。
裕樹の明日香を真摯に思う気持ちが、自分のしてしまった事と交差し胸を苦しめる。
「ゆうき・・・ごめんね」
裕樹を裏切ってしまった明日香の瞳から涙が溢れる。
涙目で明日香はあゆみのメールを開く。そこに救いがあるかのように。
あゆみのメールは午前5時、おそらくタクシーの中で受信したのだろう。
「明日香、話があるから、このメール見たのなら今日学校の前のカフェに来て」
明日香にはどうして裕樹とあゆみから揃って電話がきたのか分からない。
それも、昨日の晩に。
もしかしたら、裕樹に私と喧嘩したことを相談されたのかも・・・
明日香はそう考えると、あゆみの悲しそうな顔が思い浮かぶ。
あゆみは私と裕樹のことずっと応援してくれているから。
明日香はあゆみに今の状況をどう伝えれば言えばいいのか分からなかった。
カフェに明日香が入るとあゆみが窓際の席に座っていた。
明日香はあゆみに近付き、「・・・あゆみ」と声を掛け、目の前に腰掛けた。
あゆみは昨日の疲れで酷い顔をしている。
「どうしたの、あゆみ、酷い顔してるよ?」
あゆみは明日香を疲れた目で見つめる。
「明日香昨日何してたの?」
あゆみの明日香に対する問いかけには自然と棘が含まれる。
「何って、どうして・・・」
「何度電話しても明日香出ないし」
「・・・うん、あのね、電源切ってたから」
「どうして」
「・・・」
「辻内と一緒にいたんでしょ」
「えっ・・・」
「××駅前に二人でいるの見たよ」
明日香は顔が引き攣る。あゆみは明日香の目をじっと見て逸らさない。
「うん、そうなんだ・・・就活の相談にのってもらってたんだ」
「・・・ほんとに、それだけ」
あゆみは悲しそうに呟く。
「うん」
「・・・昨日、あたし、裕樹と一緒に明日香のことずっと探してたんだよ」
「・・・裕樹と・・・」
「裕樹、明日香の事が心配で、必死で色んな店探して・・・
朝までずっと明日香の家の前で明日香の帰り待ってたんだよ」
あゆみは途中から涙声になる。
明日香の顔はあゆみの言葉で蒼白になる。辻内といたことが裕樹に知られてしまった。
・・・裕樹に知られた。辻内とキスしていたのも見られてしまった。
「明日香、何もなかったのよね」
あゆみは涙をながしながら懇願するように言う。
明日香は何も答えられない。
「明日香!!」
あゆみは明日香の肩を掴み激しく揺らす。
「・・・」
「明日香・・・どうして。どうしてなの。明日香そんな子だったの。
喧嘩したぐらいで、他の男と直ぐに寝ちゃうような女だったの」
明日香とあゆみのただならぬ様子に周囲がざわめき出す。
「裕樹が可哀想だよ。明日香とのこと真剣に考えて、悩んで、
それでも前向いて、夢に向かって頑張ろうって・・・」
裕樹の夢、明日香は裕樹は将来の事も考えず自堕落に過しているものと思っていた。
そんな裕樹の姿にずっとイライラしていた。
でも、裕樹は将来の事をちゃんと考えていたんだ。
「明日香・・・」
あゆみは最後の言葉を飲み込み立ち上がる。
「あ・・・あゆみ」
あゆみは悲しそうに明日香を見下ろすと、何も言わず立ち去った。
明日香は目の前から大切な光りが消えたように感じる。
昨日裕樹と喧嘩して、もうダメだ別れようと考えたのは事実だけど、
それは頭の中で考えていただけだった。
一時の迷いで本当に別れたかったんじゃない。
その事に漸く気付く。
「ゆうき・・・」
明日香はその場で俯き涙を流した。
裕樹の携帯に今の気分とは不似合いな軽快な着信音が鳴る。
あゆみからだ。
「もしもし」
「もしもし、裕樹・・・大丈夫?」
「うん大丈夫、昨日はありがとう」
「うん」
「・・・」
[・・・」
「ねぇ、今日遊ばない?」
あゆみの声が無理に明るくなる。
「・・・」
「ねぇ、おいしい店あるんだけど、一人じゃ行きにくいから・・・ねっ」
心が折れそうになっていた裕樹には、あゆみの優しさが嬉しかった。
「・・・わかった」
「よかった。それじゃあ××駅前で待ってるね」
「あゆみ、もしかしてもう駅前にいるの?」
電話越しに街の喧噪が聞こえる。
「うん、そうなんだ」
「それ、早く言えよ。直ぐに行くから」
「うん、待ってる」
「あゆみ?」
「・・・裕樹」
グラスを傾け、あゆみは力なく笑う。
「今日はあゆみがおれを励ましてくれるんだろ」
「はは、そうだよね」
「そうだろ、なんかあゆみらしくないよ」
あゆみは店内の薄明かり越しに見える裕樹の強がりが痛い。
今日は滅茶苦茶飲んで元気づけようと思っていたが、いざ裕樹を目の前にすると言葉が出て来ない。
「・・・裕樹、どれぐらい明日香の家の前で待ってたの?」
裕樹の脳裏に明日香が知らない男とキスをしている姿が否応無しに甦る。
「朝までかな・・・」
「・・・そう」
「・・・明け方、明日香がタクシーで帰ってきて、そこで、知らない男とキスしてた」
裕樹はそう素っ気無く言ったが、口元が震え、目尻がうっすらと濡れている。
「・・・裕樹」
「俺、振られちゃったみたいだな」
裕樹は頭を掻いて、下手な笑顔を見せる。
「・・・」
あゆみは裕樹の強がる姿に涙がでそうになるが、ここでは泣けないんだと必死で堪える。
「・・・裕樹・・・。あたし裕樹のいいところいっぱい知ってるよ」
「いきなりどうしたの?俺は大丈夫だから」
裕樹は照れくさそうに笑う。
「ううん、違うの。あたし裕樹と明日香のこと一番近くで見てきた。
裕樹の夢聞いて、いいなって思ってた。
裕樹は肝心な所で、頼り無いところがあるけど頑張れって・・・
そして、二人が幸せになって欲しいって・・・。
でも私、いつからか裕樹のことが好きになってた・・・。
・・・だから裕樹の苦しんでるの見てるの辛いよ」
あゆみはそう言うと堪えていた涙が一雫こぼれ落ちる。
すると、堰を切ったように涙が溢れ出る。