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メイドさん 白編(純愛) その3

理音の体は毎晩のように親父に犯されているというのに、
透き通るように綺麗で甘い匂いを漂わす肌だし、
秘所も可憐な花弁で…蜜を零してたから、今もそれが零れてる…。
互いにしばらく放心してた、だけどそれはいつまでも続くわけじゃない、
僕は抱いてしまった彼女に次にどう声をかえたらいいか悩んでた。
だって告げたからだ…この想いを、すると先に口を開いたのは彼女の方だったんだ!
「悟様…私の事を全てお話します」
そして彼女は語った…何故この屋敷で働く事になったのか、
どうして親父に毎晩のように抱かれていたのかを…
ただぼくは彼女の語る昔話を静かに、そして集中して聞いていた。

理音の実家は、小さな工場を経営してたらしい…だがその工場経営は不景気の為に、
徐々に業績が悪化し、いつしか大量の借金を背負う事になったんだ。
しかもその借金した先が、悪質な金貸しだったので事態は益々悪くなる、
やがて工場は倒産したが借金の激しい取立てが続き、
彼女の父親は耐え切れなくなって…自殺したのだ。
残された母親は必死に働き、借金返済と幼い彼女を養ってたそうだ、
だが無理な体の酷使の為に、体を壊し…病院に入院する事になったという。
そして彼女一人が残された…そんな理音の前に現れたのが親父だったんだ!
「それが…この屋敷に雇われる条件だったのです」
親父は、まだランドセルを背負ってる頃な年頃の時に、そういう目的で連れてきたのだった。
彼女は病気の親の為に親父の勧誘にのったそうだ…体を欲求されるのを覚悟で。
もし親父の誘いを断っていても、きっと悪質な金貸しどもによって、
その手の商売をする店に働かせていたのだから、結果はこっちの方がマシだったと彼女は言ったよ。
「これが私なんです…悟様が思ってるような清らかな相応しい女性じゃありません」
彼女は微笑んだ…とても寂しそうな瞳をしながらに。
「私は…お金の為に身体を売るような、卑しい人物なんですよ」
「いいよ、それでも…」
「悟様!」
僕は彼女を抱きしめた、今度は性的な目的じゃなく、
愛情を伝える為に、好意の気持ちを伝える為にだった。
「好きなんだ…だから、これからもそのつもりで僕は抱く」
「…ですが私…」
「ご主人様命令だ、拒むのは許さない…それでいいね」
「はい…」
これは彼女の気持ちなど無視した一方的な僕の気持ちの押し付けだ…
それは分かってる…はたして彼女は僕の事を愛してくれるだろうか?
その答えを聞くことなく、僕は抱き続けた…その日からずっと!

関係を持って数日後…親父と一緒の食事中に、
僕は意を決し…ついに言い放ってやった。
「親父…俺、彼女と寝たよ」
「……そうか」
ずいぶん呆気なかった…これは宣戦布告のつもりだったが、親父は軽く受け流したんだ、
親父にとって彼女は何人もいる内の性欲発散相手の一人に過ぎなかったというわけか、
僕はそう思って内心憤慨してた…だけど食事が終わり、席を立とうとすると。


「私は…彼女を愛している」
「えっ?」
あまりにも突然な返答だった…唖然としてしまう程に!
だけど親父は言葉を続けた。
「彼女が私をどう思ってるかは知らん…だが私は愛してる、出会ったときからずっとな」
親父は語った…その胸に宿した想いを。
「お前は知らんだろうがな…あの子の瞳、あやつ…母にそっくりなのだ」
「母さんに!?」
「そうだ…妻に先立たれた私は、妻の面影が重なった少女に偶然に出会い…そして調べさせたのだ」
その後に、彼女の家の不幸を知った親父は、住み込みで高給の仕事を…
つまりうちの使用人としての仕事を紹介し、この屋敷に…親父の下へと呼び寄せたのだ。
「で、接する内に…我慢できず抱いたわけか」
「ま、まぁな」
顔を赤らめ、自分の邪な欲求を歳も考えず、娘のような年齢どころか、
子供の彼女にぶつけてしまったのを恥じていた。
「言っとくがな、私は…彼女が立派に成人として成長を遂げた時、結婚を考えてたのだよ」
「な、何!?」
それは衝撃的な発言だ!結婚だって…親父と理音が!!
「ふっ…だがお前でも良かろう、私はただ彼女を幸せにさせたいだけなのだから」
きっと親父は、正式に我が家の一員とする事で、彼女を金に不自由の無い生活をさせてやろうと…
幸福な生き方をさせてやろうと狙ったのだろう。
「ぼ、僕だって!彼女を幸せにしたいんだ!!」
「なら勝負だな…その時、私とお前…どっちを彼女が選ぶか」
「ああ、勝負だぜ親父」
僕と親父は誓った…それぞれ共に愛した女の為に。
それゆえだろうか、その日から僕達は競うように彼女を抱き続けたのだった。

そんな日が続き数ヶ月経った頃の事だ、予想しなかった出来事が起こった!
「うっ…」
僕に、いつものように紅茶を入れてくれた彼女だが…急に床にしゃがみこんだんだ。
何事かと思うと…妙に熱ぽく、吐き気を我慢してたようだ…
急いで医者に見せた、すると…判明したんだよ!その原因が…

彼女は…妊娠していた。

僕は取り乱す程に驚かされてた、いつ避妊に失敗したのか、それとも親父が…
とにかくつわりが酷くなってた、この時…もう。ぽっこり腹部が膨らんでたわけさ。


今に思えば、この数ヶ月…体調を崩したりと様子がおかしかったかもしれない。
風邪だろ思い込んでたがつわりだったのか…
毎晩と交わってたのに、全然に気付かなかった僕自身に、少し怒りさえ感じてた…
それは親父も一緒だったようだ、子供を生むに早過ぎる年齢だったしな。
とはいえ…まったく喜んでないというわけでもない、
だけどどっちの子だろう…と考えると、複雑な思いだった。

それから彼女は月日が経過する毎にお腹は膨れ、立派な妊婦の体つきに変化していく
理音はもう立派な若い妊婦となった、だがそのせいでトラブルも多いらしい。
ふと理音の可憐な肌に、痛々しい腫れ跡を見つけたんだ。
「どうしたんだい、この腫れ?」
「あ、あの…仕事でミスってしまって」
こんな風に使用人の仕事でミスも増えてきてたようだ、
彼女は休んでいればいいのに、限界まで仕事をしたいと願ったんだよ。
「大事な体なんだ…無理するなよ」
「は、はい」
それからもミスは続いてた、だけど大した怪我は無く母体は無事で、
ついに…あの日はやってくる。

「オギャァァ!オギャァァァ!!!」
彼女は出産した…彼女似の女の子を、それはとても可愛い赤子だったよ。
「実際さ、俺と親父…どっちの子なんだろうな?」
「ふふ…どっちの子か、遺伝子検査でもするか?」
「いいよ、親子なんだし分からないだろ、それに…どうでもいい事さ」
「そうだな」
理音が愛しそうに、その生まれたばかりの自分の子を抱き、
乳を与える姿を見て、新ためて誓いを胸に宿す…
彼女を幸せにするんだ…いや、彼女達を幸せにするんだ!
愛した人を…この手で!
「見よ、あの姿…まるで聖女のようだ」
「次は男の子だといいな」
「はは、頑張るしかないな私がな」
「おい!頑張るのは僕だよ!!」
そんな親子のやりとりをいつしか、彼女はこっちを見つめてた…
そして微笑んだんだ…大丈夫、彼女は幸せになる。

やがて第二子を彼女が宿すのは、遠い未来ではなかった…

【おしまい】

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