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カウンセリング -12-


「ふーん。それで聡君から逃げてきたわけだ…」
ホテルに入ると先生はすぐにお香をつけて、
部屋の窓際にあるテーブルであたしの今日の話を聞いてくれた。
「な、なんだか…聡が怖くて…。
ていうより、だんだん聡のやってることに対して醒めてくる自分を感じたんです」
あたしは先生に顛末と自分の気持ちを包隠さず話した。
「うーん。葵くんはやっぱり潔癖なのかなあ。
そこで、上手くいけば前にも進めたかもしれないのに」
「……」
あたしは無理してまで前に進みたいわけじゃない。
そりゃあ、前に進めるに越したことはないけど…。
「とりあえず、落ち着いてから話を続けよう。シャワーを浴びてきなさい」
先生にそう即されたあたしは、バスルームに入りシャワーを浴びはじめた。
「聡…先生…聡…先生…最近のあたしなんなんだろう。
なんのために先生のとこに通っているんだろう。
あたしと聡のため…。
あたし自身のため…。
最悪の経験…最高の経験…聡とあたしの…
最悪の経験…最高の経験…あたし自身の…」
バスルームまで香ってくるお香の香りに煽られながら、
あたしはそんなことを考えていた。
シャワーの気持ちよさと眠気に意識を失いそうになりながら汗を流すと、
あたしはどうしようかと考えたが、
とりあえず下着を着けてバスローブを羽織りシャワールームからでることにした。


落ち着きを取り戻したあたしは、先生が出してくれた紅茶を飲みながら
「先生、印ってなんですか? 
あたし菜々美さんに無印だっていわれたんですけど…」
あたしは全然関係のない雑談をはじめた。
「うん? ああ…。印っていうのは弟子の証みたいなもんだよ。
葵くんは、まだ弟子っていうよりお客さんだから無印っていうんだ。
まあ隠語だから、深く気にしないで」
「あたしは弟子になれますか? 先生」
「うーん。弟子になるためには、かなりの修行を覚悟しないといけないよ。
葵くん、ついてこれるかなあ」
「どうせエッチなこともあるんでしょ」
「少しはね…はははっはは」
あたしはだんだんと落ち着きがもどってくるのを感じた。


「葵くん…」
ティーカップをテーブルの上に置くと先生は急に大きな声であたしの名前を呼んだ。
「は、はい」
「よし、じゃあ聡君と上手くいくために、ここで最後の訓練をするよ。
大きく息を吸って吐いて、もう一回大きくすって、はい止めて。
意識は絶対にとばないように、正気を保って」
不意に声をかけられて、あたしは考える暇もなく先生の言葉のとおりに深呼吸をした。
だ…だめ…意識が飛びそう…。
あたしは意識が飛びそうになるのを押さえるかのように無理に大きめの目を見開いたり、
太ももを軽くつねったりして先生の次の言葉を待った。
「訓練に入る前に、聞いておくけど…。聡君は初めてなのかい」
「初めて?」
「うん、童貞かどうか」
「関係…。いえ、中二のクリスマスに一年上の先輩…それから数人以上は…って聞いています…。
あたしが知ってるだけで3人…
…たぶん本人は両手で足らないといってたからそのくらいかと…」
先生に隠し事をしても仕方がない…あたしはわかる範囲で全て答えた…。
「ふーん。凄くもててたんだ…。大学に入ってからは」
「ずっとあたしだけを見てたから…なかったって聞いています。たぶん、それも本当」
「やっぱり…」
先生は予想通りって反応をした。
「3人の中には、葵くんの友達もいたんだろ」
「はい…。ブラバンの一年上の先輩が…」


「よし、じゃあ、もう一度深呼吸だ…。意識を飛ばないように注意して…。
吸って、吐いて…大きく吸って息を止めて…」
先生に言われたとおりにすると、あたしは頭の中が真っ白になった。
「葵くんは聡君に対して嫌悪感っていうか、
先輩に対しての罪悪感や潔癖性から来る生理的嫌悪を抱いているんだ。
今まで、僕も事情を知らずにやってきたから
…葵くん自身の常識コントロールに終始したが、
対聡君としての葵くんの常識をコントロールしていかないと、
聡君とは永遠に前に進めないんだ」
「永遠に…前に…進め…ない?」
「そう、だから僕が聡君の役や…聡君を想定した恋人役でシミュレーションしたときには、
体は正常に反応するのに…いざ聡君本人になると嫌悪感が前面に出てしまう」
「前面に…」
「だから、今回はいったん聡君のことは忘れて…」
「忘れて…」
「葵くんの生理的…」
「あたしの生理的…」
「嫌悪感を取り除く」
「嫌悪感を取り除く…」
あたしは、なにも考えられなくなった中で必死に先生の言葉を復唱し続けた。


「じゃあ、最後にもう一度深呼吸だ…。吸って…吐いて…大きく吸って…止める。
さあ、頭の中が真っ白になっただろう。
そこに白いキャンパスをイメージしてごらん…」
「白い…キャンパス…」
あたしは、頭の中に白いキャンパスをイメージした。
「いつもだったら…そこに病院のロールプレイなら医者を学校なら先生を…
最愛の人をイメージするときなら聡君を描くのだろうけど
今日は白いままイメージを作らずにロールプレイするんだ」
「じゃあ、いくよ…」
「は…い…」
「例えばボクが…」
「例えば先生が…」
「葵くんの一番好きな人で…」
「あたしの一番好きな人で…」
「今日、お互いに初めてだとするよ…」
「今日…ア…アン…」
そこまでいうと先生はあたしのバスローブの上をはぎいきなりキスをしてきた。
あたしは頭が混乱しながらも先生の唇を受けると、自分の方からも積極的に返した。
さらに先生は左手でブラを上にあげ優しくあたしの胸を揉むと、
口の中に舌を入れてきた。
おいしい…唾液なんて生理的に気持ち悪いとしか思わないはずなのに…
あたしは素直においしいと感じた。
「アン、アン、イヤン…」
ホテルということもあり、あたしは気にせず声を上げてしまっていた。
「…えっ…ええっ…せ…先生…イヤーン」
先生はあたしの胸にキスをすると…優しく乳首を吸い出した。
……もうなにも考えられなくなっている自分がいた。


先生は胸にキスをしたまま、
バスローブの帯を外すとそっとあたしを抱えるように脱がしてくれた。
「……へ…へんた…い…やめて…先生…おねがい…」
先生はあたしを下着姿にするとそっと頭をあたしの股の間に沈めてきた。
「下着が汚れると明日帰るの大変だなあ」
それだけいって、先生はあたしの下着をするりと体からはぎ取った。
「ハア、ハア、ハア…。先生…あ…あたし…変な…感じ…」
それだけいってあたしは先生の頭を両手で抱えて股間から離し、
「チュッ…クッ…」
そのまま自分の方から積極的に口づけを求めていった…。
あたしは先生のズボンのベルトに手をかけズボンと下着を一気に脱がすと…
「先生…今度は…あたしが…してあげる」
先生は黙って…服を脱ぎ裸になると…ベッドに寝転がり、
あたしを軽くまわして上に持っていき、あたしの頭を抱えてキスしてきた。
「も…もう…。先生…今度は…あたしって…」
すねたようにそういって先生の手を離すと、先生の両手をあたしの両手で握りしめたまま、
あたしは頭を先生の股間の方にもっていった…。
「クン…クン…クム…クム…。男の人ってこういうの嫌いじゃないですよね。
あたしも、喜んでくれる先生を見るのは嫌いじゃないです…」
あたしがそういいながら、舌で先生のものを刺激すると先生のものはだんだん堅く大きくなっていった。
しばらく咥えたりしていると、
急に先生は握った両手を体の上の方に引き上げて、あたしの顔を自分の顔の前にもっていき
「葵…いくよ…」
それだけいった。
「うん…」
あたしは先生の一言で全てを理解し、真っ白な頭の中でただうなずいた。
先生があたしをベッド上にねかして、あたしの股の間に入っきた。


いよいよだ…一番好きな人と…一番最初をするんだ…。
あたしは期待と恐怖と嬉しさが、混じり合ったような感覚にとらわれた。
「痛っ…クッ…痛い…ぎゃっ…」
先生のものがあたしの中に入ってきたとき、
あたしはあまりの痛さに悲鳴を上げそうになった。
しかし先生がキスをしてくれると、
あたしはなんだか苦痛が和らいだような気がした。
先生がそっと腰を動かすと、あたしはあまりの痛さに涙が出てきた。
しかし、心の中のあたしはこの世の中には嬉しい苦痛ってのもあるんだ…
と素直に感動していた。
どれくらいたっただろうか…あたしは苦痛も和らいできたので
開いていた足を先生の体に絡め、先生の唇と舌の感触を楽しんだりして
先生の腰の動きに為されるがままになっていた。
「痛っ…」
急に先生の動きが速くなったので、あたしはびっくりして声を上げてしまった。
「葵…イクよ…」
先生はそれだけいうとさらに動きを速くしてきたので、
あたしは両手でぎゅっと先生を抱きしめ…絡めた足の力もさらにいれた。
「ウッ…」
先生がイッタのが、あたしにもわかった。
あたしは倒れてくる先生を抱きしめると、
なんだか離れるのがもったいない気がして、そのまま絡み合うようにしていた。


「シャワーでも浴びようか、葵…くん」
しばらくして先生はあたしを抱くように起こしながらそういった。
「は…い…。先生…」
あたしは気恥ずかしさをごまかすかのように、生真面目なふうに返事をした。
血…ってでないもんなんだ…。
汚れていないシーツを見てそう思ったが、
シャワーを浴びている途中内ももに熱い液体が流れてくるのを感じ、
床を見るとシャワーの水に混じった赤ものが確認できた。
あたしは女の子から女になった自分を理解した。
バスルームから出ると
「今日は遅いし、明日の朝帰るといい、とりあえず寝よう」
先生はそういって浴衣を着てベッドに寝転がった。
「はーい」
あたしはちょっとふざけた感じで返事をして、
備え付けの浴衣を着ると先生の横の寝転がり胸に寄り添うような体勢になった。
「おやすみなさい…先生」
「ああ…おやすみ」
疲れからか、あたしはすぐに寝入ってしまった。


「葵くん…葵くん。もうすぐ10時だよ。起きないと」
「あ、先生…おはようございます」
「ルームサービス頼んでおいたから。食べたら帰ろう」
「あ、ありがとうございます」
あえてお互い昨日の夜のことにはふれずに、朝食を食べ終わると
「僕は少し用事があるから、先に帰りなさい。タクシーを呼んで…」
「あ、いいです。いいです。電車で…あたしの方が相談者…」
「もう呼んだから、それに乗ってお帰り」
「す、すみません」
あたしは恐縮しながらも先生にお礼とさよならをいって部屋を出ると、
玄関に待たせてあるタクシーに乗って家まで帰った。
「本当に痛いんだ…」
あたしは昔友達に聞いた股ずれと同じ感覚で、
一日ぐらいは結構痛いってを思い出しながらハイツの階段を上っていた。
でも、あたしの心にはなぜだか爽やかな風が吹いていた。


「昨日はどうしていたんだよ。
一晩中駅と家の間を往復し続けて探してたのに…。
いや、それよりも昨日は本当にごめん。でも心配してたんだ」
階段を上り終わると、家の前から泣きそうな顔で聡があたしに向かって走ってきた。
「……。ずっと漫画喫茶の個室を借りてマンガ読んでた…」
あたしは心臓が止まりそうなぐらい動揺しているのを、聡に悟られぬようそういった。
「もう、駅と家の間一晩中何回往復したかわかんないよう。
でも無事でよかった…本当に無事で…」
聡は眠そうな赤い目をこすりながらあたしにそういってきた。
「あたし…昨日のことゆるしたわけじゃない」
あたしは狂ってしまいそうな衝動を隠すかのようにそういうと、
聡を無視して部屋の中に入り鍵をかけた。
「おーい。葵。ゆるしてもらえるとは思わないけど、
ゆるしてもらえるまで何日でも通うからな。
でも、お前も占い師の所、もう行くなよ。
また夕方来るから、それまでよく考えてくれ、昨日はごめん、
足も棒になりそうだからいったん帰る。おやすみ」


聡の足音を聞きながら、
「あたしは昨日なんのために先生に会いに行って、何をしたんだろう。
なんであんなことになちゃったんだ。
嫌じゃなかったけど…嬉しかったけど…どうして?」
そんなことを頭で繰り返していた。
いや、先生のやることに間違いはないはずだ。
これは、あたしとさと……あたし自身が上手くいくために必要なことなんだ。
そうだ…昨日のロールプレイの指導を受けなくては…。
そんなふうに考えたあたしは
「先生、今晩も相談お願いします。昨日…の…ホテルで…夜の10時…」
すぐに携帯で予約の電話を入れはじめた。

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