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カウンセリング -4-

「で、聡とはどうすればいいんです。アドバイスしてくださいよ。」
あたしは、恥ずかしさをごまかすためにおじさんにそう切り出した。
「うーん。ここからはちょっとまじめな話になるけどいいかな」
「どうぞ、どうぞ、そのために来たんだから」
「聡くんと仲良くなりたいのに、トラウマが原因でうまくいかないと葵くんは思ってる。
でもね、実はそうじゃないんだよ。
自分自身をコントロールするのは精神と肉体のバランスを上手くすればいいとか
よく聞くけど実はそうじゃないんだ。
うーん、今度はセクハラで訴えられたくないから聞かないけど。
精神と肉体のバランスの話をする前に、
前提として葵くんは自慰の習慣があることにして話をしよう」
「自慰?」
「そうオナニー、まあ健康な女の子なら普通してるような気がするから。
その前提で話をするね。」
あたし、美由紀先輩にそこまで話ししたっけ。
いや、まてこれは何かのブラフだ。
注意して話さないと、いやいやこの前提でだまって話を聞けば
結果的にあたしへのアドバイスになる。
いやそれだと、おじさんにオナニーの癖があのを告白してるようなもんだ。
とか、頭の中で色々考えていると、
「一般的には…」
って話を始めようとした。
「ちょっちょっと、待ってください」
って思わずあたしは、話を止めた。
「なんだい、自慰の習慣がないのかい。
それならそれで、違う話になるんだが…」
おじさんは、話を止めてそう言ってきた。
「いや、そうじゃなくって…」
ってあたしがいいあぐねていると
「わかった、わかった両方話そう。
とりあえずある場合から話するよ。いいね。」
なんかさっきまでの、じゃとっかいってた口調とは明らかに違う口調で
おじさんは話し始めた。


「一般的に精神と肉体のバランスが取れていないときに、
思いがけない行動ってのはおこしてしまうんだ。
葵くんの場合体が受け入れたくても、トラウマによって心が拒絶するか。
逆に、心が受け入れていても、体が行為を怖がって拒絶してしまうか。
どっちかだと思われることが多い。
でも、葵くんは聡くんでオナニーをしてるのだからそれは考えられない。
本当は、心も体も受け入れているのに、
フラッシュバックによって葵くん自身がそれを拒絶する。
本当は心と体ともう一つ常識、モラルそう言ったものが人を支配するんだ」
「常識、モラル?」
「そう知識と言い換えてもいい。
葵くんは何でも理論的に理解しようとしてしまう傾向がある。
だから、膝枕はOK、キスは駄目、
抱きしめられるのはいいがおしりに手を回されるのはよくない。
そういう風に自分自身で何もかもわけて考えてしまう。
大好きな彼氏の前では貞淑な自分を見せたいっていう考え方、
そういうのが良いっていう知識が、
精神や肉体あるいはその両方そう本能を支配してしまうんだ。
ダイエットとか絶対に成功するタイプだと思うよ。
その証拠に彼のいないところでは、彼をおかずにオナニーをしてしまっている」
あたしはオナニーっていうのは仮定の話ですよねって
ツッコミを入れるのも忘れて聞き入っていった。


「で、どうすればいいんです。まさか、結婚すれば解決とかじゃないですよね。先生」
「あわてない、あわてない。
じゃあ、葵くん自身の常識をただかえればいいのかっていえばそういう問題じゃない。
淫乱になったりするのは、望んでないだろう。
ボクは催眠術をかけたり、マインドコントロールしたりする技術力はないから
強制的に変化させるようなことも出来ない。
だいたい、葵くん自身がどうなりたいのかもわからない。」
「あたし自身…」
「ボクは常識のコントロールの仕方を葵くんに教えるだけだよ。
精神も肉体もコントロールできるんだ。常識を支配するのも簡単さ。」
なんかおじさんの顔が別人みたいになっていくような気がした、
なんかお医者さんか先生みたい、そうだおじさんじゃなく占いの先生だったんだ。
「時間がないから、はしょるけど、
精神や肉体あるいはその二つが融合した本能ってのは実は太古の昔から、
そう変ってきたものじゃないんだ。
でも、常識は常に変化してきた」
「変化?」
あたしは、先生 にそう聞き返した。


「ほんの150年ほど前まで、日本では夜ばいの習慣があった。
女性あるいはお嫁さんってのは村や集落共有のもので、
村の男たちは誰を抱いてもよかったし。
自分のお嫁さんも村の誰にでも抱かれた。
女性にとっては物扱いの悲しい時代だったんだね。
でも、誰ももちろん女性さえもそんな常識に疑問一つもたなかったんだ。
そうかと思えば、いまでもカトリックの原理主義が通っている地域では、
オナニーさえも罪で赤ちゃんの間にク○トリスを切り落としてしまったりする。
お嫁さんが初夜を迎える前に事故とかで死んだら、一生童貞さ」
ちょっと、あたしは股間が痛くなった。


「要するに、地域、時代、宗教その他諸々のことで常識なんて簡単に変化するのさ。
肉体の常識も一緒だよ」
えー、さわられたり弄られたりしたら感じるのは一緒じゃないの。
なんかエッチな方にしか発想のいかない自分がいる。
それを察したかのように先生が
「納得いかないみたいだね。じゃ、常識の変化について簡単な実験をしてみよう」
といってきた。
「実験?」
「いや。実験って大げさなもんじゃないよ。ごめんごめん。
葵くんはロールプレイってしってる。ドラクエとかのゲームじゃなくって」
「みんなが役になりきって、シミュレーションするってやつですよね。
コンビニでアルバイト始めるまえにさんざんやらされました。
美由紀先輩がクレーマーになったり。未成年役でエッチな本もってきたり。はは」
「だったら話が早い。ロールプレイをしながら精神と肉体の常識について考えてみよう」
「はーい」
小難しい話に退屈していたところだ。ちょっと楽しくなってきた。
「じゃあ、例えばボクが…っていったらボクはその人になりきるからね。
葵くんはボクがその人だとして応対して。
じゃあ練習ね。例えばボクがのび太くんだったら、ドラえもんの葵くんは何してくれる」
「毛が生えて、痩せて、身長が伸びる道具。後若返るにはうーん」
「はは、そうそうその調子で、出来るだけ役になりきって。
何も考えずに役になりきれたら成功だから」


「うーん、っていっても。ボクも照れ屋だから難しいな。
さっき女の子になったの質問したこと覚えている。」
「え、はい」
不意に聞かれて、すっとんきょな返事をしてしまった。
「あの時、ただのスケベそうな親父が、
好色な好奇心むき出しに聞いたと思ったから怒ったと思うんだ。
例えばボクがお医者さんで、葵くんが健康診断を受けに来た患者さんだとしよう」
「では、葵くん初潮はいつだね」
「あ、こういう状況なら抵抗ないですね」
ってあたしが答えると、先生は大きな声で
「患者は医者の質問に答える以外は、よけいな口を開かない」
って怒鳴ってきた。
思わずあたしは
「小学校6年生の時の2月、もうすぐ誕生日の12歳になる前でした」
って答えてしまった。


「正確には覚えていないのかい」
って先生が聞いてくるから、
「2月13日、次の日クラスの男子全員に配るチョコレートを作っていたら突然はじまりました。
授業で聞いていたから知っていたけど、
突然のことでパニックになり泣きながらお母さんの所に行きました。
その日の夜、赤飯たくってお母さんはいったけどバカなことしないで止めました。
級友の7割方はすでに迎えいて、ちょっと焦ってたから安心したところもありました。」
って答えた。
「ははは、正確にってのは日時のことだよ。
葵くん、当時の状況を正確にって意味じゃない。」
あたしは、口から心臓が飛び出して、顔から火が吹き出るかと思った。
「先生が、正確にっていうから…」
ほとんど半泣きになりながら抗議した。
「ごめんごめん、今のが心の常識の支配ってやつだ。続けようか」
えー、まだ続けるの。


「時間もないし、めんどくさいから。医者で続けよう。
例えばボクが婦人科の外科医として、
君はさっきの続きで定期的な癌の検診にきている患者さんとしよう。
もうエッチな質問はしないよ」
「当然です。訴えますよ。
え、きゃあ、なな、何するんですか。ア、アンッ」
いきなり先生があたしの胸を両手で鷲づかみにしてきた。
「乳ガンの触診だよ。ボクが婦人科医で触診なんだから感じないだろ。
それとも葵くんは、健康診断の時いつも感じてたのかい。へへへ」
ってスケベそうな笑いをしながっらいってきた。
「ア、アンッ、はぁ、はぁ。そ、そんなわけないです。
は、離してください。
イヤン、お、大声出しますよ。
先生。ひぃー、ふうふう」
あたしは、自分でなく人に弄られるのって、
こんなに感じるものなんだって思いながら、手を払いのけた。


「いやー、すまんすまん。でも、どうして感じてしまったかわかるかい。」
「そんなのわかるわけないです。
ほんとーに、もう今度同じことしたら、
このまま帰りに警察いきますよ。ハァ。ハァ。」
ってあたしは、興奮した心臓を押さえるように胸に手を当てながら先生にいった。
「リアルじゃないからだよ。
君の中の常識とさっきのボクの行為がシンクロしないんだ。
だから感じたのさ。
でも、おかしいな、普通この実験すると、
被験者は嫌悪感いっぱいにボクをはり倒すはずなんだけどなぁ。
どうしてだろ。」
先生は意地悪そうにあたしの目を見て笑いながらそう続けてきた。
「もー、しらないです」
ってあたしはすねた口調で先生に抗議した。


「じゃあ、再開しようか。例えばボクが婦人科医として、
葵くんが癌の定期検診に来た患者さんとしよう。」
「はい」
今度はちゃんとするんですよねぇ、先生。
「じゃあ、シャツを脱いで胸を診せてください。
中のTシャツとブラは全部脱がずに上にずらすだけでいいですから」
「先生、何いってるんですか」
「患者は、医者に意見しない」
先生は、またあたしを怖い顔で怒鳴った。
あわててあたしはシャツのボタンをはずしてちょっととまどいながらも右手から脱いで
椅子の横のサイドテーブルにそれをおいた。
「中、キャ、キャミソール何ですけど」
てあたしが聞くと、
「肩ひもはずして下にずらしてください。
で、両手でブラを上にずらしてください」
って事務的な口調で、答えてきた。
さすが先生、なれてらっしゃる。て本物の医者じゃないぞ。
で、あたしがぎこちなくあたしがキャミソールの肩ひもをはずしてブラを出して、
ブラの両方のカップを手で掴みながらくっると、胸が見えるように返すと、
「じゃあ、触診します。大きく息を吸って、吐いて、止めて」
あたしが呼吸を止めると、慣れた手つきで両方の乳房の周りを右手で、
さーとなぞり、両乳房を2,3回ずつ軽くもむと、
「はい、いいですよ。服を着てください。」
っていってきた。あたしはブラを元に戻し、
キャミソールの肩ひもを両手に通していると、先生が
「そのまま、服を着ながらでいいから。聞いて下さいね。
どうだった。感じたりした?」
「ううん。あたしは首を振った。」
確かに、全然エッチな感じはしなかった。
「ね、婦人科医が乳ガンの触診をするのなら、乳房をマッサージされても感じないんだよ。
これが常識による肉体支配、葵くんは賢いから、もう説明いらないよね。」
「はい、先生」


「今日は、もう遅いし。このぐらいにしておこう。
次回は、常識の支配についてもう少しセルフコントロールする練習をするよ」
「じ、時間」
あわててあたしは、外を見るともう真っ暗だった。
て今の実験、窓開けっ放しでやってたの、恥ずかしー。
てそれどころじゃない。
あたしは、挨拶する先生や次回の予約を聞いてくる受付のお姉さんたちをかわし、
挨拶もそこそこに先生の事務所を飛び出すしてしまった。
「11時半、先生の所に7時間半もいたのかぁ、
一緒に帰る約束してた先輩もさすがに帰ってしまったのかなあ。
声ぐらいかけても、いや、あんなとこ見られたら恥ずかしすぎるかなあ」
あたしはくらい夜道を、駅まで独り言をつぶやきながら走った。
駅について携帯の履歴をチェックすると、
7時半から15分おきに聡からのコールとメールが入っていた。
すぐに電話しないとあたしは聡に電話を使用としたが、
やっぱり気まずさとかがあってメールにした。
「聡、本当にごめん。怒られるのと言訳は明日するから、
朝10:00にサークルのボックスで待ってる。
ほんとーにごめんなさい。別に心配するような状態じゃないからね。
ごめん。明日、正座しながら怒られます。ごめん、愛してる」
ってメールを打った。
「まあ、あたしと聡のためのことなんだから」
声になるかならない声で開き直りの言訳をすると、
すぐにあたしは心の中で今日の先生との会話を復習し始めた。

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